「GOAT」という言葉を聞いたことがありますか?まず思い浮かぶのは「ヤギ」だと思いますが、ここでご紹介する「GOAT」はそれではありません。
実はこの「GOAT」。ふだんの英会話やSNSなどでもよく使われるスラング表現です。今回はこの「GOAT」の意味・読み方や使い方を本記事で説明しましょう。
- 「GOAT」の意味と語源
- ネットではヤギの絵文字が使われることも
- 「GOAT」を使った例文
- 動詞にもなる「GOAT」
- 「greatest of all time」を使った例文
- ラップの世界にも登場する「GOAT」
- GOATの意味 まとめ
「GOAT」の意味と語源
「ヤギ」を意味する「GOAT」ですが、何の略なんでしょう?ゴートチーズ(山羊のチーズ)などでなければ、GOATとはどんな意味を持つのでしょう?GOATは何の略なのでしょうか?ここで紹介する「GOAT」は、実は「greatest of all time」の略です。4つの単語の頭文字をとって「GOAT」となっているのです。そして、GOATは特にインターネット上で使われるスラング(ネットスラング=Internet slang)という特徴を持っていて、ネイティブたちに使われる表現です。
まず、GOATの意味からみていきましょう。「greatest」は「great」の最上級で「最も偉大な」。そして、「of all time」が、「これまでで」とか「歴史上で」といったような意味です。つまり「GOAT」は、「史上最高の〜」「超最高の〜」「史上最高の」といった意味を持つスラングなのです。どれをとっても、GOATはスラングとして一級の褒め言葉ですね。頭文字を集めたものですので、GOATまたは「G.O.A.T.」とピリオドを入れて表現することもあります。
「GOAT」の読み方はヤギの場合と同じく「ɡoʊt」(ゴウト)、またはゴートと発音します。あるいは、「ジー・オー・エイ・ティー」と1文字ずつ読む場合もあります。SNSなど、ネット上でよく使われているので、「ネットスラング」の一つにも挙げられることが多いようです。
ところで「GOAT」というようにすべての文字が大文字なのは、「史上最高」といったすごさを強調するためでもありますが、これが「ヤギ」とは違う目印にもなります。ヤギは普通、「goat」と小文字で書かれますので。したがって大文字と小文字の使い分けからもスラング表現なのかヤギなのかを理解できます。
ゴートの意味がわかったところで、さっそく使い方の例を挙げましょう。例えば、とてもいいパフォーマンスをするシンガーがいるとします。そのシンガーをほめる時などに、以下のように使います。
She is the GOAT!!!
彼女は史上最高だ!
GOATのスラングとしての意味は最高であることの褒め言葉でした。くれぐれも「彼女はヤギです。」と訳さないように。
さて、今やスラングとして日常的に使われている「GOAT」ですが、「greatest of all time」というフレーズじたいはかれこれ100年以上前から使われていたようです。
主にスポーツ選手の戦いぶりを表す表現として使われていました。特に、1970年代に活躍したアメリカ人のボクサー、モハメド・アリを形容する際に使われるようになって急速に普及したといいます。
そして、スポーツだけでなくミュージシャンやその演奏をほめる場合に使われたり、さらに、企業の製品などをほめる場合にも使われるようになりました。アーティストやスポーツ選手など人に使う場合は「史上最高の人」、企業の製品などに使う場合は「史上最高の物」のような意味になります。
GOATとは?というところから意味や語源まで知ると面白いですね。GOATが長い期間、褒める言葉として使われていて、しかも今もスラングとして使用されているということが頭にしっかり入ったのではないでしょうか?今では使い方にもっとバリエーションが増えて、以下のようにあいづちのように使われることもあります。
That is GOAT!
それって最高!
ネットではヤギの絵文字が使われることも
SNSで「GOAT」が史上最高だ!と使われる場合、ヤギのイラストと一緒に表現されることもよくあります。「GOAT」と「goat」をかけたシャレですね。GOATやThe GOATの意味がスラングとして使われても可愛いヤギで表現されるところは記憶に残りやすいのではないでしょうか?
SNS上やメッセージやテキストなどでは、以下のように、ヤギの絵文字が「GOAT」が入るべき部分に挿入されたりします。これは、知らないとちょっと何だかわかりませんよね。
He's the 🐐.
彼は史上最高だ。
また、文章の後にヤギのイラストをつける場合もあります。
This bag is the GOAT! 🐐 🐐 🐐
このバッグは超最高!
Twitterなどの検索欄に「the 🐐」「a 🐐」「She's/He's the 🐐.」などと入れて検索するとたくさん出てきますよ。いろいろな使い方がすぐにわかり、参考になると思います。
「GOAT」を使った例文
ここからは、スラングGOATの使い方に慣れていくために、例文をたくさん挙げていきましょう。
I think Shohei Ohtani is the GOAT.
私は大谷翔平選手が史上最高の野球選手だと思います。
The Giants is the GOAT.
ジャイアンツは史上最高のチームです。
Sota Fujii is the GOAT. He is my favorite shogi player.
