ニュージーランドで看護師として働く方法!日本で資格を持っている/持っていない場合にわけてご紹介

豊かな自然環境とバランスのとれたライフスタイルが魅力のニュージーランドでは医療従事者のニーズが高く、日本人看護師も多く活躍しています。

「ニュージーランドで看護師として働くには?」
「ニュージーランドで看護師として働くために必要な英語力は?」
「ニュージーランドの看護師の年収は?」

本記事ではこのような悩みを抱える方向けに、ニュージーランドで看護師として働くための手順を詳しく解説していきます。

記事の後半では、現地で働くために必要な英語試験や年収の目安なども紹介するので、ニュージーランドで看護師として働きたい人は参考にしてくださいね。

ニュージーランドは看護師の需要が高い

ニュージーランドでは、医療現場における人材不足が長年の課題となっており、特に看護師の需要は年々高まっています。

少子高齢化が進む一方で医療体制の拡充が急務とされており、国内外からの看護師の確保に積極的です。

そのため、海外で看護師として働きたいと考える日本人にとってニュージーランドは非常に有望な選択肢と言えるでしょう。

日本で正看護師の資格を持っている人は、英語のスコアと書類を提出するだけで現地の資格を得られるため、日本人が働くチャンスも多くあります。

また、英語圏でありながら比較的移住のハードルが低い国でもあるため、オーストラリアやカナダと並んで、看護師として海外でキャリアアップを目指す人に人気があります。

ニュージーランドで看護師として働く方法:日本の看護師資格を取得している場合

日本で正看護師の資格を取得している場合、一定の条件を満たせば看護師として現地で就業が可能になります。

ここでは、

・4年生大学(看護学部)を卒業している場合
・専門学校または短期大学を卒業している場合

の2パターンに分けて、それぞれの手順を解説していきます。

4年制大学(看護学部)を卒業している場合

日本で4年制大学を卒業し、看護師資格を取得している場合は以下の手順で申請を行います。

①英語スコアの取得
②CGFNSによる審査
③NCNZへの登録申請
④Welcome to Aotearoa New Zealand プログラムの終了

ニュージーランドで看護師資格を取得するにはIELTS7.0以上もしくはOET350以上の取得が必要です。英語力の習得にはかなりの時間がかかるため、できるだけ早めに取り組みましょう。

次にCGFNS(国際看護師資格評価機構)による審査を経て、NCNZ(Nursing Council of New Zealand)に登録を行います。

NCNZへの登録では、学士卒業証明書や成績証明書、英語試験のスコアなどの書類提出が求められるため事前に用意しておきましょう。

英語力と学歴・職歴の条件を満たせば Welcome to Aotearoa New Zealand プログラムと呼ばれるオンラインコースを受講して正式登録となります。

専門学校または短期大学を卒業している場合

ニュージーランドで看護師資格を取得するためには、ニュージーランドの学位と同等の教育課程を修了していることが求められます。

専門学校または短期大学卒の場合は学位レベルが足りないとされる可能性が高いため、以下の手順で看護師資格を取得しましょう。

①Plytechnic(ポリテクニック)または大学へ進学
②卒業&英語スコアの取得
③NCNZに登録
④Welcome to Aotearoa New Zealand プログラムの終了

ニュージーランドで看護師資格を取得するには学士を取得する必要があります。ニュージーランドの学士に相当する資格を取得するには大学またはポリテックと呼ばれる教育機関を卒業することが必要です。

ニュージーランドで学位を取得した場合でも、IELTS7.0以上もしくはOET350以上のスコア取得が必須となるため在学中に並行して勉強しましょう。

学士と英語スコアを無事取得できたらNCNZ(Nursing Council of New Zealand)にて登録を行います。

NCNZへの登録後は、Welcome to Aotearoa New Zealand プログラムと呼ばれるオンラインコースを受講して正式に看護師資格が取得できます。

ニュージーランドで看護師として働く方法:無資格・未経験の場合

日本で看護師の資格を持っていない人がニュージーランドで看護師として働く場合は、以下の手順を踏みましょう。

①IELTS5.5-7.0の取得
②進学準備コース受講
③看護学学士コース受講
④ニュージーランド看護協会への正式登録

まずは進学準備コースの入学要件であるIELTS5.5以上を目指しましょう。IELTSのスコアが取得できたら進学準備コースに進みます。

進学準備コースは4ヶ月~1年間で、大学レベルの学習に必要な英語のアカデミックスキルや医療・看護に関連する基礎知識を学びます。進学準備コース終了後、3年間の看護学学士コースを受講しましょう。

なお、IELTS6.5以上を満たしている場合は進学準備コースの受講が免除されます。学士を取得したらニュージーランド看護師協会に正式登録許可が下り、ワーキングビザを移民局にて取得後、看護師として働けます。

ニュージーランドで看護師として働くのに必要な英語力

ニュージーランドで看護師として働くためには、高いレベルの英語力が求められます。

ニュージーランドで看護師登録を目指す際には、IELTS7.0以上もしくはOET350以上のスコア取得が必要です。

IELTSの試験情報

IELTSは海外移住や海外大学に入学する際によく用いられる世界的にメジャーな英語試験です。

試験内容 総合的な英語能力の測定
試験時間 リスニング:40分
リーディング:60分
スピーキング:12-14分
ライティング:60分
スコア 各セクション0-9.0点満点(0.5点刻み)
受験料 25,380円
公式サイト https://www.eiken.or.jp/ielts/
開催地 東京・大阪・横浜・札幌・仙台・埼玉・長野・金沢・静岡・神戸・京都・名古屋・広島・岡山・福岡・熊本
試験日 毎週

