韓国語の文字の仕組み!ハングルの意味や表で読み方をマスター

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初めて韓国語の文字「ハングル」を見る方は、丸や四角や棒が並んでいるハングルが暗号のように思えるかもしれません。

ハングルはアルファベットのように音を表記した文字で、ローマ字と同じ仕組みです。

ルールさえ覚えれば、簡単に読めますよ。

今回は、韓国語の文字ハングルの仕組みについてご紹介します。

ハングルの由来

ハングルの由来

ハングルとは朝鮮・韓国語の文字の名称

日本では「ハングル講座」や「ハングル語」というように朝鮮・韓国語を指す言葉とされていることもありますが、厳密に言うとこれは正しい表現ではありません。

ハングルの「ハン」は大きい、正しいなどの意味で使われる接頭語で、「グル」は字という意味です。

つまり、ハングルには「大いなる文字」という意味があります。

朝鮮王朝第4代の王様である世宗(セジョン)が1443年に作り、1446年に『訓民正音』として公布しました。

当時、朝鮮では漢字を使って文字を書き表していましたが、それを理解できるのは王族や両班(ヤンバン)と呼ばれる身分の高い人たちだけでした。
そのため、教育を受けていない庶民たちは言葉を書き表すことができませんでした。

世宗はそんな民を哀れに思い、簡単に学ぶことができ、日常的に使えることを願って、ハングルを制定しました。

韓国語の仕組み|書き方と音節

韓国語の仕組みを知ればハングルが読めるようになる

ハングルは母音21個と子音19個、計40個からできています。

母音は平らな土地の形や立っている人の姿、子音は発音するときの口や喉、歯、舌の形を基に作られているので、割と覚えやすいでしょう。

ハングルでは母音も子音も単独では使用されず、必ず子音と母音の組み合わせによって一つの文字になります。
上下左右に子音と母音を配置して、文字を形成します。

母音は子音の右もしくは下に置きます。

縦長の母音はその前の子音の右に、横長の母音はその前の子音の下に付けます。

例えば、「か」(ka)という文字をハングルで表現したい場合、kの音の子音ㄱの右にaの音の母音ㅏを書き、「가」という文字で表せます。

同じように、「す」(su)という文字をハングルで表現したい場合、sの音の子音ㅅの下にuの音の母音ㅜを書き、「수」という文字で表せます。

そして、この二つの文字を並べると、「가수」(kasu)つまり歌手という単語のできあがりです。

韓国語の音節

ハングルの音節

韓国語では一つの文字が一つの音節、つまり一息に発音する音のまとまりになっています。

日本語では音節のほとんどが母音で終わっていますが、韓国語では子音で終わることもあります。
この最後の子音のことをパッチムといいます。

記憶という意味の「기억」という言葉を見てみましょう。

韓国語には漢字語がたくさんあるので、日本語と発音が似ている単語が多いのですが、これもその一つです。

日本語で「記憶」はキ・オ・ク(ki・o・ku)という三つの音節から成っており、すべて母音で終わっています。
しかし、韓国語では기・억(ki・eok)という二つの音節から成っていて、一つ目の音節は母音で終わっていますが、二つ目の音節は子音で終わっています。
そして、最後の子音kのことをパッチムと呼ぶのです。

さっそく母音、子音、パッチムについて勉強していみましょう!

ハングルの母音|発音と読み方を表で解説

韓国語の母音は基本母音10個と複合母音11個、計21個あります。

基本母音と一覧表

母音はㅏ、ㅑ、ㅓ、ㅕ、ㅗ、ㅛ、ㅜ、ㅠ、ㅡ、ㅣの10個です。 では、一つ一つ見ていきましょう。

ハングル 読み方 発音
a ・日本語のアとほとんど同じ発音
・口を大きめに開けて発音
ya ・日本語のヤとほとんど同じ発音
・口を大きめに開けて発音
eo ・日本語のオとほとんど同じ発音
・口をやや広く開け、口の奥を大きく開くように発音
yeo ・日本語のヨとほとんど同じ発音
・口をやや広く開け、口の奥を大きく開くように発音
o ・唇を丸めて突き出しながらオと発音
yo ・唇を丸めて突き出しながらヨと発音
u ・唇を丸めて突き出しながらウと発音
yu ・唇を丸めて突き出しながらユと発音
eu ・唇を横に引いてウと発音
i ・日本語のイとほとんど同じ発音
・唇を横に引いて発音

ハングルの複合母音と一覧表

複合母音は先ほどの基本母音を二つ以上組み合わせて作られたもので、11個あります。

その中には、同じような音の母音が何個か存在しています。

これらは微妙に音が違いますが、今ではほとんど区別なく用いられていますので、気にせずに発音すると良いでしょう。

ハングル 読み方 発音
ae ・ㅏとㅣが合わさったもの
・日本語のエとほとんど同じ発音
yae ・ㅑとㅣが合わさったもの
・日本語のイとエを一緒に発音するような音
yae ・ㅑとㅣが合わさったもの
・日本語のイとエを一緒に発音するような音
e ・ㅓとㅣが合わさったもの
・日本語のエとほとんど同じ発音
ye ・ㅕとㅣが合わさったもの
・日本語のイとエを一緒に発音するような音
・子音と組み合わせるとエ(e)の音になる
wa ・ㅗとㅏが合わさったもの
・日本語のワとほとんど同じ発音
wae ・ㅗとㅐが合わさったもの
・日本語のウェとほとんど同じ発音
oe ・ㅗとㅣが合わさったもの
・日本語のウェとほとんど同じ発音
wo ・ㅜとㅓが合わさったもの
・日本語のウォとほとんど同じ発音
we ・ㅜとㅔが合わさったもの
・日本語のウェとほとんど同じ発音
wi ・ㅜとㅣが合わさったもの
・日本語のウィとほとんど同じ発音
ui ・ㅡとㅣが合わさったもの
・日本語のウィとほとんど同じ発音