藤井聡太さんは史上最高です。彼は私のお気に入りの棋士です。
He was very excited when his son hit a solo home run in the baseball match. And he praised his son, “You are the GOAT!”
彼は、自分の息子が野球の試合でソロホームランを打った時、とても興奮していました。そして「お前は最高だ!」と彼をほめました。
さらに、「GOAT」を使う状況をわかりやすくするために、以下に会話形式の例文をいくつか挙げましょう。
A:Did you see that?
B:Yeah. Finally, our son scored a goal in the soccer match.
A:That was amazing! He is the GOAT!
B:True!
A:見た?
B:ああ、とうとううちの息子がサッカーのゴールを決めたね。
A:すごいわね、あの子はほんと史上最高だわ!
B:ほんとそう思う。
A:Happy birthday, Yoshie!
B:I'm so happy that you remember me.
A:This is for you.
B:Wow! Thank you! You are the GOAT!!
A:誕生日おめでとう、ヨシエ!
B:覚えていてくれてうれしい。
A:はいプレゼント。
B:わあっ! ありがとう! あなたは最高ね!
A:What do you do in your free time?
B:I love watching soccer with my friends.
A:Who do you think is the GOAT?
B:I think Cristiano Ronaldo is the GOAT.
A:趣味は何ですか?
B:友人とサッカー観戦が趣味です。
A:史上最高のサッカー選手は誰だと思いますか?
B:クリスティアーノ・ロナウド選手が最高のサッカー選手だと思います。
A:What do you think about that new movie?
B:I think it's definitely the GOAT.
A:あの新しい映画どう思う?
B:間違いなく最高だと思うよ。
A:Our new boss is the GOAT!!
B:Yeah! I couldn’t agree more!
A:私達の新しいボスは史上最高ね!
B:まったくもって同感だね。
A:Look at this! I bought new red high heels for my birthday.
B:Wow! So beautiful!
A:I know!!! These are the GOAT!
A:見て、誕生日に新しいパンプスを買ったの。
B:わあ、素敵!
A:でしょ。超最高よ!
A:When are you throwing your wedding?
B:I am throwing my wedding next month in Hawaii.
A:That is the GOAT!
A:いつ結婚式を挙げるの?
B:来月、ハワイで挙げる予定です。
A:なんて最高なんでしょ!
動詞にもなる「GOAT」
言葉は自由自在に変化することがあります。そして「GOAT」は実は動詞として使われることもあります。
ただし、「was goated」「were goated」という形で使われるのがほとんどのようで、意味は「〜は最高だった」となります。
Their performance was goated.
彼らの演奏は最高だった。
Messi's play was really goated.
メッシのプレーは本当に最高だった。
A:Hi! Did you go to the theater yesterday?
B:Hi! Of course. Their acting was goated.
A:Yes, I'm still basking in the afterglow.
A:こんにちは! 昨日、観劇に行きましたか?
B:ええ、もちろん。彼らの演技は最高でした。
A:本当に、今でもまだ余韻に浸っています。
「greatest of all time」を使った例文
「GOAT」ではなく、「greatest of all time」を使った、さまざまな言い方もあります。
以下を見るとわかるのですが、「greatest of all time」の中に情報を付け足すことで、何のことを言っているのか、より理解されやすくなります。
What is the greatest movie of all time?
史上最高の映画は何ですか?
This event was the greatest slaughter of all time.
この出来事は史上最大の虐殺でした。
She is the greatest scientist of all time.
彼女は史上最も偉大な科学者です。
He is one of the greatest actors of all time.
彼は史上最高の役者の一人です。
She is considered by many as the greatest physician of all time.
彼女は多くの人から史上最高の医師とみなされている。
This is the greatest piece of art of all time.
これは不朽の名作です。
I think he is the greatest baseball player of all time.
私は彼が史上最高の野球選手だと思います。
ラップの世界にも登場する「GOAT」
ラップやヒップホップ・ミュージックにも、歌詞の中、曲名、アルバム名などに「GOAT」が登場しています。
「GOAT」という言葉の普及に一役買っているともいえるでしょう。機会があればぜひ聞いてみてください。
例えばヒップホップMCのEMINEM(エミネム)の曲には『G.O.A.T』や『Respect The G.O.A.T.』、『Respect the G.O.A.T. 2』という曲があります。
またヒップホップMCのLL Cool J(エルエルクールジェイ)は、『G.O.A.T. (Greatest Of All Time)』というアルバムを2000年にリリース。『The G.O.A.T.』という曲も収録されています。
ちなみにLL Cool Jは俳優としても有名で、『NCIS:LA 〜極秘潜入捜査班』のサム・ハンナ役としても知られています。
GOATの意味 まとめ
いかがでしたか?今回は「greatest of all time」の略で、「史上最高の」「超最高の」という意味になるスラング「GOAT」を紹介しました。ある分野での史上最高の人物または作品を決めるときにいろいろと議論が沸き起こることがあります。これをGOAT論争(GOAT argument)と呼ぶこともあります。
今日からさっそく、SNSや日常会話など、コミュニケーションの中で使ってみてはいかがでしょうか。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.