韓国語を学んでいる人が今ではとても多く、独学だけではなく韓国語レッスンを受けている学習者も多いはずです。
特にコロナの影響で従来型の対面によるレッスンが難しくなったことにより、オンラインレッスンも今では珍しくなくなりました。
対面レッスンでもオンラインレッスンでも韓国語を学ぶ理由や目的は人により様々です。
韓国ドラマを理解できるようになりたい人もいれば、
韓国旅行で 韓国語を話せるようになりたい! 人もいるでしょう。
また、韓国語能力検定試験やハングル検定の合格を目指して勉強している人も多くいるはずです。
このように、個々に韓国語を学びたい理由は違っても、レッスン料を支払ってまで授業を受ける以上は自分の目標を達成したいと思っているはずです。
ですが、レッスンを受けて何年にもなるのになかなか話せるようにならない、試験に合格ができないなど成果に繋がらない学習者も少なからずいるのが現状です。
今回の記事では、韓国語レッスンを受ける上での注意点について、現役の韓国語講師の立場からお伝えします。
韓国語レッスンを受けるメリットは?
まず、韓国語のレッスンを受ける際、多くの方はボランティアの講師や友人から教わる場合を除き、通常は料金を支払って受講していると思います。
そのため、支払ったレッスン料に見合う対価、つまり自分の韓国語のスキルが向上することを期待しているはずです。
また、独学ではなかなか解決できない悩みを解消するために、レッスンを受けようと決めているのだと思います。
このように、
レッスンを受けるメリットとしては、
自力では解決が難しい韓国語学習の問題を、
講師のサポートを通じて学び、
よりスムーズに韓国語を習得できる
点です。
しかし、実際にはレッスンを受けているのになかなか成果に繋がらない、特に会話力で思うような上達を感じられない学習者も多いのが現状です。
その理由は、次の項目で説明します。
韓国語レッスンを受けても成果に繋がらないのはなぜなのか?
結論から言うと、レッスンに対する姿勢やマインドセットの問題です。
独学の場合、レッスンを受ける場合と違い、講師や他人のサポートがないため、自分ですべて対応しなければなりません。
例えば、分からないことがあれば自分で調べて理解する、勉強法や勉強計画を決める、学習のモチベーションのキープなど学習に関すること全てです。
言い換えると、
独学で成果が出ている場合に限って言えば、
自律学習の姿勢が独学する中で身に付いているということです。
一方、レッスンを受ける場合は、
これらのサポートは受講するレッスンにより違いますが、
講師からサポートを受けられる部分も多いです。
そのため、人によっては講師に頼りきりになってしまったり、レッスンさえ受けていればできるようになるだろうとレッスンの効果に対し過剰な期待をしてしまうことがあるように思います。
また、レッスンの時だけ勉強して自宅では宿題をする程度で、それ以外はほとんど勉強をしていないという状態であれば、韓国語はできるようにはなりません。
韓国語レッスンを受ける上での注意点
ここからは、前の項目を踏まえ韓国語レッスンを受ける上での注意点について説明します。
レッスンだけでは韓国語習得はできないと心得る
まず、大前提として韓国語など外国語はレッスンだけではできるようにならないということです。
独学だった人からすると、習えばできるようになると思うかもしれません。
人によっては、独学だと勉強をしたりしなかったりで学習習慣が身に付かないから、習うことで勉強が習慣づく、それによりできるようになると思うかもしれません。
ですが、レッスンだけでは学習量や練習量が圧倒的に足りません。
週一回のレッスンを受けている場合であれば、韓国語に触れられるのは週にたった一回です。
会話レッスンであれば、講師が話す時間の方が初級レベルの場合は特に多くなるため、一時間のレッスンであっても自分がずっと話しているわけではありません。
話している時間は数十分だったり、自分がまだほとんど話せない状態であれば10分にもならないということもあります。
これは、グループレッスンの場合にも当てはまります。
グループの会話レッスンの場合、仮に自分がいくら話せたとしても他の生徒もいるため自分だけがずっと話すことはできません。
レッスン以外の時間で学習や練習をできるだけ多くする
先の項目の通り韓国語は、たとえレッスンを受けたとしてもそれだけではできるようにはなりません。
レッスンの目的は、その時間でできるようになることではありません。
レッスンの本来の目的は以下の通りです。
- 学習内容を学ぶこと
- 学習に関わる疑問や問題に対しアドバイスをもらい、自分の勉強をスムーズに進められるようにすること
- 学習や練習の成果に対し講師よりフィードバックをもらい、次の課題を見つけること
これらのポイントを理解し、レッスン以外の時間に学習内容の予習や復習、話す練習を自分でしたり、相手を見つけてすることをできる限りします。
韓国語レッスンを受けている学習者は、週一回程度のレッスンであることが多いと思います。
レッスンを受けて、次のレッスンまで何もしなければ学んだ内容は当然のことながら忘れてしまいます。
また、知識は学んで理解したとしても、それを自分で使う練習を何度も繰り返さなければ使えるようにはなりません。
