
英語を習い始めたばかりの初心者でも、アメリカ人の話す英語とイギリス人の話す英語では、聞いた感じでなんとなく違うのが分かります。アメリカ英語とイギリス英語は、同じ言語でありながら発音、アクセント、スペル、単語の選び方などにおいて、いくつかの明確な違いがあるのです。
たとえば、同じ単語でも発音やアクセントの位置が違ったり、アメリカとイギリスでは意味が違ったり、スペルが違ったりなど、さまざまな違いが見受けられます。
アメリカ英語とイギリス英語の違いを知ることは英語の上達に役立つのはもちろん、アメリカ人とイギリス人の文化や考えを理解するためにも役に立ちます。
アメリカ人やイギリス人と接する時に、英語の違いで戸惑わないためにも、地域による英語の違いを理解しましょう。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い
- 発音の違い:母音編
- 発音の違い:アクセント編
- アメリカ英語とイギリス英語の発音の学習方法
- スペリングの違い
- 使われる単語の違い
- 文法の違い
- アメリカ英語とイギリス英語が違う歴史的背景
- まとめ
アメリカ英語とイギリス英語の違い
アメリカ英語とイギリス英語には、同じ言語でありながら顕著な違いがいくつかあります。
「アメリカに留学していたのにイギリスへ旅行に行ったら、英語が聞き取りにくかった」
「イギリス英語を中心に大学で学んだから、アメリカ映画の英語に違和感がある」
など、アメリカ英語とイギリス英語の違いに戸惑ってしまったり、自分の英語力に自信を失ったりする方も少なくありません。
アメリカ英語とイギリス英語の違いは、主に発音の違い、スペリングの違い、使われる単語の違いの3つに分けられます。ここからは、アメリカ英語とイギリス英語の違いを、カテゴリー別に詳しく説明していきます。
発音の違い:母音編
アメリカ英語とイギリス英語の発音には、母音の発音、長さ、子音の発音、アクセントとイントネーションなど、いくつかの違いがあります。ここでは、代表的なものを紹介します。
「a」の発音
アメリカ英語:「hat」(帽子)や「cat」(猫)の「a」は短く、目立たず発音されます。
イギリス英語:「a」の音はやや広がった音に感じられ、よりはっきり発音します。
「e」の発音
アメリカ英語:「bed」(ベッド)の「e」は比較的短く、はっきりしています。
イギリス英語:「e」の音を若干長めに伸ばして発音します。
「o」の発音
アメリカ英語:「hot」(熱い・厚い)や「lot」(たくさん)の「o」は、やや開いた音で「a」に近い音になります。
イギリス英語: 口を丸くして発音し、丸みを帯びた音になります。
「u」の発音
アメリカ英語:「cup」(カップ)の「u」は、短くて明確な音です。
イギリス英語: 少し広がった音に感じられ、やや長めに発音されます。
発音の違い:アクセント編
アメリカ英語とイギリス英語では、同じ単語でもアクセントのつく位置が異なることがあります。一般的にアメリカ英語は比較的くせのない滑らかなアクセントであるのに対し、イギリス英語はしっかりアクセントを付け、アップダウンのイントネーションをはっきりさせます。
英語のアクセント記号に注目
英単語のどの音節を強く発音するかは、「アクセント(ストレス)」として発音記号で示されます。国際音声記号(IPA)では、「ˈ」(プライマリーストレス) と「ˌ」(セカンダリーストレス)が用いられ、発音記号の直前に付けて、どの音節を強く発音するかを表します。
「ˈ」は単語の中で最も強く発音される位置を示し、「ˌ」はそれに次いで弱く強調される音節を示します。
たとえば、「laboratory」という単語は、アメリカ英語とイギリス英語でアクセントの位置が異なります。
イギリス英語の発音記号 /ləˈbɒr.ə.tər.i/
発音記号を見ると、アメリカ英語ではラボラトリーの最初の「ラ」を強く発音するのに対し、イギリス英語では「ボ」が強調されることが分かります。
このように、同じ単語であっても地域によってアクセントの位置が異なる点が、アメリカ英語とイギリス英語の大きな特徴の一つです。
英語のアクセントを確認できるサイト
イギリス英語とアメリカ英語のアクセントの位置の違いは、オンライン辞書でチェックするのがおすすめです。
アメリカ英語とイギリス英語の発音の学習方法
英語のアクセントや発音を学ぶのに役立つ、おすすめのWebサイトやアプリを紹介します。Webサイトやアプリによって、アメリカ英語とイギリス英語のどちらの学習に向いているのかが変わるので、どちらを学びたいのかに合わせて選んでください。
BBC Learning English
BBCのウェブサイトやアプリは、イギリス英語に特化した無料の学習リソースを提供しています。特に、リスニングと発音の練習に効果的で、日常会話のみならずビジネス英語、ニュース英語など、幅広いトピックを学ぶことができます。
BBC 6 Minute English
BBC 6 Minute English、BBCが提供している6分間の英会話レッスンです。毎回異なるトピックを取り上げ、リスニングスキルや語彙を増やすのにおすすめです。イギリス英語のネイティブスピーカーの会話に触れることができます。
