ワクチンに関するスラング”vax”とは?英語表現やvaxxedの使い方

ワクチンに関するスラング”vax”とは?英語表現やvaxxedの使い方

デルタ株、オミクロン株と、コロナウイルス変異株の発生が続いています。このため、ここ1年は英会話でワクチンについて話すことが一気に増えたわけですが、このワクチンにも実はスラングがあることをご存知ですか?

この記事では、ワクチンのスラングについて取りあげます。例文とともにその使い方を説明するとともに、副反応や副作用などワクチンに関連する表現も解説します。新しいスラングを覚えて、ぜひレッスンや英語の会話に役立ててください。

ワクチンに関するスラング”Vax”とは?

感染症と切り離せないのがワクチンの接種。コロナだけでなく、身近なワクチンにはインフルエンザのワクチン接種などもありますね。

「vax」という言葉があります。この単語こそ、ワクチンのスラングになります。
vax(ヴァックス)=vaccine(ヴァクシン)で、両方とも意味は日本でいうところの「ワクチン」です。

※ワクチンとは
感染症の原因となるウイルスや細菌を精製・加工して毒性を弱めたり無くしたりして体にとって安全な状態にしたもの。これらを体内に入れ、免疫をつくることで病気を予防します。コロナに関しては、遺伝情報の一部を注射するというmRNAなど新しい仕組みができました。

Word of the Year 2021を堂々獲得の”Vax”

Oxford Languages「Word of the Year」は、年に一度その年の言葉を発表します。過去12ケ月でもっとも関心を集めたと思われ、文化的に重要な言葉として永続する可能性があると判断されたものが選ばれます。

このWord of the Year 2021に堂々と選ばれたのが「vax」。以下のようなフレーズが様々なインフォーマルな表現として見られ、vaxほどこの1年の雰囲気を表している言葉はないというポイントがOxford Languagesがvaxに決めた理由です。

double-vaxxed
unvaxed
anti-vaxxer


興味のある方は、以下の「Word of the Year 2021: Vax」をご覧ください。
https://languages.oup.com/word-of-the-year/2021/

2021年もコロナに限らず様々なニュースがありましたが、vaxほど世界中の人に使われたものはないということなんですね。ネットによく登場しますし、ネットスラングとして多く使われています。

こういったことからもこのメディカル系最新スラング、ぜひ抑えておきたい言葉ではないでしょうか?

vax・vaxxedの使い方とは?

筆者はイギリス在住ですが、12月8日、政府がオミクロン株への対策としてプランBを発表しました。

その内容は主に、屋内施設でのマスク着用、可能な限りworking from home、そして自分の番がきたら即ブースター接種をし、1人ひとりがこの対策に参加することが大切というものでした。

このブースターもワクチンですね。イングランドでは2022年1月末までに成人全員(18歳以上)が打ち終わるようブースターが提供されます。二度目の接種から半年空けず、一刻も早くウイルスへの免疫力を高める目的です。

スラングvaxの意味がわかったところで、次はその使い方を解説しましょう。

vaxの使い方

主に、後ろに名詞がくる形にして形容詞ように使われます。

vax centres/sites ワクチン接種会場
vax records ワクチン接種記録
vax rate ワクチン接種率

vaxxedの使い方

「ワクチン接種をする/した」と英語で言いたいときは、vaxxedとし受け身の形で使います。実際の使い方としてはbe vaxxedまたはgot vaxxedが定番です。

I’m planning to be vaxxed this Saturday.
今週土曜にワクチン接種をする予定です。

I got vaxxed at school.
学校でワクチン接種しました。

There are some people who got vaxxed and became complacent.
ワクチン接種をすると気が緩む人たちがいます。

※complacentには、気が緩む・油断する・危機感が薄れるというニュアンスがあります。イギリスのジョンソン首相が「気を緩めるべきない」と会見でよく使う言葉です。

vax/vaxxedはそれぞれ、vaccine/vaccinatedへ差し替えすることができますが、特有のノリのよい短いアクセントによって、さらにスラングが多くの人に使われるようになっていくのでしょう。

ワクチン・予防接種の英語表現

ワクチンや予防接種に関する表現はまだまだあります。それらいくつかをみていきますので、ここでワクチン関連の英語力を上げましょう。

vaccinateとvaccination

vaccinateは動詞で「ワクチンを接種する」vaccine/vaccinationは名詞で「ワクチン接種・予防接種」です。

Boris said “get more vaccine into the arms” in a briefing.
ボリスはブリーフィングでもっとワクチンを打とうと述べた。

ワクチン接種では注射を腕に刺しますが、そのままinto the armsという表現があってなかなか面白いですね。

vaccine以外のワクチン

ワクチンのことはイギリス英語では「jab/ジャブ」アメリカ英語では「shot/ショット」と表現することがあります。

ブースターならa booster jab/shotとなります。鳥のつつき合いを表わす擬音語が突き刺す動作に変化し、そこのことでボクサーのジャブにも使われるようになりました。

