みなさんは、「カナダ」 という国に対して
どんなイメージを持っていますか。
メープルシロップの国でしょうか、ロッキー山脈の国でしょうか、
それとも多文化共存の国でしょうか……。
きっと様々なイメージをお持ちでしょう。
留学先としても人気がありますが、都市ごとに特徴は異なります。ご自分に合った都市を選べるよう、この記事ではカナダの基本情報から、都市の規模、年間の気候まで詳しく紹介します。
カナダの基本情報について
カナダはアメリカ合衆国本土の北に位置する国で、10の州と3の準州から構成されています。
面積は998.5万㎢で、世界第2位の広さを誇ります。日本の約27倍も広いです。
人口はカナダ統計局の推計によると、2024年7月1日時点で41,288,599人です。カナダの人口推移を追うと、高い増加率が見られます。大部分は移民の流入によるものです。
日本の2024年1月1日時点での人口124,885,175人に比べますと、約3分の1の人口です。
カナダの人口の7割は、南部のアメリカ国境付近に集まっています。カナダ北部は北極圏で、また内陸部は冷え込む気候になっているため住むことが難しいという、地理的な制約が理由です。これらの事情から、面積に比べると人口が少ないことや、人口密度・分布がまばらなことも説明できますね。
カナダの人口の多さは、世界ランキングでは第38位となっています。一方の日本は第12位です。
以下がカナダのその他基本情報です。
- 首都:オタワ
- 公用語:英語、フランス語
- 通貨:カナダドル(CAD)
- GDP:2兆1,401億ドル(2023年)
- 電源:Aタイプ(日本と同じ)
- 時差:カナダ全土で時間帯は6つに分かれています。 それぞれの時間帯で、日本とは−12.5時間~−17時間の時差があります。(サマータイム時:−11.5時間~−16時間)
カナダの歴史
基本情報を踏まえた上で、カナダの歴史についてもみていきましょう。
現在のカナダは、移民によって作られた国です。
元々先住民が暮らしていた土地に、16世紀頃から移民が移り住んできました。当時は植民地として扱われていましたが、1931年にウェストミンスター憲章によって、実質的に独立国家となったのが歴史的経緯です。
カナダの魅力
カナダと言えば、大きく2つの魅力が挙げられます。
まずはその社会が「多文化」であることです。
「多文化主義政策」を掲げているカナダは、世界中から人々が集まっています。例えばトロントは「人種のモザイク」と呼ばれており、市内では様々なエスニックタウンを訪問でき、多様な文化に触れられます。
次に、豊富な「自然」に恵まれていることです。
世界三大瀑布のナイアガラの滝、周囲が国立公園に囲まれているバンフ、オーロラといった大自然が楽しめます。
都市部からのアクセスもよく、車で1〜2時間移動すれば、そこにはもう雄大な景色が待ち受けているのです。
カナダのグルメ
特にトロントであれば、数多くのエスニックコミュニティが形成されており、世界各国の食事を堪能できます。エスニックコミュニティを歩き回れば、旅行しているような気分にもなれるかもしれません。
そんなカナダで生まれた料理としては、「プーティン」があまりにも有名です。
フライドポテトに、肉汁を用いたグレイビーソースとチーズをかけた料理です。カナダの「ソウルフード」と言っても過言ではありません。値段も基本的に安価なため、学生でも気軽に購入できます。
忘れてはいけないチップのマナー
現地でトラブルを起こさないためにも、レストランなどでサービスを受けたらチップを払いましょう。
カナダでは、サービス業などではチップをもらうのを前提とした低めの給与が設定されている場合が多いです。
サービス業のスタッフにとって、チップが欠かせない収入源だということを頭に入れておきましょう。
以下は主要なチップの相場です。
- レストラン・バー:会計の15~20%
- ホテル(サービス1回あたり):1~3 CAD
- タクシー:15%
- フードデリバリー:2~5 CAD
- ヘアサロン:15%
カナダの治安
「Institute for Economics and Peace」というシンクタンクが毎年発表している「世界平和指数」(Global Peace Index)をご紹介します。
2024年度の結果、対象国163カ国中カナダは11位で、「平和の状態」が「とても高い」と評価されています。
その一方で日本は17位と、「高い」「平和の状態」としてランクインしています。
日本よりもカナダの順位が高いのに驚いた方もいるのではないでしょうか。カナダは世界的に見ても治安面・平和の状態でかなり良い評価を受けていると言えますね。
カナダの都市ごとの人口と特色
カナダの主要都市を、バンクーバー、トロント、モントリオール、カルガリー、ビクトリアの順にご紹介します。
バンクーバー
人口は662,248人です。英語が67%、中国語が13%の家庭で話されていることから分かるように、中国系の移民が多い市です。
人口の約5分の1が中国系で、英語を母語として話す人の割合は減りつつあります。
都会でありながらも山や海に囲まれた都市で、1年を通してアウトドアのアクティビティを楽しめます。
