韓国語を学ぶ学習者が今では多いですが、その中で最も多いのが初心者や初級者など韓国語習得で最初のレベルの人です。韓国語は日本語との共通点も多い言語で日本人にとっては習得の難易度がかなり低い言語だと言えます。
ですが、なかなか初級レベルから中級に上がることができない万年初心者や初級者が一定数います。
また、学習者の習得の目的は試験に合格すること、会話ができるようになること、その他個々に違いますが、多くの人が韓国語会話をできるようになりたいと思っているはずです。
実際に外国語をできると言う時、多くの場合会話ができることを意味することが多いと思います。
私自身も韓国語を教える講師ですが、生徒さんは全員会話ができるようになりたい希望があってレッスンを受講されています。ですが、韓国語を話せるようになりたいと韓国語習得を始めてみるも、何年経っても初級レベルの会話もできないという学習者がかなり多いです。
今回の記事では、前半で韓国語初級者が会話をなかなかできるようにならない根本原因について説明します。後半では実際に私が学習者から聞いた悩みを取り上げ、それに対する解決策について説明します。
韓国語初級者が会話をできるようにならない根本原因
韓国語初級者が会話をできるようにならない原因は、悩みごとに見れば個々に原因があります。
ですが、根本原因として大別すると次のような根本原因が挙げられます。
話せるようになるマインドセットを持っていない
マインドセットとは、それぞれの人が持つ無意識の思考や行動パターンのことです。
物事に対し、自分が何を信じているのか、何が正しい、当たり前だと思っているのかといったことです。例えば、「韓国語を話すことは難しい」、「単語をたくさん知っていないと話せないから暗記をする」などがマインドセットです。
韓国語を話せるようになるには、それに成功するマインドセットがあります。ですが、韓国語を話せるようにならない人はそういうマインドセットを持っていることが多いです。
学んだことをしっかりと理解できていない
言語習得の二大要素は単語と文法の勉強です。
大人はただ聞いているだけでは習得ができないため、テキストなどの教材を使い学習をする必要があります。
実際多くの学習者がしているのがこの知識習得です。ですが、万年初心者や何年学習しても会話ができるようになっていない人は、学んだことをしっかりと理解できていない傾向があります。
具体的には、単語や文法などを知識として暗記するだけの浅い勉強になっているということです。
話せるようになるための学習法を知らない
韓国語学習とひと口に言っても、何を目的にするのか、何をできるようになりたいかによって学習法は変わります。
そして、確実に成果を得るためには目的に合った学習法をする必要があります。そのため、会話ができるようになりたいのであればそれに合った学習法がありますが、多くの学習者は試験対策のような勉強法をしています。
もしくは、世間で多く出ている勉強法の情報から感覚で選んで自分の目的や現状のレベルとは合っていない勉強法をしていたり、自己流でしている人も多いです。
話す練習をしていないか練習が不足している
韓国語を話せるようになりたいのであれば、当然ですが話す練習をしなければ話せるようにはなりません。
そして、スムーズにできるレベルの会話力をつけるとなれば数回の練習程度では全く練習量が足りません。会話ができるようにならない悩みを持つ人の話を聞くと、知識習得だけしかしていないか練習をしていても圧倒的に練習量が足りていません。
練習不足で自分の得意と不得意を把握できていない
韓国語を話せない状態からひとまず話せる状態になる、そこから更にスムーズにうまく話せるようになるためには自分の現状の会話力を把握していなければなりません。
韓国語会話力を向上させる上で、自分は何が得意で何が不得意なのかを把握しなければ、自分が何を練習すべきなのかが分からないからです。
それを把握するためには練習を何度もする必要があります。会話ができません、と悩む人に具体的に何ができないのか?を聞くと答えられない人がほとんどです。
これらは練習を何度も繰り返ししながら自分で気づきを得なければ把握ができません。
自分のことについて日本語でもうまく話せない
韓国語会話と言うと韓国語能力の問題だと思う人が多いですが、そればかりが原因ではありません。
会話の多くは自分のことについて話します。そのため韓国語で話せるかどうか以前に日本語で自分のことや考えていることをしっかりと話すことができなければなりません。
日本語でもなかなか話せないようであれば、それを韓国語で話そうと思っても話せません。会話では韓国語はそれ自体が目的ではなく韓国語をツールとして使い自分の話したいことを伝えます。
そのため、伝えるものがない、うまく伝えられないとなれば当然、韓国語で会話はできないということです。
韓国語初級者によくある会話の悩みと解決策
