韓国語など外国語を習得し会話などで使えるようになるには、長い時間をかけて学習を継続できることが前提条件です。
韓国語習得をするまでにかかる時間は、目標とするレベルや習得するために必要とされるスキルにより個人差があり一概に言うことはできません。
ですが、ある一定水準の韓国語能力を身に付けたい場合、年単位で学習を続ける必要があります。
韓国語習得に成功するためには学習の継続が重要であることは、多くの韓国語学習者も理解はしているはずです。
ところが、韓国語学習を独学や韓国語レッスンを受けて始めてみたものの、継続ができないとか勉強をしているのはレッスン時だけといった人も少なからずいます。
学習の継続ができない理由のひとつに勉強法が間違っているために、学習の成果が感じられず嫌になってしまい継続ができないことが挙げられます。
今では各種SNSやYouTube、ブログなどで、おすすめの韓国語勉強法や参考書、講座やレッスンなどの情報が出ています。
ですが、これらの情報は必ずしも正しいものではなく、信じて実践しても成果が出ず、学習の継続ができないことに繋がるものであることもあります。
今回の記事では前半で、続かない韓国語の勉強法5つを取り上げ、その理由について説明します。
後半では、韓国語学習を継続するためのポイントを主に韓国語初心者と初級者向けに説明します。
続かない韓国語の勉強法5つ
ここからは、ネットでよく目にする、多くの人がやりがちな続かない勉強法5つについて説明します。
1.「楽に韓国語をマスターできる」と謳った勉強法や教材を使う
韓国語の勉強法は、何を目的にするかによって方法が違うため唯一正しい勉強法や教材があるわけではありません。
そのため、自分の学習目的に合った方法で学ぶことがベストです。
勉強法や教材は唯一正しいものがあるわけではないですが、絶対に手を出してはいけない、続かない勉強法や教材があります。
それは、「楽に韓国語をマスターできる」と謳った勉強法や教材です。
具体的には、「一日5分のすき間時間の勉強で話せるようになる」、「このフレーズだけ覚えればOK」、「韓国ドラマを見て楽しく学ぶ」と言った、誰でも簡単に手軽に習得ができるような印象を与えるものです。
このような勉強法や教材は、手軽さはあるかも知れませんが、やっても成果に繋がりません。
やっているその時は楽ちんで楽しさはあっても成果に繋がらないため飽きてしまえば学習をやめてしまいます。
2.発音や音読練習を重視していない
韓国語は文字と実際の発音がずれる連音化や発音変化がある言語で、それを自分で話せることはもちろん、聞き取ることができないと韓国語を理解することはできません。
これらを理解できるようになるために、発音や音読練習をしてまず自分で音の認識をできるようになる必要があります。
ですが、後述する聞き流ししかしていない、書く勉強しかほぼしていない学習者もいます。
発音や音読練習をしてしっかりと音の認識をできるようにならないと、韓国語の理解はできるようになりません。
それによりいつまでも聞き取れるようにならず韓国語学習に挫折してしまうことがあります。
3.文法学習をしない・後回しにする
英語でも「文法は勉強しなくても良い」「ネイティブと同じ方法で話せるようになる」といった学習法が出ています。
これは、学校で文法を一生懸命に学んでも日本人は英語を話せるようになっていないから文法は要らない、ネイティブは文法を勉強していないのに話せる、という考えに基づくものです。
確かに、その言語が話されている環境に入ることで子供は文法を学ばなくても習得ができます。
ですが、大人の場合は子供やネイティブのように習得することはできない、もしくはその方法で習得しようと思えば膨大な時間がかかってしまい非効率です。
大人が効率良くできるだけ時間をかけずに外国語を習得するには、文法を学ぶことは必要です。
初心者や初級者によくある例として、文法を勉強せずにいきなり会話集のフレーズ暗記で会話をできるようになろうとすることが挙げられます。
フレーズ暗記は目的によっては有効な方法ですが、文法を何も知らずに暗記しようとしてもなかなか難しく、覚えても単なる丸暗記だと理解をしていないため応用が効きません。
4.聞き流し教材だけを使う
「聞き流しているだけで理解し話せるようになる」という聞き流し教材があります。
聞き流しは、聞き取りが既にできる中級後半から上級レベルであれば、やり方によっては有効な学習法です。
ですが、まだ韓国語能力がなく聞き取れる韓国語が限られている初心者や初級者は聞いても聞き取れません。
聞き取れないものをいくら聞いても、音としては聞き取って真似して言えるようになっても意味の理解はできるようになりません。
「聞き流しているだけで理解し話せるようになる」という方法は、片手間に楽してできる勉強法ですが、これを鵜呑みにして一生懸命にしても韓国語は一生習得できません。
5.書くことだけで覚えようとする
