英語の命令文を使いこなす!表現力の幅が広がるポイント解説

命令文, オンライン英会話, ネイティブキャンプ

英語の命令文について

英語の文は、その意味的な役割によって、一般的に次の4つに分類することができます。

平叙文:以下の3つ以外の普通の文。「〜が〜する」「〜は〜だ」といった内容の文。

疑問文:相手に対して質問する文。

命令文:相手に対して命令する文。

感嘆文:驚きや賞賛などを表現する文。

今回は、これらのうち、「命令文」について、たくさんの英語例文を交えながら解説・説明していきます。

命令文の基本構造

相手に対して何らかの命令をする「命令文」は、文法的には「命令形」「命令法」などと呼ばれることもあります。

日本語にするならば、典型的には「〜しなさい」という意味になります。

ただし、文脈などによっては「〜しなさい」よりも別の日本語訳の方が適切な場合もあります。「命令文」といっても、実際の意味としてはあまり「命令」っぽくはない場合もよくあります。これはまた後ほど解説します。

英文法でいう「命令文」あるいは「命令形」「命令法」の基本構造は、

「動詞の原形」+「必要に応じてその他の要素」

です。

一番の特徴は、「主語」がないこと。「命令文」は「動詞の原形」で始まるのが基本です。「動詞から始まる文」といってもいいでしょう。

ただし、丁寧さを付け加える語(「please」など)が文頭に来ることもあります。これについては後ほど解説します。

また、この基本構造でなくても、意味的に「命令」「依頼」等を表す英語表現・フレーズもたくさんあります。これについても、後の方で説明しましょう。

動詞の原形を使った命令文の基本的な形

さてでは、基本的な英語の「命令文」の作り方を見ていきましょう。

「命令文」には大きく分けて、「肯定形の命令文」と「否定形の命令文」があります。

肯定形の命令

まずは肯定形の「命令文」です。

上で述べましたように、「命令文」の基本的な形は「動詞の原形」+「必要に応じてその他の要素」です。「主語」が無いのがポイントです。

最も単純な形を例として挙げるならば、「動詞の原形」一語だけで立派な命令文になります。

Run.

走れ。

Move.

逃げろ。

上の例文では「Move.」を「逃げろ」と訳していますが、これはもちろん、文脈によっていろいろな日本語訳になる可能性があります。「動きなさい」「移動しなさい」「引っ越しなさい」など、いろいろ考えられます。

「命令文」の場合、命令を強調するために、最後に「!(エクスクラメーションマーク)」を付けることもよくあります。上の例だと「Run!」「Move!」といった具合です。

もっと長くなる場合も、「最初に動詞の原形が来る」という基本は同じです。「動詞の原形」ですから、「三単現のs」などは付ける必要はありません。過去形などにもなりません。

Stay here.

ここにいなさい。

Open the window.

その窓を開けなさい。

Study English harder.

もっと一生懸命に英語を勉強しなさい。

Bring an umbrella with you in case it rains.

雨に備えて傘を持っていきなさい。

Read the explanation very carefully.

説明を注意深く読みなさい。

Take care of your brother and sister when we go shopping.

私たちが買い物に行く時は、弟と妹を見ていなさい。

Beで始まる命令文

ここまでは普通の動詞、いわゆる「一般動詞」の場合の命令文の例です。

動詞には「一般動詞」に加え「be動詞」があります。「Is」「are」「am」「was」「were」などですね。

そして「命令文」には、この「be動詞」の原形である「be」から始まるものもあります。

基本的な構造は、

「Be」+「形容詞」+「その他必要な要素」

「Be」+「名詞」+「その他必要な要素」

などです。やはり「主語」は必要ではありません。

この命令文は、「〜でいなさい」「〜になりなさい」「〜な状態でいなさい」「〜な状態になりなさい」といった意味になります。例を挙げましょう。

Be quiet.

静かにしなさい。

Be careful of cars when you cross the street.

その道を渡る時は車に気をつけて。

Be a good boy in front of Grandpa and Grandma.

