春の訪れを感じさせる【梅】は英語でどう表現するの?

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【梅】について

「春の花」というと、最初に思い浮かぶのは「桜」かもしれません。 でも桜よりも一足早く日本に春の訪れを告げてくれる花、それが「梅」です。

地域によりますが、早春の1〜3月頃、梅の木は葉よりも先に可愛らしい花をつけます。梅の花は5枚の花びらが1組になっていて、色は白、淡紅、紅色など。桜の花は花弁の先に切れ込みが入ってますが、梅の花には切れ込みがなく丸いのが特徴です。幼稚園の「桜組のマーク」「梅組のマーク」を表すイラストなどでも、その微妙な違いをよく目にしますよね。

梅は、春の花として愛されるだけでなく、その実は日本を代表する食べ物の一つでもあります。梅干しは食卓に欠かせませんし、梅茶漬けのファンも多いです。
「干し梅」「カリカリ梅」「梅シロップ」をはじめ、梅を加工したり原料として使った食品やお菓子もたくさんありますよね。また、季節になったら必ず「梅酒」を作るという家庭も少なくありません。

「梅」は酸性にかたよりがちな私たちの体を中和してくれるアルカリ性食品。また、梅に含まれるクエン酸は悪い菌の繁殖を抑えるとともに、疲労物質の蓄積を防ぐなど、いろいろな面で健康にとても良い食品です。

歴史をひもとくと、梅は奈良時代に中国からやってきたとされています。最初は、春一番に咲く花の方が注目され、梅の花を題材にした和歌も多く詠まれました。万葉集などにも梅を詠んだ歌がたくさんあります。
その後、鎌倉時代以降に梅の実が本格的に食用されるようになりました。戦国時代などには携帯食としても重宝されたそうです。 こうした、日本の長い歴史とともに愛されてきた「梅」。

今回は「梅」とそれにまつわるさまざまな事柄の英語表現について、多くの英語例文を交えながら解説していきたいと思います。

 

 

【梅】 英語表現

「梅」の英語表現としてよく紹介されるのが、
「Japanese apricot」
「ume」
「plum」
の3つです。
そしてこの3つ、その違いや使い方に注意しなければなりません。 では、順番に見ていきましょう。

Japanese apricot

「梅」を表す英語として最も一般的なのが「Japanese apricot」です。

もっとも、「apricot」の本来の意味は「杏子(アンズ)」です。「梅」も「アンズ」も「バラ科サクラ属」に属するので、植物の種類としては仲間です。ただし、梅の実が甘くならないのに対してアンズの実は熟すと甘くなります。
そのような違いはありますが、「梅」を一言で言い表せる英単語がないため、「Japanese apricot」が「梅」の英語での一般的な言い方になります。

「Apricot」の読み方をあえてカタカナで書くならば「アプリカット」「アプリコット」、もしくは「エイプリカット」「エイプリコット」です。最初の「ア」もしくは「エイ」を強く発音します。スペルにも注意しましょう。

なお、「Japanese apricot」で一般的には「梅の実」を表します。「梅の木」を表したい場合は「Japanese apricot tree」と言います。「梅の花」や「梅干し」については後ろの方で解説しますね。

Japanese apricots are not sweet even when they get ripe.
梅は熟しても甘くなりません。
It is said that Japanese apricots were brought into Japan from China during the Nara Period.
梅は奈良時代に中国から日本に伝わったといわれています。
There are many kinds of foods and snacks made from Japanese apricots in Japan.
日本には梅を使った食品やお菓子がたくさんあります。
Dried and processed Japanese apricots are called "hoshiume," and these are usually a little sweet.
梅を乾燥・加工したものは「干し梅」と呼ばれ、少し甘いのが特徴です。
Young green Japanese apricots are used to make various kinds of drinks.
若い青い梅は、さまざまな飲み物を作るのに使われます。

ume

「梅」の英語での言い方、2つ目は「ume」です。「うめ」をそのままローマ字で書いたものですね。

もっとも、同じように日本独特のものであっても、「ume」は「kimono(着物)」や「sushi(寿司)」ほど認知度は高くなく、まだ一般的には知っている人も少ないと思われますので、もし「ume」を使う場合は説明を付け加える必要があるでしょう。
また、誤解を防ぐために、「Ume」というように「U」を大文字にして固有名詞のように表現することもあります。

一般的に、「ume」で「梅の実」、「ume tree」で「梅の木」です。「梅の花」については後ほど解説しますね。

Do you know ume? It’s a Japanese apricot, one of the fruits many Japanese people love.
梅を知っていますか? 日本産のアプリコットのことで、多くの日本人が愛する果実の一つです。

plum

「梅」はまた、日本ではよく「プラム(plum)」と表現されることがあります。
ただこの「plum」という言葉、ちょっと日本と海外とで使い方や意味に違いがあるので注意しておいた方がいいかもしれません。

