【there】の使い方、意外と理解できていないのでは?

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今回特集していくのは英語の「there」という表現です!「There」は英語を学習する上で欠かせない、日常英会話にも頻出する単語ですよね。主に、場所位置を示す際に使用されますが、それ以外にも様々な形でthereを使用した構文、thereを含んだイディオムがいくつも存在しています。

そこでここからは、thereの基本的な意味を確認、英会話や文中での使い方を確認したあと、thereを使った構文やイディオムを1つずつ紹介していきます。実際に使用する際の参考になるよう、それぞれの表現に英語例文とその日本語訳を用意しました。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

there の基本的な使い方と意味

実は、thereには「副詞」「間投詞」という2つの役割があります。そして、それぞれの品詞の中にも複数の意味があります。

副詞とは、単語や文章の意味を修飾する役割を持つ品詞のことです。副詞が修飾出来るのは、形容詞、動詞、副詞、文章全体であり、名詞を修飾することはできません。

あまり耳にすることのない間投詞とは、驚きや喜び、嫌悪、同意、興奮など湧き上がる感情や反応を表すときに使用する表現のことを指します。日本語で表すと、「へえ〜!」「なるほど!」「ふむふむ」「え!!」などの表現がそれに当たります。

意味について

英和辞典を用いて意味を調べると、thereには実に多くの訳が出てきます。主に以下の10個の意味が頻繁に用いられます。それぞれの意味と使い方を例文を参照しながら確認していきましょう。

①そこに、あそこに
②あちらに、そこに
③ そこ、あそこ
④そこの
⑤ ほら、あそこに!
⑥ ほら、あれ!
⑦ 〜がある
⑧ ほらな!それ!それみろ!
⑨ まあまあ、よしよし
⑩ ほれみろ!ああ!

使い方

① そこに (へ、で) ・あそこに (へ、で) (副詞)

場所もの人の位置方角を表すために使用されます。似た表現にhereがありますが、thereの位置が自分から見て少々離れた場所にあるのに対し、hereは自分のすぐ近くに対象のものや人がいる時に使用されます。

You can see your phone there.
あなたのケータイはあそこにあるよ。

② あちらに、そこに (副詞)

①の意味と似ており、「あちらに」「そこに」と言って誰かに物事、人の方向を示し伝える際に用います。

You can go over there and wait until someone talks to you.
そこへ歩いて行って、誰かが声をかけるまで待っていてください。

③ そこ、あそこ (副詞)

こちらも副詞としてのthereになります。前置詞、他動詞の目的語として名詞的に使用します。

I was standing there to see my boyfriend.
私は彼氏に会うためにそこに立っていた。

④ そこの (副詞)

「そこの」という意味もthereを使って表すことができます。名詞もしくは代名詞のすぐ後に置いて使い、その意味や表現を強調したい時に使われます。

Hi there. How are you doing today?
やあ、こんにちは。元気かい?

⑤ ほら、あそこに! (副詞)

「There + 動詞 + 主語」という語順でthereを用いた場合、「ほら、あそこに!(見てくれ!)」という意味の副詞としての意味となります。相手に目の前で起きている事柄や出来事を見てもらいたく、それを強調したい時に使用される表現です。

There goes the airplane! That's my sister's flight!
ほら、あそこに飛行機が!あれに私の妹が乗っているんだよ!

⑥ ほら、あれ! (副詞)

「ほら、あれ!」という意味も、1つ前に紹介した⑤ ほら、あそこに!と同じように誰かに目の前で起きている事柄や出来事を見てもらいたいときに強調して伝える方法です。語順は少々異なり、「There + 主語 +動詞」となります。

There he goes!
ほ〜ら、彼がきた。

⑦ 〜がある、いる (副詞)

「〜がある」「〜がいる」は、中学や高校で習うthereの最もベーシックな意味ではないでしょうか。目の前の状況や場面、その場にいるもの・あるものを説明するときに最も頻繁に使用されます。

There are so many tourists in Tokyo.
東京にはたくさんの観光客がいます。
There is a cat on the couch.
ソファの上に猫がいます。
There were few people in the bookstore.
本屋さんには人が数人いました。

⑧ ほら!それ!それみろ!(間投詞)

ここからはthereの間投詞としての手法を紹介していきます。1つ目に紹介するのは「ほら!」「それ!」「それみろ!」という間投詞です。例えば、「それみろ!言った通りじゃなか。」「ほら!やっぱりね。」などのような表現として使用します。

There! I told you that!
ほらね!言ったじゃん!