CNN10
CNN10は、時事問題や世界的な問題について10分以内で知りたい視聴者のための日刊ニュース番組です。CNNはアメリカのアトランタに本社があるため、アメリカ英語が中心です。
English with Lucy
English with Lucyは、イギリス英語話者LucyのYouTubeチャンネルです。イギリス人特有のアクセントや発音、クセが全て盛り込まれているため、イギリス英語を学びたい方におすすめです。
スペリングの違い
アメリカ英語とイギリス英語では、同じ単語でもスペルが違うことが少なくありません。例えば、アメリカ英語の「favor」は、イギリス英語では「favour」となり、「u」が加わります。アメリカ英語の「meter」は、イギリス英語では「metre」となり、「e」と「r」が逆転します。
アメリカ英語とイギリス英語のスペリングの違いには共通のパターンがあるため、パターンごとにまとめて覚えるのがおすすめです。
-or / -our
color(アメリカ英語)/ colour(イギリス英語)
favor(アメリカ英語)/ favour(イギリス英語)
honor(アメリカ英語)/ honour(イギリス英語)
labor(アメリカ英語)/ labour(イギリス英語)
rumor(アメリカ英語)/ rumour(イギリス英語)
-er / -re
center(アメリカ英語)/ centre(イギリス英語)
meter(アメリカ英語)/ metre(イギリス英語)
theater(アメリカ英語)/ theatre(イギリス英語)
liter(アメリカ英語)/ litre(イギリス英語)
-ize / -ise
realize(アメリカ英語)/ realise(イギリス英語)
organize(アメリカ英語)/ organise(イギリス英語)
recognize(アメリカ英語)/ recognise(イギリス英語)
analyze(アメリカ英語)/ analyse(イギリス英語)
※イギリス英語では -ise が多く使われますが、-ize も誤りではなく、特に学術的な文脈では -ize が用いられる場合もあります
-ll / -l
traveled(アメリカ英語)/ travelled(イギリス英語)
canceled(アメリカ英語)/ cancelled(イギリス英語)
modeled(アメリカ英語)/ modelled(イギリス英語)
fueled(アメリカ英語)/ fuelled(イギリス英語)
-e / -ae
fetus(アメリカ英語)/ foetus(イギリス英語)
anemia(アメリカ英語)/anaemia(イギリス英語)
pediatric(アメリカ英語)/ paediatric(イギリス英語)
medieval(アメリカ英語)/ mediaeval(イギリス英語)
使われる単語の違い
アメリカ英語とイギリス英語は同じ言語でありながら、使用される単語や表現に多くの違いがあります。ここでは、具体的な単語や表現の違いについて見ていきましょう。
アメリカ英語とイギリス英語で単語が違う例
以下では、アメリカ英語とイギリス英語で選択される単語が違う代表的な例をご紹介します。
| アメリカ | イギリス | |
| 秋 | fall | autumn |
| ガソリン | gas | petrol |
| トラック | truck | lorry |
| 荷物 | baggage | luggage |
| 列 | line | queue |
| 片道 | one-way trip | single |
| 地下鉄 | subway | underground |
| クッキー | cookie | biscuit |
| 庭 | yard | garden |
| セロテープ | scotch tape | sellotape |
| 消しゴム | eraser | rubber |
| エレベーター | elevator | lift |
| 休日 | vacation | holiday |
| ゴミ箱 | garbage | rubbish |
| 歩道 | sidewalk | pavement |
etc…
同じ単語が違う意味で使われる例
アメリカ英語とイギリス英語は、同じ言葉なのに全く違う意味を持つ場合があります。例えば、「pants」はアメリカではズボンのことですが、イギリスでは下着を表します。
また、建物やホテルの階数の表現では、アメリカ英語とイギリス英語では「ground floor」の捉え方が異なります。
アメリカでは「ground floor」は「first floor」と同義語で、その上の階は日本と同様「second floor」となります。
イギリスでは「ground floor」の上が「first floor」、その上が「second floor」となります。
イギリス(日本の階数):Ground Floor (1階) → First Floor (2階) → Second Floor (3階) ...
