韓国語の発音変化のルールを知ろう!

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韓国語では文字ハングルの表している音が実際の発音とは異なる場合が数多くあります。

これは韓国語を初めて勉強する人にとっては、少し厄介なことかもしれません。

しかし、これにはきちんとした法則があり、韓国語のパッチムルールなど、そのルールを知っていると正しい発音をするのに役立ちます。

そこで今回は、韓国語の発音変化のルールについてご紹介します!法則を覚えて、韓国語の発音の基本を学びましょう。

有声音化

韓国語には母音もしくはパッチムㄴ、ㄹ、ㅁ、ㅇの後にㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅈから始まる文字が来たとき、ㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅈが濁音に変化するというルールがあります。

これを韓国語の有声音化といいます。シンプルに言えば、濁った発音にすることです。

有声音とは声帯を震わせて出す音のことです。

例えば、「夫婦」という意味の「부부」という単語を取り上げてみましょう。

一番目の「부」は単語の最初にあるので清音で[pu]と読みます。

しかし二番目の「부」は前に母音があるため、濁音[bu]になります。

そして、この二つを合わせて[pu-bu]と発音します。

一番目の「부」と二番目の「부」とでは読み方が違うのです。

今度は、焼肉の定番である「カルビ」(「갈비」)を見てみましょう。

「갈비」は「갈」([kal])と「비」([pi])という二つの音節から成り立っています。

しかし、この二つを連続して言うときには、パッチムㄹの後にㅂが続くため、[kal-bi]と
いうようにㅂが濁って発音されます。

連音化

2つ目の韓国語の発音ルールは連音化です。パッチムの後にㅇから始まる音節が続く場合は、そのパッチムがㅇの代わりに発音されます。

これを連音化と呼びます。

英語の「thank you」を[サンキュー]と言うのと一緒です。

例として、「信用」という意味の「신용」を考えてみましょう。

この言葉は「신」([sin])と「용」([yong])という音節から成っています。

しかし二つを続けて読むと、パッチムㄴがㅇに移り、[시뇽]([si-nyong])と発音されます。

二重パッチムの場合は左側のパッチムが一つ目の音節のパッチムとして読まれ、右側のパッチムがㅇの代わりに発音されます。

「晴れ」という意味の「맑음」という単語を例にして考えてみます。

一文字目の「맑」の下側にはㄹとㄱという二つの子音がありますね。

このとき左側のㄹはそのまま一つ目の文字のパッチムとして発音されます。

しかし右側のㄱはㅇに移るので、全体で[말금]([mal-geum])と読まれます。

激音化

激音化のルールですが、パッチムㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅈの後にㅎから始まる音節が続く場合は、パッチムとㅎが合体して、そのパッチムの激音ㅋ、ㅌ、ㅍ、ㅊで発音されます。

また、パッチムㅅの後にㅎから始まる音節が続くときも、同じように激音ㅌで発音されます。

例えば、「入学」はハングルで「입학」と書きますが、ㅂパッチムとㅎが合わさってㅍになるので、[이팍]というように発音されます。

パッチムㅎ、ㄶ、ㅀの後にㄱ、ㄷ、ㅈから始まる音節が続くときも、同じようにㅋ、ㅌ、ㅊの発音になります。

例えば、「多い」は韓国語で「많다」ですが、ㅎとㄷが合わさってㅌの音に変化するので、[만타]という読み方になります。

激音とは息を強く吐き出す有気音のことです。

激音を練習するときにはティッシュを口の前に垂らし、ティッシュが揺れるように声を出してみましょう。

濃音化

ㄱ、ㄷ、ㅂの音で発音されるパッチムの後にㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅅ、ㅈから始まる音節が来たとき、ㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅅ、ㅈは濃音、つまりㄲ、ㄸ、ㅃ、ㅆ、ㅉになります。これが、濃音化です。

