K-POPや韓国ドラマなどのエンタメに興味を持ったり、韓国旅行、韓国人の友達がいるなどがきっかけで韓国語に興味を持っている人が今では多いのではないでしょうか。
そして、これから韓国語の勉強を始めてみたいという人もいるのではないでしょうか。
日本での韓国語学習者は、私が韓国語の勉強を始めた20年前とは違い今ではとても多いです。
韓国語は日本語との共通点が多く、文化的に似ているため日本人にとっては最も習得しやすい言語と言えます。
ですが、習得がなかなかできない人、何年勉強しても初級から抜け出せない人が多いのが韓国語のみならず日本の外国語習得の現状です。
その原因は、大きく見ると学習に対する心構えができていないことと学習法が自分の目標に合っていないことが挙げられます。
今回の記事では、これから韓国語習得をしたい超初心者の人向けに学習の心構えとハングル、単語、文法、発音と聞き取り、読解、会話のそれぞれについて学習法を解説します。
韓国語習得に成功するための心構え
韓国語学習を始める時に多くの人がしてしまうのが、テキストを買っていきなり勉強を始めてしまうことです。
ですが、韓国語学習を成功させるためには、学習を始める前にまず心構えを整えることが非常に大事です。
ここからは、韓国語習得を成功させるために必要な心構えについてまず解説します。
1.はっきりとした目標を設定する
韓国語の学習を始める前にまずは、はっきりとした目標を設定します。
これは韓国語や英語など語学習得に限ったことではなく、どんなことでもまずは自分がどうなりたいのか、何を目指すのかという最終目的地がはっきりしている必要があります。
韓国語習得で考えてみると
「半年後に韓国に行ってレストランで料理の注文や買い物で店員さんに質問を韓国語で出来るようになる」
「1年後までに韓国語能力試験(TOPIK)の3級に合格する」
このように、いつまでに何をどうなるのかをはっきりと決めます。
目標をはっきりさせるとゴールが設定されるので、そこに向けて必要な事も分かります。
韓国語習得ができない人は目標設定ができておらず、何となく参考書を使って順番に勉強をしているだけといった傾向が見られます。
このような勉強法だと勉強すること自体が目的になったり、知識習得をして知識としては知っているけど、実践では使えないということになりがちです。
2.すぐに大きな成果は出ないと心得る
韓国語習得はスキルの習得です。スキルの習得はすぐに大きな成果が出ないものと心得ましょう。
私達は何かをすると右肩上がりにすぐに成果が出ることを期待してしまいますが、実際はある一定のブレークポイントまで到達しないと目に見えた成果は出ません。
例えば、韓国語の勉強で最初にすることはハングルの勉強をして文字を覚える事です。
ハングルを覚える事自体は集中して取り組めばそんなに時間はかかりませんが、文字の認識をしてスラスラと読めるようになるにはそれなりの時間を要します。
後ほど詳しく説明しますが、会話をできるようになりたい場合も韓国語を始めてすぐにできるようになるわけではなく、学習を進めて行く中で少しずつできるようになっていきます。
3.勉強を継続して習慣化する
韓国語習得は既に触れた通りスキル習得であるため、成果が出るまで学習を継続して習慣化する必要があります。
英語を始め外国語習得が難しいと感じる人がいると思いますが、その理由はその言語自体が難しいということも理由のひとつとしてあるかも知れません。
ですが、それ以外の理由として大きいのが、継続の難しさです。
いかに学習を継続できるかが韓国語を習得できるかどうかの決め手になります。
4.テキストは一冊だけに絞る
これから韓国語の勉強を始めようと思った時は学習に対するモチベーションが最も高いです。
そのため、韓国語テキストをあれこれと買って同時進行で進めたり、韓国語勉強サイトから多くの学習情報を得ていろいろと試したりしてしまう学習者がいます。
ですが、初心者から初級レベルではいろいろなことを手広く勉強する必要はありません。
また、韓国語の学習をすること自体に慣れていないため必要以上のことをやる負荷のかかった勉強は挫折しやすいです。
そのため、初心者から初級レベルでは、既に触れた通りまずは学習を継続し習慣化することを最優先にします。
なるべく学習の負荷をかけず学習を習慣化するために必要なことは、テキストを一冊だけに絞り、やることを増やさず必要なことだけに集中して学ぶことです。
超初心者向け学習法
次に超初心者向けにハングル、単語、文法、発音と聞き取り、読解、会話のそれぞれの学習法を解説します。
学習の目的や目指すレベルは個々に違いますが、初級レベルまでは目的に関係なく韓国語の基礎の部分を作る勉強になります。
そのため、以下で解説する方法は学習の目的や目指すレベルに関係なく有効な学習法です。
1.ハングル
初めて韓国語の勉強を始める時にはハングルを覚えることから始めます。
ハングルは子音と母音を組み合わせて文字を作ります。
まずはこの子音と母音をひとつひとつ書いたり、子音と母音をひとつずつ組み合わせて簡単な一文字だけ作り発音しながら覚えていきます。
その後、韓国語には子音で終わる発音としてパッチム(終声)がありますが、これが含まれた文字の理解をしていきます。