アメリカ英語とイギリス英語の違いを知らないと、会話の中で違和感を感じたり誤解が生じたりすることがあります。全ての例を一度に覚えるのは難しいですが、アメリカ英語とイギリス英語では「表現や単語の選び方が違うことがある」と知っておくことが大切です。
文法の違い
アメリカ英語とイギリス英語では文法が異なる場合もあります。どのような文法の違いがあるのか、代表的な例をご紹介します。
過去を表現するとき
アメリカ英語では、過去形を使うことが一般的ですが、イギリス英語では現在完了形を使うことが多いです。
例えば、「家に今ちょうどついた」と表現したいとき、アメリカ英語では「I just got home」という過去形を使います。これは、単に家に着いたという事実を伝えています。
一方イギリス英語では「I have just got home」と現在完了形を使うことが多いです。「今この瞬間に家に着いた」ということを、より強調したニュアンスになります。
全く同じ出来事を説明する場合でも時制が異なるので、慣れていないと違和感を感じます。
単数にするか複数にするかの違い
イギリス英語では、集団名詞(例:team, government)が単数扱いされることが多く、「team」という単数形の単語を複数扱いにして「The team are winning」とすることがあります。一方、アメリカ英語では常に単数扱いされ、「The team is winning」となります。
日本人にとっては単語を単数扱いをするか複数扱いをするかは迷うことの多いポイントですが、アメリカ英語とイギリス英語ではこの点も違うことを知っておきましょう。
使用する前置詞の違い
一部の前置詞の使い方に違いがあります。例えば、イギリス英語では「at the weekend」と言いますが、アメリカ英語では「on the weekend」となります。
「have got」と「have」の使い方
「have got」は主にイギリス英語で使われることが多く、アメリカ英語では「have」を使うことが多いです。
イギリス人はライティングの中では「have」も使いますが、会話の中では「have got」をとてもよく使う傾向にあります。日本語の「話し言葉」と「書き言葉」の違いと同じで、「have got」の方がややカジュアルな印象です。イギリスでも、ビジネス上で商談や会議をする場面や、式典などのフォーマルな場面ではあまり使われない表現です。
会話の中での「have got」の使用例は以下の通りです。
彼らは、大きなアパートを持っている。
彼女は、素敵な車を持っている。
彼女は友達があまりいない。
私は金髪だ。
アメリカ英語とイギリス英語が違う歴史的背景
アメリカ人とイギリス人の英語の違いは歴史的な背景や地域的な影響によるもので、言語の多様性を反映しています。
もともと英語はイギリスで発生した言語で、17世紀にイギリスから渡った移民によって建国されたアメリカでは、ネイティブアメリカン、フランス語、スペイン語など、さまざまな言語の影響を受けながら独自に発展していきました。
19世紀のはじめに、アメリカでは言語を簡略化し、アメリカならではの独自のアイデンティティを確立しようとする動きがありました。この流れの中で、ノア・ウェブスターが史上初の本格的米語辞書『アメリカ語辞典』という新しい辞書を編さんしました。この辞書の誕生によって、現在のアメリカ英語が確立されたと言われています。
まとめ
英語教育の中で、イギリス英語とアメリカ英語の違いを学ぶことは、英語力を向上させるためにとても効果的です。特にビジネスシーンで使う英語では、国や文化に応じた単語選びや発音が重要となります。
ネイティブキャンプにはさまざまな国のネイティブスピーカーが在籍しており、イギリス英語とアメリカ英語のどちらも学習することができます。他にもカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランドなど、英語を母国語とする国は多く、世界で話されている生きた英語に触れるチャンスがあります。