例えば、「食堂」を表す単語「식당」はㄱパッチムの後ろにㄷで始まる文字が続いているので、ㄷが濃音ㄸの音になり、[식땅]([sik-ttang])と発音されます。

もう一つ例を挙げると、「釣り」という意味の「낚시」はパッチムㄲがㄱの音で発音され、ㅅがㅆに濃音化されますので、[낙씨]([nak-ssi])という読み方になります。

また、漢字語では、ㄹパッチムの後ろにㄷ、ㅅ、ㅈから始まる音節が続くとㄷ、ㅅ、ㅈがㄸ、ㅆ、ㅉになります。

例えば、「発達」という意味の「발달」は、ㄷがㄸに濃音化され、[발딸]([pal-ttal])という読み方になります。

漢字語にはこの他にも、「여권」(「旅券」)を[여꿘]([yeo-kkwon])と読むなど、有声音化せず濃音化する単語もあるので、注意が必要です。

濃音とは喉を緊張させて出す無気音のことです。

濃音を練習するときはティッシュを口の前に垂らし、ティッシュが揺れないように声を出してみましょう。

流音化

ㄹパッチムの後にㄴから始まる文字が来ると、ㄴはㄹの音に変化します。

また、ㄴパッチムの後にㄹから始まる文字が来ると、ㄴパッチムはㄹの音に変化します。

これを流音化といいます。

例えば、韓国の旧正月「ソルラル」は「설날」と書きますが、[seol-nal]ではなく、[설랄]([seol-lal])と読みます。

また、朝鮮を最初に統一した王朝である「新羅」は「신라」と書きますが、[sin-la]ではなく、[실라]([sil-la])と読みます。

鼻音化

ㄱ、ㄷ、ㅂの音で発音されるパッチムの後にㄴ、ㅁから始まる文字が来ると、パッチムがそれぞれㅇ、ㄴ、ㅁに変化します。

これを鼻音化といいます。

鼻音とは空気が鼻に抜ける音のことです。

例えば、「国民」はハングルで「국민」と書きます。

これは[kuk-min]と読みたいところですが、ㄱパッチムの後ろにㅁから始まる文節が来ているため、発音されるときにはパッチムㄱがㅇに変わり、[궁민]([kung-min])という音になります。

では、「昔」を意味する「옛날」はどうでしょうか?