1st doseと2nd dose

国によって、また年齢によって、ワクチン接種が1回なのか2回なのか違ってきます。

例えば、イングランドでは今のところ、16歳以上は二回接種、それ以下の年齢の子どもたちは一回接種となっています。この一回目、二回目接種が1st doseまたは2nd doseと表現されます。doseは薬の一服・一回分という意味を持ちます。

Have you got the 2nd dose?
二回目の接種した?

booster

追加接種のことをブースターと呼びます。打ったワクチンの免疫は減っていってしまうため、そこを強化するためのものがこのブースターです。

Two vaccine doses doesn’t stop you catching Omicron, however UK scientists said a third booster prevents around 75% of people getting any Covid symptoms.
イギリスの科学者によると、2回のワクチン接種ではオミクロンの発症を防ぐことはできないものの、3回目のブースター接種により、約75%の人がコロナの症状を防ぐことができるそうです。

fully vaccinated

fully(十分に・完全に)にワクチン接種をしたという意味で、fully vaccinatedが使われます。

この定義としては、ワクチン接種をした後、2週間または3週間と一定期間が経過し、しっかり免疫がついた状態を指します。もちろん、スラングを使ってfully vaxxedにすることもできます。

All travellers to the UK have to show proof of a negative test, even if they are fully vaccinated.
英国への全旅行者は、完全にワクチン接種を受けていても、テストが陰性であることを証明しなければなりません。

unvaccinated

unをつけることで「ワクチン未摂取の・ワクチンを受けていない」として使います。

Unvaccinated patients have been speaking out about their regrets of not getting the vaccine as they fight the infection.
ワクチン接種をしていない患者は感染症との戦いのなか、接種しなかったことへの後悔を口にしています。

anti vaccination

スラングでanti-vax/anti-vaxxerとも呼ばれる”アンチワクチン”の人々がいます。

コロナ関連ではアンチ・ロックダウンやアンチ・マスクなど色々なアンチがありますが、反ワクチン派は記者会見や演説をしてワクチンが安全だという証拠はないと訴えたり、ワクチンを打たない権利を主張します。

Anti-vax protest was taking place and walking through the city centre.
ワクチン反対のデモが行われ、街の中心部を歩きました。

flu jab

コロナではなく、インフルエンザの予防接種も一般的です。インフルエンザは英語でflu(フルー)です。こちらも併せて覚えましょう。

My parents get a flu jab/shot in winter every year.
うちの両親は毎年冬になるとインフルエンザの予防接種を受けています。

副反応・副作用の英語表現

ファイザー、モデルナ、アストラゼネカやシノバックなどコロナウイルスのワクチンは各種あります。

筆者は1回目と2回目はアストラゼネカでした。ワクチンを打つと気になってくるのが副反応や副作用です。

※副反応 ワクチンの接種後に起こる好ましくない反応
※副作用 治療に使う薬によって起こる好ましくない反応


ところが、英語では副反応、副作用とも「side effect」になります。

副反応で特に注意したいのがアナフィラキシーですが、これはアレルギー反応であり、allergic reactionと言います。

その他、コロナワクチンの一般的な副反応は以下になります。

・a sore arm from the injection 注射によって腕が痛くなる
・temperature/fever 発熱
・feeling tired 疲労感
・a headache 頭痛
・feeling achey 痛み
・feeling or being sick 吐き気を催すか吐き気がある

例文でも使い方を確認しましょう。

I’m worried about the side effects after the vaccine.
ワクチン接種後の副反応が心配だなぁ

You didn’t have any side effects? So lucky!
副反応なかったの?それはラッキーだね!

I’ve been having very bad side effects since I got vaxxed yesterday, such as a high temperature, strong headache, and fatigue.
昨日ワクチンを接種してから、高熱、強い頭痛に倦怠感ととってもひどい副反応が出てるの。

※fatigue=倦怠感。コロナ後遺症の症状でも多くの人が悩まされています。feeling tiredも良いですが、ここでもうひとつ新しい単語を覚えることができます。

My side effects went away after 8 hours.
私の場合、8時間後には副反応はなくなったよ。

ワクチン・予防接種に関する英語まとめ

ワクチンのスラングは「vax」「vaxxed」。Word of the Year 2021に選ばれるほど新鮮で人々の生活にインパクトのある言葉ですので、これを機会にぜひ使えるようにしてしまいましょう。

実は筆者はワクチンブースターを予定していた直前、11月半ばにコロナポジティブになりました。ワクチンを二回接種していたおかげで、ほぼほぼ無症状で10日間、自主隔離で過ごしました。

家族にうつさないよう除菌をしたり、剣道関連でいろいろすることがあり気が休まらないところもありましたが、家族、友人や剣道メンバーの親切が身に染みた隔離生活でした。ブースター含め、さらに感染対策を徹底しようと思います。

皆様も感染されないよう、気をつけてお過ごしくださいね。


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