ハングルの子音|発音と読み方を表で解説

韓国語の子音は19個あります。その中には息を強く吐き出す激音や、息を出さない濃音などがあります。

基本子音の一覧表

基本子音は14個あります。

ハングル 読み方 発音
k,g ・日本語のカ行の音に近い発音
・語中ではガ行に近い発音になる
n ・日本語のナ行の音に近い発音
t,d ・日本語のタ行の音に近い発音
・語中ではダ行に近い発音になる
r,l ・日本語のラ行の音に近い発音
m ・日本語のマ行の音に近い発音
p,b ・日本語のパ行の音に近い発音
・語中ではバ行に近い発音になる
s ・日本語のサ行の音に近い発音
発音なし,ng ・日本語のア行の音に近い発音
・語尾ではngと発音される

ハングルの激音の一覧表

ch, j ・日本語のチャ行の音に近い発音
・語中ではジャ行に近い発音になる
ch’ ・ㅈの発音を、息を強く吐き出す
k’ ・ㄱの発音を、息を強く吐き出す
t’ ・ㄷの発音を、息を強く吐き出す
p’ ・ㅂの発音を、息を強く吐き出す
h ・日本語のハ行の音に近い発音
・語中や語尾では弱くなったり消えたりする

ハングルの濃音の一覧表

濃音とは基本子音のㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅅ、ㅈが二つ並んだものを指します。 日本語の促音「ッ」のように、つまった感じで発音します。

ハングル 読み方 発音
kk ・ㄱの発音を、息を出さずに言う音
・日本語のカ行の前に「っ」を入れたような発音
tt ・ㄷの発音を、息を出さずに言う音
・日本語のタ行の前に「っ」を入れたような発音
pp ・ㅂの発音を、息を出さずに言う音
・日本語のパ行の前に「っ」を入れたような発音
ss ・ㅅの発音を、息を出さずに言う音 ・日本語のサ行の前に「っ」を入れたような発音
jj ・ㅈの発音を、息を出さずに言う音
・日本語のチャ行の前に「っ」を入れたような発音

ハングルのパッチムの一覧表

パッチムは文字の下の部分に置きます。例として、約束という意味の「약속」(yaksok)という単語を見てみましょう。

「약」は無声音の子音ㅇの右にyaの音の母音ㅑがあり、その下にはパッチムであるkの音の子音ㄱが置かれ、yakという音を表しています。

「속」はsの音の子音ㅅの下にoの音の母音ㅗがあり、さらにその下にはパッチムであるkの音の子音ㄱが置かれ、sokという音を表しています。
なお、文字の下の部分には子音が二つ置かれることもあります。

この子音を二重パッチムと呼びます。値段という意味の「값」という文字は、kの音の子音ㄱとaの音の母音ㅏ、そしてpの音の子音ㅂとsの音の子音ㅅという二重パッチムで構成されています。

パッチムには基本子音の14個、ㄲとㅆの2個、二重パッチムの11個があります。
二重パッチムは片方の子音のみ発音します。

大抵は左側の子音を発音しますが、ㄻとㄺとㄿは右側を発音します。例を挙げると、鶏という意味の「닭」はtalkではなく[닥](tak)と発音します。
なお、ㄼは形容詞は左、動詞は右というように単語によって異なりますので、徐々に覚えていきましょう。

パッチムは基本的には下記の7種類にまとめることができます。

ハングル 読み方 種類 発音
k ㄱ、ㅋ、ㄲ、ㄳ、ㄺ ・舌を奥に引いて、「ック」と言うときのッの音を出すように発音
t ㄷ、ㅌ、ㅅ、ㅆ、ㅈ、ㅊ、ㅎ ・舌先を上歯茎の裏につけて、「ッタ」と言うときのッの音を出すように発音
p ㅂ、ㅍ、ㅄ、ㄿ ・口を閉じて、「ッパ」と言うときのッの音を出すように発音
n ㄴ、ㄵ、ㄶ ・口を開けて、舌先を上歯茎の裏につけて、ンの音を出すように発音
m ㅁ、ㄻ ・口を閉じて、ンの音を出すように発音
m ㅁ、ㄻ ・口を閉じて、ンの音を出すように発音
ng ・口を開けて、舌先を上歯茎の裏につけず、喉の奥でンの音を出すように発音
l ㄹ、ㄼ、ㄽ、ㄾ、ㅀ ・舌先を上歯茎の裏につけ、日本語のルの音を短く切るように発音

パッチムの連音化の仕組みとは

パッチムにはのある文字の後にㅇから始まる文字が来ると、パッチムの音がㅇに移って、連音化する仕組みがありますします。
例えば、音楽という意味の「음악」は、「음」(um)と「악」(ak)という二つの文節から成り立っていますが、ㅁ(m)が二番目の文節の初声になって、[으막](u・mak)という発音になります。

また、二重パッチムのある音節の後にㅇから始まる音節が来るときは、左側の子音をまず発音し、右側にある子音がㅇに移って、次の文節の初声になります。
例えば、「값」という単語を単独で発音した場合は[갑](kap)と発音しますが、主語を表す助詞「이」(i)を付けて「값이」と言う場合には[갑시](kap・si)と発音します。

発音にはこの他にも様々なルールがありますので、その都度覚えていきましょう。

韓国語の仕組みを知ってハングルを覚えよう

パッチムの連音化の仕組みとは

ハングルの仕組みはアルファベットのような仕組みになっているので、一度覚えてしまえば意外に簡単です。
書かれている文字が読めれば、発音の練習にもなるので皆さんもぜひハングルを覚えてみてくださいね!


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