フィリピン・セブ島で語学留学や長期滞在を検討している方にとって、ビザ関連の手続きや必要書類の情報はとても重要です。
思わぬ不法滞在をしてしまったり、ビザの不備で入国やセブ島での滞在ができなくなってしまったりする事態を避けるために、セブ島に行く前にはビザ情報をしっかり確認しておきましょう。
この記事では、滞在期間や年齢などに応じた最新のビザ・許可証の情報をまとめました。安心してセブ島での滞在をスタートできるよう、ぜひ参考にしてください。
- 30日以内の滞在:ビザ不要の条件と注意点
- 31日以上の滞在:ビザ延長手続きと費用
- SSP(特別就学許可証):語学留学に必須の許可証
- ACR I-Card(外国人登録証):59日以上の滞在者向け
- ECC(出国許可証):6か月以上滞在者の出国時に必要
- 15歳未満の単独渡航:WEG申請の必要性
- まとめ
30日以内の滞在:ビザ不要の条件と注意点
日本国籍のパスポートを持っている人の場合は、30日以内の滞在であればビザは不要です。ただし、以下の条件を満たす必要があります。
渡航目的に制限はなく、ただの観光であっても留学やビジネスのためのセブ島滞在であっても、30日以内の滞在であれば、事前にビザの取得をすることなくフィリピンに入国可能です。
ただし、たとえ30日以内であっても、セブ島内の語学学校などでコースを取る場合、別途他の手続きが必要となります。(詳細は後述)
日数のカウントは入国日から始まります。入国時にはパスポートに入国スタンプが押印され、そこに日付が入っているので、その日から数えて30日がいつなのか、あらかじめチェックしておきましょう。
もし期限を超えて滞在してしまうと?
何の手続きもしないまま、30日を超えてセブ島に滞在すると、オーバーステイ扱いになり、罰金の支払いが必要になったり、出国時に飛行機に搭乗できなくなったりする場合もあります。
そのため、ビザなしで入国する場合は、いつまで滞在できるのかを必ず把握しておくことが大切です。
また、オーバーステイをしてしまうと、その悪質度によってはフィリピンへの再入国が禁止になることもあります。
うっかりしていて1、2日すぎてしまっただとか、体調不良や不慮の事故などで延長手続きができないままだったなど程度であれば、きちんと罰金を払えば、再入国禁止という事態にはならないでしょう。
ですが、やむを得ない状況を除き、オーバーステイにはなってしまわないように、計画的な手続き準備や旅程を組むようにしてください。
31日以上の滞在:ビザ延長手続きと費用
前述のとおり、セブ島で観光や留学などで滞在する場合、30日以内であれば事前のビザ取得は必要ありません。しかし実は、30日を超えて滞在する場合も、セブ島渡航前にビザ取得をしなくても良いのです。
これはなぜかと言うと、フィリピンではビザなしの状態でも、現地で滞在期間の延長手続きができるからです。
ただし手続きには少し時間がかかるため、滞在期間の延長が決まっている場合は、早めに手続きを進めましょう。
ちなみに、ビザなしで途中で延長をするつもりでも、フィリピンに入国する際には、フィリピンを出国するための航空券が必要です。
そのため、延長を決めた時点で出国用の航空券は破棄するか、可能であれば実際の出国予定日へ日付変更が必要となります。
延長手続きの方法
ノービザでセブ島に滞在している場合、滞在期間の延長をすると観光ビザ(通称9A)への切り替えをする手続きを行います。
延長手続きなんて難しそう…と思う人もいるかもしれませんが、語学学校などに通っている人の場合は、語学学校が代行サービスをしているため、語学学校にお願いすると良いでしょう。
語学学校などに通っていない人は、自分で延長手続きをすることになります。この場合は、イミグレーションオフィス(入国管理局)で手続きを行いましょう。
この場合も手続き自体はそれほど複雑ではありません。パスポートを持ってイミグレーションオフィスに向かい、延長手続きをしたいことを告げ、申請書と必要書類を提出し、料金を支払えば終わりです。
必要書類は基本的にはパスポートと延長申請書のみですが、ACR I-Cardなどを持っている人は、それも必要です。
延長手数料
フィリピンのビザ延長手数料は、何度目の延長でどのくらいの期間延長するかによって手数料が異なります。また、ビザ関連の手続きには変更が発生することもあるため、常に最新情報を調べるのが鉄則です。
以下は目安にはなりますが、延長回数ごとの料金表です。特に留学などで事前に費用の計算をする必要がある場合は、こちらを参考にしてください。
延長申請回数 | 延長期間(合計滞在日数) | 申請費用 |
1回目 | 29日間(合計:59日間) | 約3,000ペソ(約8,000円) |
2回目 | 30日間(合計:89日間) | 約5,000ペソ(約13,000円)※ACR I-Card取得必要 |
3回目 | 30日間(合計:119日間) | 約3,000ペソ(約8,000円) |
SSP(特別就学許可証):語学留学に必須の許可証
