韓国語を学んでいる人は今では多くいますが、何を目的に勉強しているかは人によって違うと思います。
学習者の中で最も多いのは、韓国ドラマやK-POPなどエンタメに興味を持ったことがきっかけで韓国語を理解できるようになりたいと思った人ではないかと思います。
また、韓国旅行に行ったのに言葉が通じなくて不便な思いをした経験があったり、韓国人と知り合ったことがきっかけで韓国語学習を始めた人もいると思います。
韓国語は日本人にとっては習得の難易度が低い外国語です。その理由は、私たちの母語である日本語と韓国語には共通点が多いため理解しやすいからです。
にもかかわらず、実際には何年やっても上達できない万年初級者、特に会話に関しては5年習っても旅行会話もままならないという学習者が少なからずいます。そのような韓国語学習者には似たような傾向や共通点があります。
今回の記事では、前半で韓国語初心者や初級者がその状態から抜け出せない理由を説明します。そして、後半ではそれに対する解決策について説明します。
万年初心者と初級者の共通点
韓国語習得など言語習得に限らず何事も同じですが、スキル習得に成功できる人とできない人にはそれぞれ似たような傾向や共通点があります。
ここからは、まず韓国語初心者や初級者から抜け出せない人の共通点を挙げます。
学習の習慣化ができていない
まず挙げられる共通点として、学習の習慣化ができていないということです。スキル習得は、学習や練習を毎日してそれをするのが当たり前の状態、つまり習慣化することが最も重要です。
学習者の中には、学習歴はもう5年以上といった人がいます。ですが、週に1回レッスンを受けるだけで自宅学習はしない、気が向いている時や時間のある時だけ勉強して5年という学習者もいます。
このような勉強ではいくら学習歴が長くても習慣化がされていない状態なので、学習しても成果が出ません。
また、韓国語学習を始めた頃は継続できていたのに、一度学習をやめてしまい、その後学習をしない期間が長くなってしまったとかそれを何度も繰り返していて習慣化ができていない学習者もいます。
習って終わりで復習していない
学習者の中には韓国語教室などでレッスンを受けて学んでいる人もいると思います。
ですが、週に1回程度のレッスンの時に勉強するだけ、自宅では宿題はしても復習はしていないという人もいると思います。
レッスンでも独学でも同じですが、今日学んだことは翌日には約70%忘れています。
自宅で復習をしなければ、週に1回のレッスンであれば次のレッスンまで1週間何も勉強していないということなので、当然学んだことはほとんど忘れています。
暗記が目的の勉強だけで練習をしていない
韓国語の単語や文法の暗記を一生懸命にしている学習者が多いと思いますが、韓国語を理解し使えるようになることは暗記だけではできません。
これは、他の外国語習得をしている学習者にも見られる共通点ですが、学校英語の影響があると思われます。
学校英語の目的は、試験で点を取ったり合格することです。そのため、多くの韓国語学習者が目標としている韓国語を理解できるようになったり、話せるようになることとは目的が違います。
そのため、単語の綴りと意味を暗記するような勉強だけで、使えるようになる練習をしていなければ初級の時点から韓国語は使えるようにはなりません。
基礎が定着していない
万年初心者や初級者は基礎が定着していない傾向があります。
その理由は既に挙げた通り、学習の習慣化ができていないため、一度学んでは忘れ、また学んでは忘れの繰り返しでいつまでも学んだことが定着しないからです。
また次の項目で詳しく触れますが、初心者の段階でいろいろな学習書や勉強法に手を出していることも基礎が定着しない理由です。
いろいろな学習書や勉強法に手を出している
韓国語初心者や初級者に本当に多くみられる傾向が、初めからいろいろな学習書や勉強法に手を出している点です。
初心者や初級者が韓国語習得に成功するためには、まずは学習の習慣化をできるようになることが最も大事です。
ですが、始めたばかりの段階でいろいろなことに手を出すと負担が増えてしまいます。その結果、始めた数日はできても段々と学習が大変になったり面倒くさくなったりして学習の継続ができなくなってきます。
自分の実力に合わない勉強をしている
これも初心者や初級者にとても多い共通点です。これは言い換えると、自分が好きなことで勉強しているということです。
初心者や初級者は、その段階では韓国語はほとんど理解できません。その理由は、学習して間もないので理解できる韓国語が限られているからです。
にもかかわらず、韓国ドラマを見て聞き取りの練習をしたり、歌詞を翻訳アプリを使いながら日本語に訳すといった自分のレベルとはかけ離れた勉強をしている人が一定数います。
自分の好きなことを優先すると、ほとんどの場合、自分のレベルには合っていません。できないことをしているのでなかなかできるようにはなりません。
