日本語学習者のみなさん、日本語を「読む」練習をしたことはありますか?
日本語能力試験(JLPT)には「読解」の問題が出題されますが、実は日本語を「読む」ことを苦手とする人はとても多いんです。
「読解」が苦手な人が多い理由のひとつとして、「日本語を読む練習」や「日本語を読む機会」があまりにも少なすぎるということが挙げられます。
日本語の上達が早い人は、色々な教材やサイト、日本語多読アプリの無料サービスなどを活用して、他の人よりもたくさん「読む」練習をしているものです。多読を通じて、読むスピードの向上や、読解力アップができているというわけです。
今回は、日本語学習のレベルアップに欠かせない日本語の多読や、「読む」練習に活用できる方法についてご紹介していきます。
日本語の多読ができるサイト
「日本語の多読をしたい」という方向けのサイトはたくさんあります。
無料で文章を提供してくれるサイトもありますし、レベル別に文章を提供してくれるサイトもあります。
ここでは、おすすめできるサイトをいくつかピックアップしてご紹介します。
にほんごたどく
にほんごたどく(https://tadoku.org/japanese/)は、いろいろなレベルの学習者向けに日本語の読み物をオンラインで提供しているサイトです。
やさしい日本語で書かれているものが多く、絵本や昔話もそろっています。
「無料の読み物」のコーナーでは、ブラウザ上でそのまま読み物を楽しむことができるほか、内容をPDFファイルでダウンロードしたり、印刷して紙の本として手元に用意して読むこともできます。さらに、読み物を朗読した音声付きの動画がYouTubeにアップされており、日本語を読むだけでなく聴く練習をすることもできます。
そのほかに、多読に適した日本のおはなしを集めたコーナーもあります。このコーナーでは、日本で育つ子供なら一度は手に取るであろう有名な絵本から、マンガ、小説に至るまで、レベル別に豊富なラインナップが提供されています。
このサイトの読み物を読破していけば、一般的な日本語ネイティブスピーカーに勝るとも劣らない日本語力を身に着けることができるだけでなく、日本文化への理解を深めていくこともできるでしょう。
KCよむよむ
KCよむよむ(https://www.jpf.go.jp/j/kansai/clip/yomyom/)は、国際交流基金関西国際センターが作成した日本語多読用図書のPDFを提供しているサイトです。
関西国際センターが作っているだけあって関西に関連するトピックが多いですが、文章は関西弁ではなく標準語で書かれているため、日本語学習者であれば誰でも楽しめる内容となっています。
A1レベルのすべての本にmp3音声がついているため、読むことに自信がない人でも取り組みやすいのが特徴です。最初は音声を聞きながら読んでみて、慣れてきたら音声なしで自分で音読してみる、といった使い方もおすすめです。
たどくのひろば
たどくのひろば(https://tadoku.info/)は、楽しみながら日本語の文章をたくさん読むことで「読む力」を伸ばすことを目的としている多読サイトです。
たどくのひろばには日本語初級までの学習を終えた人向けの読み物がそろっています。そのため、中級レベル(日本語能力試験N3またはCEFR A2/B1程度)の方向けのサイトとなっています。
「どんどんふえる!日本語ちょっとストーリーズ」や「現代社会再考」、「外国人児童のための読み物」など、ジャンル毎にまとめられた読み物が用意されており、各読み物は「ふりがなあり」と「ふりがななし」の2バージョンから選ぶことができます。
特に「どんどんふえる!日本語ちょっとストーリーズ」では、気軽に読める長さの日本語の読み物を言葉のレベル順/文章の長さ順/お話の種類別のまとまりから選ぶことができます。多読をする学習者にとって、とても活用しやすいサイト構成となっています。
読み物はすべて無料で公開されており、全ての作品において問いや質問を足して学習用教材にするといった改変や二次使用が許可されています。
「読む」力はどうやって上達できる?
