今回は英語の「時制」について解説します。
日本語と違った時間の捉え方に苦手意識を持っている方も多いんじゃないでしょうか。例文を見ながら、各時制の違いをマスターしましょう!
英語の時制
「時制」とは、現在、過去、未来といった「時」を表すために動詞の形を変えることを意味します。
この現在、過去、未来の3つがさらに基本形、進行形、完了形、完了進行形という4つの時間軸と組み合わさることで合計12種類となります。基本形から順に見ていきましょう。
基本形
まずは一番シンプルな現在形、過去形、未来形から見ていきましょう。現在形(S+V原型)
現在形が表すのは、昨日も今日も明日も変わらないものごと、つまり「習慣」と「事実」です。
例えば「ハリーは良い人だ」「私は医者だ」「毎朝6時に起きる」「水は100℃で沸騰する」というような、過去も現在もおそらく未来にも変わらないであろうことは現在形を使って表現します。
ハリーは良い人だ
私は医者だ
毎朝6時に起きる
水は100℃で沸騰する
また、少しややこしいかもしれませんが、現在形で未来の予定を表すことがあります。
あと30分で映画が始まる。
私たちが乗る電車は9時発だ。
このような「自分では変えられないスケジュール」は事実と同じように現在形で表すことができます。映画の上映時間や電車の出発時刻を自由に操ることは出来ませんよね。
過去形(S+V過去形)
過去形は「現在とは関わりのない過去」を表します。
よく「過去の一時点」なんて言われていますよね。※現在と関わりのある過去は現在完了形を使います。
3日前ジョンにあったよ
昨日夜ご飯を作った
彼は2020年に大学を卒業した
未来形(S+will+V原型)
未来形は「未来の予定」や「意志」を表します。
来週、祖父母に会いに行く予定だ
来年の休暇はヨーロッパに行く予定だ
彼らはお金を貯めて新しい車を買う予定だ
また「be going to」も未来を表します。学校では「will」と同じ意味だと習った方も多いかと思いますが、実は少しだけニュアンスが異なります。「Be going to」は「will」よりももっと明確に決まっている、すでに準備をしているというようなイメージです。
休暇の予定は?
I am going to travel to Japan next month.
どちらも日本語訳だと「来月日本を旅する予定だ」となるのですが「will」を使った返事は「今聞かれて考えた」という印象があるのに対し「be going to」には「すでに航空券を買ったり準備を進めている」という印象になります。
進行形
では続いて進行形を見ていきましょう。進行形には、現在進行形、過去進行形、未来進行形があり「今、何をしていますか?」など、特定の瞬間や期間において「一時的に」何かが進行中であることを表現するのに適しています。
現在進行形(be動詞+Ving)
現在進行形は「今している行動」「一時的な状況」「状況の変化」などを表します。
私は本を読んでいる
子どもたちは庭で遊んでいる
彼女はシャワーを浴びている
天気が悪くなってきた
また、現在進行形を使って「近い将来の予定」を表すこともできます。
仕事終わり友達に会う予定だ
来週の水曜日フランスに渡航する予定だ
ただし、これは個人的な(自分の意志で変えられる)予定を指します。
過去進行形(be動詞過去形+Ving)
過去進行形は、過去のある特定の瞬間において進行していたことや、背後にある出来事や状況(バックグラウンド)を表すことができます。
電話が鳴ったとき、私は勉強していた
彼女は昨日、一日中そのプロジェクトに取り組んでいた
ゲストが到着したとき、夕食を食べていた
未来進行形(will+be+Ving)
未来進行形は、将来のある時点で進行中の出来事や状態を表現します。
来週の今頃、テストに向けて勉強しているだろう
彼らは来月ヨーロッパを旅している最中でしょう
あなたが到着するころには、私たちはパーティをしているでしょう
未来形との違いは「まさにその頃〇〇しているだろう」という「特定のある瞬間で進行中の出来事」を表すかどうかと、確定的な未来の予定であるかです。
彼女は来週両親に会いに行くだろう
来週日曜日の午後3時には彼女は両親に会いに行っているだろう
明日は夜10時に残業する予定だ
明日の夜10時、私は残業している最中だろう
完了形
完了形には現在完了形、過去完了形、未来完了形があります。順に見ていきましょう。
現在完了形(have+V過去分詞形)
現在完了形は、今までの「経験」や「状態の継続」などを表します。
パリに行ったことがあります
私たちは10年来の知り合いです
彼らは日本食を食べたことがない
ここで重要なのが、完了形は「期間」のイメージをもっており、特定の日時を表すわけではないということです。
例えば、上記の「We have known each other for ten years.」は10年来の知り合い、つまり出会ったのは10年前と捉えられますので、過去形を使って「We met ten years ago.」と表現することもできます。
しかし、この過去形の文章では10年前という一時点しか表現できません。よって、10年間という期間の長さを強調して表したい場合は現在完了形を使います。
過去完了形(had+V過去分詞形)
過去完了形は、ある特定の過去の時点より前(大過去)に行われた行動や状態に焦点を当てます。