カナダでも比較的暖かい気候であり、これは東太平洋を流れる暖流の影響によるものです。夏は晴天が続き、日没も21時以降になります。湿度が日本より低いため、気温が高い日も過ごしやすいです。冬は雨季に入りますが、気温は氷点下にはなりません。
トロント
人口は3,025,647人であり、カナダで最も人口が集中している最大の都市です。
移民が多いことから、語学学校や大学の数も多いです。教育水準も高く、留学生のための制度も整っています。カナダ経済の中心地でもあり、娯楽関係の施設も豊富です。
亜寒帯湿潤気候に属しており、四季の変化は東京に似ていますが、トロントは全体的に気温が低いです。冬は氷点下を記録するほど冷え込みます。上述したナイアガラの滝や、紅葉で有名なメープル街道も近辺に位置しています。
モントリオール
人口は1,762,949人です。カナダで2番目に多い人口を記録しています。
フランス語話者が多く、街中にはフランス語表示が多く見られます。日本人比率も他の都市に比べて低く、フランス語と英語を両方勉強したい人に向いている留学先と言えるでしょう。
その街並みは、「北米のパリ」 と呼ばれるほど美しいと評判です。
フランス植民地時代の旧市街と、モダンな高層ビルが共存しています。
「シルク・ドゥ・ソレイユ」や「モントリオール映画祭」の本拠地でもあります。冬の気温は平均−10℃と冷え込みますが、地下鉄が発達しているため移動は快適です。
カルガリー
人口は1,306,780人です。大都市ですが、カナディアン・ロッキーまで車で1時間くらいの距離に位置しています。
大自然がすぐ近くにあるのは、アウトドアアクティビティが好きな人には魅力的に映ることでしょう。
比較的日本人留学生が少なく、英語にたくさん触れられるチャンスがあるかもしれません。
物価が低い傾向にあるのも重要なポイントです。
冬場の気温は0℃を下回り、最低気温が−20~−30℃を記録することもあります。カルガリーで冬を過ごす際は、冷え込み対策を十分に行いましょう。
ビクトリア
人口は9万人ほどの、小さい規模の都市です。バンクーバー島南部に位置しています。
ビクトリアと本土の海峡に生息しているシャチ(キラーホエール)の群れを眺めるホエールウォッチングを1年中楽しむことも可能です。
街に高層ビルは少なく、イギリス植民地時代の影響を受けたヨーロッパ風の街並みが見られます。市内は花で彩られており、「ガーデンシティ」という別名を持つほどです。
定年退職後のカナダ人が多く移り住んでくる憧れの都市でもあります。
また、バンクーバーやトロントといった大都市と比較しますと、生活費も比較的低く抑えやすいのも見逃せないですね。気候が温暖な都市としても知られており、1年を通して気温の変化は緩やかです。
カナダ都心部に留学するメリットとデメリット
続いて、留学先が都心部か郊外かの違いでどのようなメリット・デメリットがあるかをご紹介します。まずは都心部に関してです。
カナダ都心部に留学するメリット
○利便性が高く、交通、買い物、外食などが便利でやすいです。
○娯楽も多く、退屈しにくいです。
○キャリア構築やネットワーキングの機会が比較的多いと言えるでしょう。
カナダ都心部に留学するデメリット
○生活費が高くなりがちです。予算管理が大切になってきます。
○混雑によるストレスといった、都会の喧騒に慣れるまで時間がかかるかもしれません。
カナダ郊外に留学するメリットとデメリット
次に、郊外に留学した場合のメリットとデメリットを考えてみましょう。
カナダ郊外に留学するメリット
○落ち着いた環境で勉学に打ち込みやすいと言えます。
○生活費が比較的リーズナブルです。
○日本人が少ない場合が多く、その分英語を使う場面が増え、現地コミュニティと交流する機会も増える可能性があります。
カナダ郊外に留学するデメリット
○交通や買い物の利便性が低く、娯楽も限られてきます。
○キャリアの機会も都心部よりは限定的になりがちかもしれません。
カナダ留学で自分に合った都市を選ぶポイント
カナダの基本情報から始めて、主要都市の情報や都心部・郊外のメリット・デメリットも一通りご説明しました。
各都市のイメージは掴めてきましたでしょうか。
最後に、ご自分に合ったカナダの都市を選ぶためのポイントをお伝えします。これらポイントを踏まえて、カナダの留学先を探してみてくださいね。
○予算:学費だけでなく生活費も含めて、どれくらいの予算を留学に割けそうか考えてみましょう。
○気候:都市によって気候に特徴があります。どこまで寒さを気にするかも、都市を選ぶ際の基準のひとつになるかもしれません。
○利便性をどこまで重視するのか:多少不便でも構わないのか、検討してみましょう。
○日本人の多い環境を希望するのか・しないのか:いざという時に日本人の方がいるのは心強いかもしれません。一方で、日本人同士で過ごすことが多ければ、英語をあまり話さないということも……?
○卒業後のキャリア:都市部で働きたいのか、郊外で働きたいのか、なども踏まえて考えましょう。
以上のポイントが納得いく選択の助けとなれたら嬉しいです。素敵な留学先と巡り会えますように。