辞書・辞典によってもやや違いがあるのですが、英語の「plum」は通常「西洋すもも」を表します。ところが日本語の「プラム」は「日本すもも」を表すのが普通。
一方、「西洋すもも」は日本語だと「プルーン」と呼ぶことが多いです。でも、英語の「prune(プルーン)」は乾燥させたすももを指すことが多いようです。
ややこしいですね。

ただいずれにせよ、英語の「plum」は、大きさなどを含め梅とはイメージがだいぶ異なります。ですので、外国人に対して「plum」という言葉を使う場合は、やはり少し説明を加えた方がいいでしょう。

また、「Japanese plum」というように言えば、一般的な「plum」とは違うんだな、ということがわかってもらえます。実際、海外では「梅」のことを「Japanese plum」と表現している場合も少なくありません。

I often enjoyed Japanese plum, called “ume,” at Japanese breakfast tables.
私は、日本の朝の食卓で、「梅」と呼ばれる日本産プラムをよく食べました。
Many Japanese people translate “ume” in Japanese to “plums” in English.
多くの日本人は日本語の「梅」を英語では「plum」と訳します。

【梅】の関連表現

さてここからは、「梅」に関連するさまざまな表現を見ていきましょう。 基本的にはここまで出てきた3つの「梅」を表す言葉、「Japanese apricot」「ume」「plum」の応用です。

梅の花

「花」は英語で「flower」「blossom」などと言います。「Flower」が一般的に花全般を指すのに対し、「blossom」は主として果樹の花を指すことが多いです。
ですので、梅の場合は、文脈にもよりますが、「blossom」を使った文章を見ることが多いです。
「(花が)咲く」と英語で言いたい場合は動詞「bloom」などを使います。

梅の花:
Japanese apricot blossoms
ume blossoms
plum blossoms

文脈にもよりますが、上の「blossoms」を「flowers」にしてもOKです。

You can see beautiful Japanese apricot blossoms in this season.
この季節には美しい梅の花が見られます。
The ume trees have started to bloom.
梅の花が咲き始めました。
Dazaifu Tenmangu Shrine is full of Japanese plum flowers.
太宰府天満宮は梅の花でいっぱいです。
Many ancient Japanese people composed Japanese poems by incorporating ume blossoms.
古くから多くの日本人は、梅の花を題材に和歌を詠みました。

梅干し

「梅」を材料にした食べ物の代表格は、なんといっても「梅干し」ですね。
「梅干し」を英語で表現する場合は、まず「梅干し」を「漬け物」の一種と考えます。そして、「漬け物にした」という意味の「pickled」という過去分詞を使います。漬け物のことを「ピクルス(pickles)」とも言いますが、その仲間の言葉ですね。

梅干し:
pickled Japanese apricots
pickled plums

もちろん、「pickled ume」でもいいのですが、そもそも「ume」の意味が通じなければあまり役に立ちません。そこで「umeboshi」とそのままローマ字で書いて、説明を付け加えることもよくあります。

Have you tried pickled Japanese apricots?
梅干しを食べたことがありますか。
Many Japanese people feel the secretion of saliva in their mouths just by hearing the word "umeboshi," which is the name of pickled Japanese plums. Umeboshi is very acidic.
漬け物になった日本産プラムの名前である「梅干し」という言葉を聞くだけで、多くの日本人は口の中に唾液が分泌されるのを感じます。とても酸味が強いのです。

梅酒

家庭でも作る機会の多い「梅酒」。最近では海外でも少しずつ認知度が高まってきているようです。 さて、英語で「梅酒」は何と言えばいいのでしょうか。

梅酒:
plum liqueur
plum wine

上の方で、「梅」を表す場合は「plum」よりも「apricot」が通じやすいと書きましたが、不思議なことに「梅酒」の場合は「plum」を使った言い方の方が定着しつつあるようです。

「Liqueur」はもともと、蒸留酒に糖分・香料を加えた混成酒のこと。より一般的に酒類・蒸留酒を表す「liquor」を使って「plum liquor」などと言われることもあります。また、「梅酒」を「wine」と言うのは厳密には正しくはないかもしれませんが、呼び名としてはよく使われています。

Many Japanese families make plum liqueur at home.
多くの日本の家庭では梅酒を自宅で作ります。
In Japan, plum wine is said to be somewhat healthier than other alcoholic drinks.
日本では梅酒は他のお酒に比べてやや健康に良いと言われています。

まとめ

いかがでしたか?
今回は「梅」とそれに関するさまざまな英語表現について解説・説明しました。

日本文化を英語で説明するのは難しい反面、うまく伝われば、楽しくて英語の勉強にもなります。日本文化に興味を持つ外国人も少なくありませんから、英会話の話題としてもぴったりです。 いろんな場面で、日本の「梅」やそれにまつわる「梅文化」について英語で話してみてください。
それではまた。

 

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