「海外旅行に行きたいけど、治安が心配...。」
「日本の治安って他国と比べてどうなの?」
「旅行先として治安が良い国を選ぶ際のポイントは?」
本記事ではこのような悩みを抱える方向けに、2025年最新のデータをもとに「治安が良い国ランキング」トップ10を紹介します。
日本との比較やランキング上位国の特徴、安全な国を見極めるポイントなど旅行初心者の方にも分かりやすく解説するので、旅行先を選ぶ際の参考にしてくださいね。
治安の良い国を評価する指標とは?
治安の良い国を判断する国際的な基準として、「世界平和度指数(GPI:Globl Peace Index)」があります。
ここでは「世界平和度指数」の概要と、どのようにして各国の治安を測っているのかを詳しく解説していきます。
世界平和度指数とは
「世界平和度指数(GPI: Global Peace Index)」とは、各国の平和度を総合的に評価した世界的なランキングです。
オーストラリアのシンクタンク「経済・平和研究所(IEP)」が毎年発表しており、2024年版では163カ国を対象に、さまざまなデータを用いてスコアが算出されました。
評価には、国内外での紛争や犯罪の発生率、警察や軍隊の規模、武器の流通、政治の安定性など、23の指標が含まれます。
独自の指標をもとに3つの領域にわたる平和状態を測定することで、偏りのない公正なランキングを作成していることが特徴です。
平和状態を測る3つの領域
世界平和度指数は以下に紹介する3つの領域にわたる平和状態を測定しています。
・社会の安全と治安
・国内および国際的な紛争
・軍事化の度合い
それぞれの領域ごとに、23個ものさまざまな指標を用いて各国の治安を測定しているため、指数の信頼性が高いことが特徴です。
社会の安全と治安のカテゴリでは、国民の暮らしに直接関係する安全性を評価します。
・社会における犯罪に対する認識の程度
・国内避難民および難民の人口比率
・政治的不安定性
・政治的テロの発生度合い
・テロの影響度
・人口10万人あたりの殺人件数
・暴力犯罪の発生率
・暴力的な抗議活動の可能性
・人口10万人あたりの受刑者数
・人口10万人あたりの警察官および警備員の数
「国内および国際的な紛争」のカテゴリでは、国家レベルの紛争や対立が中心となります。
・国内紛争の数と継続期間
・外部の組織的紛争による死亡者数
・内部の組織的紛争による死亡者数
・外部紛争における関与の数、期間、関与の度合い
・組織的な国内紛争の激しさ
・近隣諸国との関係の良好度
「軍事化の度合い」では、軍事支出や兵力規模、武器の流通量など軍事力に関する指標がまとめられています。
・GDPに占める軍事支出の割合
・人口10万人あたりの軍関係者の数
・人口10万人あたりの主要通常兵器の輸入量
・人口10万人あたりの主要通常兵器の輸出量
・国連平和維持活動への財政的貢献額
・核兵器および重火器の保有能力
・小型武器や軽兵器へのアクセスのしやすさ
これら23項目が総合的に評価され、スコアに反映されます。
そのため、一時的な事件や世界情勢に左右されにくく、治安の良い国に行きたい旅行者にとっては信頼に足る指標と言えるでしょう。
2025年版・治安が良い国トップ10の紹介
ここでは、2025年における最新データをもとに、治安が良いとされる国トップ10を紹介していきます。
1.アイスランド
2.アイルランド
3.オーストリア
4.ニュージーランド
5.シンガポール
6.スイス
7.ポルトガル
8.デンマーク
9.スロベニア
10.マレーシア
1位:アイスランド
昨年に続き1位となったのが北欧の島国アイスランドです。
アイルランドは過去15年以上にわたり、治安の良さで世界トップを維持しています。
犯罪率が非常に低く暴力事件もまれで、警察官の多くが銃を持っていないことからも社会の安定ぶりがわかります。
加えて、自然環境の美しさや観光インフラの整備も進んでおり、女性の一人旅にも人気の高い国です。
2位:アイルランド
続く第2位は、ヨーロッパ西部に位置するアイルランドです。
経済の安定性や教育水準の高さに加えて、犯罪発生率が低く、生活の満足度も非常に高い国として評価されています。
人々が温厚で親切なことに加え、首都ダブリンや田園地帯の景観も人気の理由の一つです。
