英語でスピーチを作るとき・話すときのコツについて

スピーチ、コツ、マイク、イラスト

英語でのスピーチを頼まれたことがある方はいるでしょうか。

人前に立って話すだけでも大変なのに、それをさらに英語でやるとなると、初めての方にとってはかなり高いハードルですね。

どんな流れでスピーチをして聴衆を惹きつけるか…。
冒頭で少し笑いを取りたい場合は、どんなストーリーを使おうか…。
最後の締めくくりは、どんな運びにしていこうか…。

などなど、構成を練る際にも、多くのことで頭を悩ませる必要があるかと思います。

また、欲をいうならば、スティーブジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行ったような拍手喝采のスピーチをしたい、と野心に燃えている人もいるはず。

そんな方たちのために、ここでは素晴らしいスピーチに不可欠なものについて考えてみました。

英語のスピーチの構成

さっそく、英語でのスピーチに必要不可欠な構成から見ていきましょう。

一般的な英語のスピーチの形は、下記の流れに従っています。

冒頭

まずは自己紹介や挨拶に始まり、今日話そうとするテーマ、またはアイスブレイク=場を和ますためのジョークなどを含め、このあと自分が話しやすくなるような準備を行う部分。

本文

自分が伝えたいテーマに関し、根拠や考えに至った経緯、背景について語っていく、スピーチの主要となるパート。

締め

自分の意見の結論を伝えるパート。
相手にとって印象的で、記憶に残るような伝え方を意識すると良い。

日本語のスピーチとの違いは?

日本語でのスピーチを経験された方は多いとは思います。

中には、「あまりいい思い出がない」「とにかく緊張するので、スピーチは好きじゃない」という方もいらっしゃると思います。

技術的な面でいうと、日本語のスピーチは「起承転結」を中心に構成されることが多いです。

では、英語でのスピーチの方はどうなのでしょう?

ここでは、英語と日本語のスピーチとの性質の違いについて考えてみました。

◇英語と日本語の文章構成法の違い

英語の文章構造

IntroductionーBody-Conclusion
「序論」  「本論」  「結論」

日本語の文章構造

「起承転結」
Introduction=「起」
Development=「承」
Turn=「転」
Conclusion=「結」

英語の文章では、冒頭の「序論」で今日話すことについて触れたり、ジョークなどを交えて聞き手の興味を引く必要があります。

次の本論では、実際にエピソードを用いたり数字を挙げることで、自分の考えや主張の裏付けをしていきます。

そして、最後の結論部分で自分が言いたかったことをまとめ、聞き手にうまく伝える、というのが一般的な終わり方です。

日本語のスピーチでの異なる部分を挙げてみます。

日本語の文章構成では、最初から結論を明らかにするということはなかなかありません。

「起」の部分では比較的シンプルな形で一つの事例などを挙げてスタートし、「承」の部分で続きを語っていきます。

しかしながら、その後「転」の部分で今までの内容とはガラッと異なる部分に触れていき、その後「結」でうまく締めくくるというのが一般的な形です。

この「転」の部分があるかないか、が英語と日本語のスピーチ構成の大きな違いといってもいいでしょう。

そのためか、日本語の「転」の部分は外国人からみたら馴染みがなく、 「日本人のスピーチは何を言いたいのかよくわからない」
「日本人の英語を聞いていても、結論としていまいち何を言っているのか頭に入ってこない」
という声が多いそうです。

その理由はこういった「母国語における基本的な文章構成の違い」が、挙げられるかもしれません。

私たちが英語のスピーチを聞いて、すっと内容が頭に入ってきたり、「ああ、シンプルでわかりやすいな」と思うことの、逆の現象ですね。

もし今、あなたが英語でのスピーチ構成を考えていて、仮に日本語で下書きをしているのなら、それを丸ごと英語に訳すというのはあまりおすすめしません。

起承転結ベースで組み立てられた文章は、海外の人には通じにくいので、英語でのスピーチ構成に則った形式で、一から構成を考えてみた方がいいでしょう。

そのためには、海外で高く評価されているスピーチ動画をいくつか見て、その話の流れを参考にしながら、自分でオリジナルのスピーチを作るといいでしょう。

また極力無駄な部分を省き、ストレートでシンプルな構成にすると、伝わりやすさも向上します。必要なストーリーや数字、その考えに至った経緯なども明かしながら、説得力を上げていきましょう。


ここでちょっと寄り道!

