フィリピンの驚きの卵事情とは?珍味「バロット」や人気の卵料理もご紹介!

フィリピン、卵、ネイティブキャンプ、オンライン英会話

日本人にとって、毎日の食事に欠かせない「卵」

世界的に見ても日本人の鶏卵消費量は多く、2023年には1人あたりの消費量が世界で4位の結果でした。

日本ではおなじみの卵ですが、フィリピンでは、まったく異なる卵の楽しみ方やユニークな食文化があることをご存じでしょうか?

この記事では、フィリピンの卵事情独特の珍味「バロット」、さらにフィリピンで人気の卵料理について詳しく解説します。

フィリピンで卵を楽しみたい方やフィリピンの食文化に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

参考:「たまご白書 2024」を公表 2017年から続く、卵に関する意識やトレンドの分析調査|キューピー 企業サイト

日本と異なるフィリピンの卵事情

フィリピンの卵事情は、日本と大きく異なる点が2つあります。

  • 生では食べられない

  • 黄身の色が日本の卵より薄い

それぞれの項目について、詳しく解説します。

生では食べられない

フィリピンでは、卵を生で食べることは基本的に避けるべきです。

日本の卵は、徹底した消毒・殺菌処理がされているため、生でも安全に食べられますが、フィリピンでは、日本ほど衛生管理がされていない場合もあります。

衛生状態や保存方法が悪い卵を十分に加熱せずに食べると、サルモネラ菌による食中毒を起こすおそれがあり、危険です。

フィリピンで卵を食べる際は、必ず十分に加熱することを心がけましょう。

また、海外の多くの国では、生卵や半熟卵を食べる習慣がなく、しっかりと火を通して卵を食べることが一般的です。日本のように生卵や半熟卵を安全に食べられる国は、世界的にもめずらしいです。

黄身の色が日本の卵より薄い

フィリピンの卵は、日本の卵と比べて黄身の色が薄いことが特徴です。

卵の黄身の色は、鶏のエサに含まれる色素によって決まります。

日本では、赤みがかった濃い黄色の卵が好まれるため、マリーゴールドやパプリカなどの濃い色素を、鶏のエサに混ぜて与えている場合があります。

フィリピンでは、日本と違い、エサで黄身の色を調整することはありません。

ただし、黄身の色は、栄養価の高さとは無関係です。フィリピンの卵も、日本の卵と同様、良質なタンパク質をはじめとする豊富な栄養が含まれています。

黄身の色は、地域の食文化や好みによる見た目の違いであり、栄養成分に大きな違いはないので、安心して食べられます。

フィリピンで卵が買える場所

フィリピンでは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで卵の購入が可能です。

ただし、コンビニエンスストアでは、ゆで卵や塩漬け卵など、調理済みの卵が販売されている傾向があります。生卵を購入したい場合は、スーパーマーケットで購入するとよいでしょう。

フィリピンで最も安全な卵を探しているなら「みどりの高原たまご(midori)」がおすすめです。

フィリピンで買える通常の卵と「みどりの高原たまご」について、価格や品質、購入場所を以下の表にまとめました。

通常の卵

みどりの高原たまご(midori)

価格

約100ペソ(約260円)

約250ペソ(約660円)

品質

日本よりも劣る場合がある

日本と同品質

購入場所

現地スーパーマーケット

日系スーパーがメイン

予算や好み、滞在場所に応じて自身に合ったものを選んでみてください。

フィリピンの珍味バロットとは?

バロットとは、孵化直前のアヒルの卵を茹でた料理で、フィリピンでは屋台などで手軽に味わえます。

見た目が独特なため、食べるには少し勇気がいるかもしれませんが、東南アジアの多くの国々で親しまれている伝統的な料理です。

ここでは、以下の5つのポイントに分けて、バロットについて詳しくご紹介します。

  • バロットの概要

  • バロットが買える場所と価格

  • 他国でのバロットの呼び名

  • バロットの種類

  • それぞれの部分の味や食感

バロットの概要

バロットとは、孵化直前のアヒルの卵を茹でたフィリピンの伝統的なローカルフードです。街の屋台で手軽に購入でき、フィリピンの人々にとっては、ビールのおつまみとして親しまれています。

一般的なゆで卵よりも栄養価が高く、タンパク質やビタミン、鉄分などが豊富に含まれています。

そのため、滋養強壮や二日酔い防止の効果が期待できる食べ物としても人気です。

日本では味わえないめずらしい料理のため、フィリピンの食文化を体験したい方にとっては、特別な経験となるでしょう。

バロットが買える場所と価格

バロットは、夕方以降に開店する露店や自転車で移動販売をする人から購入できます。

日本の焼き芋屋のように「バルー!」と声を上げながら売り歩く姿が特徴的です。声をかけて注文すれば、その場でバロットが食べられます。

価格は、1個あたり20〜30ペソ(約53〜80円)で、非常にリーズナブルです。

他国でのバロットの呼び名

バロットは、フィリピンだけでなく、ベトナム、ラオス、カンボジアなどの東南アジア諸国でも親しまれている料理です。

各国での呼び名は、以下の表のとおりです。

国名

現地名

フィリピン

バロット

ベトナム

ホビロン

カンボジア

ポンティアコーン

ラオス

カイルーク

呼び方は国によって異なりますが、調理方法や食べ方には違いがありません。

バロットの種類

バロットは、孵化日数によって、殻をむいたあとの見た目が異なります。

アヒルの孵化日数はおよそ28日で、孵化日数が長くなるほど、ひなの形に近づきます。

バロットの中でも孵化9〜12日目のものや無精卵のものは「ペノイ」と呼ばれ、初心者におすすめです。見た目がゆで卵とほとんど変わらないため、抵抗感なく食べられるでしょう。

