接続詞のthatと関係代名詞のthat!どのように使ったらいい?

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最終更新日:2019-09-11

 

“that”という単語は、よく長い文章の文中に出てくる単語ですよね。

この文中に出てくる“that”の多くが、接続詞か関係代名詞と言われるthat節です。

この2つの種類の品詞に悩まされている人もいるのではないでしょうか。また、そもそも接続詞・関係代名詞とはなんなのか、“that”を使うことでどう表現できるのか、いまいち理解できていない人もいるでしょう。

しかしこの“that”を使った表現は、英語では必須且つ頻出の表現です。

そこで今回は接続詞“that”と関係代名詞“that”について、その違いや使い方、関係代名詞の場合は“that”を省略できる条件などについて練習文を通してトレーニングしていきましょう。

 

接続詞・関係代名詞ってなに?

「接続詞」「関係代名詞」と聞いても、まずそれ自体が何かわからない人も少なくないでしょう。
まずはこの2つの品詞がどういう働きをするものなのかを知っておくと、that節の意味や使い方が見えてくるでしょう。

まず「接続詞」というのは、簡単に言えば文と文や節と節などをつなぐ役割をする品詞のことです。

日本語にもある品詞ですから、理解しやすいかもしれません。

日本語の接続詞というと、

「しかし」
「だから」
「なぜなら」
「ところで」

などといったものがあります。

非常に数が多く、英語の接続詞とは若干異なる働きのものが多いのも特徴です。

 

英語の接続詞には

“that”
“and”
“or”
“but”
“because”

などがあります。

 

なんとなく、「文と文をつなぐ役かたち割をする言葉」であることが見えてきたでしょうか。

では「関係代名詞」とはなんでしょうか。
こちらは日本語にはない概念ですから、少し理解しづらいかもしれませんね。

関係代名詞とは、「関係詞」と言われる品詞の仲間です。
関係代名詞は接続詞のような働きをするもので、その前後の節をつなげる役割を持ちます。しかし節の中では代名詞としてはたらくのが特徴です。

と説明しても、余計にわからなくなるかもしれませんね。
ここでは、「関係代名詞はその前にある名詞について、これから説明しますよー」という目印だとでも思ってください。

では具体的に接続詞“that”と関係代名詞“that”は、どのような使われ方をするのかを見ていきましょう。

 

接続詞の“that”「~ということ」

基本的には和訳として、「~ということ」の意味で訳されることができ、直前の動詞の内容を説明したり情報を補足したりする役割があると言えます。

まずは接続詞“that”を実際の文章でどのように使われるのかを例文で練習していきましょう。

 

- I know that the test is difficult.
(私はそのテストが難しいことを知っています。)

- We didn’t realize that he was angry.
(私たちは彼が怒っていることに気づかなかった。)

- I told my mother that she should take a rest.
(私は母に休憩するべきだと言った。)

- The weather report said that it was going to rain.
(天気予報は雨が降ると言った。)

 

どうでしょうか。
なんとなく、接続詞の場合のthat節がどういうはたらきをするのか見えてきたでしょうか。

一文目の文章では“that”が I knowThe test is difficult.
「私は知っている」/「そのテストは難しい」 この2つの文章をつなげるための接続表現として出てきます。

「そのテストが難しい『ことを』知っている」という『ことを』の部分が“that”に当たるのです。

自然な和訳をすると別物になりますが、他の例文でも“that”は同じ働きをしています。

 

次の例文を見てみましょう。

The weather report said that it was going to rain.

こちらの文章内容についても分解してみましょう。

The weather report saidIt was going to rain.
「天気予報は言った」/「雨が降る」
=「雨が降る『ことを』天気予報は言った。」

自然な訳ではありませんが、こちらも“that”が『~ということを』といった意味内容で使われているのがわかるでしょうか。

これが接続詞“that”の役割なのです。

 

接続詞の“that”の使い方

接続詞“that”は文章中で出てきても、文脈でなんとなく読み取って文法構造や“that”の使い方に目を向けなくてもなんとなく理解できてしまう、ということも少なくありません。

しかし、その場しのぎで読み取れても具体的な用法を理解していないと自分で文章を書いたり話したりするときに困ってしまいます。

そうならないためにも、接続詞として使用する場合の“that”はどのように使えばよいのか、最初の例文を使ってもう少し詳しくみてみましょう。

 

I know that the test is difficult.