過去のブログでは、スピーチと同様に相手にうまく伝えることが必要とされる「ディベート」について紹介しています。
併せてチェックしてみてください!

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スピーチをする上で気をつけたいこと

効果的なスピーチをする上で、外せないポイントについてもまとめてみました。

・聴衆が自分の話を理解できているかを把握する

スピーチはあなたが数分、数十分と長く語る場ではありますが、相手がいてこそ成り立つものです。

いくら素晴らしいスピーチを数時間に渡ってしたところで、聴衆が理解できていない、または話についてこれていない状態のまま進めてしまっては、ただの自己満足で終わってしまいます。

極力シンプルなテーマや伝え方を考えるのはもちろんのこと、実際に壇上に立って、相手がどの程度反応してくれているか、リアクションのレベル、また全体のうち何%くらいの人が反応してくれているか、という点も気を配るといいでしょう。

冒頭で、まだ全体の盛り上がりが足りないなと判断した場合には、もう一個用意しておいたジョークを披露してみたり、観衆が今から話すテーマに関して深く理解できていないようであれば、補足の説明を入れてみたりと、あなたのスピーチを披露する上での布石はもっておくに越したことはありません。

・終わり方を意識する

スピーチの良し悪しは、終わり方にかかっていると言っても過言ではありません。

実際に、素晴らしいスピーチは終盤に強いメッセージを聴衆に残しており、話し終えると同時に拍手や歓声が上がることが多いです。

そんな素晴らしい終わり方を目指すための効果的な方法は、
シンプルなメッセージを最後に残すことと、その際に必要なストーリーでいかに聴衆の感情を動かすか?
に、かかっています。

海外の動画の中には、大学の卒業式やビジネスのプレゼン等においても非常に参考になるスピーチが多くあります。実際に目を通し「スピーチの締めくくり方」について勉強されてはいかがでしょうか。


プレゼンテーションは多くのサラリーマンの悩みの種かと思います。過去の記事でも紹介していますので是非ご覧ください!

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スピーチの際に注目してもらうためのコツ

実際にあなたが聴衆としてスピーチを聞く場合、 「面白いと思うスピーチ」
「あまり興味を惹かれず、つまらなかったスピーチ」
の両方が存在すると思います。

では、つまらないと感じてしまうスピーチは、一体何が足りていないのでしょうか。

そもそもスピーチにおいて、聴衆は人の話を長々と聞かなければなりません。

自分の興味のある話題ならまだしも、さほど関心がない分野であった場合には、聞くこと自体が難しいこともあるものです。

つまりスピーチにおいて何が必要かというと、あなたが聞き手を飽きさせない工夫を絶えずしているかどうか、なのです。

では、実際にスピーチをする側がやるべき、聴衆を飽きさせないコツついて考えてみました。

1. 明確でわかりやすいエピソード

聴衆からすれば、やはり簡単な話ほどわかりやすいものはありません。どんな人でも難しい話題や、理解できないことが出現すると、ついつい気が逸れてしまうものです。
そのため例を挙げる際も、少しでもわかりやすく、万人が理解できるような表現を使うといいでしょう。

またストーリー性のある逸話は、聴衆を話に没頭させるための非常に有効なツールです。何か自分のスピーチにおいて使えるストーリーはないか、探してみるといいでしょう。

2. 抑揚をつけて話す

うまいスピーチを見て共通していることは、感情のメリハリをうまく表現していることです。
熱く語るシーン、自分の意見を強く主張するシーン、または悲しいエピソードのシーンなど、その時にあった声のトーンで話すなど、変化をつけてみましょう。
最もやってはいけないのが、終始同じトーンで棒読みに話すことです。

