話せるようになるための韓国語文法の学習方法

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韓国語だけに限らず、外国語習得をするために欠かすことができない大きな要素がふたつあります。ひとつは単語、もうひとつが文法です。

大人が外国語習得をする場合、子供のようにその言語が話されている環境に入って聞いているだけでは習得はできません。習得する目的を持って意図的に学ぶ必要があります。そのため、論理的思考ができる大人はその能力を活かし習得したい言語の文法規則を学ぶことにより習得することが効率的です。

韓国語は日本語と文法的に多くの共通点があり日本人にとっては他の言語に比べ習得がしやすい言語と言えます。実際、多くの韓国語学習者が韓国語を学び、試験を受けて合格していると思います。

ですが、試験合格者で文法知識はかなりあるにもかかわらず、会話など実際に使うシーンになると学んだことをうまく使えない学習者がかなり多いです。今回の記事では、話せるようになるための韓国語文法の学習方法について説明します。

韓国語習得における文法学習のポイント

既に触れた通り大人が外国語習得をするために必ず学ぶべきもののひとつが文法です。

韓国語習得においての文法学習のポイントは活用の理解とそれを使えるようになる練習をすることです。韓国語は日本語と同様、単語の語尾を変化させる語尾表現によってさまざまな文の意味を表現します。

日本語で例を挙げると「食べる」という元の形(原形)から「食べたい」「食べました」のように語を活用させたり、活用を組み合わせることでより複雑な意味を表現します。この時、活用させても形が変わらない「食べ」の部分を語幹、活用させた後のそれぞれの形を活用形と言います。

動詞や形容詞、韓国語の場合、その他に指定詞(~である)や存在詞(ある・いる/ない・いない)のように活用する品詞をまとめて用言と言います。

用言を活用するのは日本語も同じですが、韓国語の特徴として、日本語の「~は」「~が」のような助詞の一部も敬語になると活用して別の形になることが挙げられます。

韓国語学習ではこの活用の規則をひとつずつ学びながら使えるようになることがポイントです。活用の攻略なしに韓国語の習得や話せるようになることはできません。

文法を学んでも話せるようになっていない理由

文法の勉強は重要であることは多くの学習者が認識しています。そして、それを学び自分が韓国語を理解できるようになっているかを試験で客観的に確認している学習者も多いと思います。

そして、試験に合格したり高得点を取れている学習者も少なからずいると思いますが、会話ができるようになっているかと言えばそうではないことが殆どだと思います。

これは、英語でもTOEICなどの試験ではかなり高得点を取れているにもかかわらず、会話となると殆どできない人がいることからも分かります。試験に合格したり高得点を取れているのに話せないのは次のような理由があるためです。

文法規則を覚えることが目的の勉強になっているから

韓国語習得で文法学習が重要であることは間違いないですが、目的が違うと話せるようになる文法力がつきません。

文法をよく理解しているのに話せるようになっていない人は、文法の規則を覚えることが目的になっている傾向があります。

教材に書かれている文法の説明や似ている文法の違いなどを詳しく理解し説明はできても、その知識を実際に活かして使える文を作ったり、それを自分の口から言葉として出すことができていない状態です。

問題を解くことでしか理解できているかを確認していないから

文法は教材を使い学ぶことがほとんどだと思いますが、教材では文法の説明があり、その後に理解しているか確認する目的で練習問題があります。

確かに、問題をしてみることで理解度をある程度確認することができるため、学びっぱなしより問題をする方が良いです。ですが、それらの練習問題は実際の会話で使う形式でないことが多いです。

例えば、カッコ内に当てはまる単語を入れる、与えられた単語を活用させる、といった問題形式は実際に会話で使う形式とは全く違います。

そのため、学んだことを理解できているかを確認する目的では有効と言えますが、使えるようになっているか確認する目的では適しているとは言えません。

学んだ文法が実用文法ではないから

これは日本語や英語でも同じことが言えます。文法としては存在しているものの、使う頻度が極端に低い、ネイティブスピーカーであれば教養として知っておくべきでも外国語として学ぶ、実用目的であれば知らなくても良いといった文法があります。

