アメリカ英語とイギリス英語には、単語やスペル、発音においていくつかの明確な違いがあります。たとえば、アメリカ人が「color」と書くのに対して、イギリス人は「colour」と表記します。
このような違いを知ることは、英語学習をするうえでとても大切です。またアメリカ人とイギリス人の文化や会話を理解するためにも、これらを知っているととても役に立ちます。英語が持つ多様性を楽しみながら学んでいきたいですね。
アメリカ英語とイギリス英語の違い
アメリカ英語とイギリス英語には、同じ英語といえどいくつかの顕著な違いがあり、しばしば英語学習者を混乱させることがあります。
まず、最も大きな違いは発音です。他には、使用する単語が異なります。
例えばアメリカでは地下鉄を「subway」と呼びますが、イギリスでは「underground」と呼びます。またスペルの違いもあり、アメリカ英語の「analyze」は、イギリス英語では「analyse」と表記します。
発音においても、母音の長さや「r」の発音などに違いが見られます。さらに文法や表現の使い方にも微妙な違いがあります。ひとつずつ違いを説明していきます。
発音の違い
アメリカ英語とイギリス英語の発音には、母音の発音、長さ、子音の発音、アクセントとイントネーションなど、いくつかの違いがあります。ここでは、代表的なものについて紹介します。
アメリカ英語 イギリス英語 発音|母音
「a」の発音:
アメリカ英語: 「hat」(帽子)や「cat」(猫)の「a」は短く、目立たず発音されます。
イギリス英語: 同じ単語の「a」は、やや広がった音に感じられ、よりはっきり発音します。
「e」の発音:
アメリカ英語: 「bed」(ベッド)の「e」は比較的短く、はっきりしています。
イギリス英語: 同じ単語では「e」の音が少し異なり、より長い感じです。
「o」の発音:
アメリカ英語: 「hot」(あつい)や「lot」(たくさん)の「o」は、やや開いた音で「a」に近い音になります。
イギリス英語: 同じ単語では「o」は、もっと丸みを帯びた音になります。
「u」の発音:
アメリカ英語: 「cup」(カップ)の「u」は、短くて明確な音です。
イギリス英語: 同じ単語の「u」は、少し広がった音に感じられ、やや長めに発音されます。
アメリカ英語 イギリス英語 アクセント|違い
アメリカ英語は比較的くせのない滑らかなアクセントであるのに対し、イギリス英語はアップダウンのイントネーションがはっきりしています。
イギリス英語とアメリカ英語の音、アクセントや形の違いは、オンライン辞書でチェックするのがおすすめです。文法も学習できます。
https://dictionary.cambridge.org/ja/
https://www.ldoceonline.com/jp/
アメリカ英語 イギリス英語 アクセント|学習
ここでは、アメリカとイギリスのアクセントや発音など、音を学ぶために最適なおすすめのwebサイトやアプリを紹介します。
BC Learning English
https://www.bbc.co.uk/learningenglish/
BBCのウェブサイトやアプリは、イギリス英語に特化した無料の学習リソースを提供しています。特に、リスニングと発音の練習に効果的で、日常会話のみならずビジネス英語、ニュース英語など、幅広いトピックを学ぶことができます。
BC 6 Minute English
https://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/features/6-minute-english
BBCが提供している6分間の英会話レッスンです。毎回異なるトピックを取り上げ、リスニングスキルや語彙を増やすのにおすすめです。イギリス英語のネイティブスピーカーの会話に触れることができます。
CNN10
CNN 10は、時事問題や世界的な問題について10分以内で知りたい視聴者のための日刊ニュース番組です。アメリカ英語です。
English with Lucy
https://www.youtube.com/c/EnglishwithLucy
イギリス英語話者LucyのYoutubeチャンネルです。彼女のスピーキングには、イギリス人特有のアクセントや発音、クセが全て盛り込まれていて、これを聞いていただくとイギリス英語が明確にイメージできると思います。イギリスではこのようなイギリス英語の方が本当に多くて、アメリカ英語との違いを痛感します。留学される方は留学先に合わせて学習することをおすすめします。
スペリングの違い
イギリス英語とアメリカ英語にはいくつものスペルの違いがあります。例えば、イギリス英語では「favour」と書くところを、アメリカ英語では「favor」と書きます。また、イギリス英語版では「jewellery」ですが、アメリカ英語では「jewelry」となり、「l」の数が異なります。さらに、イギリス英語では「metre」と言うのに対し、アメリカ英語では「meter」です。
アメリカ英語 イギリス英語 違い|例
-or / -our
color (アメリカ英語) / colour (イギリス英語)
honor (アメリカ英語) / honour (イギリス英語)
labor (アメリカ英語) / labour (イギリス英語)
rumor (アメリカ英語) / rumour (イギリス英語)
-er / -re
center (アメリカ英語) / centre (イギリス英語)