3. メリハリを付けたジェスチャーを披露する

スピーチは、聴衆に言葉で自分の思いを伝える時間となりますが、それだけにとどまってはいけません。
身振り手振りといった視覚情報も同時に提供することで、聴衆を飽きさせないようしましょう。必要な場面で効果的なジェスチャーを披露できるよう、準備しておくのが理想的です。

外国人も乾杯時にスピーチをするのか

外国の方と、パーティーの場で同席したことはあるでしょうか。

「海外では、飲み会の際、乾杯のスピーチをするのか」
と、気になった方もいらっしゃるかもしれません。

結論から言うと、乾杯前のスピーチは海外でも一般的です。

そこで話される内容は、会の目的や集まった人にもよって変わりますが、一般的なのは短くてシンプルなものです。

まず乾杯を表す言葉として、よく使われるのがこちらの2つ。

・Cheers
・Toast

Toastに関しては、パンなどのトーストと同じ単語ですが、もともとはワインを乾杯するときに、昔は焼いたパンをグラスの中に入れていた、というのが由来のようです。

そして乾杯の前には、このような簡単なメッセージが話されることが多いです。

・Thank you very much for coming today.
(今日は来てくれてどうもありがとうございます。)

・Let’s have a great time!
(素晴らしい時間を過ごしましょう!)

・Are you ready everyone?
(皆さん準備はいいですか?)

・Let’s make a toast to our success.
(私たちの成功に乾杯をしましょう。)


その他、「乾杯!」に関する表現はこちらのブログでも紹介しています。

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スピーチと演説の違い

スピーチと演説の違いは、どんなところにあるのでしょうか。日本語の意味の違いについて考えてみました。

ではまず、スピーチ・演説、それぞれに関して実際の生活で使う場面について考察してみましょう。

まず演説が使われる場面として思い浮かぶのは、選挙などではないでしょうか。

国会議員や地方選挙、または学校内の役員選挙などでも、演説を通して投票の前に有権者や他の生徒に自分の意見、公約を訴えかけるのが通例となっています。

反対にスピーチはというと、選挙以外の場で使われているイメージですね。

例えば簡単な発表であったり、スピーチコンテストであったり、自己紹介のための1分間スピーチであったりと、種類は様々。

個人的な解釈としては、 スピーチ=相手に何かを伝えるために、予め一定の時間を設けて、実際にあるテーマについて公の前で話すこと。自由度の高い講話。

演説=主に選挙であったり人から投票されることを目的として、自分の意見や公約等を大勢の前で発表し、信じてくれる人を増やすための行為。 と認識してはいるのですが、皆さんはいかがでしょうか。

スピーチはいつどこでするの?

今回のテーマでは、英語でのスピ-チに関して様々なことをお伝えしてきました。

しかしながら、「実際には海外だと、どんな場面でスピーチをするんだろうか」と気になった方もいらっしゃるかもしれません。

海外においても、スピーチが必要とされる場面については、日本そこまでとは変わりません。

実際に考えられる場面としては、下記のようなものが代表的です。

・会社の送別会で上司から挨拶を頼まれたシーン
・取引先との謝恩会で、冒頭にする挨拶
・友達の誕生日パーティーに参加し、乾杯にメッセージを伝える
・知人の結婚式に友人代表としてのスピーチを披露するとき
・送別会等で誰かに対し、メッセージを伝えるとき

余談ですが、海外でも日本のようなスピーチコンテストがよく開催されています。

調べたところによると、地区大会で勝ち上がった参加者は、全世界での英語スピーチコンテストに参加できるようで、年に1回、2月から地区予選が始まっていき、最終的には8月に世界大会が開かれているとのことでした。

もしそんな場でも堂々と、人前で臆することなく自分の意見を披露できたら素晴らしいですね。もし興味がある方がいれば、鍛錬の場としてどこかのスピーチコンテストに参加してみてみてはいかがでしょうか。