この“that”のあとに付いている文章(that節とも呼ばれる)“the test is difficult.”は、単体でも文法的に問題なく成り立ちます。

これが、接続詞“that”の特徴です。

 

後述しますが、関係代名詞“that”の場合は、“that”の後の文章は目的語など文法上必要となる構成要素が欠けており、単独では成り立たない文章になっています。

もちろん、that以前の“I know”や“I didn’t realize”の節も文法的に成り立つ完全体の文章になっています。

そのため、“and”や“because”と同じように
「主語+述語(+目的語、補語など)」
の形で文章として成り立つ2つの節を繋ぐ接続詞として使用すれば正しい用法で使えます。

 

関係代名詞“that”とは

関係代名詞とは日本語には存在しないものなので、理解するのに時間がかかってしまうことも少なくありません。

関係代名詞“that”とはどのような使い方をするものでしょうか。
こちらもまずはいくつか例文からみてみましょう。 

- I know the girl that is walking with a dog.
(私は犬と歩いているあの女の子を知っています。)

- This is the best book that I have ever read.
(この本は私が読んだ中で最も良い本です。)

- I talked with the guy that just moved in.
(私は最近引っ越してきたあの男性と話した。)

- The park that is near ABC bank is called “Edmonton Park.”
(ABC銀行の近くの公園は、エドモントン公園といいます。)

 

さて、この例文を見て、接続詞“that”との違いが見えてきたでしょうか。

接続詞“that”と関係代名詞“that”の違いを解説するために、まずは最初の例文を分解してみましょう。

I know the girlis walking with a dog.
「私はその女の子を知っている。」/「犬と歩いている」

こちらの文章では、thatの後の文章はそれだけでは成り立たない文章ですね。

関係代名詞として“that”が使われている場合、その後の文章は単独では成り立ちません。

そして“that”の後の文章は、“that”の前にきている名詞について詳しく説明しています。

この例文で言うと“the girl”がどんな女の子・どの女の子なのかを明確にしていますね。 

 

もう1つ例文を分解してみましょう。

This is the best bookI have ever read.
「これは最高の本です。」/「私が読んだことがある」

これは和訳ではちょっとわかりづらいかもしれませんが、こちらも“that”の後の文章はこれだけでは成り立っていません。

これを単純な現在形にするとわかるかもしれません。
I read.「私は読む」
この文章には「何を」という部分がないので、これだけでは成り立っていませんよね。

そのうえ文法的に見ても、readは他動詞であるため、後ろに目的をとらなければならないのです。

また、この例文は最初の例文とはちょっと雰囲気が異なる文章です。
“the best book”だけだと、誰にとっても最高の本だというようなニュアンスになってしまうのですが、そこに“I have ever read”とつけることで範囲を限定しています。

これも、thatの前の名詞をその後の文章で説明している形です。

 

関係代名詞“that”は省略可能?

関係代名詞“that”はしばしば文章中で省略されることがあります。

例えば、先ほどの英語例文で示した文章で“that”が省略できるものがあります。

This is the best book (that) I have ever read.

こちらの文章は“that”を省略することができますが、次の文章は省略することができません。

 

The park that is near ABC bank is called “Edmonton Park.

これら2つの文章を見比べてみて、その違いは気付きましたか?
その答えは、“that”が文章中で持つ役割です。

 

の文章では“that”が目的語の役割のある、いわゆる目的格と呼ばれる語句です。
この場合は“read”の目的語となる部分が欠けているため、その役割を“that”で補っています。

一方での文章は“that”が主語の役割を持つ、主格と呼ばれる分類にあるものです。
先ほどと同じ要領で確認していくと、“is near ABC bank.”の文章にあたる主語の部分が欠けているため、それを“that”で補っています。

 

これらの例文からわかるように、“that”を省略できるのは目的格の場合のみという単純なルールに従っていたのです。

これは、関係代名詞が“which”であっても“who”であっても同様に目的格の場合のみ省略可能となります。

もしも、文章を読んでいたり会話の中で文法的に違和感を覚えたら、一度“that”が省略された可能性を疑ってみるのもよいでしょう。

このように“that”を省略することができるのは関係代名詞として使用され、かつそれが目的格のときのみです。

関係代名詞“that”はthat節の中身が文章として成り立たない文法構造になっていることに加え、目的格の場合は省略可能であるという2点が最大の特徴と言えるでしょう。

 

まとめ

接続詞と関係代名詞の“that”は文章としてはとても似ているので、なかなか違いがわからないかもしれません。

しかしこうして例文と和訳を一緒に見てみるとなんとなくわかってきたのではないでしょうか。

“that”が接続詞として使用される場合にはthat節の文章が文法的に成り立つ構造になっている一方で、関係代名詞として使用されるときにはthat節の文章が文法構造の主語や目的語などにあたる何かが欠けており、不完全なものになっているのが見分け方のポイントです。

さらに、“that”が関係代名詞の目的格の場合には省略することができるということも忘れてはなりません。

 

that節は本当に英文でよく目にするものですから、「出てきた!」と思ったら、今回の記事を参考にその使い方をよく注意してみてくださいね。

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