meter (アメリカ英語) / metre (イギリス英語)
theater (アメリカ英語) / theatre (イギリス英語)
liter (アメリカ英語) / litre (イギリス英語)
-ize / -ise
realize (アメリカ英語) / realise (イギリス英語)
organize (アメリカ英語) / organise (イギリス英語)
recognize (アメリカ英語) / recognise (イギリス英語)
analyze (アメリカ英語) / analyse (イギリス英語)
-ll / -l
traveled (アメリカ英語) / travelled (イギリス英語)
canceled (アメリカ英語) / cancelled (イギリス英語)
modeled (アメリカ英語) / modelled (イギリス英語)
fueled (アメリカ英語) / fuelled (イギリス英語)
-e / -ae
fetus (アメリカ英語) / foetus (イギリス英語)
anemia(アメリカ英語) /anemia(イギリス英語)
pediatric (アメリカ英語) / paediatric (イギリス英語)
medieval (アメリカ英語) / mediaeval (イギリス英語)
アメリカ英語 イギリス英語 違い
アメリカ人とイギリス人の英語の違いは歴史的な背景や地域的な影響によるもので、言語の多様性を反映しています。
ひとつの大きな理由として、19世紀のはじめにアメリカでは言語を簡略化し、アメリカならではの独自のアイデンティティを確立しようとする動きがありました。この流れの中で、ノア・ウェブスターが新しい辞書を整理しまとめ、スペルの簡略化を提唱したことにあります。
ノア・ウェブスターについてのリンクです。アメリカで「ウェブスター」といえば「辞書」と同義だといわれています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%96%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC
英語教育の中で、イギリス英語とアメリカ英語の違いを学ぶことは、英語力を向上させるためにとても効果的です。国ごとの文化や音の違いは、ビジネス会話にも重要な影響を与えています。それらを知ることも、英語学習の楽しみのひとつですね。
同じ英語という言語でありながら、表現の形や使い方がそれぞれ異なることを理解することは、英会話の練習だけでなく留学の準備にも大いに役立ちます。
アメリカ、イギリス、それぞれの英語表現に触れることができる教材で学習することをおすすめします。オンライン英会話でネイティブ講師とレッスンをするのもとても効果的です。
ネイティブキャンプでは、様々な国のネイティブスピーカーが在籍しています。イギリス英語話者のみならずアメリカ英語話者も多く、北アメリカ英語、カナダ英語も学習することができ、とてもおすすめです。
使われる単語の違い
アメリカ英語とイギリス英語は同じ言語でありながら、使用される単語や表現に多くの違いがあります。ここでは、具体的な単語や表現の違いについて見ていきましょう。
- アメリカ / イギリス
- 秋:fall / autumn
- ガソリン:gas / petrol
- トラック:truck / lorry
- 荷物:baggage / luggage
- 列:line / queue
- 片道:one-way trip / single
- 地下鉄:subway / underground
- クッキー:cookie / biscuit
- 庭:yard / garden
- セロテープ:scotch tape / sellotape
- 消しゴム:eraser / rubber
- エレベーター:elevator / lift
- 休日:vacation / holiday
- ゴミ箱:garbage / rubbish
- 歩道:sidewalk / pavement
- etc…
アメリカ英語 イギリス英語 違い 面白い|例
アメリカ英語とイギリス英語は、言葉が違う意味を持つ場合があります。例えば、アメリカではパンツ=pantsというとズボンのことですが、イギリスでは下着を表します。
建物やホテルでは、the ground floorの階の捉え方も違うので、アメリカではsecond floorが日本の2階であるのに対し、イギリスでは日本の3階になります。
アメリカ英語とイギリス英語の違いを学ぶことで独特の表現や文化的なニュアンスを知ることができ、英語学習がより面白くなります。それぞれの個性を楽しみながら学びたいですね。
文法の違い
ここでは、どのような文法の違いがあるのかを学習します。
過去を表現するとき
アメリカ英語では、過去形を使うことが一般的ですが、イギリス英語では現在完了形を使うことが多いです。
例えば、「家に今ちょうどついた」と表現したいとき、アメリカ英語では「I just got home」という過去形を使います。これは、単に家に着いたという事実を伝えています。
一方イギリス英語では「I have just got home」と現在完了形を使うことが多いです。これは、今この瞬間に家に着いたということを強調しています。
このように、同じ出来事を伝えるのに、使う時制が異なります。あなたはどちらをよく使いますか?