そして、本来まず学ぶべき初級レベルの学習が疎かになっているので基礎がずっと身につきません。
万年初心者や初級者から抜け出すための解決策
ここからは、万年初心者や初級者から抜け出すための解決策について説明します。
学習の習慣化をまずする
既に触れた通り韓国語は習得できるまで学習を継続し習慣化ができるようにいち早くなる必要があります。
どんなに良いレッスンを受けたり教材や学習法があっても、学習の習慣化ができない限りは絶対に習得できません。
初心者や初級者は、韓国語学習の内容そのものよりもまずは習慣化から始めて下さい。具体的には、まずは大抵の人が実践できる3日くらいを一単位で続けることをします。
また、学習時間もいきなり無理をせず、自分が確実に3日続けられる時間から始めます。習慣化ができるまでは、学習時間や学ぶ内容自体よりも毎日韓国語を学ぶという行動を習慣化させることが第一優先です。
初めの段階では継続ができるように、できる限り学習の負荷や難易度を下げることがポイントです。
学んだことを復習し練習を繰り返しする
既に触れた通り、今日学んだり覚えたと思ったことも明日になれば70%近くは忘れています。
そのため、一度学んだことは覚えていない前提で学習する必要があるということです。
また、学んだことを活かして使えるようになるには何度も繰り返し練習して、最終的には体が覚えて無意識にできる状態にならなければなりません。そうなるためには、練習を時間をかけて最低でも数十回は繰り返す必要があります。
特に初心者や初級者はまだ韓国語学習自体に慣れていないため、復習や練習を毎日タスクのようにこなすことで学習の習慣化にも繋がります。
基礎を定着させる
いつまでも初心者や初級者から抜け出せない人は必ずと言って良いほど基礎が定着できていません。
基本的な文法についてしっかりと理解できていなかったり、文を作ることができない、文を作ることができないため話せない、文を聞いても分からないといったことがあります。
また、基本的な活用形でも正しくできない、不規則変化活用がすぐにできないとか間違える、見れば分かる簡単な文でも話せない、もしくは聞き取れない、基本的な単語の発音ができていない、それによって聞き取りもできないといったことも挙げられます。
初心者や初級者は早くできるようになりたいという気持ちから先に進むことを急ぎがちです。ですが、基礎を定着できなければ先に進んでも結局また元に戻ることになります。
そのため、学んでいる時点で学んでいる内容に関して一定水準で理解できるようになるまで練習する必要があります。具体的には、学んで理解した内容を実際に自分で使い、書く、読む、聞く、話すのすべての技能でできるようになるまで繰り返し練習します。
先の項目で書いた通り、できるようになるには思いのほか繰り返すことをしなければ定着はしません。
必要な教材と勉強に絞り集中して学ぶ
初心者や初級者に必要なことは、幅広いことをうまくできるようになることではありません。
まずは基礎を作ることだけに集中して、それを知識として学んで終わりではなく自分でできるようになるところまですることです。
そのために必要なものは色々な教材や勉強法ではありません。韓国語学習を初めてする場合、総合書の他に技能別にいろいろな教材を揃えてあれもこれも同時に学習をしてしまう学習者がいます。
ですが、このような勉強は挫折する可能性が高いです。初心者や初級者は韓国語学習を始めて間もないので挫折しやすいです。
始めたての頃はモチベーションが高いのでできても、段々とできなくなって、最悪の場合、習慣化される前に挫折します。
まずは、一冊で一通り学べる内容のある総合書を使い、4技能を少しずつ学ぶことができるようになるだけで十分です。
自分の実力に合った勉強をする
韓国語自体をしっかりと学ばずいきなり自分のやりたいことをするのはスポーツだと基礎練習をしていないのと同じことです。
このような自分の実力を無視した勉強は、楽しさはあるかも知れません。ですが、実力に合っていない勉強は韓国語習得の効果としてはほとんどありません。
そうではなく、まずは自分の実力に合った勉強をしっかりとすることから始めるようにします。
まとめ
今回の記事では、前半で韓国語初心者や初級者がその状態から抜け出せない理由、そして後半ではそれに対する解決策について説明しました。
韓国語の初級レベルは、日本語の知識を活かして学べる要素も多く決して難しくはありません。
学んだことをできるようになるまで繰り返すという語学習得の本質を押さえた上で、自分の実力に合った学習を習慣化できれば、万年初心者や初級者から誰でも抜け出すことができます。
◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
韓国語能力試験(TOPIK)6級
延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.