⑨ まあまあ、よしよし (間投詞)

相手を宥めたり慰めるときに使う「まあまあ」「よしよし」という表現もthereを使って表します。ただし、少々子供っぽい響きがあるため、使用する相手には注意が必要です。年上の人や先輩などにこの表現を使うと、ジョークなのかはたまた馬鹿にしているのか微妙なところです...。

There, there. It's OK. Everything's gonna be alright.
よしよし。大丈夫。全てうまくいくよ。

⑩ ああ!

間投詞としての3つめのthereは、苦痛や残念な気持ち、困惑する気持ちを表す際に用いられます。例えば、「ああ!だから言ったじゃない!」「ああ!コーヒーが溢れちゃったじゃん!」のようにいう場合に使用できます。

There! That's why I told you!
ああ!だから言ったじゃない!

様々な形のthere構文

ここからは、thereを使った疑問文否定文を紹介していきます。どのように文章を構成するのかをしっかりと確認しておきましょう。

疑問文

Thereを使った疑問文は、「〜はありますか?」「〜はいますか」という意味になります。「近くにホテルはありますか?」「支配人はいらっしゃいますか?」などといった表現ができます。

文章を作る際は、Be動詞をthereの前に出します。

Is there a hotel near here?
この近くにホテルはありますか?
Are there any coffee shops?
コーヒーショップはありますか?

否定文

続いてthereを使用した疑問文の作り方を紹介します。Thereを使って作る否定文は「〜はありません」「〜はいません」という訳になります。その際、be動詞の後にnotをつけて表します。

<肯定文>

There is a dog sleeping on the sofa.
ソファの上に犬がいます。


<否定文>

There is not a dog on the sofa.
ソファの上に犬はいません。

there に関する注意点

Thereというと最もよく使用されるのは「〜がいる」「〜がある」という言い方で物事や人の存在を説明する方法です。中学校や高校の英文法の授業でもしっかりと扱われることから、「〜がいる」「〜がある」と表したい時にはみなさんこぞってthere is/ there areを用います。

しかし、これらの乱用には注意が必要です。そもそも英語という言語は、同じ表現を何度もたくさん使うことを避ける言語です。

Thereを使って「〜がいる」「〜がある」という場合は、何か特定の物事や人の存在に関する新情報を伝えたい時のみです。

逆にいうと、突然びっくりする出来事や感情が動くような出来事が目の前で起こった時、隣にいる相手にそれを伝えたい!という場面でthereを使って伝えることで、相手も「お!なんだなんだ?!」と注目してくれるような効果があります。

例えば、あなたの友達が運転をしていて目の前を猫が通り過ぎようとした時、助手席にいるあなたは咄嗟に「あ!!待って!猫がいる!」と叫ぼうとしたとしましょう。その時、「There! There is a cat on the street!」と言うのと、「A cat is on the street!」と言うのとではナチュラルさが全く異なります。前者は咄嗟の出来事に反応したからこそ口から出た表現なのに対し、後者は「ただそこに猫がいます。」と言い放っているだけで少々シュールな英会話です。笑

どのようなシチュエーションでthereを使うかどうかは、対象としている物事、人などが初めてその状況に登場する時、と覚えておきましょう。

thereを含むイディオム

There副詞、間投詞としての役目とその使い方を例文と一緒に確認してきました。最後に、thereを用いた英語のイディオムを2つほど紹介しておきます。

up there

英和辞典で意味を調べると「あちらでは」「天国で」と出てくる「up there」と言うイディオム。日常会話の中では状況に合わせて「上、前、先、あっち」などの意味で使われます。

What the heck is going on up there?!
あっちで一体何が起きてるんだろう?!

then and there

「Then and there」「その場で」「直ちに」「その瞬間に」と言う意味があるイディオムです。

I just realized then and there that she was my soulmate.
私はすぐに、彼女が運命の人だとわかった。

まとめ

このコラムではここまで、「there」というとてもベーシックな英語表現の基本的な意味と使い方を「副詞」「間投詞」としての役割に分けて紹介してきました。いかがでしたでしょうか?

英語学習を行っている方は誰もが知っている単語だからこそ、意外と知らなかった使い方があることがわかりましたね。そして、「〜がある」「〜がいる」と言いたい時にthere is/there areを乱用しすぎることへの注意も紹介しました。

英会話の中で頻出する表現ですので、リアルな使用方法をしっかりと頭に入れておきましょう。

 

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