イングランドとイギリスの違いとは?歴史や国旗、地理を徹底解説

イングランドとイギリス、ネイティブキャンプ、オンライン英会話

英語はイギリスの言語であって、アメリカ英語はアメリカンだ、なんて言うイギリス人がいます。

さて、多くの英語学習者にとってイギリスは憧れの国かもしれませんが、皆さんはイギリスとイングランドの違いはご存知ですか?

この記事では、いまさら聞けないイギリスのこと、イギリスとイングランドの違いから歴史や国旗のデザインまで幅広く紹介します。イギリスの文化やイギリス英語に興味のある皆さん、特にご参考にしてください。

イングランドとイギリスの違いとは?歴史的背景と基本情報

イギリスについての表現はいろいろあります。英国、UK、GB、イギリスにイングランド。これらの言葉の違いをしっかり説明できる人はどれほどいるでしょうか?

さっそく、イギリスとイングランドの違いや基本情報などをみていきます。

イギリスとイングランド、その違いは?

日本語にするとイギリス、イングランドという2つの表現がありますが、ここの違いは明確にしておくことが大切

です。

以下、イギリス、イングランドの正式な英語名称を紹介します。

イギリス=United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland

この表記を日本語にすると「グレートブリテン及び北アイルランド連合国」という長い名称になります。日本で使われるイギリスまたは英国という通称はこの連合国家(連合王国)を指しているのです。

UKという表現がありますが、United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandを略したものであり、英文や英会話では、必ずthe UKとtheをつけて使用しましょう。

さて、イギリスのことを話すときブリティッシュと言うことがあります。このブリティッシュとはBritishになりますが、Great Britain(グレートブリテン)のBritainの部分の単語から派生した表現です。British Englishならいわゆるイギリス英語BritishまたはBritish peopleであればイギリス人のことを言っています。

一方、イングランドですが、英語にするとEnglandです。ブリティッシュに対して、イングリッシュという言い方はイングランドのものやイングランド人を指します。イングランドはイギリスという連合国のなかの一つの国です。

実は、イギリスは4つの国から成る連合国家ですが、この件については次でさらに紹介します。イギリス=イングランドではなく、イギリスのなかにイングランドがある、という認識であることをしっかり押さえましょう。

イギリスの歴史的背景

ここで、イギリスの歴史や基本情報をお届けしましょう。

UK Parliament(英国議会)のホームページにあるAct of Union 1707(1707年連合法)によれば、1707年5月1日にグレートブリテンと呼ばれる統一王国が誕生しました。その後、英国議会はこの年の10月に初めて開催されました。

その後、スコットランドでは2013年に連合から独立するかどうかを決める住民投票が行なわれています。今後、どうなっていくか注目です。

引用:UK Parliament “Act of Union 1707”
https://www.parliament.uk/about/living-heritage/evolutionofparliament/legislativescrutiny/act-of-union-1707/#:~:text=The%20Acts%20of%20Union%2C%20passed,first%20time%20in%20October%201707.

イギリスの基本情報

イギリス留学や旅行などを考えている場合、現地の基本的な情報を事前に知ることが大切です。それぞれの英語表記と首都を紹介します。

イギリスを構成する4つの国

  1. イングランド(England)首都=ロンドン
  2. スコットランド(Scotland)首都=エディンバラ
  3. ウェールズ(Wales)首都=カーディフ
  4. 北アイルランド(Northern Ireland)首都=ベルファスト

皆さんもご存知のとおり、イギリスには王室がありそのメンバーはロイヤルファミリーと呼ばれています。立憲君主制のイギリス国家として政治や行政への役割は担っておらず、イギリスの看板として国民や国際関係との良好な関係を維持する公務に当たります。

それ以外の情報を以下、挙げてみましょう。

  • 人口 約68,300,000人(2023年)
  • 首都 ロンドン
  • 国歌 God Save the King
  • 通貨 ポンド(GBP)
  • 電圧 240V

日本との時差は-9時間 ※サマータイム中は-8時間
その他、イギリス有名人·食文化·教育·ボランティア事情などについては筆者のブログ「イギリス文化を知りたい!イギリス人の気質や文化など一気に紹介!」をぜひご参考にしてください。

https://nativecamp.net/blog/20191017_UK_culture

イギリスに存在する4つの国:なぜ1つではないのか?

統一王国としてのイギリスはイングランド·スコットランド·ウェールズ·北アイルランドの4つの国から構成されていることは上で述べました。

なぜ、一つの国ではなく連合国なのでしょうか?

4ネイションズ in the UK

イギリスを構成する4つのネイション(国家)には、それぞれに首都や国旗があり、政府も独自にあり法律も国ごとに制定されます。例えば、大学。2024年のイングランド内の大学の学費は年間9,250ポンド(高い!)が上限のところ、スコットランドでは上限1,820ポンドですが、自治政府が肩代わりしてくれるため無料で学べるという大きな違いがあります(出身によっては上限が異なります)。

それぞれ言語もオリジナルのものがありますし、文化も異なります。このことからも、一つの国になるのではなく、連合国として存在しています。

Commonwealth of Nations

実は、イギリスには帝国を構成していた独立諸国が加盟している連合体という顔もあります。それがコモンウェルスです。

イギリス連邦(ブリティッシュ·コモンウェルス)はアフリカやアジア諸国が加盟し、現在56ケ国にもなっています。これらの国が一堂に会し、コモンウェルスゲームズという総合競技大会を4年ごとに開催することもあります。

アイルランドとイギリスの関係は?

