虫歯の痛みを英語で説明! なぜ痛い?どんな処置になる?

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海外旅行に行く時、意外に見落としがちなのが、歯を完璧な状態にしておくこと。

海外に行ってから、ん?歯が痛い???になると何かと面倒。

歯科医院を探して、受診して…ですが、受診したところで、症状をきちんと説明出来ますか?

一口に「歯が痛い」と言っても色々な痛みがありますよね。
ズキズキ痛い、噛むと痛い、冷たいものがしみる、などなど。

自分の現在の症状を正しく伝えること、まずはこれが何よりも大切です。

今回の記事は歯科医師お墨付き。
内容的には日本で診療を受ける際にも役立つかと思いますよ。

「歯」に関する英単語

まずは「歯」、何と言いますか?

歯 = tooth(単数形)
  teeth(複数形)

単数形と複数形と似ているので混同しそうになりますが、ここはしっかり覚えましょう。

「虫歯」に関する英語表現

さて「虫歯」、英語では何というのでしょうか?

虫歯 = cavity です。

rot = 腐った
decay = 腐らせる、虫歯にする
の意味合いから、rotten tooth、decayed tooth、bad tooth とも言われますよ。

「虫歯があります。」なら、I have a cavity.

「虫歯があると思います。」なら、I may have a cavity. と伝えましょう。

痛みを伝える時、「虫歯が痛いです。」は
I have a toothache.
(虫歯の痛みがあります。)

My tooth hurts.
(歯が痛みます。)
と言います。

経験した方ならお分かりかと思いますが、歯が痛いにも色々な痛みがありますよね。

何もしなくても痛い、ズキズキ痛い、噛むと痛い、冷たいものがしみる、熱いものがしみる…

こういったことは、診断の役に立つとても重要な情報ですので、きっちりと伝えられるとその後の治療もスムーズ間違いなしですよ!

歯の部位、位置に関する英語表現

どこのどの歯が…これは最低限伝えたいですよね。

右 right
左 left

前歯 front tooth / foretooth / incisor
奥歯 back tooth / molar(やや歯科専門用語寄り)

上(顎)の歯 upper tooth
下(顎)の歯 lower tooth

この6つを覚えておけば大丈夫です。

例えば、 右上の前歯
= the front tooth on the upper right

左上の奥歯
the molar on the upper left のように表現します。

歯の種類に関する英単語

子どもの歯は乳歯、生え変わった大人の歯は永久歯ですね。

乳歯
baby tooth / milk tooth

永久歯
adult tooth / permanent tooth

歯の痛みの種類からみた診断候補と治療方法

何もしなくても痛い

鈍い痛み dull pain

鋭い痛み sharp pain

ズキズキ痛い
throbbing pain 、pounding pain
と表現します。

※throbbing = 規則正しく鼓動する、拍動性の

※pounding = 酷い打撃、強打の

→神経がやられている可能性が高いです。

治療)
根っこの中、神経の治療が必要になってきます。
通常、麻酔をして治療を開始します。
労力のいる治療で、海外ではとても高額ですが、日本では何故かとても安価です。
神経の治療の完了後に、何らかの被せ物します。

噛むと痛い
※噛みしめるとじんわりと痛むなど

例えば
When I bite on a slice of bread, the molar on the upper right is painful.
(パンを噛むと、右上の奥歯が痛みます。)

→詰め物の下など、歯の中で虫歯が進行している場合に起こります。

治療)
詰め物があれば外し、虫歯を削って後、何らかの詰め物もしくは被せ物をします。

噛むとズキンと痛む

→噛み合わせの関係で、一本だけに無理な力が掛かってしまっている場合に起こります。

治療)
噛み合わせチェック、必要ならちょっと削って噛み合わせ調整を行います。

→歯を支えている骨がなくなる歯周病になると起こります。

治療)
根っこの植わり具合をチェック、根っこ周りの歯石などを特殊な器具で除去、時には適宜、手術もして、健康な歯周組織を取り戻します。歯磨き指導も。

→根っこの先に傷んだ神経からの炎症で膿が溜まって、違和感〜激痛が起こります。

治療)
神経の治療を行い、完了後に何らかの被せ物をします。

冷たいものがしみる

→歯の根元、歯茎との境部分が削れ、知覚過敏になっている場合に痛みます。

治療)
知覚が鈍くなる薬を塗ったり、薄くなった歯質を補うべく詰め物をしたりします。

→神経まで到達していない虫歯で起こります。

治療)
虫歯を削りとり、詰め物をします。

熱いものがしみる

→神経まで到達した虫歯で起こります。

治療)
神経の治療を行い、完了後に何らかの被せ物をします。

海外と日本の治療方法では違いはあるのか?

