あなたは「used to」と「be used to」の違いをちゃんとわかっているでしょうか?パッと見た感じが似ているので、
・同じ意味だと思ってしまったり
・どちらがどちらかわからなくなってしまったり
…している人もいるでしょう。
しかしこの2つの表現、その意味はかなり違うものなのです。なので、きちんと使い分けなければ、相手に意味が伝わらないのです。
そこで今回は、「used to」と「be used to」の意味の違いや使い方を解説していきます。この記事を参考に、それぞれの意味をきちんと理解し、正しい使い方ができるように練習してみてください。
間違いやすい「used to」と「be used to」…その違いとは?
「used to」と「be used to」は、見た目はかなり似ています。この2つの表現を使って、どのように文章を作るのか、まずは例文を見てみましょう。I am used to living in London.
さて、used toまたはbe used toが使われたこの2つの文章。違いがわかるでしょうか?
「used to」の方は「used to 動詞の原型」という形になっていて、「be used to」の方は「be used to 動名詞」となっています。
このように、この2つの表現は文章の構成が異なります。「used to」の方はそのあとに動詞の原形がくる一方で、「be used to」の方は、動名詞か名詞が入ります。ただ文章の構成が違うだけなら良いのですが、この2つの文章はかなり意味が違います。今度は和訳と一緒に比べてみましょう。
I used to live in London.
(以前ロンドンに住んでいました。)
I am used to living in London.
(ロンドンでの生活に慣れています。)
どうでしょうか。ニュアンスが違うというレベルではなく、かなり意味が違ってきてしまうので、この2つを混同してしまうと会話がちぐはぐになってしまうことがわかるでしょう。
しかし、両英文とも日常英会話のなかで話せるようにしておきたいフレーズです。
ではそれぞれ、どういう意味でどのように使うのかを解説していきます。
「used to」の意味(過去の事柄)と使い方
まずは、use toのほうからみていきましょう。「used to」というと、use(使う)の過去形のように感じるでしょう。しかし、useの過去形usedにtoをつけると、過去にしていたことを表す助動詞になります。助動詞というと、canやwillが思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。
used toが助動詞というのは意外に思うかもしれませんね。しかしtoがつく助動詞は、have toやought toのように他にもあるんです。
助動詞とは、動詞と一緒に使うことで動詞の意味を膨らませるはたらきをするもののことを言います。なので、「used to」はcanやwillのように、動詞の原形とセットで使います。
「used to」は、「過去にしていたことを表す」と言いましたが、そこには暗に「過去にはしていたけれど今はやっていないようなニュアンス」も含まれています。上記で使った例文を例にして見てみましょう。
(以前ロンドンに住んでいました。)
英会話でこのような文章を口にする場合、話者は現在ロンドンに住んでいないでしょう。シチュエーションによっては例外もあるかもしれませんが、ほとんどの場合はそうです。
留学、駐在などの理由で以前はロンドンにいた人が、それらの日程を終えて日本に戻った状態で言うようなケースです。
「I lived in London.(ロンドンに住んだ。)」という単純過去や「I have lived in London.(ロンドンに住んだことがある。)」という現在完了とも違いがあります。それは、「used to」を使うことで「以前住んでいた」というニュアンスが出せるということです。
もう少し深く理解するために、例文と和訳をいくつか見てみましょう。
He used to be a mean person.
(以前彼はいじわるな人だった。)
I used to play the piano.
(以前ピアノを弾いていた。)
I used to speak English fluently.
(以前は英語を流暢に話した。)
This city used to be much smaller.
(この都市は以前はずっと小さかった。)
My mother used to earn a lot.
(私の母は以前たくさん稼いでいた。)
どうでしょうか。
ここでつまずくポイントは、「He used to be a mean person.」や「This city used to be much smaller.」のように、「used to」のあとに「be」が来ているパターンでしょう。
しかし、この「be」はbe動詞の原形なので、文章構成は、「used to 動詞の原形」となっています。「used to」のあとには動詞の原形が来ますが、言い表すフレーズは、必ずしも動作に限られず、形容詞などにも使われます。
「be used to」の意味(「慣れている」)と使い方
では次は、「be used to」の意味と使い方を解説していきます。「be used to」は何かに慣れていることを表す表現です。「used to」は助動詞だと説明しましたが、「be used to」の「used」は形容詞的な働きをします。そして、前述のとおり、「be used to」のあとは名詞か動名詞を置くのです。最初に使った例文を見て、もう少し掘り下げてみましょう。
I am used to living in London.
(ロンドンでの生活に慣れています。)
こう言っているとき、話者はおそらくまだロンドンに住んでいて、「ある程度の期間住んだので、その生活に慣れている」と言っているわけです。つまり「be used to」を使う場合は、その動作をある一定回数・期間続けていてそれに慣れたことを表すのです。もし「彼」がロンドン生活に慣れているのであれば、He is used to..と変えていきます。
ではこちらも例文と和訳をいくつか見ていきましょう。
I’m used to speaking English.
(私は英語を話すのに慣れている。)
She is used to the hot weather.
(彼女は暑い気候に慣れている。)
The students are used to the teacher who shouts at them all the time.
(その生徒たちは、いつも怒鳴ってくる先生に慣れています。)
He’s used to taking a long flight.
(彼は長時間のフライトに慣れています。)
I am very much used to spicy food.
(私は辛い食べ物にかなり慣れています。)
といった感じです。
この文章のなかの「used」は前述のとおり、形容詞なので、その前に「very much」などの強調表現をつけて、「とても慣れている」「かなり慣れている」という文章にすることができます。
「very much」のほかにも、「quite」なんかもよく使われます。すごく慣れたニュアンスを出したいときには、こうした強調表現も使ってみてください。
use to / be used toの意味・使い方の違い まとめ
今回は、とても似ている表現である「used to」と「be used to」についてそれぞれ解説しましたが、使い方はわかったでしょうか。文中でも触れているとおり、この2つは全く異なる意味を持つ表現なので、それぞれがどのような意味を持つのか、しっかり覚えておくことが大切です。【used to / be used toの使い方・意味の違い まとめ】
・「used to + 動詞の原形」…「過去に〜していた(けれど今はやっていない)」という意味
・「be used to + 名詞か動名詞」…「〜に慣れている」という意味
何度も練習すれば、used toとbe used toの違いに慣れ、混乱することはなくなるでしょう。
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◇経歴
英日翻訳・校正、英会話講師など
イギリスの現地企業にて就業経験あり
◇資格
TOEIC935点
英検準1級
ケンブリッジ英検FCE合格
◇海外渡航経験
イギリス5年弱、グアテマラ6ヶ月、合計49ヶ国に渡航歴あり
◇自己紹介
国内外で活動するWebライター兼翻訳者です。これまで手がけた記事は数千件以上。翻訳経験は通算5年位になります。コロナ禍前は世界中を旅をしながら仕事をするノマドワーカーをしておりました。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.