何年経っても一向に韓国語が話せるようになっていないという悩みがある場合、レッスン以外での話す練習が大幅に足りていないことが大きな原因のひとつです。
レッスンは韓国語学習の手段のひとつとして考える
先に触れた通り、韓国語を独学ではうまくできないと思ってレッスンを受けても必ずしも成果に繋がるわけではありません。
その理由は、
韓国語など外国語習得とは、
習って即できるようになるものではなく、
自分で練習してできるようになる
性質のものだからです。
これは韓国語に限らず英語や他の外国語学習者にも勘違いをされがちですが、レッスンは学習者に対し特定の成果を保証するものではありません。
なぜなら、講師は学習者が目指す目標が達成できるようにサポートはできても、
最終的には学習者自身がそれを活かし、
どれだけ自分で実践できるか
どうかが成果に関わってくるからです。
そのため、レッスンを受けて講師から習いさえすれば、またはレッスンの時だけ学べば自分は韓国語ができるようになると思うのは大きな誤解です。
その意味で、レッスンはあくまでも自分自身の韓国語学習の中の手段のひとつであるだけで、それだけで韓国語習得ができるわけではないということです。
この認識がないと、レッスンを受けても成果が出ないからとまた別のレッスンに変えるといったことを繰り返すことにもなります。
自律学習の姿勢で学ぶ
日本の学校教育やこれまでの外国語スクールでの学び方は、講師から教材に書いてある学習内容を学び、自宅で復習や宿題をするという方法が一般的でした。
また、対面でのレッスンが主流であったことで、講師も目の前で生徒の学習状況を確認したりサポートをすることができました。
ですが、コロナにより対面レッスンができなくなったことでオンラインレッスンの需要が増え、コロナが落ち着いた今でもオンラインレッスンが標準になってきています。
このようなオンラインを使ってのレッスンでは、
対面レッスンよりも、
学習者自身が自分の学習を管理し、
自主的に学習を進めていく
自律学習の姿勢
が求められます。
自律学習の姿勢は対面レッスンも同じです。
従来型の、講師から教えてもらうという受動的な学びではなく、独学で必要とされる要素がレッスンを受ける場合にも求められるということです。
自分から自主的に学習をすることで、
「何を理解していて、
何を理解していないのか」 が分かります。
そして、分からないことがあって講師に質問する場合、回答もより理解できます。
それにより、自分自身で次の課題や練習すべきことを見つけられたり、それらを元に学習計画を自分で立てたり変更するといった学習管理の部分も自分でできるようになることに繋がります。
ただ、自律学習は初めからすべて自分ですることは難しいことがあります。
独学の場合は、必要なことはすべて自己解決しなければいけないのに対し、
レッスンの場合は、自己解決が難しいことは講師に相談してアドバイスをもらうことができます。
私自身が提供しているレッスンを例に挙げると、教材を使った学習内容は事前学習で学習者自身に進めてもらいます。
具体的な学習方法や手順は、講師である私がすべて学習手順として学習者に提供しているので、学習者は迷わず自宅学習(課題や練習を含む)を進めることができます。
それを元にレッスンでは、課題のチェック、学習や練習の成果確認と
それに対するフィードバックやアドバイス、学習内容や勉強法に対する質問回答をする、
というレッスンを提供しています。
従来型のレッスンで多くの時間を費やし講師が説明していた学習内容は、動画などを使うことで学習者自身が自宅で学ぶことが可能です。
学習者は、
自分ができることは自分で進め、
自分では解決が難しい部分は講師からサポートを受ける、
というスタイルがオンラインレッスンが一般化しつつある韓国語レッスンでの新しい学び方です。
まとめ
今回の記事では韓国語レッスンを受ける上での注意点について説明してきました。
韓国語習得は、独学かレッスンを受けるかに関係なく、スキルの習得という性質からも自主的に学び学習の計画や管理も自分でする自律学習の姿勢が求められます。
また、韓国語レッスンは受講さえすれば必ずできるようになるという結果保証をするものではありません。
韓国語レッスンは、自身の学習とそれに関連した問題解決や韓国語の目標達成のための手段のひとつであることも心得てください。
◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
・韓国語能力試験(TOPIK)6級
・延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇留学経験
【オーストラリア】
・クイーンズランドカレッジオブイングリッシュ:3カ月
・ゴールドコーストカレッジオブビジネス:6カ月
【フィリピン】
・ファーストウェルネスイングリッシュアカデミー:3週間
【韓国】
・梨花女子大学校言語教育院:3週間
・延世大学校言語研究教育院(韓国語教員養成課程):5週間
【タイ】
・プロランゲージ(タイ語):1年6カ月
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。