日本語に「もう一つの」「他の」「別の」「その他の」といった表現があります。個別の名詞の代わりになる言葉で、人や物事などを指示する役割を持っています。
これらに当たる英語が今回取りあげる代名詞anotherやotherという単語です。
英語学習をしている皆さんはこれらの代名詞をしっかり使い分けしていますか?何が違っていて、それぞれの意味や使い方が分かっているのか、きちんと理解することで自分の英語に自信が持てます。
この記事ではanotherとother、これらにまつわるフレーズを例文とともに用法を解説します。この機会に、ぜひ英語学習に役立ててくださいね。
- anotherとotherの徹底的な違いとは?
- anotherを詳しく解説
- other, the otherなどを詳しく解説
- anotherとotherのもう一つの見方、特定?不特定?
- otherを使った他の表現を紹介
- 代名詞anotherやthe otherの違いまとめ
anotherとotherの徹底的な違いとは?
そもそもanotherとotherって、両方とも「他の」や「別の」という意味をもちますがいったい何が違うのでしょう。日本語では同じ意味のこれらの言葉が英語になると使い分けが必要になります。だから日本人の私たちは少し悩んでしまうんですね。
両方とも代名詞(pronoun)であることには間違いありません。anotherとother以外にも、others、the other、the othersといった英語表現もあります。これは、どう使い分けしたらよいのか迷ってしまいますね。これらは後ほどしっかり解説していきます。
まず、anotherとotherの徹底的な違いですが、これは”単数なのか複数形なのか”がポイントになります。それは、以下のシンプルな解説で納得されるでしょう。どちらも不特定のものに対しています。
other→ 複数で「他いくつか」
さっそく、この違いを例文で確認してみましょう。
もう一つ、質問があります。
英語のレッスンなどで質問をした後に、またさらなる質問が頭に浮かんできたという素晴らしいシーンに使える英文です。同じ人である必要はなく、Aさんがした後に、続けてBさんが質問するというパターンもありますね。
他にも質問があります。
一方、こちらの例I have other questionsとなると、他にもいくつかある(複数)というニュアンスを伝えることができます。
もう一つの質問、他にもいくつかある質問、これは理解できましたね。さらに続けましょう。
anotherを詳しく解説
anotherは単数の人やものを指し「他の一つ・もう一つ」という意味になります。anotherでしっかり抑えたいポイントは、冠詞(a, an, the)と形容詞はつかないという点、そしてanothersのような複数形も存在しません。
例えば、an another apple, the another apple, his another appleとはせず、another appleが正解です。
ところで、anotherは”an”と”other”が一つになった言葉です。このことが分かれば、皆さんにとってもanotherが単数だという理解が進むでしょう。
リンゴが食べたい。
もう一個、リンゴが食べたい。
このように、単数(一つのりんご)という点は一緒ですが、anotherを使うと、もう一つのニュアンスに変わります。ここではanotherはappleにかかっており、名詞を修飾しているので形容詞用法ということになります。
そして、anotherには代名詞用法もあります。
別のものを見せてもらえますか?
この例文は、買い物で既に何かを見た、または試してみたけれど満足がいかず、また別のものを見せて欲しいとお願いしています。
りんごの例文もこちらも、既にあるものに追加されるという意味合いが含まれることが分かります。
other, the otherなどを詳しく解説
一方、otherです。上でanotherについて、形容詞用法と代名詞用法があることを説明しましたが、otherは形容詞用法のみです。
other単独で名詞として使うことはないため、代名詞用法がないことを抑えましょう。このポイントを抑えたところでotherにまつわるフレーズについて話を展開します。少し集中力を要しますが、ぜひ一緒に学んでいきましょう。
otherには以下のように、似たような表現がいくつかあります。
the other
the others
それぞれの説明を進めましょう。一つのりんご箱があることを想定して解説してみましょう。
others
「他の人たち・ものたち」という意味のothersは複数形の名詞を表します。
りんご箱に一つのりんご(an apple=one)以外で、他のいくつかのりんごを指すときがこのothersです。
一生懸命に勉強する学生たちもいれば、そうでない学生たちもいます。
一つのクラスで勉強に対する姿勢が違う学生たちがいます。othersはsome studentsに対比して複数の勉強しない学生を示しています。othersは複数ですので、一生懸命勉強をしない学生は一人ではなく、学生たちの”たち”になるんですね。
the other
the otherもanotherと同様に、単数形の名詞を指します。「残りの一つのもの・人」であり、「もう一方の」という意味で使われます。
ここでは、りんご箱に2つのりんごが入っています。最初の一つ(an apple=one)に対して、もう一つのりんごがthe otherとなります。
実家には猫が二匹いるの。一匹は黒猫、もう一匹は三毛猫よ。
二匹猫がいて、黒猫がいることを話した後に、単数のもう一匹the otherが三毛猫になります。
the others
the otherがthe othersになるパターンもあります。otherにsがついたことから複数形の名詞を指すことになります。
複数あるうちの「残りのすべてのもの・人」です。りんご箱に10このりんごが入っているとき、最初の一つ(an apple=one)に対して、残り9こ全部をthe othersで表現します。
3人の娘がいます。一人は学生、他は皆社会人です。
3人のうち一人が学生なので、2人が社会人という計算になりますね。2人の娘という複数をthe othersが表しています。
anotherとotherのもう一つの見方、特定?不特定?