日本人は学校英語の影響で、韓国語でも書くことがほとんどの勉強法をしている学習者が多い傾向があります。
具体的には、文法の要点をノートにまとめて書く、単語を何度も書いて暗記する、日記を書くといった方法です。
韓国語習得に成功するためには、単語や文法など知識として覚えなければならないことが多くあります。
日本では「覚えるには書きなさい」といったことが言われているため、書けば覚えられると思っている学習者が多いように思います。
ですが、実際には書くだけで覚えようとしても覚えられないことが多いです。
韓国語学習を継続するためのポイント
ここからは、韓国語学習を継続するためのポイントについて説明します。
まず、学習の継続ができない一番の理由は、勉強しても成果を感じられないことにより勉強が嫌になってしまうことです。
そのため、そこを改善することが学習の継続に繋がります。
1.成果はすぐに出ないものと心得る
まず、学習の継続をする上で最も重要なポイントは、成果はすぐに出ないものと心得ることです。
私たちは、勉強に限らず何事においてもすぐに結果を求めてしまいますが、スキルの習得はやってすぐに成果として表れるものではありません。
例えば、単語ひとつ覚えるにしても、覚えても翌日には忘れてしまっていて、また覚え直す、覚えるまで何度も繰り返すといった努力が必要になります。
このことをまず理解し心得ておかないと、勉強や練習をしてもすぐに成果が出ないことですぐに嫌になったり諦めてしまうことになります。
すぐに成果は出なくても、正しい努力を続けていけば必ず後で大きな成果が表れます。
それまで、地道に学習を続けられる正しいマインドセットを持つことがとても大事です。
2.目的や自分のレベルに合った勉強法や教材を使う
韓国語初心者や初級者にまず必要なことは、総合書を使い基本をしっかりと学び、身に付けることです。
韓国語を習得したい目的は個々に違っても、まずは土台となる基本を身に付ける点は目的に関係なくすべて同じです。
具体的には初級の単語と文法をまず知識として学び、それを「読む、書く、聞く、話す」の4技能で、できるだけ万遍なくできるようになることです。
勉強法は、まずは知識習得をしてその後に得た知識を使い、アウトプットすることでスキルとして定着させます。
スキルとして定着しているということは、自分でできる状態になっているので学習の成果を感じられます。
それにより、学習の継続ができるようになります。
3.発音や音読練習をしっかりとする
日本人学習者の傾向として、書いて覚えることがほとんど、もしくはそれしかしていない点があります。
発音であれば、発音規則をテキストで学び、それをノートにまとめて整理するといった方法で知識として理解はしても、実際に声に出してする練習をしていない、足りないためにできていないということです。
言語を習得する上で、音の理解は欠かすことができません。
それは、頭で規則を知識としてだけ理解しようとするのではなく、自分で実際に発音して自分の耳でまず音を認識しなければ話すことも聞き取ることもできるようにはなりません。
そのため、教材に出ている例文はもちろん、教材の意図としては聞き取り練習や会話練習が目的ではない文でも、それらを使い音読練習をすることは有効な学習法です。
少しずつでも聞き取りができるようになり、口から簡単な韓国語であっても出てくるようになってくれば学習の成果を実感できるようになります。
それにより、もっとできるようになりたいという気持ちに自然になるため学習の継続に繋がります。
4.韓国語の学習法を学ぶ
韓国語のレッスンを受けている学習者も多くいると思いますが、既存のレッスンのほとんどは韓国語そのものを教わるレッスンです。
具体的には、講師が単語の意味や文法について説明し、発音練習を講師の後について生徒がする、練習問題をする、といったレッスンです。
これらのレッスンは確かに韓国語を知識として習得はできます。
ですが、知識を忘れないようにしたり、知識を使いこなしスキルとして定着できるようになれるかどうかは学習者の学習のやり方によります。
実際、私のところにも韓国語レッスンを受けて数年、場合によっては5年以上になるのに話せるようにならないというお悩み相談が多く来ます。
韓国語レッスンを受けていてもなかなか話せるようにならない人は、韓国語の学習法を韓国語を外国語として習得に成功した日本人講師からまず学ぶことをおすすめします。
まとめ
ここまで、続かない韓国語の勉強法5つと韓国語学習を継続するためのポイントについて説明してきました。
韓国語習得に成功するためには学習の継続が最優先事項です。
そのため、何よりもまず学習の継続をできるようになって下さい。
◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
韓国語能力試験(TOPIK)6級
延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。