英語スラング表現の"bang for your buck"はどんな場面で使うのか?

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"bang for your buck"という表現を聞いたことはある?

“bang for your buck”は、日本ではあまりなじみのない英語フレーズかもしれません。アメリカでは日常生活はもちろん、テレビや雑誌、商品のレビューなどでも良く使われるフレーズです。

知らないと全く意味のわからないスラングや表現のひとつ”bang for your buck”について、例文や関連する単語などと一緒に説明していきます。

"bang for your buck"の意味は?

“bang for your buck”は日本語で言う「コスパがいい」という英語のフレーズです。

コスパはコストパフォーマンスの略で、日本では「出資に見合うだけの価値がある」という意味で日常的に使われています。英語のcost performanceは主に経済関連で使われる言葉で、日本のように日常会話に出てくることはあまりありません。

その代わりに使われるのが“bang for your buck”です。”bang for the buck”または“bang for one’s buck”とyourの部分を変えても同じ意味になります。

"buck"のもともとの意味は?

buck(複数形bucks)はdollar(複数形dollars)のスラングで「お金」と言う意味です。

buckは「雄」「雄ジカ」そして「バックスキン(buckskin)」などの意味を持つ単語です。なぜbuckがお金と言うスラングになったかというと、18世紀のアメリカでシカ類の皮をお金がわりに物々交換していたことが一説です。

“1樽のウイスキーを5bucksと交換した”といった文献があるようです。その後アメリカでお金が発行されてからも、昔の名残のbuck=「お金」=dollarが使われ続け、今に至ります。

"bang for your buck"の中での"bang"の意味は?

bangには「バンという音」「たたく・打つ」「ぶつけて痛める」「爆弾」「興奮・スリル・歓喜」「性交する」などスラングも合わせると様々な意味があります。

”bang for your buck”でのbangは「興奮・スリル・歓喜」です。「使ったお金への喜び」すなわち「お得だった」「コスパがよい」というニュアンスです。

"bang for your buck"の使い方

“bang for your buck” はgive、 get、offerなどの動詞と一緒に使われることが多いです。

また“best bang for your buck”のようにgood、biggest、great、more、most、less、 leastといった形容詞を用いることで「コスパ最高」「コスパが悪い」とコスパの度合いを表すことができます。

That restaurant’s food is great and the prices are very reasonable. You get bang for your buck.

あのレストランの料理は美味しいし値段もお手頃です。行く価値があるよ。

Which of these smartphones would offer me the best bang for the buck?

これらのスマホで一番コスパがよいのはどれですか?

My husband always looks for the best bang for the buck.

うちの夫はいつもコスパのよいものを探しています。

This laptop will give you a great bang for the buck.

このラップトップはコスパが高いです。

I want a reliable car that will get me the most bang for the buck.

故障したりせず安心で、一番コスパのよい車が欲しいです。

If the yen is weak, you’ll get less bang for your buck when exchanging currency.

円安だと両替のレートが悪くなります。

buckではなく“bang for the dollar”とdollarが使われる場合もあり、こちらも同じ意味です。

その他"bang"の使い方

「バンという大きな音」

I heard loud bangs last night.

昨夜バンっという大きな音を聞きました。

「たたく・音をたてる」

Don’t bang the door.

ドアをバンバンたたかないで。

「ぶつける」

I banged my knee on the table yesterday.

昨日テーブルに膝をぶつけて痛めました。

複数形のbangsは前髪という意味にもなります。

I cut my own bangs all the time.

しょっちゅう自分で前髪を切ります。

bangはスラングで「性交する」という意味です。

You shouldn’t see him anymore. He just wants to bang you.

彼にもう会わない方がいいよ。あなたとヤリたいだけだよ。

その他"buck"の使い方

「雄シカ」

What is the biggest whitetail buck?

一番大きいオジロシカは何ですか?

「馬が後ろ足を蹴り上げる」

Horses buck for a variety of reasons.

馬が後ろ足を蹴り上げるのには様々な理由があります。

「責任」という意味で使われることもあります。

The buck stops here.

責任は私がとる。

Don’t pass the buck.

責任転嫁しないで。

といったフレーズで使われることが多いです。

お金の意味での”buck”

先ほどbuck=お金(dollar)というお話をしました。

単数の1dollar は1 buck(またはa buck)、複数は2 dollars= 2 bucks、10 dollars =10 bucks、 100 dollars =100 bucksとdollarもbuckも”s”を付けます。

buckはカジュアルな表現なので、ビジネスシーンではあまり使われません。お金という意味のbuckにもいくつかの使い方があります。

~dollar(ドル)」

日本語の「~円」のように単純にお金の単位としてのbuck

I only have a buck in my pocket.

ポケットに1ドルだけ入っています。

I don’t have any cash. Can I borrow 5 bucks?

現金の持ち合わせがないんだ。5ドル貸してくれる?

I can’t believe you paid 50 bucks for this.

これに50ドル払ったなんて信じられないよ。

I owe you 10 bucks.

私はあなたに10ドルの借りがある。

「まとまったお金」

一定の金額でなく「まとまったお金」という意味でも使われます。

Some football players make the big bucks.

アメフト選手には、たくさんのお金を稼ぐ人もいます。

Many people are looking for a way to make an extra buck.

多くの人が臨時収入を得る方法を探しています。

その他のお金の表現

moneyは「お金」を表す一般的な英単語ですが、その他にもお金に関する表現やスラングでよく使われるものがあります。

cash「現金」

I don’t have cash on hand.

手元に現金の持ち合わせがありません。

The restaurant is cash only.