ここで、海外の虫歯治療と日本の治療方法で違いがあるのか、これは皆さんも知りたいところかと思いますが、はっきり言って治療法自体には大きな違いはないです。

手技に関しては遜色ない、どころか日本の先生のが器用にも思えたりも。

海外での歯科診療を見学する機会があった日本の歯医者さん、どんな凄い治療をするのかとワクワクしていたら、普通に削って保険診療で日常使いのあの白い材料を詰めただけ、それが大仰に行われていて驚愕…そして値段は日本の窓口での何倍も…で軽く眩暈を覚えたそうですよ。

それでは何が違うのか?

1)材料

日本の先生方も勉強熱心ですので、アメリカやスウェーデンなど歯科先進国と言われる国々の情報、歯科材料など積極的に取り入れるべく頑張っています。

何が大きく違うかといえば、使う材料、と言えるかもしれません。

国保や社保などの公的医療保険の適用の範囲内だと使える材料が限られているためです。

勿論保険診療においても、歯の白い詰め物など、歯科先進国同様の材料も多数が使われていますが、金属や被せ物の材料に関してはかなり限られた材料から選択する決まりになっています。

歯科先進国と同様の治療を希望する場合は自費治療を選択するとよいでしょう。

2)診療費用

また、診療費用もかなり違います。

日本では公的医療保険のお陰で、患者側の負担は基本的には3割、子どもは2割、老人などでは所得、年齢により1〜3割です。

要は、例えばですが、小さな虫歯を削って白い材料で詰めるなどの治療が行われ、3割負担で実診療費用が10000円(保険点数でいうと1000点)だった場合、窓口での実際の支払いは3000円です。

海外で同じ治療を受けると、国や歯科医院によって値段は様々ですが、15000円程度を実費で支払うことになります。

親知らずを抜くなどで3割負担では歯の向き、植わり方などの状態にもよりますが、1本5000円程度で済むことが、海外で同じ治療を受けると、25000〜40000円ほどです。

治療のうちでは大変かつ大切な根っこの治療に関しては、日本の保険点数は本当に低く、歯の種類によって値段が違うとはいえ、スウェーデンでの治療費が日本の4〜10倍と知った時には大変驚きました。

もちろんこういった処置に対する料金以外に、初診料や再診料、レントゲン代などが加算されて、何万でしょうかレベルの治療費になります。

ですのでアメリカでの話ですが、現地の人もそうやすやすと皆が治療を受けられるわけでなく、ドラッグストアなどにいくと、自分で虫歯を応急処置していくための器具やら薬剤やらの簡単なセットが売られていたりしますし(専門家が見ればこれでは無理と即答レベルのもの)、医療関係での支払いで破産する人がかなりの数いらっしゃるようです。

ちなみにスウェーデンでは税金が高く、国民健康保険がないため、全て自費でなのですが、20歳までは国の社会保障で医療費は無料で20歳までに虫歯になることはほとんどないのですが、40代、50代ともなって治療に至った場合にはその支払いは高額になります。

というわけで海外旅行、留学をする際には民間の保険に加入していくこと、それも最近では増えている、歯科までカバーするものに加入していくことをおすすめします。

日本の自費診療の値段ベースで考えれば、海外とそんなには変わりませんけどね。

歯科治療までカバーする海外旅行傷害保険

海外での歯科治療は、特に先進国ではかなり高額な治療費を請求されます。
ですので、普段からの予防に加え、旅行前にきちんと歯科治療を終えておくことがまずは大切ですが、不測の事態もありえます。

そのために、歯科治療までカバーする海外旅行傷害保険への加入をおすすめします

以前は、海外留学生保険以外の海外旅行傷害保険やクレジットカードの付帯保険は虫歯などの一般的な歯科治療は対象外でした。

ですが、まだまだ一部ながら、大手の保険会社では歯科治療補償付きのものが出来始めています。

その契約や保証期間などは各社でまちまちですので、ご自身の渡航期間や条件に適した内容のものを選んでくださいね。

例えば、3ヶ月までの渡航に適用される保険で歯科治療の補償が3ヶ月までのもの、渡航期間が6ヶ月以上の場合に歯科治療補償をつけられるもの、被保険者の年齢や渡航目的に制限があり保険期間が6ヶ月以上の場合につけられるものなど。

自分の加入する保険がどれだけカバーするのか、カバーされない期間があればそれはいつか、把握しておくとよいでしょう。

ちなみに、日本の公的保険(国民健康保険や社会保険)に加入していれば、帰国後必要な書類を提出することで、海外療養費としてある程度の額は戻りますので、覚えておくとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は歯科医お墨付きの内容です。

虫歯に関する英語表現の学びと同時に、虫歯の痛みも色々、どんな状態が想定されるのか、どんな診断がされるのか、どんな治療が行われるのか、の目安の一助にもなれば幸いです。