なぜ日本人は英語が話せないの?

外国の方々

英語が話せないことで悩んでいるという日本人は多いでしょう。実際、海外に出てみると、日本人の友達がいたり、日本人とビジネスをしたことがある人は、「日本人は英語が下手だ」と思っている人も少なくありません。

そうかと思えば、英語が母国語ではない人が流暢に、まるで自分の言葉のように英語を扱っているのを目にすることもありますよね。

この差はどういうところにあるのでしょうか。ここでは、日本人が英語が苦手な理由について考えてみましょう。

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そもそも日本語は英語とかけ離れた言語である

大前提として知っておいて欲しいのは、日本語と英語はかなりかけ離れた言語だということです。もう10年以上前になりますが、私がイギリスの語学学校に通っていた時に、会話クラスの授業中に先生が世界地図を広げて、英語とその他の言語の違いについてディスカッションをしました。

その中で、日本は一番イギリスから離れていて、その距離分言語も離れている・・・という話になりました。

あまりに印象的だったため、今でも覚えています。

そのように、ディスカッションの内容として取り上げられるくらい、日本語は英語とはかけ離れた言語です。翻訳をしてみても、うまく翻訳するのが困難で、同じような意味で全く別の言い回しが必要なくらいなのです。

文法がかけ離れているということに加えて、発音もかなりかけ離れています。日本語の発音は世界的に見ても大変シンプルで、音の種類が少ないのですが、英語はそれに比べると音の種類が多めの言語です。その母音数の多さには、英語が流暢に話せる外国人だって頭を悩ませるレベルです。

日本語の母音数は「あいうえお」の5つだけですが、英語にはなんと26種類の母音があります。

それに加えて日本語では子音より母音の音が大きく、常に母音がついてまわりますが、英語では子音を大きめに発音しなければ英語っぽくなりませんし、子音単体で発音することも多いため、日本人にとっては発音しづらい言語なのです。逆にスペイン語やイタリア語など、母音が多い言語は日本人にとって発音しやすく、またスペイン語圏の人たちも英語が苦手なことでよく知られています。

そもそもの言語の文法や音がかけ離れていると、どうしても習得までに時間がかかるのは当たり前のことなのです。韓国語を学んだことがある人は、この点について納得がいくかもしれません。文法が似ている韓国語は、日本人にとって比較的習得しやすいんですよね。

日本人は完璧主義な人が多い?

そもそも日本語と英語がかけ離れた言語であるという前提はあるにしろ、これは時間をかければなんとかなる問題です。

しかし、日本人の性質も、英語の習得を邪魔している部分があります。それは、日本人には完璧主義な人が多いということです。自分はそうではないと思っている人も、英語を話すにはある程度正確ではないといけないと思っているのではないでしょうか。

実際はそんなことはなく、正確性を気にするよりもバンバン喋ってしまった方が、英会話はうまくなります。それだけ、英語を口にすることに慣れていくからです。

正確性は後からでもつけれますし、間違えてしまった時に指摘してくれる人がいれば、正確な文章を繰り返し口にすることで、自然と覚えてしまいますから問題はありません。

また、日本人は周囲の人が自分をどう思っているかということを、気にしてしまう人が多いですよね。これも、英語を話すという点においてネックになっています。周囲の自分の英語を聞いている人が、自分の英語について何か批判的なことを思うのではないかと思って、喋れなくなってしまうのです。

例えば、間違えたら恥ずかしい、発音で笑われたら恥ずかしいと思う人は少なくないでしょう。そして、実際に笑われるような場面もあるのが事実です。それが嫌で、正確に話せるようになるまでは、英語を話すことができないという人も少なくありません。

確かに、笑われたりすると気にはなるでしょう。しかし、全ての人がバカにして笑っているわけではなく、その間違いを可愛いと思っているようなこともあります。それに、人のことをバカにして笑う人なんて、放っておけば良いのです。

