韓国語に限らず英語や他の外国語を習得し、会話をできるようになっている人を見て「あの人はセンスがあるから話せるんだよね」とか「あの人は語学習得の能力が高いから話せるようになったんだよね」等といっているのを耳にしたことはないでしょうか。
また、あなたもそのような人を見て同じことを思ったことはないでしょうか。
実際そのような事を耳にするということは、英語や韓国語学習者の中でも一生懸命に勉強しているにもかかわらず会話がなかなかできるようになっていない学習者が多いということの現れではないでしょうか。
通訳ができるようなレベルではなく日常会話レベルでもできるようになっている学習者は、それをできるようになっていない学習者から見れば、できるようになっていない自分にはない何か特別な言語習得のセンスや能力があると思われているかも知れません。
実際、私自身も英語を習得した後に韓国語も習得し仕事で使えるレベルになりましたが、人から語学習得のセンスや能力があるからだとか頭が良いからだと言われたことがあります。
今回の記事では、韓国語習得にはセンスや能力がなければ習得ができないのかについて書いていきます。
人は誰でも言語習得ができる
まず、日本で生まれ育っていれば、耳が聞こえないとか発話ができないなど障害がある、日本語を聞く事ができないなど特殊な環境で育っていない限り誰でも日本語を話せるようになっていると思います。
例えば、同じ日本に生まれて育っているという条件のもとで、隣の子は日本語を話せるようになっているのに、うちの子は日本語を話せるようにならなかったというようなことはないはずです。
もし、言語習得にセンスや能力が必要だということになれば、日本語を話せない人がいるはずですが、そういうことは普通に日本で生まれ育っていればないはずです。
このことから、言語習得自体は特別なセンスや能力が必要なわけではなく、誰でもできるということが分かります。
ある一定のレベルまでは誰でも習得できる
前の項目で言語習得自体は特別なセンスや能力が必要なわけではないと書きました。
そうは言っても、そういったセンスや能力が全く関係ないかと言われれば必ずしもそうではないです。
例えば、日本語でも全く話せない状態から、まず子供が限られた表現でもひとまず話せるようになり、成長するにつれて段々と難しい単語や表現を使いこなせるようになります。そして、成人すれば一般的な大人として必要なレベルの日本語を普通の人は使えるようになります。
ですが、誰もが作家のような表現力で日本語の文章を書いたり、相手を自分の話に引き込むような魅力的な会話や心を動かすような話をできるかと言われればそうではありません。
このようなレベルの日本語能力には、誰もが練習や勉強方法を知ってできるように必ずしもなれるわけではありません。こういったレベルになれるかどうかは、その人が生まれ持った素質、センス、能力が問われます。
野球で例えるならば、野球が全くできない状態から草野球や学校の部活レベルで練習をすれば恐らく大部分の人はなれるでしょう。ですが、甲子園に出られる、プロ野球や大リーグで活躍できるレベルに誰でも一生懸命に練習さえすればなれるかと言われればそうではないことと同じです。
センスや能力が問われるレベルには簡単に到達しない
韓国語習得など言語習得に限った話ではなく、どんな分野でもセンスや能力が問われるレベルにはそう簡単に到達しません。
そのレベルがどういうレベルかと言えば、韓国語習得で考えれば韓国人の韓国語能力と遜色がないレベルです。
単に発音が韓国人のようにうまい、単語を韓国人並みに知っているという事ではなく表現力や言葉の選択、文化的な背景なども理解した上で韓国人と全く同じように韓国語を使いこなせる状態です。
この状態はネイティブレベルということになりますが、並大抵の勉強ではこのレベルに非ネイティブは到達できません。
つまり、それ以前のレベルで韓国語ができるようになっていなくてもそれはセンスや能力の問題ではなく、勉強や練習でまだまだ改善やできるようになる余地があるということです。
韓国語を習得するためにはどうすれば良いのか?