「読む」力の上達は、日本語ネイティブスピーカーの子供達も日々取り組んでいる課題のひとつです。
日本では、学校に入る前の3歳~6歳といった小さな子供の段階から、親による家庭での絵本の読み聞かせや、児童館や地域の図書館で頻繁に行われる絵本や紙芝居の読み聞かせイベントなどを通じて、日本語の文章への理解力を少しずつ育んでいきます。
学校へ入学すると、「読む」力を育む活動として次のような取り組みが行われます。
・教科書をくりかえし音読する(家での宿題として/授業の一環として)
・定期的に図書室や図書館を訪れ、本を借りる
・本を読み、読書感想文を書く
・毎朝本を読む(朝読書タイム)
・小中学生が、幼稚園で読み聞かせボランティアとして本や紙芝居を読む
こういった活動を家庭や学校で何度も繰り返し、日本語の文字や文章に触れる経験を何年も重ねていくことによって、子供たちは「読む」力を高めていきます。
日本語を第二第三の外国語として学ぶ方にとっても、日本語の文章に触れる機会を数多く持つことが「読む」力の向上に重要となることは、いうまでもありません。
たくさんの本を楽しく読んでいくことを「多読」と呼びますが、「多読」は「読む」力を上達させるのに適した方法といえます。
たくさん本を読むことが大切とはいっても、毎日何時間も長くて難しい日本語の文章を読む必要はありません。
むしろ絵本やマンガのように楽しくて簡単な文章をたくさん読むほうが、頭に残りやすく、なにより続けやすいものです。
毎日少しづつでもいいので日本語の文章に触れ続けることによって、日本語の文章に「慣れて」いくことができます。
日本語の上達方法
日本語を上達させるには、まず大前提として「何を目的として日本語を上達させたいのか」というゴール設定をきちんとすることが大切です。
日本の会社に入って働く場合は、難しい書類を読んだり、敬語を使いこなしてメールや文書を書いたりといったスキルが必要になります。日本語でのプレゼンテーション能力や、会議や日常業務での会話力も欠かせません。
一方、趣味で盛り上がれる日本人の友達をたくさん作りたいという場合であれば、読み書きはとりあえずおいておいて、とにかく会話力を伸ばした方が目的に早く近づくことができるでしょう。
どういった目的だとしても、日本語を学ぶ一歩目として大好きなマンガやドラマ、映画をベースに学習をすすめることは非常におすすめです。
日本には「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますが、やはり自分が好きと感じるものの方がモチベーションを持続させやすく、結果として学習効果も上がりやすくなるからです。
ただし、自分の好きなものだけに偏った学習をしていると思わぬ落とし穴があることもあるため、そこは注意しましょう。たとえば、バトル漫画が大好きでそればかり読んでいたら、現代の日本語としては不適切な言い回しばかりを覚えてしまうことになるかもしれません。
ある程度日本語の学習にモチベーションを持てるようになったら、良質な日本語のコンテンツに触れる機会を持つようにしましょう。学校に通ったりすることもよいですし、日本語教材が提供されているサイトを活用するのもよいでしょう。
たとえば国際交流基金の日本語学習教材のサイト(https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/education/resource/)では、良質の日本語教材が提供されています。
さらに日本語力を向上させたい場合には、インプットだけでなくアウトプットの場を確保する必要があります。
いくら水泳の本を読んでも実際にプールや海に行かないことには泳ぎの技術が身につかないのと同じように、日本語の知識をインプットするだけでなく、実際に日本語を使ってコミュニケーションできる場を作ることがとても重要です。
オンラインで日本語を学習するならネイティブキャンプ!!
日本語学習をしていて、アウトプット練習をしたいけれどなかなか日本人の相手が見つからない…という方は多いものです。
日本語力アップのために日本へ留学することは難しくても、オンラインサービスを使って気軽に日本語会話を実践することは可能です。
ネイティブキャンプ(https://ja.nativecamp.net/)は、決まった月額料金を支払うだけで日本語レッスンが無制限に受けられる画期的なサービスを提供しています。24時間いつでも好きな時にレッスンが受けられるサービスもあり、予約日時の制約を受けずに自分が勉強したいときに好きなだけ学習を進めることができます。
オリジナル教材も豊富で、基礎からビジネス、日本語能力試験対策まで、幅広い内容のテキストを無料で利用することができます。
プロフェッショナルな講師が、初心者から上級者までさまざまな目標やニーズに合わせた指導を提供しています。日本語学習について質問することはもちろん、文化交流を楽しむこともできます。
専用のアプリを使い、PCやスマホ、タブレットなどいろいろな端末から自分の好きな時、好きな場所でレッスンを受講することができるのも、うれしいサービスです。
日本語 読む まとめ
日本語の「読む」力を伸ばしていくためには、たくさんの日本語の文章に触れていく「多読」が効果的です。
日本語を上達させていくためには、「多読」の他にも、実際に日本語会話ができるオンラインのサービスや、教材を提供している各種サイトを活用することもおすすめです。
いろいろなコンテンツを楽しみながら、日本語力を向上させていってくださいね!

◇経歴(英語を使用した経歴)
高校時代にイギリスへ短期留学。
大学院進学の傍ら、TOEICスコアアップや海外留学、海外旅行を経験。
社会人生活を経て、現在は英語に関するWEBコラム記事を執筆中。
◇資格
TOEIC900
◇留学経験
・ロンドン:2週間 Harrow School
・ハワイ島:2週間 Universal English Academy
・バレンシア:3週間 don Quijote Valencia
◇海外渡航経験
留学:イギリス、ハワイ、スペイン
旅行:イタリア、チェコ、アメリカ、メキシコ、韓国、モロッコ、フランス、デンマーク、フィンランド、スイス、ハンガリー、ベルギー、オーストリア
◇自己紹介
ラジオ基礎英語をきっかけに英語の世界へ。理系専攻ながら英語を磨き、留学や旅行で色々な国を訪れた。結婚を機にWEBライティングを始め、現在は二児と共に英語ライフを楽しんでいる。