完璧に話せなくても、相手に伝わればいいのですし、間違えたりした方が却って正確な言い方を覚えられるものですから、間違いを恐れないでください。

シャイだとなかなか英語が話せない

上記の「完璧主義」ということに似ていますが、日本人にはシャイな人も多いですよね。日本では「シャイ」に入らない人でも、欧米に行くと大人しめのレベルになることもあります。

そもそも日本語を話す時にでも、シャイで口数が少ないなら、英語を話すときにも口数が多くなったりはしません。でが、それは英会話を習得するという意味では、非常にネックになります。なぜなら、それだけ英語を口にする機会が減ってしまいますし、英語が流暢に話せる国々の人は総じておしゃべりな傾向にあるので、どうしても聞き役になりがちだからです。

英語を習得するためには、少しおしゃべりなくらいがいいのです。

しかし、性格的な部分は変えることができないので、シャイで英語を口にする機会が減りがちだという人は、プライベートレッスンなどを受けて英語をたくさん話しましょう。

オンライン英会話はとても安価でプライベートレッスンを受けることができるので、シャイで口数が少ない人にはとても向いています。

英語を話す機会に恵まれていない

日本に暮らしていると、英語を話す機会はあまりありませんよね。ビジネスの場で必ず必要だというわけではありませんし、外国人が多いというわけでもありません。

ちなみに、「話す」という部分だけではなく、「聞く」という部分でも、日本では吹き替えで海外ドラマや映画が放送されていますから、意識しなければ機会を増やすことができません。

そのように、日本で暮らしていると英語を使う機会があまりないため、英語を勉強してもなかなか会話はできないということが起こり得ます。

この問題を打破するためには、自分でアクティブに動いて、英語を話す機会を作るしかありません。前述のオンライン英会話を使うという手もそうですし、地域の英語サークルや英語カフェに顔を出したり、外国人と知り合える場に足を運ぶというのもそうでしょう。

スケールが大きいところでは、海外留学というのも1つの手になります。住んでしまえば、英語を話す機会はそこらじゅうに転がっているからです。

かく言う私も、イギリスで暮らして1年くらいで、日常会話の範囲内なら、誰とでも英語で会話がそこそこ流暢にできるようになっていました。

自分は英語が話せないと思い込んでいる

英語が話せないと悩んでいる人の一番のネックは「英語が話せない」と思い込んでいることかもしれません。自分でそのように思い込んでしまうと、なかなか英語は話せるようになりません。なぜなら、自分で自分に英語が話せないという洗脳をしているようになってしまうからです。

英語がうまく話せないことで悩んでいるという人は、肩の力を抜いてよく考えてみましょう。

「ありがとう」「ごめんなさい」を英語で言えますか?

「これはいくらですか?」、「〇〇はどこですか?」などの旅行で必要になりそうな英文をすぐ作れますか?

「出身はどこですか?」「趣味はなんですか?」と初対面の相手との会話に使いそうな会話文が、口から出てきますか?

もし、これらをクリアできるのなら、あなたはすでに英語が話せています。

ちなみに、ヨーロッパやアラブ圏など、あまり控えめではないお国柄の人たちで、英語がそこまで話せないという人に「英語が話せる?」と訊いてみると、こんな答えが返ってきます。

“I speak some English.”

“Yes, a little.”

そして、「話せるんだー」と思って会話をしてみると、意外とそうでもなかったりするのです。

ここで言いたいのは、「話せると言いながら話せない」ということではありません。そもそも、少し話せるのであれば、”Do you speak English?”への回答は”No.”ではないということです。

というわけで、英語が話せないと思っている人は、あなたが今どんなレベルであったとしても、いくつかの英語の文章が口にできるのなら、「英語が少し話せる」「英語がある程度話せる」と言うようにしましょう。

寧ろちょっと多く見積もって「英語が結構話せる」と思っても大丈夫なくらいです。

日本人が英語が話せないと思っているのは、本人たちが英語が話せないと思い込んでいるからなのです。ここに気づけると、本当に英語に対する態度が変わってくるでしょう。