“Parrot’s law”(パロッツ・ロウ)でリスニング、スピーキングを鍛えよう!

みなさんはParrot’s lawという英語学習方法を聞いたことがありますか?簡単に説明するとオウム(Parrot)が言葉を覚える時に使う調教方法の事です。

オウムは最初の人間の言葉を覚えるのに大体2000回同じ言葉を繰り返して覚えさせる必要があります。この繰り返しの方法を英語学習に当てはめたのがParrot’s lawです。

具体的には短い教材を何度も復習することで、その教材にでてくる単語の発音方法をしっかり理解できるようになったり、英単語の1つ1つの意味を理解しながら聞き取れるようになっていく、という流れです。

今回は、実際の手順や方法、効果などを説明していきたいと思います。

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Parrot’s lawでどんな能力を伸ばしたいのか考えよう!

Parrot’s lawと一言で言っても選ぶ題材は、目的によって変わってきます。

まず、「発音」を特に鍛えたいという人。Parrot’s lawにおいては、自分の好きな洋楽を選ぶという人が多いです。中でも、ネイティブが歌っているバラード、アメリカ英語を聞きたいのか、イギリス英語を聞きたいかによっても選ぶ曲は変わってきます。Parrot’s lawでは、同じ曲を何度も聞く必要があるので、できれば何度聞いても飽きない曲を選ぶことをおススメします。

「発音」という点に関してですが、耳で聞いて、ネイティブの発音を真似しながら練習していくのもいいですが、発音記号をしっかり理解した上で練習すると効率的に練習することができます。歌詞の間に発音記号を記入していき、それを見ながら練習するという方法もよく見られます。

次に「リスニング」を特に鍛えたいという人。リスニングを鍛える上で1つの壁となるリエゾン(単語と単語が連結して発音が変わる現象)を理解するにもParrot’s lawは効果的です。加えて、1つの文章の中での抑揚、強弱、単語それぞれのアクセントの位置なども理解することでスピーキング力を連動して能力を向上させることができます。

どれだけ時間をかけて学ぶものなの?

さて、このParrot’s law、一体どれだけの練習が必要なのでしょうか?使う教材にもよりますが、1セットを100回~300回以上は繰り返す必要があります。

「そんなに同じ教材を繰り返していたら飽きちゃう!」と思う人もいるかもしれません。飽きてくる、というのは学習していても何も効果や変化が実感できない時なので、効果や変化が実感できるラインぎりぎりまで練習をし、次のステップへ進む。英語学習の能力向上の喜びを知っている人ならばなおさら「飽き」より前に「成長の実感」をすることができると思います。

では、その効果や変化を実感できるギリギリのラインとは?実際の練習方法に合わせて紹介していきます。

最初の段階ではとにかくひたすら教材を聞きまくる

Parrot’s lawの最初の段階はとにかくひたすら教材を聞きまくること。「なんだ、それだけ?」と思うかもしれませんが、この段階が最も大切です。音楽なら1曲5分前後、英語の例文を教材に使う際も5分くらいで1セット終わるような教材にしましょう。気軽に始められてスキマ時間も利用できるのもメリットです。

初めて教材(曲)を聴いてみると、一体何を話しているのかほとんどわからない状態からのスタートでしょう。しかし、繰り返し聴くことにより理解できる単語、何を言っているのか聞き取れるフレーズが増えてきます。

どういう感覚かを文章で表すと

1回目
When you xxxx xxx xxxx “summer”, what xx you think xx?
I think xx festivals.
In my xxxxxxx, festivals are xxld every summer.
festivals are caxxxx Matsuri in Japanese.
What is our Matsuri?
Our Matsuri inxxxxxx dance including x xxxx's mask and some people drink axx day.

20回目
When you xxar xxx word “summer”, what do you think xx?
I think xx festivals.
In my xxllage, festivals are held every summer.
festivals are callxx Matsuri in Japanese.
What is our Matsuri?
Our Matsuri inxxxxxs dance including a xxxx's mask and some people drink all day.

50回目
When you hear xxx word “summer”, what do you think of?
I think of festivals.
In my village, festivals are held every summer.
festivals are callxx Matsuri in Japanese.
What is our Matsuri?
Our Matsuri inxxxxxs dance including a lion's mask and some people drink all day.