ここからは韓国語初級者が会話をする上でのよくある個々の悩みについて、前半の根本原因を踏まえ具体的な解決策を説明します。
間違いたくないと思ってなかなか話せない
話した相手の反応が気になって話せない
これは、「会話は間違ったら通じない/恥ずかしい」というマインドセットが元にあります。
そのマインドセットから話すことに対するマインドブロックがあるということです。会話に限らず何事もできるようになる過程では必ず間違えるということはあります。
また、上記のようなマインドセットのある人はそもそも間違えることは悪いことだという思い込みがあります。
ですが、間違うことで自分ができない部分、つまり改善すべき点が見えてきて、それを改善することで会話力が向上すると考えれば間違うことは悪いことではありません。
覚えて分かる単語なのに話す時に使えない
助詞の使い方を間違う/分からなくなる
活用を正しくできない
これは学んだことをしっかりと理解できていない、分かった気になっただけの状態です。また、先に触れた通り学習内容は浅い理解では使えるようになりません。
具体的には、単語の意味や綴りを覚えた、助詞の意味だけ覚えて使い方までを熟知していない、活用規則は覚えたけど単語で活用がしっかりとできるようになっていない、といった浅い学びにしかなっていない状態です。
言語習得の本質は暗記ではありません。単語の意味や文法の規則を覚えることは手段であり目的ではありません。会話で使えるようになるためには覚えたものを実際にどう使うのかを学び、それをできるようになることです。
文を見れば分かるのに聞き取れない
簡単で短い文なのに聞き取れない
すぐに口から言葉が出て来ず話すまでに間ができる
これは練習不足が原因です。
良く聞く悩みとして、見れば分かる簡単な文なのに話されると聞き取れない、というものがあります。
これは自分自身の音読練習が足りないことと同時に、それを他の人が言っているのを聞き取る練習が不足していることが原因です。
また、すぐに口から言葉が出て来ず話すまでに間ができる、という悩みも多いです。ですが、これは最初から何もかもスムーズにスラスラと話すことは簡単な文であっても難しいです。
会話はいきなりできるようになるわけではなく、できない状態から考えながらでもひとまず話せる、少しずつ間が短くなって言葉が出るようになる、スムーズに言葉が出て来る、のように段階を経て上達していきます。
そのため自分が練習したことに対する結果の期待値を上げ過ぎないことです。
発音やイントネーションがうまくできない
これも練習不足で、自分の得意と不得意を把握できていないことから改善ができないことが原因として考えられます。
発音ができない悩みを持つ人が多いですが、すべての発音ができないわけではなく、苦手な発音に傾向や共通点があるはずです。
発音は発音規則を理論で理解したところで練習しない限りはできるようにはなりません。そのため、規則を学んだのであればそれを基に自分で繰り返し練習をして、より具体的に何ができないのかを把握した上で改善する必要があります。
また、日本人は発音やイントネーションを過剰に気にする傾向があります。これも先に触れたマインドセットが原因としてありますが、発音やイントネーションは韓国人のようにできる必要はなく、そもそも同じにはなりません。
うまくできるようになることを目指す前に、まずは通じる程度の発音やイントネーションができるようになれば十分です。
質問に対してすぐに答えられない
自分のことについて話せない
これは、自分のことについて日本語でもうまく話せない、話す内容がないことが原因です。
もちろん韓国語能力の問題もありますが、簡単な質問であれば難しい単語や文法は必要がないため答えることは難しくないはずです。
例えば、「趣味は何ですか?」、「休みの日は何をしていますか?」のような簡単な質問に対し、まず日本語ですぐに返せる答えがあるかどうかです。
仮に趣味がないのであれば、「趣味はないですが、~をするのが好きです」のように日本語でも切り返して答えることができるかどうかということです。
日本語の時点で答えを返せないのであれば、韓国語がいくらできたとしても話すことはできません。
まとめ
今回の記事では、韓国語初級者が会話をなかなかできるようにならない根本原因と実際に私が学習者から聞いた悩みを取り上げ、それに対する解決策について説明してきました。
韓国語は初級レベルでも正しい学習法で繰り返し練習をすれば誰でも一定水準の会話はできるようになります。
韓国語初級者でなかなか話せるようにならず悩んでいる人は、ぜひ今回の記事を参考に自身の韓国語学習を見直してみてください。
◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
韓国語能力試験(TOPIK)6級
延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.