ハングルは基本的には規則的な文字ですが、どの言語にも共通している通り例外があります。
それらの例外も少しずつ知識として覚えていきます。
韓国語では文字と発音がズレる文字があるため、そういった文字は発音と関連付けながら学んで行きます。
2.単語
言語習得の二大要素は単語と文法の学習です。
まずはテキストに載っている単語だけを文法と関連付けながら学んで行きます。
韓国語は日本語と同様、言いたいことによって語形が変化する「活用する言語」です。
そのため、辞書に載っている元の形(原形)と意味だけをひたすら覚えても使えるようになりません。
必ず文法と同時に学んで、学んだ文法知識を活かして言いたいことに合わせて語形を変えて使えるようになる必要があります。
例えば、「食べる」という単語を覚えたら、学んだ文法の「~です/ます」を使い「食べます」という形を作れるようになるように練習をするということです。
3.文法
単語の項目でも触れた通りですが、単語と文法は一緒に学んで行きます。
文法はひとつ新しいものを学んだら、使えるようになるまで繰り返し練習をします。
文法規則を知識として知るだけではなく、学んだ色々な単語を使い自分が使う文を作り、使える文法知識に変えていきます。
例えば、「〜したいです」という文法を新しく学んだら、「食べる」「行く」「買う」などそれまでに学んだ単語を使って「食べたいです」「行きたいです」「買いたいです」に活用できるようになることです。
他の文法も同様に活用練習し文法知識を使いこなせるようにします。
4.発音と聞き取り
発音と聞き取りは相互に関連性があります。
聞き取りは単に聞いていればできるようになるわけではなく、まず自分で発音をできるようになり音を認識できるようにならなければなりません。
発音は、まずは各文字の発音の仕方を知識として学びます。
その後、文字単位、その後簡単な単語、それから短い文を見本の音声を聞きながら音読練習します。
文字と発音がズレるものは特に注意が必要です。
韓国語には日本語にない音や日本人が聞いても区別ができないような似た音もありますが、あまり神経質になる必要はありません。
実際に発音する場合は、文字を組み合わせて単語を使ったり、文脈で意味が理解できるため韓国人のような正確な発音ができなければ通じないということはありません。
自分で発音練習をして音の認識ができるようになると聞き取りもできるようになります。
韓国語の聞き取りのポイントは、連音化、文字と発音がズレる単語の聞き取りです。
これらを聞き取れるようになるには、単語単独ではなく文の中で使う形で聞き取り練習をすることです。
5.読解
まとまった文章を理解できるようになるためには、まずは一文ずつを理解できなければなりません。
読解のベースとなるのは、単語力と文法知識です。
勉強している段階ごとに、新しい単語と文法をしっかりと身に付け、それらを使った文を理解できるようになることです。
読解は、それら個々の文が理解できるようになれば、あとは文が増えるだけなのでさほど難しくはありません。
6.会話
多くの学習者にとって最も難易度が高いと感じるのが会話ですが、会話ができるようになりたいと思う学習者が殆どだと思います。
会話はすぐに反応しなければならない点が難しい点です。
会話は、ここまで個々に説明してきた要素がそれぞれできるようになっていなければできるようになりません。
ハングルを理解し発音と聞き取りができ、単語力と文法知識を活かし文を作ることができ、それを理解できることが大前提です。
つまり、会話は韓国語の総合力が問われます。
先に触れた通り会話がすぐにできるようにならないのはこれが理由です。
会話ができるようになるためには、自分で文を作れるようになり、それを口からすぐに出てくる状態にしなければなりません。
これをできるようになるためには、繰り返し練習をすることで話すことに慣れるしかありません。
まとめ
ここまで、これから韓国語習得をしたい超初心者の人向けに学習の心構えと、ハングル、単語、文法、発音と聞き取り、読解、会話について学習法を解説してきました。
韓国語をこれから始める人はまずは心構えを整えましょう。
そして、その後は学習を継続し習慣化させることを最優先に考えて無理のない学習を始めます。
その後は今回挙げた方法で各パートの基礎をしっかりと築くことがその後の韓国語習得に成功するためにはとても大事です。

◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
・韓国語能力試験(TOPIK)6級
・延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇留学経験
【オーストラリア】
・クイーンズランドカレッジオブイングリッシュ:3カ月
・ゴールドコーストカレッジオブビジネス:6カ月
【フィリピン】
・ファーストウェルネスイングリッシュアカデミー:3週間
【韓国】
・梨花女子大学校言語教育院:3週間
・延世大学校言語研究教育院(韓国語教員養成課程):5週間
【タイ】
・プロランゲージ(タイ語):1年6カ月
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。