おじいさんとおばあさんの前ではいい子にしていなさい。

否定形の命令

ここまでの「命令文」は「〜しなさい」という意味でした。

逆に「〜してはいけません」という、禁止を表す「否定形の命令」の場合は、文の先頭に「Don’t」を付ければOKです。「Be」で始まる命令文の場合も同じです。

つまり、基本的な構造は、

「Don’t」+「一般動詞の原形」+「その他必要な要素」

「Don’t」+「be」+「形容詞または名詞」+「その他必要な要素」

となります。

Don’t run.

走るな。

Don’t move.

動かないで。

Don't hesitate to ask me if you have questions.

質問があったら遠慮しないで聞いて。

One of my house rules is “Don’t tell a lie.”

私の家のルールの 1 つは「嘘をつくな」です。

上の例文では「Don’t tell a lie.」の部分が「否定形の命令文」です。

Don’t be shy.

恥ずかしがらないで。

Don’t be a bad girl.

悪い娘でいてはいけません。

「Don’t」のほかにもう一つ、「Never」を文頭に置いて否定形の命令文を作る方法があります。「Never」は「決して〜しない」といった意味ですので、命令文で使われると「決して〜するな」という「強い禁止」の意味になります。

Never give up!

決してあきらめるな!

命令文の応用

次に、「命令文」の基本構造に少しだけ変化を加えた応用例を見ていきましょう。

丁寧な命令表現

「命令文」はその名の通り、基本的には、相手に何かを「命令」する時に使う文です。ですので、特に上下関係が明確でない場合などに使うと、乱暴な言い方に感じられてしまいます。

そこで、命令文の最初、もしくは最後に「please」を付けて丁寧な言い方にするという方法があります。日本語にするなら、「〜してください」といったニュアンスになります。

一般動詞でもbe動詞でも、また、肯定形でも否定形でも、これまでご紹介した命令文の最初か最後に「please」を付けるだけです。最後に付ける場合は、直前にカンマ(,)を入れます。

Please turn your mobile phone off./Turn your mobile phone off, please.

携帯電話の電源をお切りください。

Please don’t speak./Don’t speak, please.

お話しにならないでください。

Please be silent./Be silent, please.

静かにしてください。

Please don’t be rude./Don’t be rude, please.

失礼な態度をとらないでください。

もっとも、「please」を付けた丁寧な命令文は、どちらかというと公共の場やフォーマルな場で用いられることが多い表現です。上の各例文も、公共の場や乗り物での注意書きなどによく見られる言い方です。

また、次のように皮肉をこめてわざわざ「please」を付けるような場合もあります。

Please do your homework.

宿題をやっていただけませんか。

一般的に、「〜していただけませんか」など、誰かに何かを丁寧に依頼するような場合は、「please」を付けた命令文よりも、後で述べるような疑問文を使うことが多いです。

Let’sを最初に付ける

「命令文」の頭に「Let’s」を付けると、「(皆で)〜しましょう」という意味の文になります。否定の意味を出したい場合は「Let’s not〜」です。

Let’s go to the movies.

映画を見に行きましょう。

Let’s not argue.

言い争いはやめましょう。

なお、「Let’s」「Let us」の短縮形です。「Let」の別の使い方については後ほど説明します。

命令文+and、命令文+or

「命令文」で始まり、カンマ(,)で区切って、「and」または「or」で別の文が続く言い方があります。命令文に関する試験問題などでよく出題される、覚えておいた方がいい構文です。

「命令文」+ , and +文:「〜しなさい、そうすれば〜でしょう」

「命令文」+ , or +文:「〜しなさい、そうしないと〜でしょう」

という意味になります。

Study hard, and you’ll pass the exam.

一生懸命勉強すれば、試験に合格しますよ。

Study hard, or you’ll fail the exam.

一生懸命勉強しないと、試験で合格できませんよ。

日常会話での命令文の使用

「命令文」の文法的な構造じたいはそれほど難しくないかもしれませんが、どういう時に「命令文」を使うのが適切なのかは、実はなかなか難しい問題です。

どのような場合に「命令文」をどのように使うのがいいか、あるいは、「命令文」よりも他の表現の方がいいのかは、話をしている者同士の関係性やその場の状況によってかなり異なってきます。

ここでは、日常会話における、「命令文」やその他の表現のさまざまな使い方を説明したいと思います。

ネイティブの使用例

「命令文」をそのまま使う

まずは、上司から部下など上下関係がはっきりしている場合、また、親から子へ、あるいは非常に親しい者同士の場合などです。「命令」であったり、内容によっては「アドバイス」であったりもします。

同じ命令文であっても、状況や文脈によってニュアンスが異なってきますし、それに応じて適切な日本語訳も変わってきます。

Come here, everyone.