セブ島で語学留学やIT留学をする人の場合、ビザなしで入国はできるものの、別途SSP(特別就学許可証)というものが必要です。こちらは滞在期間にかかわらず、たとえ1週間の留学の場合でも取得が必須となっています。
これは、ビザなしで入国した外国人が、フィリピン政府に認可された教育機関で学ぶための公式な許可証であり、語学学校などでコースを取る場合、この許可証がなければ違法扱いとなります。
SSP取得方法
SSPの取得は非常に簡単です。なぜなら、フィリピン政府に認可されている教育機関は、外国人にはSSPが必要なことがわかっているため、取得を代行してくれるからです。
そのため、SSPを取得するには、学校側から案内のある必要書類を学校の窓口に提出するだけで良いのです。
SSPに関する注意点
少し気をつけなければならないのは、セブ島に観光のみの目的で入国し、途中で学校にも通いたくなった場合です。
フィリピン政府に認可されている学校であれば、このパターンで学校に通いはじめたとしても、その時点でSSPの取得代行をしてくれるはずです。
しかし、もしも未認可の学校だった場合、SSPの取得はできず、不法にビザなしでフィリピンで就学していることになってしまいます。
セブ島にある学校はそのほとんどが認可されている学校ですから、この心配はあまりありません。しかしごく稀ではありますが、超格安校や未認可校がSSP取得を怠るケースがあるため、ご自身でも気をつけておくことをおすすめします。
また、SSPは通う学校ごとに取得が必要です。つまり、セブ島滞在中に学校を変える場合は、再度SSPの取得が必要です。
この場合も、SSP取得について学校から案内があるでしょうから、多くの場合心配はいりませんが、ご自身でも把握しておくようにしましょう。
ACR I-Card(外国人登録証):59日以上の滞在者向け
滞在目的にかかわらず、セブ島をはじめとするフィリピン国内で59日以上滞在する人は、二度目の滞在期間延長手続きをする際に、ACR I-Cardと呼ばれる外国人登録証の取得も必要になります。
これは、フィリピンに長期滞在している外国人向けのIDカードです。
フィリピンで二度目のビザ延長をする場合、手数料が外国人登録証分上乗せされることも覚えておきましょう。
他の申請が必要になると思うと身構えてしまうかもしれませんが、ビザ延長手続きやSSPの取得と同様に、こちらのACR I-Cardも取得自体は難しくありません。
通常は二度目のビザ延長手続きの際に、イミグレーションオフィス側から案内がありますから、その時に必要な手数料を支払って取得を行いましょう。
ACR I-Cardには顔写真、指紋情報、ビザの種類、登録番号などが含まれており、フィリピン国内で身分証明書として使えます。
ECC(出国許可証):6か月以上滞在者の出国時に必要
ビザ延長手続きを繰り返し、セブ島に6ヶ月以上滞在した場合は、出国時に他の許可証の取得が必要です。この許可証はECC(出国許可証)と呼ばれています。
これは、滞在中に違法行為がなかったか、税金やビザ関連の問題がないかを確認するための証明書で、取得しておかなければ、出国時に足止めを食うことになってしまいます。
申請は延長手続きなどと同様にイミグレーションオフィス(入国管理局)にて行います。
申請時にはパスポートやACR I-Card、証明写真4枚、申請用紙、出国用の航空券が必要ですから、忘れずに用意しておきましょう。
料金は500ペソ程度と比較的安価ですが、ビザ関連の手数料には変更もあるため、最新の情報をチェックし、少し多めにお金を用意しておきましょう。
申請は出国予定日の1週間前までに行う必要がありますが、出国日が決まったら少し早めに申請を行いましょう。
15歳未満の単独渡航:WEG申請の必要性
フィリピンでは原則15歳未満の未成年者が一人で入国することはできません。
ですから、15歳未満の方は、保護者と一緒に入国するようにしましょう。保護者と一緒なら、15歳以上の人と同様、ビザなしでセブ島に滞在することが可能です。
もしも15歳未満の人がセブ島に一人で行かなければならない事情がある場合は、WEG(Waiver of Exclusion Ground)の事前申請が必要です。こちらはフィリピンに入国する前に、日本のフィリピン大使館および領事館で申請を行うことになります。
保護者からの同意書や出生証明書など、必要な書類も多いですから、特別な理由がない限りは15歳未満の人は、保護者との渡航がおすすめです。
まとめ
日本国籍のパスポートを持っている人なら、セブ島に行くのに事前のビザ取得は必要ありません。
ただし、滞在目的や期間によっては、さまざまな許可証の取得が必要になるため、自分には何が必要なのかをしっかり把握しておきましょう。
とは言え、ほとんどの許可証などは学校が代行してくれたり、入国管理局から案内があるため、それほど心配はいりません。また、手続きもシンプルなので、面倒に感じることはないでしょう。
セブ島での留学や滞在を快適でスムーズなものにするために、これらの手続きを怠らないようにしてくださいね。