英語のリンキング(リエゾン)とは?音変化の法則や練習法を解説

リンキング、オンライン英会話、ネイティブキャンプ

英語のスピーキング・リスニングを向上させる方法の1つとしてよく紹介されている「リンキング(リエゾン)」。

リンキングは日本語にはない「音同士の繋がり」を意味する言葉で、習得することで今まで聞こえなかった音が聞こえるようになったり、スムーズに話せるようになったりなどのメリットがあります。

そこで今回は、英語のリンキングについて、音変化の法則と共に解説していきたいと思います。リンキングの練習法も紹介しているので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください!

リンキングとは?

「リンキング」とは、異なる単語の英語の音(アルファベット)同士が法則に基づいて繋がり、連結音として発音されることを意味します。

「リエゾン」と呼ばれることもありますが、リンキングとほぼ同じ意味合いです。英語に限らず多くの言語でリンキングは起きますが、基本的に日本語の発音にはない概念なので、日本人にとってはやや難しく感じるかもしれません。

イメージしやすいのは、PCなどでのローマ字タイピングです。

例えば、「私は日本人です。」とタイピングするとします。

WA
TA
SHI
WA
NI
HO
NN
JI
NN
DE
SU

上記のように、多くの場合は子音と母音を組み合わせることで、日本語で使える音をつくれます。

英語では子音だけの音は存在しますが、日本語は母音が強いため、子音と母音を組み合わせることになります。

次に、英単語2つのリンキング例を見てみましょう。

think about

リエゾンせずに発音した場合:スィンク アバウト
リエゾンして発音した場合:スィンカバウト

「think」の「k」、「about」の「a」が連結し、「ka」の音になる。つまり、繋げて読んだ場合、「スィンカバウト」と発音されます。

なお、ここではわかりやすいように「子音+母音」で例を出しましたが、英語には「子音+子音」や「母音+母音」のリンキングパターンもあります。

リンキングを習得するメリット

ここでは、リンキングを習得するメリットを、以下の2点に絞って解説していきます。

①リスニング力が向上する
②スムーズに話せるようになる

①リスニング力が向上する

リンキングを習得するメリットの1つとして、リスニング力の向上が挙げられます。

英語でリンキングするのは、ある程度速いスピードで、流れるように話したときです。ゆっくりと1単語ずつ区切って発音した場合、リエゾンはしません。

また、1単語ずつはっきり発音した音と、速いスピードでリンキングした音では、全く違う聞こえ方になるものも多く存在します。つまり、リンキングした英語の音を知らないと、その音を認識できないために聞き取れないということが出てきます。

また、聞いている英語が速く聞こえるので、頭の中で「どうしよう!」となってしまう方も多いでしょう。

逆にリンキングを習得することで連結音を認識できるようになるので、今まで聞き取れなかったネイティブスピーカーの流れる英語も聞こえやすくなります。速いと感じていた流れるような英語も、リンキングがわかることで対応できるようになるでしょう。

リスニング時に聞き取れないことが多いと感じている方は、ぜひ英語のリンキングを学んでみてください。

②スムーズに話せるようになる

英語のリンキングを習得するメリットの2つめは、スムーズに話せるようになることです。

リンキングしないで英語を話そうとすると、それぞれの単語がぶつ切り状態になるため、リズム感のない話し方になります。

一方でリンキングした場合、単語同士の音が繋がるので英語特有のリズムで流れるように話せます。相手が聞きやすいだけでなく、テンポ感良く言いたいことを相手に伝えられるようになるのもポイントです。

リンキングで音が変化する3つの法則パターン

次に、どのようなときにリンキングが起きるのかを理解できるよう、音が変化する3つの法則パターンを紹介していきます。

子音+母音のリンキング

まずは「子音+母音」のリンキングを、3つのパターンに分けて解説します。

通常音の子音+母音のリンキング

「通常音の子音+母音」のリンキング例は以下です。

Can I
キャン アイ⇨キャナイ
(「n+i」が連結)

I’m in
アイム イン⇨アイミン
(「m+i」が連結)

an egg
アン エッグ⇨アネッグ
(「n+e」が連結)

破裂音+母音のリンキング

破裂音+母音のリンキング例は以下です。

talk about
トーク アバウト⇨トーカバウト
(「k+a」が連結)

hand out
ハンド アウト⇨ハンダウト
(「d+o」が連結)

put on
プット オン⇨プトォン
(「t+o」が連結)

摩擦音+母音のリンキング

摩擦音+母音のリンキング例は以下です。

This is
ディス イズ⇨ディスィズ
(「s+i」が連結)

give up
ギブ アップ⇨ギヴァップ
(「v+u」が連結)

both of
ボォス オブ⇨ボォソォブ
(「th+o」が連結)

