「あの人はいつも適当だ」「適当な案をまとめて上司に報告しないといけない」など、私たちは日常生活やビジネスの場で「適当」という言葉を使うことが多いのではないでしょうか?
しかし、上記の文でも1つめは「いい加減」というニュアンスを、2つめは「ほどよい、適切な」というニュアンスを持っています。このように、一言で「適当」と言っても意味やニュアンスは大きく異なります。
では、英語で「適当」はどのように表現するのでしょうか?今回の記事では、それぞれの意味、ニュアンスに合わせた英語表現を例文とともにご紹介します。ぜひ最後まで読んで「適当」の使い方をマスターしましょう!
「いい加減」という意味の「適当」を表す英語表現
まずは、「適当な返事をしていたら怒られた」「彼は適当な人だ」など「いい加減」という意味で使われる「適当」を表す英語表現をご紹介します。
unreliable/not reliable
責任感がなく「信用できない」「頼りにならない」「当てにならない」ということを表現したい場合は、「unreliable」または「not reliable」というものが使えます。「reliable」は形容詞で「頼りになる」や「信頼できる」という意味ですので、それに「un」が付いたり、否定形になると、「信用できない」「頼りにならない」といったことを表すことができます。
非常にネガティブな意味で人の性格を表すときに用いられますので、態度や言動がいい加減な人や、約束を守らない人などに使えるでしょう。また、人だけでなく物事が信頼できないときにも使われます。
例文:
You shouldn’t trust her. She is so unreliable.
彼女を信頼しないほうがいいですよ。本当に当てになりませんから。
There is a lot of unreliable information on the Internet, so you should be careful.
インターネット上にはたくさんのいい加減な情報がありますから、気を付けたほうがいいですよ。
ちなみに、「rely on~」は「~に頼る」という表現になります。
irresponsible
「無責任な」「当てにならない」「場当たり的な」というニュアンスを持つ「適当」には、「irresponsible」が使えます。先のことを考えずに軽はずみな発言、行動をする人や、頼んでおいたことを適当に済ませる人などに使える単語でしょう。
例文:
When it comes to money, Dan is completely irresponsible.
お金のことになると、ダンさんはまったく無責任なんです。
It was highly irresponsible of him to leave the children on their own in the pool.
子どもたちをプールに置き去りにしたのは、非常に無責任なことでした。
また、「irresponsible comment/remark」という表現もよく使われ、これは「無責任な発言」を意味します。軽率な発言をして、問題を起こすときに使われるフレーズです。非常にきつく、厳しいニュアンスを伴いますので、相手に本当に腹が立ったときに使いましょう。
例文:
What she said was irresponsible.
彼女が言ったことは無責任でした。
nonchalant
「無関心な」「無頓着な」「冷淡な」というニュアンスを持つ「適当」は、「nonchalant」という英単語で表すことができます。物事に対して無関心で平然としていたり、真剣に考えなかったりする人を指します。「何とかなるだろう」と適当に構えているような人です。相手との関係性やとらえ方によってポジティブにもネガティブにも取れる表現です。
例文:
She had a nonchalant way of giving directions.
彼女は淡々とした口調で指示を出していました。
He sounded just as nonchalant when asked about the overall shape of his team.
チーム全体の状態について聞かれたときも、彼は同じように淡々とした口調でした。
sloppy
やることが中途半端であったり、雑であったりする場合には「sloppy」という単語が使えます。「いい加減」「ずさん」というふうに訳されることが多いです。なお、この「sloppy」という単語には「泥んこの」という意味もあり、やや汚いイメージがあります。
例文:
Later, we complained about her sloppy cleaning when we found traces of mud in an unused room.
そのあと、使っていない部屋に泥の跡が残っているのを見つけたので、彼女の雑な掃除に苦言を呈しました。
「ほどよい」という意味の「適当」を表す英語表現
次に、「この案件に適当な人を選ぼう」「パーティーに適当なドレスを買わないと」など「ほどよい」「適切な」という意味で使われる「適当」を表す英語表現をご紹介します。
suitable
人やものが「ぴったり合っている」「ふさわしい」というときに使える単語が「suitable」です。さまざまな対象に使えて便利ですので、覚えてみてください。
例文:
Maybe she has someone more suitable in mind.