彼女は鍵を家に置いてきたことに気づいた
私がパーティに到着したとき、彼女はすでにいなかった
上記のように、現在からみて過去よりもさらに前のことを表したい場合には過去完了形を使います。
未来完了形(have+been+Ving)
未来完了形は、将来のある特定の瞬間で何かが完了している状態を示します。
来年の今頃までに、私は大学を卒業しているでしょう
彼女は30歳になるまでに5つの国を訪れているでしょう
5年後には、彼は家を買うお金を貯めている(貯め終わっている)でしょう
未来完了形を使うことによって、将来の出来事の完了をより強調して伝えています。
完了進行形
完了進行形は、ある期間にわたって進行し、そして特定の時点までに終了した動作や状態を表現します。現在完了進行形、過去完了進行形、未来完了進行形の3種類を順に見ていきましょう。
現在完了進行形(have+been+Ving)
現在完了進行形は、ある出来事や動作が過去から現在までの期間にわたって続いていることを表現します。
英語を5年間勉強している
この街に幼少期からずっと住んでいる
彼女は正午からずっとバスを待っている
上記のように「ずっと」という期間の長さを表現できるのが現在完了進行形の特徴です。現在完了形も継続を表すことができますが、現在完了形がbe、have、knowなど「状態の継続」を表すのに対して現在完了進行形はread、study、playなど「動作の継続」を表すという違いがあります。
過去完了進行形(had+been+Ving)
過去完了進行形は、過去のある特定の時点より前から継続的に進行していた出来事や状態を表現します。
彼が来るのを私は1時間待ち続けた
彼女は1時間、間違った方向に運転し続けていたと気づいた
東京に引っ越す前、彼は5年間ずっとパリに住んでいた
未来完了進行形(will+have+been+Ving)
未来完了進行形は、将来のある時点まで継続しているであろう出来事や状態を表現します。
試験の日までに、彼らは数ヶ月間試験の準備をしているでしょう
6時までに私たちは彼を3時間待っているでしょう
1年後には、私たちは世界中を6ヶ月間旅行しているでしょう
この未来完了進行形は専門的な文書や、学術誌などで見られますが、日常会話で使うことはごく稀です。TOEICのような文法が問われる試験を受ける予定の方はマスターする必要があるかと思いますが、そうでない方は「こんな表現もあったな」くらいの気軽な気持ちでいいかと思います。
まとめ
今回は英語の「時制」全12種類を解説しました。日本語とは違った時間の捉え方、表し方に戸惑うことも多いかと思いますが、マスターできれば細かい背景やニュアンスを伝えられるようになりますので、ぜひ慣れるまで繰り返し練習してみてください。
Have you ever been to ~?(~行ったことある?)How long have you been working here?(どのくらいここで働いてるの?)など、よく使う表現は丸暗記して、余裕があるときに「なんで完了形、完了進行形なんだろう」と文法的なルールを確認してみると応用できるようになってくると思います。
最後に今回の解説を表にしましたので、定期的に見返してみてください。※動詞はすべて「do」を基準にしています
・現在形:現在の習慣、不変の事実 do/does
・過去形:過去の出来事や習慣 did
・未来形:未来の出来事や計画 will do
・現在進行形:現在進行中の行動、近い将来の個人的な予定 am/are doing
・過去進行形:過去進行していた行動 was/were doing
・未来進行形:未来に進行しているであろう行動 will be doing
・現在完了形:経験、過去から現在までの状態の継続 have/has done
・過去完了形:過去よりも前(大過去)から特定の過去までの継続 had done
・未来完了形:現在から未来への継続、完了 will have done
・現在完了進行形:過去から現在までの動作の継続 have/has been doing
・過去完了進行形:過去よりも前(大過去)から過去までの継続 had been doing
・未来完了進行形:現在から特定の未来までの継続 will have been doing

◇経歴(英語を使用した経歴)
高校時代、英語の弁論大会で優勝したことをきっかけに自分の英語に自信を持つも、その後たった3週間のオーストラリア留学で「言いたいことがなんにも言えない…!」とあっけなく挫折。高校英語特有の難しい構文や文法にもつまづき、だんだんと英語とは心の距離が…。
ところが大学卒業後、縁あって市役所職員として外国人の住民登録を担当することに。そのなかで異文化交流に心を躍らせた日々やアクセントって国によってこんなに違うの!?と言語そのものにおもしろさを感じていたことを思い出し、公務員を退職して現在オーストラリア在住。IELTSの受験に向けて勉強中です。
◇自己紹介
すごい経歴がある人間ではないのですが、みなさんに少しでも「英語っておもしろい!」「学ぶってたのしい!」と思ってもらえると幸いです。カタコトだって、言葉に詰まってしまったって、なんだって大丈夫です。話してみるとなんだかワクワクしてくると思いますよ!

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.