北アイルランドはイギリスに含まれます。ところが、アイルランドのほうはイギリスの一部ではありません。これは、イギリスによるアイルランドの植民地支配やアイルランドの独立運動などの歴史上の関係が理由です。

イングランドの首都ロンドンとその位置を地図で確認

イギリスと言えばロンドン、というほど外国人にとって魅力の都市がロンドンです。ここではイングランドの首都ロンドンについて紹介をしましょう。

ロンドンの位置

イングランドはイギリス国土の約3分の2を持ち、全人口の80%が住んでいる地域です。ロンドンはイングランドのど真ん中にあるわけではなく、南東部に位置します。地図を見ればかなり下に位置していることが分かります。そして、ロンドンにはご存知テムズ川が東西に走っています。

ロンドンのすごいところはほぼ2,000年に渡って、主要な居住地であり続けている点です。ロンドン市内には、ローマンウォールという防御壁が何ヶ所か残っています。

ロンドンでもエリアによって雰囲気がまったく違うところが面白いのですが、特にウエストエンドとイーストエンドは対照的です。

イングランドとイギリスの国旗の違いを解説

フットボールのワールドカップや欧州選手権になると、多くの家々が国旗を窓にディスプレイしている光景を見かけます。次に、イングランドとイギリスの国旗の違いをみていきましょう。

イングランドとイギリスの国旗

イングランドの国旗は白地に赤の十字🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿というシンプルなデザインです。一方、イギリス国旗ユニオンジャックと呼ばれ、これは連合王国を構成する王国の守護聖人の十字架を組み合わせ、1人の君主の統治下にあることを示しています。

イングランドは聖ジョージの白地に赤、スコットランドは聖アンドリュースの青地に白、そしてアイルランドは聖パトリックの白地に赤のX十字です。

ちなみに、ウェールズはイングランドに服従していたという理由からイギリス国旗に含まれず、赤いドラゴンの描かれた独自の国旗を持っています。
ちなみに、オーストラリアの国旗にはイギリス連邦の一員を示すユニオンジャックが描かれています。

GBフラッグ

オリンピックのような国際大会では、イギリスの国旗GB(Great Britain)が使用されます。Team GBと言い、イギリスを代表する選手たちが選ばれます。オリンピック競技ではありませんが、剣道でもGB playersたちが世界大会、ヨーロッパ選手権に出場します。

イングランドの英語の特徴と他国との違い

イギリスに留学したいと考える人は、イギリス英語や文化に魅力を感じているでしょう。しかし、国内にもいくつもの異なる発音や表現が存在します。

イングランド英語の特徴

イングランドの英語を初めて聞く日本人は、アメリカ英語となんて違うんだろうと感じるはずです。筆者もその1人、2003年のワールドカップでディビット·ベッカムの英語を聞いたときは、巻き舌とは違うカチカチした英語にインパクトを受けました。彼の英語はロンドンの下町で使われる庶民の英語コックニーです。

イングランドの英語といっても地域的に差があるということが前提ですが、例えばスコットランドの英語スコティッシュでは北アメリカの英語に似ていたり、Tを発音しないやり方だったりします。もちろん、ウエールズや北アイルランドにもそれぞれ特徴があります。これは文化の違い、また、それぞれの国が公的に認められた言語(ゲール語など)があることからも想像ができることです。

もっと詳細なイギリス訛りを知りたい、という人にはこれも筆者のブログ「イギリス英語の訛りは?渡航前に知りたい10のアクセントを紹介」をおすすめします。

https://nativecamp.net/blog/20240518-British_English

イギリスの呼び方は日本だけ特別?その理由を解説

ところで、日本政府などが正式にイギリスと言うときには英国が使われることが多くなります。日本人はなぜ英国のことをイギリスと呼ぶのでしょう?これは日本の歴史を遡ることで分かります。

イギリスはオランダ語だった?

日本は江戸時代に鎖国が完成しました。外国との通交を絶ったわけですが、オランダとは取引を続けました。そして、オランダ語Engelschがエゲレスと読まれ、それがイギリスになったと言われています。また、同様にポルトガル語Inglezのイングレスもイギリスと言われるようになったという説があります。

まとめ

在英もうすぐ20年の筆者がお届けしましたがいかがでしたか?混同されがちなイギリスとイングランド、本記事によってはっきりとしました。

いずれにしても、イギリスまたはイングランドに行く場合や話すときには、イギリスであればUKと言う、イングランドであればEnglandとし、間違わないようにしていくことが大切です。もちろん、スコットランド·ウェールズ·北アイルランドも魅力的な国です。英語でのコミュニケーションは、これらの違いに驚いたり、それについて現地の人と話したり、貴重な時間になることは間違いありません。

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