みんな、こっちに来て。

Do your homework.

宿題をしなさい。

Drink some water.

水を飲みなよ。

次のように、パーティなどで何かお勧めのものを参加者に勧める場合も「命令文」を使ったりします。意味としては「勧誘」や「アドバイス」です。

Have more sandwiches.

サンドイッチをもっとどうぞ。

以下は「命令文」ですが、慣用表現としてよく使われるものです。誰かに何かを命令するようなニュアンスはほとんどありません。

Have fun.

楽しんで。

Enjoy!

(レストランなどで給仕係が客に)どうぞお召し上がりください。

Have a nice day.

よい一日を。/じゃあまた。/さようなら。

Take care.

気を付けてね。/じゃあまた。/さようなら。

「命令文」に「please」を付ける

前述のように、「命令文」に「please」を付けると丁寧な命令表現になりますが、どちらかというと公共の場やビジネスシーンを含むフォーマルな状況で使われることが多いです。

Please have a look at the documents you have.

お手元の資料をごらんください。

「let me」「allow me to」を使った表現

「Let me〜」は「私に〜させてください」、「Allow me to〜」は「私に〜することを許可してください」といった意味です。いずれも命令文ですが、意味合いとしては、相手に許可を求める、比較的丁寧なフレーズになります。

Let me introduce myself.

自己紹介をさせていただきたいのですが。

Allow me to demonstrate the new product.

新製品のデモをさせてください。

なお、上の各例文に「please」を加えることで更に丁寧な表現になります。

主語のある命令文

「命令文」の基本は「主語」が無いことですが、例外的に、次のように「you」などの主語がある命令文もあります。命令や依頼の相手をはっきり示したりするのが目的です。この際、「you」は強く発音されます。

You come here.

君、こっちに来て。

「命令文」を使わずに命令(指示)する

「〜しなさい」、あるいはそれに近い意味を、「命令文」を使わずに伝える方法もあります。「You」を主語にして、「have to」「must」「had better」などを用いる方法です。

これらはいずれも「〜しなければならない」といった意味を持ちます。「命令文」よりもいくぶん間接的ではありますが、話し方や内容によっては「命令」と同じニュアンスになります。

You have to study harder.

もっと一生懸命勉強しなさい。

You mustn’t run here.

ここでは走ってはいけません。

You’d better go home now, or you’ll get into trouble.

今すぐ家に帰りな。でないと大変なことになるぞ。

次のように、「should」を使うと、「命令」よりも「アドバイス」に近いニュアンスになります。

You should avoid overeating chocolate.

チョコレートを食べすぎないように。

「命令文」よりも「疑問文」で

「〜してください」「〜してもらえませんか」というように、「命令」というよりも何らかの「依頼」をする場合は、「命令文」よりも以下のような「疑問文」を使うのが普通です。

使う単語によって、丁寧さが変わってきます。

仲のいい人にお願いする時、あるいは上司から部下への命令であっても少し丁寧に言いたい場合などは、「Will you〜?」「Can you〜?」が使えます。

Will you help me organize the shelves?

棚の整理を手伝ってくれない?

あまり親しくない人、知らない人などに、より丁寧に依頼やお願いをする場合は、「Would you〜?」「Could you〜?」などが使えます。

Would you pass me the sugar?

砂糖を取っていただけませんか。

Could you close the window?

窓を閉めていただけませんか。

なお、これらに「please」を使い、「Would you please〜?」「Could you please〜?」などとすると、より丁寧な依頼の表現になります。「Please」は文の最後に付けてもOKです。

まとめ

いかがでしたか。

今回は「命令文」とそれに関連するさまざまな英語表現について解説しました。

解説の中でも述べましたように、「命令文」は文法的な決まりごとはそう難しくはないのですが、どのような状況でどのように使うのが適切かを見極めるのはなかなか簡単ではありません。

「命令文」の適切な使い方を学ぶには、英語の小説を読んだり、海外の映画やドラマを見て、「命令文」がどんなシチュエーションでどのように使われているのかを少しずつ感じ取っていくのがいいと思います。

それではまた。

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