ㄷの音で発音するパッチムにはㅅも含まれています。

それでㅅがㄴの音に変わり、[옌날]([yen-nal])と読まれます。

さらに数字の「十万」という意味の「십만」も見てみましょう。

これもㅂパッチムの後にㅁで始まる文字が続いており、読むときにはㅂパッチムがㅁの音に変化しますので、[심만]([sim-man])と発音されます。

また、パッチムㅁ、ㅇの後にㄹから始まる音節が続くと、ㄹはㄴに変化します。

それで例えば「心理」を表す「심리」という言葉は[심니]([sim-ni])という発音になります。

さらにパッチムㄱ、ㄷ、ㅂの後にㄹから始まる音節が続くと、ㄹはㄴの音になり、ㄱ、ㄷ、ㅂのパッチムはそれぞれㅇ、ㄴ、ㅁに変化します。

例を挙げると、「国立」を意味する「국립」は[kuk-rip]ではなく[궁닙]([kung-nip])と発音します。

口蓋音化

パッチムㄷ、ㅌの後に이が来ると、[지]、[치]と発音されます。

これは口蓋音化と呼ばれていて、「radio」を日本語で[ラジオ]と言うのと同じようなものです。

例えば、「日の出」という意味の「해돋이」は、[해도지]([hae-do-ji])という読み方になります。

また、パッチムㄷの後に히が来ると、激音化と口蓋音化が起こり、[치]と発音されます。

「閉まる」という意味の「닫히다」は、[다치다]([ta-chi-da])という発音になります。

ㄴ挿入

パッチムで終わった単語の後に、ヤ行の半母音야、여、요、유と이から始まる単語が続くときは、ㅇがㄴの音に変化し、냐、녀、뇨、뉴、니になります。

日本語で「観音」という言葉を[かんおん]ではなく、[かんのん]と読むことがあるように、ㄴが挿入されるのです。

例えば、「일본요리」(「日本料理」)という合成語を見てみましょう。

これには「일본」(「日本」)と「요리」(「料理」)という二つの単語が合わさっています。

続けて読むときにはㄴパッチムで終わった単語の後に요から始まる単語が続くため、ㅇがㄴの音に変わって[뇨]となり、[일본뇨리]となります。

二つ目の例として、今度は「서울역」(「ソウル駅」)という言葉を取り上げます。
「서울」は「ソウル」、「역」は「駅」という意味です。

これもㄹパッチムで終わる単語の後ろに여から始まる単語が連続しているので、ㄴが挿入されることによって[서울녁]となるのですが、それだけでは終わりません。

ㄹパッチムの後にㄴが来たので、ㄴはㄹの音に変化するという流音化が起こります。

それで最終的には[서울력]という発音になります。

의の発音

には三種類の発音の仕方があります。

まず、単語の最初にある場合には[ui]([ウィ])と発音します。

しかし単語の最初に来ていない場合には[i]([イ]/[이])と発音します。

それで、「議会」を意味する「의회」は[ui-hoe]([ウィフェ])と読むのに対し、「会議」を意味する「회의」は[hoe-i]([フェイ]/[회이])と読みます。

また、助詞「~の」として使う場合は[e]([エ]/[에])と発音します。

例えば「君の」(「너의」)と韓国語で言いたい場合は、「君」という意味の「너」に「의」を付け、[no-e]([ノエ]/[너에])という音で表現します。

ㅖの発音

には二種類の発音の仕方があります。

まず母音で「예」と発音する場合は、[ye]([イェ])という音になります。

しかし子音と共に発音する場合には、[e]([エ])の音になります。

それで、例えば予約を意味する「예약」は[ye-yak]、計算を意味する「계산」は[ke-san]と発音されます。

ㅎの無音化

は単語の最初に来るときは[h]で発音されます。

しかし、母音やパッチムㄴ、ㄹ、ㅁ、ㅇの後にㅎから始まる音節が続くときには、ㅎの音が弱くなったり発音されなくなったりします。

日本語で「頰」を[ほほ]ではなく[ほお]と読むことがあるのと同じですね。

例として、「結婚」という単語「결혼」で考えてみましょう。

これを音節ごとに発音すれば[kyol-hon]になりますが、ㄹパッチムの後ろにㅎが続いていますので、ㅎはㅇに近い音になり、ㄹが連音化されます。

それで、実際の発音は[겨론]([kyo-lon])になります。

また、ㅎパッチムの後にㅇから始まる音節が続くときにも、ㅎは無音化して発音されません。

「良いです」というフレーズ「좋아요」を例にして見てみましょう。

この発音は、連音化のルールによるとㅇにㅎパッチムが移り、[조하요]([cho-ha-yo])となるのではないかと思われるかもしれません。

しかし実際はそうではなく、ㅎの音が消えますので、発音通りに表記すると[조아요]([cho-a-yo])となります。

二重パッチムㄶとㅀの場合もㅎが脱落し、ㄴとㄹが次のㅇに移動して連音化が起こります。

例として、「嫌です」というフレーズ「싫어요」を取り上げてみます。

これも二重パッチムの連音化の法則を当てはめるなら、[실허요]([sil-ho-yo])となると思いがちですが、そうではありません。

ㅎが消え、ㄹが連音化しますので、[시러요]([si-ro-yo])という発音になります。

韓国語の発音変化 まとめ

韓国語の発音変化を取り上げ、パッチムの法則や音声変化などいろいろ紹介しましたが、いかがでしたか?

韓国語初級者の方にとっては少し難しかったかもしれませんね。

発音変化の法則を理解してはいても、声に出して言うのは簡単ではありません。

無理に暗記しようとせず、単語や表現を習うときにその都度ルールを思い出し、自然に身につけるようにしましょう。