ここまで、以下の代名詞について解説しました。other
others
the other
the others
ここで注目したいのは「the」がついているもの、いないものがあるという点です。冠詞theがつくと「その」と特定の何かを指すことは、英語初心者の皆さんでもご存知でしょう。
そこで、これらのanotherやotherをtheがついているかいないかで特定のものを指すのか、不特定なのかを見極めることができます。
theなし→ 不特定「他の一つ」「他のいくつか」など。
other
others
theあり→ 特定「残りの一つ」「残りのすべて」など。
the others
ちょっとここでエクササイズタイムにしましょう。下線に入る単語を選んでみてくださいね。
高価なメニューもありますが、他のものはリーズナブルです。
いかがですか?
単数なのか複数なのか、不特定なのか特定なのかが見極めのポイントでした。まず、areが使われているので複数形、ステーキやパスタと特定のメニューのことを言っているわけではないので、答えは「others」。
繰り返し考え、練習をすることで使い分けに慣れていきます。
otherを使った他の表現を紹介
otherを使った表現はいくつもあります。それらはどれも日常生活に使えるフレーズだったりします。
この機会に、otherを使った他の表現も紹介しましょう。
1. each other
「お互いに」の意味を持つフレーズです。each otherも代名詞であり自分、彼といった名詞の置き換えになります。主語としては使えず、必ず文末に持ってきます。互いにおしゃべりを楽しんでいます。
2. on the other hand
「一方で・他方で」と2つの物事を比較対照するときに使う接続語です。ディベートやビジネスにも使えるので覚えておくと便利な表現です。ニールはフットボールの才能に長けています。一方で、家事については怠け者の一面があります。
3. the other way around
「反対に・あべこべに・逆さまに」という意味のフレーズです。日常生活に使えるシーンが多いので、ぜひ覚えましょう。セーターを逆に着てるよ!
ちなみに、イギリスでは日本語で言うセーターをジャンバーと呼びます。ジャンバーは日本語でなら上着ですのでちょっと混乱しますね。アメリカ英語ならsweaterです。
4. every other day
「1日おきに」という意味の熟語です。ここでも、otherが使われ、1日おきに英語のレッスンを受けるというように使える便利な言い回しです。オンライン英会話のレッスンを1日おきに受けて1年です。
代名詞anotherやthe otherの違いまとめ
others 複数・不特定「他のいくつか」
the other 単数・特定「残りの一つ」
the others 複数・特定「残りのすべて」
普段の英会話でもメールなどの英文でもanotherやthe otherなどの代名詞がよく使われます。この機会に、はっきりと区別した使い方ができるよう練習しましょう。自分の英語に自信がついていきます!
◇経歴
日本では外資系製薬会社などで勤務。
2006年夏に渡英し、現在イングランド在住。
2012年以来、南ロンドンで剣道道場を運営。地元の行政と関わり、日本文化を紹介するイベントを担当したり、剣道や居合道のデモンストレーションのオーガナイスを行なう。
また、日本の2大学と英国剣道協会とのパートナーシップ締結のためのリエゾンおよび翻訳・通訳を担当。
◇資格
・Food Safety Level 2
・Principles of Internet Safety Prepare to Deliver Excellent Customer Service
◇海外渡航経験
スキューバダイビングで訪れた国々を始め、3ケ月間のヨーロッパ各国バックパッカーの旅を経験。
◇自己紹介
こんにちは!椿サリーです。夫がイギリス人、日英ミックスの息子(UK大学生)という家族構成の国際結婚組です。ライターとして、多国籍メンバーが所属する剣道道場の女将として、日本文化紹介を紹介する地元グループ代表として行政とのやりとりなど、イギリスで幅広く活動しています。英会話ができると世界が広がりますし、外国人とのコミュニケーションは楽しい!を日々実感しています。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.