3位:オーストリア
中央ヨーロッパに位置するオーストリアは、美しい街並みと安全な生活環境が魅力の国です。
治安の良さに加えて、公共交通機関の整備や医療体制も高評価を得た要因です。
ウィーンやザルツブルクなど、文化と歴史を感じられる都市が多く、観光地としても世界中から多くの人に人気を集めています。
4位:ニュージーランド
南半球に位置する島国であるニュージーランドは、豊かな自然とフレンドリーな国民性で知られています。
犯罪件数が少なく治安が安定しているうえ、外国人にもオープンな文化が根づいており、英語が通じる点も安心材料のひとつです。
雄大な自然の中でゆったりとした時間を過ごしたいアウトドア派の旅行者にとっては理想的な旅先と言えます。
5位:シンガポール
アジアでトップに入ったのが、経済都市国家シンガポールです。
厳格な法律と徹底された治安維持により、非常に安全な国として評価されています。
街は清潔で公共交通機関も使いやすく、初めて海外に行く人にもおすすめです。
淡路島と同程度の小さな国ながら、マーライオンやマリーナベイサンズなどの世界的な観光地も多く、旅行先としても高い人気を集めています。
6位:スイス
アルプスが連なる雄大な自然と歴史的な趣のある都市が融合するスイスも上位にランクインしました。
金融や教育水準の高さだけでなく、警察制度や社会インフラの整備も進んでおり、治安は非常に良好です。
公共の場でのマナーも良く、犯罪リスクが非常に低いのが特徴です。
7位:ポルトガル
ヨーロッパ南西部のポルトガルは、比較的物価が安く、温暖な気候と治安の良さで人気が急上昇中の国です。
地元の人々は親しみやすく、犯罪率の低さも特徴です。
旅行者向けのインフラも年々充実しており、バカンスに訪れる人からの人気も高まっています。
8位:デンマーク
北欧の先進国デンマークは、治安の良さに加えて、教育・医療・福祉といった社会制度が非常に充実している国です。
国民の生活満足度が高く、「幸福度ランキング」でも毎年上位にランクインしています。
治安面では、深夜でも街中を安全に歩けるレベルで、暴力事件の発生率も非常に低いことが特徴です。
9位:スロベニア
中央ヨーロッパの静かな国、スロベニアは近年注目を集めている国です。
オーストリア、イタリア、クロアチアなどと国境を接しており、自然・文化・歴史のバランスが取れた魅力的な場所として評価されています。
暴力事件やテロのリスクが極めて少なく、欧州でもっとも安全な国の一つとされています。
国全体の規模は小さいものの、社会の安定性、政治の信頼性、公共サービスの整備が進んでおり、ヨーロッパ旅行初心者にもおすすめの国です。
10位:マレーシア
東南アジアに位置するマレーシアは、多民族・多文化国家として知られています。
近年では経済成長とともに都市インフラが整備され、特に首都クアラルンプールやペナン、マラッカなどの都市部では治安が安定しています。
旅行者が多く訪れる観光地では警備体制が強化されており、スリや置き引きに注意すれば大きなトラブルに巻き込まれることは稀です。
また、英語が広く通じるため言語面での不安も少なく、アジア初心者にもやさしい旅先です。
上位国の治安の良さの背景と特徴
治安ランキングで上位にいる国々には、共通した社会的・制度的な特徴があります。
ここでは、ランキング上位国の治安の良さを決定づけている3つの要素を紹介していきます。
市民の規範意識の高さ
市民のマナーや他人への配慮が当たり前になっていることが、上位国の治安が良いとされる要因の一つです。
たとえばアイスランドやデンマークでは、小さな子どもの頃から「公共の場での行動」や「他者の権利を尊重する姿勢」が学校教育や家庭でしっかりと教えられます。
また、こうした社会では、違反行為に対して自浄作用が働きやすいのも特徴です。
誰かが公共のルールを破った場合、周囲の目がそれを抑止する効果を持つため、トラブルが発生しにくい環境が保たれます。
政治と制度に対する信頼の高さ
治安の良さには、政府や警察といった公的機関への信頼感も深く関係しています。
ランキング上位の国では、政治の透明性が高く、腐敗や汚職が極めて少ないのが特徴です。
たとえばスイスやノルウェーでは、行政の意思決定プロセスが公開されており、国民がその内容を適切に監視・理解できる環境が整っています。