このような文法は教養目的で韓国語を学ぶのであれば良いですが、実用目的で学ぶのであれば、時間や手間をかけて学ぶ必要はありません。

知識量を重視した文法学習をしているから

これは先の項目と重なる部分がありますが、言い換えると、文法の使用頻度を重視するのではなく知識量を重視した文法学習になっていないかということです。

使わなかったり使用頻度の低い文法をたくさん覚えても使うことがなく、使わなければ忘れてしまいます。

このような文法は、実用目的であればそもそも覚える必要はありません。覚えても使わない文法を覚えるよりも、使用頻度の高い文法を深く理解する方が大事です。

使うことを想定した練習をしていない、不足しているから

これは、言語に関係なく日本人学習者に共通する傾向です。学校英語の影響で外国語は勉強、学んで知識を増やすことが目的だと思われがちですが、それは大きな誤解です。

韓国語を含め外国語習得は、学校の科目で例えるならば体育や音楽などの実技であり、スキルの習得です。

そのため、学んだことをもとにその知識を活かして実際に自分で練習を繰り返すことでできるようになるところまでしなければ、当然できるようにはなりません。この練習は練習問題をやって終わり、といった練習量では全く足りません。

話せるようになる文法の学習方法

ここからは韓国語を話せるようになるための文法の学習方法について説明します。

実用性のある文法をしっかりと使えるようになる

既に触れた通り、文法は上級レベルまでを含めると多くの文法があります。それらの文法の中には、実生活の中では殆ど使わないような実用目的ではない文法もあります。

確かに、会話と言っても人によってはビジネスや論文発表など特殊な目的で話せるようになりたい人もいます。そのような目的の場合は、少し難しい文法や格式のある表現をできるようになる必要があるため、目的に合った文法を更に学ぶ必要があります。

ですが、多くの人が望んでいる旅行会話や日常会話レベルであれば、初級から中級レベルの中でも使用頻度の高い文法だけで話すことができます。会話力は知識量と比例しません。

文法をたくさん知っているから会話ができるようになるのではなく、実用性の高い基本的な文法をいかに使いこなせるようになっているかが重要です。

実用性が高く使用頻度の高い重要な文法は初級レベルの文法です。まずは、初級レベルの文法を熟知し使いこなせるようになることが最優先すべきことです。

実用的な例文をアレンジして話せるようにする

テキストなどの教材ではまず文法の説明があります。そして、その文法を使った文を例文として取り上げ更に説明しています。

これらの例文は、各文法を使った最も基本となる文なので、まずはその基本の型をしっかりと理解します。

その後、その基本の型を使い、文を少しアレンジして自分で使える文を作れるようにし、それを自分で話せるようにまでします。

フレーズ集などの例文でもテキストの文法説明の例文でも、それを単に丸暗記するだけでは使えるようにはなりません。その理由は、丸暗記してそのまま変えずに使うことができる文は限られたものしかないからです。

そのため、これらの例文は基本の型として覚えるだけであって、使えるようになるためにはその型を自分で応用して使えるようになる必要があるということです。

学んだ文法を自分ならどう使うか考えて作文する

外国語習得で文法を学ぶ目的は、規則を覚えてそれを説明できるようになることではありません。

会話ができるようになることが目的であれば、その目的を達成するために必要なもののひとつとして文法を知る必要があるからです。

文法を学ぶことによって韓国語の文を作る規則を知り、それを基に自分で文を作り、それを口からスムーズに言葉として出て来るようになることで会話はできるようになります。

そのため、文法を学んで理解し練習問題を解いて終わってしまえば、文法を知っただけの状態で使えるようにはなりません。

学んだ文法は、自分ならどう使うか考えて作文し、それを話せるようになる練習までする必要があります。

例えば、「~したいです」という文法を学んだら、その表現を自分ならどういう場面で使うのか、具体的にどんな文で話すのかを自分で考えて作文し、自分で話す練習をするということです。

会話で使うことを想定した練習をする

会話はその場面になっていきなりできるものではありません。会話に限らずですが、普段していないことを必要になった時にしようとしてもできないのは当たり前です。

そのため、会話をできるようになるためには、日頃の学習の段階で話すことを想定した練習が必要になります。

具体的には学んだ文法を使い自分で簡単なやり取りの会話を作り、それを自分で練習したり、習っている場合には講師と練習をすることです。

まとめ

ここまで話せるようになるための韓国語文法の学習方法について説明してきました。私たちが文法を学ぶ理由は、文法を知ることによって自分で文を作れるようになるためです。

つまり、文法を学ぶことは手段であり目的ではありません。そのため、文法知識を得て終わりにするのではなく、それを自分でどう使うか考え、自分で文を作り、話せるようになる練習までして下さい。

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