韓国語は、非ネイティブとして十分に韓国語を使いこなせるレベルまではセンスや能力の問題ではなく、勉強や練習で習得をすることができます。
ここからは、そのレベルの韓国語を習得するために必要なことを挙げます。
1.マインドセットを整え目標設定をする
まずは、韓国語学習を始める前の段階が最も重要です。
多くの学習者は韓国語の勉強を始めようと思い立つとすぐにテキストなど教材を使って勉強を始めると思います。ですが、テキストを使ってその通りに勉強を進めるだけでは習得が難しいです。
韓国語を始め言語習得はちょっとやってすぐに習得できるものではなく、数年に渡って継続的に学ばなければなりません。
そして、日々の勉強をする中で大きな成果が出ない、一生懸命に勉強していてもうまくいかない、悩むことが必ず出て来ます。そういう時に自分の韓国語学習に対するマインドセットや目標設定ができているとそれらを基に自分なりの解決策を見つけ出すことができます。
その一方で、マインドセットや目標設定がなく、何となく勉強をしていると何かうまく行かない時に解決策を探すために外の情報に目が向きます。
自分軸がない状態で多くの情報に目が向くと、多くの情報の中で自分にとって必要な情報が分からず増々迷走してしまいます。マインドセットと目標設定は、韓国語習得を成功させるための最もベースとなる重要な部分です。
2.基本を理解しできるようになる
韓国語など言語習得と聞くと、とにかく単語や文法をひとつでも多く覚えないといけないと思っていないでしょうか。
確かに韓国語を見たり聞いて理解し話すためには単語や文法の知識は必要です。ですが、それらの知識が多いことが必ずしも韓国語の能力が高いことにはなりません。
学問として韓国語を学ぶのであれば多くの知識を得ることは重要かも知れません。ですが、一般の学習者は韓国語の知識を増やすことが目的ではなく、韓国語を学ぶことによってそれを手段として使い、他にしたいことがあるはずです。
それは、K-POPや韓国ドラマを韓国語で理解できるようになりたい、韓国人と会話がしたいなど個々に目指すところがあると思います。それらをできるようになるために必要なことは、先ずは基本を理解しできるようになることです。
多くの学習者が勉強しているのに話せるようになっていないのは、勉強して知識としてはわかっていてもそれをできるようになっていないからです。
どんなに簡単なものであってもわかるからできる状態、それを無意識的にできるレベルにしようとすればそれなりの練習量を繰り返すことが必要になります。
そして、使えない多くの知識を知っているよりも、基本を理解し使いこなせるようになることの方が会話においては韓国語能力が高いです。
3.体系的に学ぶ
韓国語の勉強は、つまみ食いのように自分のやりたいことだけしたり、やりたい順番でするのではなく基本から順番に体系的に学ぶことが大事です。
K-POPが好きだからといきなり歌詞を訳して勉強するとか、ドラマでよく聞くセリフだけ覚えるといったやりたいことを優先して自分のレベルに合わない勉強をしても基本が身に付きません。
確かに自分のやりたいことなので楽しい、その場ですぐ分かるといったことはありますが、その場しのぎのような勉強ではどれだけやっても韓国語能力がつきません。
やりたい事を優先すると、自分のレベルに合っていないことをしてしまうことが多く学習効率も悪いです。
基本をしっかりと理解できるようになれば、自分がやりたい事も徐々にできるようになっていきます。自分のレベルに合った必要なことから優先的に学ぶことが結局のところ近道です。
4.勉強と練習を結果が出るまで継続する
既に書いた通り、韓国語は勉強を始めてすぐに目に見える様な大きな変化は現れません。
ですが、「一日たったの5分で」「聞き流すだけで」などあたかもすぐにできるようになるような印象を与えるものが出ていたりします。
ですが、韓国語など言語習得はスキルの習得なのでそんなすぐにできるようにならないことはちょっと考えれば分かることです。
どんな分野でもスキルの習得は最低でも数年単位という長い時間かけてじっくりと少しずつしていくものです。結果が出るまで諦めずに粘り強く自分がすべきことを淡々と継続することができなければ韓国語の習得はできません。
現代社会では何でもすぐに手に入れられることが多くなり、その影響からかスキル習得もなるべく早くしたいとかそれをできる方法などを探したりしていないでしょうか。
確かに目標設定をした上で、自分の目的に合った正しい勉強法や練習をすることで無駄なく最短で習得する方法はあります。ですが、だからと言って一朝一夕にできるようになる方法はありません。なぜなら、習得は学習や練習を繰り返し経験を積むことが必要だからです。
スキル習得では、いかに継続できるかどうかが習得できるかできないかを決める条件のひとつになります。これができないことには、どれだけ良い先生に習っていて、良い教材を使い、良い勉強法を知っていたとしても習得はできません。
韓国語学習がうまくいかない場合、韓国語の勉強以前に継続することができているかどうか見直す必要があります。
まとめ
韓国語を含め外国語習得に成功している人はセンスや能力があると世間的に思われているところがありますが、一定レベルになるにはそれらは必要ありません。
センスや能力よりも必要なことは、マインドセットと目標設定をした上で、自分に合った正しい勉強や練習を成果が出るまで継続することです。

◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
・韓国語能力試験(TOPIK)6級
・延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇留学経験
【オーストラリア】
・クイーンズランドカレッジオブイングリッシュ:3カ月
・ゴールドコーストカレッジオブビジネス:6カ月
【フィリピン】
・ファーストウェルネスイングリッシュアカデミー:3週間
【韓国】
・梨花女子大学校言語教育院:3週間
・延世大学校言語研究教育院(韓国語教員養成課程):5週間
【タイ】
・プロランゲージ(タイ語):1年6カ月
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.