名詞の扱いを単数にするか複数にするかの違い
イギリス英語では、集団名詞(例:team, government)が単数扱いされることが多く、「The team is winning」と言うことがありますが、複数扱いにして「The team are winning」とすることもあります。一方、アメリカ英語では常に単数扱いされ、「The team is winning」となります。
使用する前置詞の違い
一部の前置詞の使い方に違いがあります。例えば、イギリス英語では「at the weekend」と言いますが、アメリカ英語では「on the weekend」となります。
単語の選択の違い
往復旅行や往復便を意味する「round trip」「return」のように、同じ意味でも異なる単語が使われることがあります。
アメリカ英語 イギリス英語 意味|have got
have gotは主にイギリス英語で使われることが多く、haveはアメリカ英語で使われることが多いです。
疑問形と否定形はhaveとは異なり、助動詞のdo/doesを使う必要があります。
イギリス人はhaveも使いますが、have gotをとてもよく使う傾向にあります。
イギリスでは特にスピーキングではhave gotを使うことが多く、しかしライティングではhaveを使うことが多いです。日本語の「話し言葉」と「書き言葉」の違いと同じです。
have gotとhaveは同じ意味を持ちますが、have gotの方がややカジュアルです。社会人として商談や会合をするような、ビジネス英語を使う場面では使われません。
彼らは、大きなアパートを持っている。
彼女は、素敵な車を持っている。
Have/hasは外見や家族、友人、持ち物について話すときにも使います。
私は金髪だ。
彼女は友達があまりいない。
まとめ
イギリス英語とアメリカ英語の違いは、単語の使い方や発音、文法に見られますが、どちらも英語圏で広く使用されています。
ビジネス英語では、特に国や文化に応じた言葉遣いが重要で、イギリス人とアメリカ人の会話スタイルの違いも影響を与えます。
日本人が英語を学ぶ際にはそれぞれの違いを理解し、日本語と同様、状況に応じた使い分けが求められます。
社会人として、英語圏の文化に合わせた適切な表現を身につけることが大切です。
◇留学経験
・イギリス ロンドン
・カナダ トロント
これまで、イギリス・ロンドンのWimbledon School of Englishとカナダ・トロントのiLSC Language Schoolで、文法やアカデミックライティング、国際的な社会問題、ジャーナリズムなどのコースを選択し、2年間にわたり徹底的に学びました。
これらの学びを通じて英語のスキルを高めるとともに、国際的な視野を広げる貴重な機会を得ることができました。特に、アカデミックライティングのコースでは、論理的な構成や明確な主張の展開、信頼できる証拠を基にした議論の方法を学び、映画をテーマに議論するコースでは、さまざまな文化的背景を持つクラスメイトたちと積極的に意見を交わしながら、異なる視点から物事を考える力を養いました。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容(仕事、留学、旅行など)
これまでに滞在した国や島:イギリス、ドイツ、スペイン、オーストリア、スイス、フランス、イタリア、インドネシア、バリ、タイ、ランカウイ、プーケット、ハワイ、グアム、サイパン、アメリカ、オーストラリア、カナダ、パンコールラウ、香港、マレーシア、シンガポール、メキシコなどです。
◇自己紹介
これまでいろんな国を旅して来て、たくさんの人々と知り合い数多くの得難い思い出があります。世界各地に友人ができ、やはり共通の言語は英語なので、今では日常的に英語を使っています。また、イギリスやカナダに滞在し、家を借りたり銀行口座を開設したり、現地の学校の申し込みをしたりした経験から、正確な英語を使う必要性を感じました。
英語のスキルでは、リスニングが得意です。また、COLLOCATIONと呼ばれる、英語の言葉が何とペアになっているかに関しての専門的なコースを取ったこともあり、皆様に少しでも有益な情報をお届けしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
◇留学への思い
これまでの留学経験を通じて、さまざまな国の人々と出会い、共通の言語として英語が必要不可欠であることを実感しました。現在では日常的に英語を使い、世界中の友人とコミュニケーションを取っています。
異なる母国語を持つ人々と円滑に意思疎通を図るためには、英語は欠かせないツールです。英語は単なる言語にとどまらず、異文化への理解や国際的な問題に対する深い洞察を得るための重要な鍵であることを強く感じています。
留学では、学業以外の思い出も、留学生活をさらに思い出深いものにしてくれました。ロンドンでは、クラスメイトとフランスやイタリアを訪れ欧州の文化を体験したり、週末にロンドンの地下鉄「チューブ」に乗りピカデリーでミュージカルを楽しんだりと、充実した時間を過ごしました。
トロントでは、ワールドカップ期間中にキャンパスのロビーに設置された大きなテレビの前で、世界中の学生たちと共に相手や自分の国の試合を応援し、にぎやかなひとときを楽しみました。
これからも、みなさんに有益な情報をお届けできるようつとめていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。