子音+子音のリンキング

「子音+子音」でもリンキングするパターンがあります。以下の例を見てみましょう。

thank you
サンク ユー⇨サンキュー
(「k+y」が連結)

than usual
ザン ユージュアル⇨ザニュージュアル
(「n+u」が連結)

母音+母音のリンキング

go away
ゴー アウェイ⇨ゴーウェイ
(「o+a」が連結)

May I
メイ アイ⇨メアイ
(「y+i」が連結)

「h」の音が脱落するリンキングもチェック

「her」や「him」など、「h+母音」の単語の場合、リンキングしたときに「h」の音が脱落することが多いのでついでに覚えておきましょう。

例えば、「take her」や「help him」といった単語の並びがあったとします。この場合、後ろ側の単語の「h」の音が消えます。

take her
テイク ハー⇨テイカー
(「k+e」が連結)

help him
ヘルプ ヒム⇨ヘルピム
(「p+i」が連結)

上記の法則を知らないと、それぞれの単語を区切って発音したときに比べて音がかなり違うため、聞き取れないということが起きてしまいます。

ぜひ「h」の脱落音も意識してリンキングの学習をしてみてください。

リンキングの効果的な練習方法

最後に、リンキングの効果的な練習方法を、3つ厳選して紹介していきます。

①ゆっくり音読する
②オーバーラッピング・シャドーイング
③洋楽を歌う

ゆっくり音読する

リンキングをこれから練習しようと考えている方は、まずは音の繋がりを意識しながらゆっくり音読し、確実に音を繋げて発音できるようにしていきましょう。

音読に使うのは、自分のレベルにあったオーディオ付きテキストブックです。会話形式もしくは独り言形式のものがおすすめですが、自分の好みのもので構いません。

最初にテキストの文章を見ながら、お手本となる付属のオーディオを聞いていきます。何度か聞いてリンキングしている箇所がわかったら、連結部分にチェックを付けていきましょう。(後で消せるよう、鉛筆かシャープペンシルで書き込むのがおすすめです。)

次に、チェックを付けた部分の連結音を意識しながら、文章全体をゆっくり音読していきます。スムーズにリンキングさせて発音できるようになるまでは、速く読む必要はありません。

ある程度口の動きが馴染んできて、違和感なく発音できるようになってきたと感じたら、自然な速さでもできるよう少しずつ話すスピードを上げていきましょう。

オーバーラッピング・シャドーイング

音読でリンキングができるようになったら、次はオーバーラッピングまたはシャドーイングを行うのがおすすめです。

オーバーラッピングは聞こえてくる英語音声と同時に、シャドーイングは英語音声よりも0.5秒ほど遅れて発話します。

いずれも聞こえてきた音をそっくりそのまま真似る練習であり、広く取り入れられている発音改善トレーニングの方法です。一定のスピードを保って読んでいくため、スピーキング改善にも効果が期待できます。

音声は音読で使用したテキストに付属のオーディオを使用し、できるようになるまで何度も繰り返し練習します。文字情報を見ずに音声だけで行うのが本来のやり方ですが、最初は難しく感じると思うので、テキストを見ながら行う方法でも構いません。

注意点は、ただ音声に着いていくだけではなく、発音・リンキングをコピーすることです。全く同じように発話することで発音が改善され、反復練習を行ううちに口が慣れてきて、徐々にスムーズにリンキングしながら発音できるようになっていくでしょう。

洋楽を歌う

リンキングの練習方法として、洋楽を歌うのもおすすめです。

洋楽も会話と同じように、区切るところでなければ、流れるようにリンキングしながら歌われます。オーバーラッピング・シャドーイングと同じ感覚で、そっくりそのまま真似るように歌うことで、リンキングの感覚を掴めるでしょう。

この方法で重要なのは、好きな曲を選ぶということです。リンキングは基本的に何度も繰り返して練習することで習得できるものなので、何回でも歌いたくなる曲のほうが反復練習の精神的な負担は少なくなります。

また、ラップのような早口の曲はかなり難易度が高いため、初心者にはおすすめできません。最初はゆっくりとしたバラード調で、一小節の中にあまり単語数が詰まっていないものを選び、確実にリンキングできるよう練習してみましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は英語のリンキングについて、音の変化の法則や、習得のための練習方法を解説していきました。

リンキングをマスターするだけで、これまでは捉えられなかった音が聞こえるようになり、リスニング力の劇的な向上が期待できます。すぐに習得できるようなものではないですが、コツコツと練習を続けていけば次第に上達していくでしょう。

自分で練習してもいまいち感覚が掴めないということがあれば、オンライン英会話「ネイティブキャンプ」も活用してみてください。講師とのマンツーマンレッスンの中で、連結音が甘いところの認識もできるのでおすすめですよ!

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