IELTSには学術的英語力を測るアカデミックモジュールと、全般的な英語力を測るジェネラルトレーニングモジュールがあります。

ニュージーランドで看護師資格を取得する際にはアカデミックモジュールでの総合スコアが7.0以上であることが必要です。

加えて、ライティングのスコアが6.5以上、ライティングを除く各セクションのスコアが7.0以上であることが求められるため、全技能において高レベルの英語力が求められます。

OETの試験情報

OETは医療専門職向けに設計された英語試験で、実際の医療現場に即した内容となっているため、看護師や医師などに特に人気の試験です。

試験内容 医療分野におけるコミュニケーションや医療トピック
試験時間 リスニング:40分
リーディング:60分
スピーキング:20分
ライティング:45分
スコア 各セクション500点満点
受験料 587AUD(約54800円)
公式サイト https://www.occupationalenglishtest.org/
開催地 東京・大阪
試験日 月に2回

ニュージーランドで看護師になるには、OETの各セクションで350点以上を取得する必要があります。試験内容が医療現場に特化しているため、IELTSよりも実践的な語彙や表現を学べます。

IELTSとOETどちらがおすすめ?

結論から言うと、IELTS7.0よりもOET350の方が取得しやすいと言えるでしょう。その理由としては、リーディング、スピーキング、ライティングの3セクションに関してIELTSの方が難しいとされているからです。

具体的な要因としてリーディングに関してはシビアな制限時間、スピーキングに関しては論理的な受け答え、ライティングに関しては厳格な採点基準などが挙げられます。

逆に、リスニングに関しては独特なオーストラリア英語が用いられるOETの方が難しいとされているため、リスニングが極端に苦手な人はIELTSがおすすめです。

ニュージーランドの看護師の年収

ニュージーランドの看護師の年収はキャリアによって以下のように異なります。

・新卒・経験3年未満:約50,000~60,000NZD(約430~520万円)
・中堅(経験5~10年):約60,000~70,000NZD(約520~600万円)
・シニア・専門職:約70,000~90,000NZD(約600~780万円)

給与は経験の他にも公立病院か私立病院かによっても異なります。

公立病院では職能別の給与テーブルが明確で昇給制度が整っている一方で、私立病院ではスキルや役割などによって報酬が上下するケースもあります。

ニュージーランドの看護師に関するよくある質問

ここからは、ニュージーランドで看護医として働くことを考えている人向けに、よくある質問に回答していきます。

日本での経験は必要?

必須ではありませんがあると有利です。

日本での看護師資格をニュージーランドで切り替える際は、過去10年間で1800時間以上の実務経験が必要です。

日本で取得した資格の切り替えは可能?

4年制大学を卒業し学士号を取得している場合、資格の切り替えが可能です。ただし、英語力など他の要件もあるため事前に確認し準備を進めましょう。

看護師資格の切り替えに必要なお金は?

看護師資格の切り替えにかかる費用は以下の通りです。

・英語試験受験料:約25380円~54300円
・CGFNSへの申請:300USD(約43000円)
・NCNZへの登録:485NZD(約42000円)

この他にもビザや健康診断などの諸経費もあることから20万円前後を見積もっておくと良いでしょう。

現地で働いている日本人はいる?

ニュージーランドでは多くの日本人が看護師として活躍しています。

繋がりがなく不安な人はSNSや留学支援サービスを通じて、現地の看護師コミュニティとの繋がりを持つこともおすすめです。

看護師登録に必要な書類は?

ニュージーランドでの看護師登録に必要な書類は以下の通りです。

・申請書
・日本の看護師免許
・パスポート
・英語検定試験結果
・履歴書
・職場からの推薦状2通
・本人のことを2年以上知る人からの推薦状
・各職場の在籍証明書
・名前変更の証明(結婚で名字変更の人のみ)
・看護大学・短大・専門学校の学業成績書
・警察証明書(無犯罪証明書)

書類は全て英語での提出が求められるため、翻訳や公的認証が必要です。

看護師として登録されれば働いて良い?

現地で看護師として登録されればすぐに働けるという訳ではありません。日本人が海外で働くためには就労ビザの申請が必要になるため、ビザの申請を行いましょう。

永住権は取得できる?

ニュージーランドで看護師として認められれば永住権の取得も可能です。

まとめ

本記事ではニュージーランドで看護師として働きたい方向けに、具体的な手順や必要な英語力、リアルな年収事情などを紹介しました。

日本で4年制大学を卒業している場合は英語力などの基準を満たすことで現地での看護師登録が可能になります。

日本で学士号を取得していない場合は、看護師資格を持っている方であっても現地の学校で学士に相当する資格を取得する必要があります。

また、IELTS7.0以上もしくはOET350以上というかなりの英語力が必要となるため、英語の習得に向けた継続的な努力が必要です。

本記事を参考にニュージーランドで看護師として働くための手順を把握し、自分のキャリアの幅を広げていってくださいね。

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