これから英語を学ぼうという方は、英語の多様性も意識しながら発音や表現の違いも学び、必要に応じて上手に使い分けられるだけの語学力を身に付けてください。
◇留学経験
・イギリス ロンドン
・カナダ トロント
これまで、イギリス・ロンドンのWimbledon School of Englishとカナダ・トロントのiLSC Language Schoolで、文法やアカデミックライティング、国際的な社会問題、ジャーナリズムなどのコースを選択し、2年間にわたり徹底的に学びました。
これらの学びを通じて英語のスキルを高めるとともに、国際的な視野を広げる貴重な機会を得ることができました。特に、アカデミックライティングのコースでは、論理的な構成や明確な主張の展開、信頼できる証拠を基にした議論の方法を学び、映画をテーマに議論するコースでは、さまざまな文化的背景を持つクラスメイトたちと積極的に意見を交わしながら、異なる視点から物事を考える力を養いました。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容(仕事、留学、旅行など)
これまでに滞在した国や島:イギリス、ドイツ、スペイン、オーストリア、スイス、フランス、イタリア、インドネシア、バリ、タイ、ランカウイ、プーケット、ハワイ、グアム、サイパン、アメリカ、オーストラリア、カナダ、パンコールラウ、香港、マレーシア、シンガポール、メキシコなどです。
◇自己紹介
これまでいろんな国を旅して来て、たくさんの人々と知り合い数多くの得難い思い出があります。世界各地に友人ができ、やはり共通の言語は英語なので、今では日常的に英語を使っています。また、イギリスやカナダに滞在し、家を借りたり銀行口座を開設したり、現地の学校の申し込みをしたりした経験から、正確な英語を使う必要性を感じました。
英語のスキルでは、リスニングが得意です。また、COLLOCATIONと呼ばれる、英語の言葉が何とペアになっているかに関しての専門的なコースを取ったこともあり、皆様に少しでも有益な情報をお届けしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
◇留学への思い
これまでの留学経験を通じて、さまざまな国の人々と出会い、共通の言語として英語が必要不可欠であることを実感しました。現在では日常的に英語を使い、世界中の友人とコミュニケーションを取っています。
異なる母国語を持つ人々と円滑に意思疎通を図るためには、英語は欠かせないツールです。英語は単なる言語にとどまらず、異文化への理解や国際的な問題に対する深い洞察を得るための重要な鍵であることを強く感じています。
留学では、学業以外の思い出も、留学生活をさらに思い出深いものにしてくれました。ロンドンでは、クラスメイトとフランスやイタリアを訪れ欧州の文化を体験したり、週末にロンドンの地下鉄「チューブ」に乗りピカデリーでミュージカルを楽しんだりと、充実した時間を過ごしました。
トロントでは、ワールドカップ期間中にキャンパスのロビーに設置された大きなテレビの前で、世界中の学生たちと共に相手や自分の国の試合を応援し、にぎやかなひとときを楽しみました。
これからも、みなさんに有益な情報をお届けできるようつとめていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
◇経歴
東京出身。アメリカの大学を卒業後に現地企業にて12年勤務。子育てを機に退職し、現在はフリーライターをしています。
◇英語に関する資格
英検準1級
TOEIC875点
◇留学経験
アメリカ高校交換留学、アメリカの4年制大学卒
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容
アメリカに住んで20数年!アメリカ以外にもカナダ、イタリア、フランス、スペイン、モロッコ、メキシコなど旅行経験あり。
◇自己紹介
高校での交換留学を機に、アメリカの大学へ進学、そのままアメリカで就職し、いつの間にかアメリカ在住20数年。趣味はガーデニングと美術館巡り。