そのレストランの支払いは現金のみです。

Some places only take cash, but most take credit cards.

いくつかの場所は現金のみですが、ほとんどの場所でカードが使えます。

It’s not a good idea to carry a lot of cash when you travel.

旅行する時にたくさんの現金を持ち歩くことはお勧めしません。

changeには「変える」という意味以外に「小銭・硬貨」「お釣り」などの意味があります。

I don’t have any change.

私は小銭を全く持っていません。

I counted all the change in my piggy bank yesterday.

昨日、貯金箱の小銭を全部数えました。

Keep the change.

お釣りはいりません。/お釣りは取っておいてください。

Do you have change for a dollar?

1ドル分の小銭を持っていませんか?/1ドルを細かくしてもらえませんか?

bill「紙幣」

The vending machine only takes $1 bill.

その自動販売機は1ドル紙幣だけ使えます。

I only have a 10-dollar bill.

10ドル札1枚しか持っていません。

“~bill”で「~代・料金」という意味でも使われます。

electric bill(電気代)gas bill(ガス代)cell phone bill(携帯料金)internet bill(インターネット料金)

硬貨(coin)の種類

penny 1セント( cent)

nickel 5セント

dime 10セント

quarter 25セント

お金の単位

日本で一万円を「諭吉」と呼ぶように、英語にも知らないと全く分からないお金の呼び方や単位の表現があります。

1,000ドル

one thousand dollars:最も普通の言い方です。

grand:英語のスラングで1000ドルという意味で使われます。

日本語のグランドフィナーレやグランドピアノで使われるのと同じグランドで「大きくて立派な」「最高位の」といった意味の単語です。1900年代に誰かが“a grand sum of money”(大きな総額)というフレーズを使い始めたことから始まったという説がありますが、はっきりしていません。

1000ドル=a grand、one grand

2000ドル=2 grand、5000ドル= 5 grand と複数形になっても”s”はつけないので注意。

This used car is only 4 grand!

この中古車たったの4000ドルだよ!

I spent 3 grand for the trip.

その旅行に3000ドル使いました。

K:数字の1000という意味

1 kilometer=1000 metersのため、1K=1000です。kilometerの頭文字のKでケーと発音され、お金だけでなく他の数字にも使われます。お金を表す時には”$1K”と$(ドル)マークを付けるか”1K dollars”と表記します。

The average rent is $2K in this area.

この辺の平均家賃は2000ドルです。

A 5K marathon is a great distance for a beginner.

5キロのマラソンは初心者にぴったりの距離です。

1,000,000ドル

one million dollars:1,000,000ドルの一般的な言い方です。

昔あったクイズミリオネアのmillionaire(億万長者・富豪)と同じmillionです。millionには「多数の」「たくさんの」といった意味もあります。

What would you do if you had a million dollars?

もし1億円持っていたら、何をしますか?

Thanks a million!

本当にありがとう!

Thanks a lot.と同じでたくさんの感謝を表すフレーズです。

There are millions of people in this world.

世の中には大勢の人がいます。

M:millionの略

こちらも“$1M”または“1M dollars”と表記されます。1000ドルのgrandとKは会話でも使われますが、Mは会話では使われません。

The house on the corner is for sale for 1.5M dollars!

その角の家、1億5千万で売りに出ているよ!

It’s my dream to buy a $1M car.

1億円の車を買うのが夢です。

1ドル=1 buck=100円

100ドル=1 hundred dollars=1万円

1,000ドル=1 thousand dollars=1 grand=1K=10万円

1,000,000ドル=1 million dollars=1M=1億円

(1ドル=100円で換算した場合)

お金にまつわるその他のフレーズ

You get what you pay for.「安物買いの銭失い」

I bought a camera on sale and it stopped working in a week.

安売りのカメラを買ったら一週間で壊れたよ。

Well, you get what you pay for.

安物を買っても、値段に見合った物しか手に入らないよ。

Money doesn’t grow on trees.「金のなる木はない」

お金には限りがあるので無駄遣いしない方がよいという、英語のことわざです。

My parents made me buy everything with my allowance so I learned quickly that money doesn't grow on trees.

両親になんでも自分のお小遣いで買わされたので、お金の大切さを早く学びました。

break the bankの直訳は「銀行を壊す」ですが「破産する」「無一文になる」というフレーズです。

Buy a car that's dependable but won't break the bank.

しっかりしていて、無一文にならない車を買いなよ。

似たフレーズにflat broke「無一文で」がありますが、こちらはすでに破産している状態です。

I’m flat broke until I get paid next week

来週の給料日まで、無一文だよ。

bread and butter「生計のための」

海外ではパンとバターは生活に欠かせない食べ物、基本の主食だからです。日本でいうお米でしょうか。

I'm an artist on the weekends, but being a teacher is my bread and butter.

週末は芸術活動をしているけど、教師の仕事で生計を立てています。

bring home the baconは「家にベーコンを持って帰る」という意味ですが「生活費を稼ぐ」「生計を支える」というフレーズです。スポーツなどで「成功する」という意味もあります。

We can't both stay at home and look after the kids. Someone needs to bring home the bacon.

二人とも家に居て子供の世話をすることはできないよ。誰かが生活費を稼がないと。

"bang for your buck"の意味と使い方を覚えて活用しよう!

お金に関するフレーズやスラングは日常生活で大変よく使われるので、これらを知っているとネイティブスピーカーの会話や映画のセリフが断然わかりやすくなるはずです。

今日の記事を参考にmoneyやdollar以外のお金の表現も活用してみてくださいね。

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