“x”で表記している部分が聞き取れない部分です。すこしずつ聞こえてくる単語が増えていっているのがおわかりいただけるでしょうか?

また、文章の内容や全体像が見えてきていない場合には、“word”なのか“world”なのか、“called”なのか“cold”なのか、発音が似ている単語の聞き分けも難しいと思います。また冠詞(aやthe)や前置詞(inやofなど)も発音が短く聞き逃しがちです。それらも合わせて全体像がくっきりしてくる感覚を体験しましょう。

文章全体は下記のようになります。
When you hear the word “summer”, what do you think of?
I think of festivals.
In my village, festivals are held every summer.
festivals are called Matsuri in Japanese.
What is our Matsuri?
Our Matsuri involves dance including a lion's mask and some people drink all day.

この少しずつ、聞き取れる単語やフレーズが増えていく感覚がとても大事です。逆にいうと、全て一言一句違わずに英語を聞きとることができるorこれ以上は何度聞いてもわかる単語が増えていかない(もともと聞いたことがない単語など)の状態になったら次のステップに移る段階です。そのままこのステップを続けていても構いませんがどうしても「飽き」が来てしまうので、次に行ってしまいましょう。

歌詞or教材を見ながら内容を理解しよう!

次の段階は、今まで何も見ずに聞いてきた教材を、今度は教材や歌詞を見ながら何十回か英語を聞いてみましょう。ぼやけていた部分が「ああ、ここはこういう風に発音していたんだ」というのが明確にわかって頭の中がスッキリします。特に最初の段階で聞き取れなかった部分は何度も繰り返し聴いて、抑揚やアクセント、リエゾンなどに注意しましょう。聞いたことがない単語やフレーズがあったら積極的に調べて教材全体の内容を理解できるようにしておきましょう。

歌詞or教材を追いながら実際に声に出してみよう!

ここまで来ると、実際に声にだして練習したくてしょうがなくなってきます(笑)歌詞や教材に続いて英語を口に出してみましょう。音楽の場合は一緒に歌っても構いません。実際に声に出してみるとあれだけ何度も繰り返し聴いたのに、うまく発音できない部分が出てきたり、ネイティブの会話スピードに合わせられなかったり、ついつい言い直して発音してくる箇所がでてくると思います。

この段階に来て初めて、まだまだ練習不足、という実感が湧いてきます。その際は、前のステップの「教材を見ながら聴く」の部分に戻ってもいいですし、もう少し繰り返し発生練習をして感覚を掴んでもいいと思います。

リスニング力がアップしていることを実感できる瞬間

そうこうしているうちに気づけば100回のリスニングは簡単に超えてしまいます。

一度、教材や歌詞を見ずに英語を聞いてみましょう。

全ての単語やフレーズを一言一句聞き逃さずにリスニングができる状態になっていると思います。

では、他の歌や教材にチェンジした時は同じステップを繰り返さなければいけないのか、というとそんなことはありません。

まず、初めて聴いた音楽や英文でも上記のParrot’s lawに取り掛かり始めてからの、最初のリスニングに比べて、確実に聞き取れる英語が増えていることに気づくと思います。

ここでもオウムの話になりますが、オウムも最初の単語を覚えるのに2000回ほど同じ言葉を繰り返す必要があると先述しましたが、あくまでも最初の言葉だけです。2つ目の言葉以降は2000回も繰り返す必要はありません。

人間も同じように繰り返して聴く回数が教材を重ねるごとにどんどん減っていきます。

1つの教材をマスター→次の教材

この流れを繰り返すほど、学習にかける時間はどんどん効率よくなっていきます。つまり大変なのは最初だけ。根気よく続けることが一番の近道です。

最後に…

Pallot’s lawだけ見ると何度も繰り返して練習、が目につくと思いますが、それは英語学習、もっと言えば全ての言語習得やスポーツ、楽器にも言えることです。それゆえに学習初期段階で挫折してしまう人が少なくないのも事実です。「継続は力なり」、結局は毎日コツコツ続けている人が、総合的に英語力がアップします。