もしかしたら、彼女にはもっとふさわしい人がいるかもしれません。
Then she would have to buy some clothes suitable for climbing in the hills.
そして、彼女は山登りに適した服も買わなければならないでしょう。
competent for
「要求にかなう」「(能力があり)何かの役割に適任な」ということを伝えたいときには、「competent for」というフレーズが使えます。「competent」は形容詞で「適任な」という意味があります。
例文:
He is competent for the task.
彼はその仕事に適任です。
moderate
何かの量が「適度な」「ちょうどいい」「ほどほどの」と言いたいときには「moderate」が便利です。また、副詞「moderately」を使って「適度に」「適当に」と言うこともできますよ。
例文:
He has a room of moderate size.
彼は適度な広さの部屋を持っています。
Moderate exercise subserves digestion.
適度な運動は消化を助けます。
I don’t smoke and I drink only moderately.
タバコは吸いませんし、お酒もほどほどにしています。
wing it
アメリカでよく使われるスラングのひとつに、「wing it」があります。これは、「何か準備や練習をしないで適当にやる」という表現。もともとは、「アドリブ・即興で演技をする」という演劇用語として使われていました。「適当にやっちゃおう」「適当にやっておこう」といったようなカジュアルな表現ですので、ビジネスの場では使わず、親しい友達同士などで使うのに適しています。
例文:
We have to wing it in the first game, but we'll be more prepared for the next one.
初戦は手探りでしたが、次戦はもっと準備します。
I don't have time to write a speech, so I'm just going to wing it.
スピーチを書く時間がないので、手探りでやっています。
Don’t work too hard
頑張りすぎている人に対して、「ほどほどにね」「無理しないでね」と声をかけるようなイメージで使われるのが、「don’t work too hard」です。相手の健康を気遣うニュアンスがありますので、逆に自分ではそこまで頑張っていないと思っている人に対して使うと嫌味に聞こえてしまうことがあります。
例文:
A: Are you still working?
まだ働いているの?
B: Yeah, I have to finish making this presentation by tomorrow.
うん、このプレゼンのスライドを明日までに終わらせないといけないから。
A: Don’t work too hard.
ほどほどにね。
Don’t worry about it/Don’t worry about the details
:「Don’t worry about it」は「気にしないでね」という意味がありますが、使われるシチュエーションによっては:「適当で大丈夫だよ」というニュアンスにもなります。また、:「細かいことは気にしないで適当でいいよ」と言いたいときには、:「Don’t worry about the details」という表現も使うことができます。
例文:
A: :Where should I put these seasonings back?
これらの調味料はどこに戻せばいい?
B: :Oh, don’t worry about it
もう、適当で大丈夫だよ。
A:: Should this section be bolded? Should I italicize it?
この部分は太字にしたほうがいいですか?イタリックにしたほうがいいですか?
B:: Don’t worry about the details. Whichever is fine.
細かいことは気にしないで、適当でいいですよ。どちらでも構いません。
まとめ
いかがでしたか?
日本語でも:「適当」という言葉はその使い方やシチュエーションによって意味が大きく変わります。それは英語でも同じで、適切な英語表現を使うことで、自分の気持ちをきちんと相手に伝えることができます。ぜひ、今回の記事でご紹介したニュアンスの違いを踏まえて、例文をたくさん練習してみてくださいね。
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◇経歴
新卒入社した会社ではオーストラリア人上司のもと働いた経験があります。
海外クライアントとのメールや電話でのやりとりは日常茶飯事でした。
現在はWebライターのほか、英日翻訳者としても仕事をしています。
◇資格
TOEIC、TOEFL、IELTSなどの受験経験あり
◇海外渡航経験
学生時代にイギリス留学を経験したほか、アジアを中心にさまざまな国に旅行に行ったり、フィールドワークをしたりしました。
フィールドワークでは英語を使ってインタビューをした経験もあります。
2019年よりイギリス在住で、現在は毎日英語を使っています。
◇自己紹介
子どものころはアメリカ人の先生の英会話教室に通い、大学ではイギリス留学を経験、新卒入社した会社ではオーストラリア人上司を持つなど、英語とは色々な接点を持ってきました。英語はもっぱらリーディングが得意で、毎日洋書を読んでいます。よろしくお願いします!
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.