一般的には、目、羽、口ばし、柔らかい骨が形成され始めた孵化18日目のバロットが、最もおいしいとされています。

孵化日数ごとの呼び名や特徴は、以下のとおりです。

孵化日数

見た目

呼び名

特徴

9〜12日目

卵に近い形状

(無精卵の場合は、ゆで卵と同じ)

ペノイ (Penoy)

初心者向け

18日目

ひなの形が明確になる

バロット (Balut)

一般的に最も美味しいとされている

19日目以降

ひなの形がよりはっきりしている

バロット (Balut)

食感がしっかりしている

人によって好みが異なるため、現地の人々は、注文時に「〇日目のものをちょうだい」とリクエストします。

バロットに挑戦するときは、ぜひ自分の好みの日数を店員に伝えてみてください。

それぞれの部分の味や食感

バロットは、部分ごとで味や食感に特徴があり、とくに以下の2点がゆで卵と大きく異なります。

  • スープが入っている

  • 羽の部分がある

各部分の味わいや食感の違いをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

部分

味わい・食感

スープ

鶏ガラスープに似ている

塩気のきいた、濃厚なあじわい

白身

プルンとした弾力

固ゆで卵の白身部分によく似ている

黄身

ゆで卵の黄身部分に似ているが、ゆで卵よりもしっとりした食感

卵と鶏肉の中間のような風味があり、孵化日数が長いバロットでは、羽のパリパリとした食感も楽しめます。

フィリピンの珍味バロットの食べ方

バロットには、独自の食べ方があります。

食べ方を間違えると、スープがこぼれて楽しめなくなってしまうので、手順どおりに進めてバロットを余すことなく楽しみましょう。

①卵の尖った方を割って穴を開ける。

②中のスープをすすって飲む。

③殻をむいて中身を食べる。好みで塩やバルサミコ酢などの調味料を加えてもよい。

④食べ終えたら店員に手を差し出し、洗剤の混ざった水で洗ってもらう。

自転車の移動販売人から購入する場合は、食べ終わるまで店員がその場で待っていてくれますよ。

その他フィリピンで人気の卵料理

卵は、フィリピン人にとっても日々の料理に欠かせない食材です。

ここでは、数多くあるフィリピンの卵料理の中から、人気のある以下の3品をご紹介します。

  • トルタンタロン(Torta Talong)

  • クウェッ・クウェ(Kwek-Kwek)

  • シシグ(Sisig)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

トルタンタロン(Torta Talong)

トルタンタロンは、皮をむいて平たくつぶした焼きナスに卵液をつけて揚げ焼きにした、ナスのオムレツのような料理です。

家庭によっては、玉ねぎやひき肉を加えてボリュームのある一品に仕上げることもあります。

トルタンタロンは、フィリピンでは朝ごはんの定番料理として親しまれています。トマトケチャップやバナナが原材料の甘いバナナケチャップをかけて食べるのが一般的です。

クウェッ・クウェ(Kwek-Kwek)

クウェッ・クウェは、ウズラの卵をオレンジ色の衣で揚げたフライで、ストリートフードとして人気のある卵料理です。

屋台では、3〜4個を串に刺して売られていることが多く、揚げたてのクウェッ・クウェを楽しめます。

「マノンソース(Manong’s Sauce)」と呼ばれるディップソースをつけて食べるのが一般的です。醤油と酢をベースにしたソースなので、日本人の口にも合うと言われています。

シシグ(Sisig)

シシグは、細かく刻んだ豚肉や玉ねぎ、唐辛子などを炒め、その上に目玉焼きを乗せた鉄板料理です。しっかりとした味付けが特徴で、お酒にもよく合います。

シシグは、ルソン島にあるパンパンガ州が発祥で、300年以上の歴史を誇るフィリピンの定番料理です。

フィリピンのスーパーマーケットでは、さまざまなメーカーからシシグの缶詰が販売されています。缶詰のシシグを食べる際には、あたためた後に目玉焼きを追加すると、よりおいしく味わえますよ。

まとめ

この記事では、日本とは大きく異なるフィリピンの卵事情や卵料理についてご紹介しました。

フィリピンでは生卵を食べる文化がなく、日本ほど衛生管理が行き届いていないこともあるため、必ず加熱された卵を食べるようにしましょう。

また、バロットは、日本ではなかなか食べられないフィリピン特有の珍味です。挑戦するには少し勇気が必要かもしれませんが、旅行や留学の貴重な思い出として食べてみるのもおすすめです。

安全には十分配慮しながら、フィリピン特有の卵文化、卵料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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