加えて、法の下の平等が実現されている点も重要です。
たとえ有名人や政治家であっても法を破れば裁かれるという風土があるため、国民の間で司法に対する信頼感が高いことが特徴です。
こうした制度的な公正さも、犯罪の発生を未然に防ぐ一因になっています。
平和を重視する外交姿勢
外部との摩擦を避け、中立的・平和的な立場を重視する外交政策も治安に大きく影響します。
たとえばスイスやオーストリアなどは、永世中立国として永久に多国間の戦争に関わらないことを国際的に表明しています。
その結果、テロや戦争に巻き込まれるリスクが少なく、国民が日常生活を安心して送れるのです。
さらに、国連の平和維持活動に積極的に貢献するなど、国際的な信頼の構築にも努めている国が多く見られます。
これにより、外部からの攻撃的な脅威を受けにくいというメリットが生まれ、国内の治安維持にもつながっています。
日本の順位と評価ポイント
日本の順位は前年度の9位から評価を落とし17位でした。
評価を落とした要因はいくつか考えられますが、「軍事化」領域のスコア低下が大きな要因でしょう。
具体的な理由としては、軍事支出の増加や東アジア全体の軍事的緊張(台湾海峡や朝鮮半島情勢など)に伴う国際紛争リスクの増加などが挙げられます。
世界平和度指数は自国だけでなく周辺地域の情勢などさまざまな要因から複合的に評価されます。
順位が下がったことがそのまま「日本の治安の悪化」を示すとは言い切れませんが、日本を含む周辺地域の情勢が不安定になりつつあることは確かでしょう。
治安の良い国を旅行先として選ぶ際のポイント
治安の良い国を選ぶ際には、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
ここでは、治安の良い国を選ぶためのポイントを3つに絞って解説していきます。
渡航前に最新の治安情報をチェック
渡航前には必ず最新の治安情報をチェックするようにしましょう。
治安は一定のものではなく、一時的な政治的混乱やデモなどで危険な地域になることもあるため最新情報の確認は欠かせません。
治安情報の確認には外務省が提供している「海外安全ホームページ」がおすすめで、最新情報を踏まえた危険レベルが国ごとに一目で分かります。
滞在エリアは慎重に選ぶ
治安の良い国でも、エリアごとに安全性に差があるため、滞在エリアは慎重に選びましょう。
観光地の中心部は人通りも多く比較的安心できる一方で、郊外や夜間に人通りが少なくなるエリアでは、スリや強盗などの被害に遭うリスクが高まります。
たとえば、パリやロンドンと言った人気都市でも、観光客が多く集まる場所と地元の人でも避けるエリアが分かれています。
ホテルの予約時には、周辺地域の治安情報や口コミを確認しておくことがおすすめです。
まとめ
本記事では、最新のデータをもとに治安が良い国のランキングとその背景、ランキングから見る日本の評価を解説しました。
各国における治安の良さは、世界平和度指数(GPI: Global Peace Index)によって表され、2024年版のランキングではアイスランドが1位となっています。
第2位はアイルランド、第3位はオーストリアと続き、日本は17位と大きく順位を落としました。
上位国は安定した政治体制や社会秩序などで高評価を得ている点が共通しており、旅行初心者の方でも安心して渡航できる国と言えるでしょう。
本記事を参考に治安が良い国とその特徴を知り、安全な旅行先を選ぶ際の参考にしてくださいね。

◇経歴
ドイツのミュンヘン工科大学に留学。
英語で日本におけるサプライチェーンマネジメントについてプレゼンを行う。
◇資格
IELTS Academic 6.5
◇留学経験
・渡航先:ドイツ ミュンヘン
・留学期間 2024年4月~8月
・学校名:ミュンヘン工科大学
◇海外渡航経験
ドイツに約半年間留学。
留学期間中にヨーロッパ10ヶ国20都市以上を旅行。
2019年よりイギリス在住で、現在は毎日英語を使っています。
◇自己紹介
はじめまして、タニタニと申します!
現在大学4回生で、自身の留学経験を活かしてブログやライティング業を行っております。
英語や留学に関心のある方の一助となれるよう情報発信していきますのでよろしくお願いします!