語学留学先として人気を集めているセブ島(フィリピン)とマルタ島(マルタ共和国)。
どちらも美しい海に囲まれた場所で、リゾート気分を味わいながら英語のスキルアップも目指したい方にはぴったりの留学先です。
一方、受けられる授業のスタイルや費用、学習環境は大きく異なるため、留学を成功させるためにも、ご自身の希望するスタイルにあった留学先を選ぶことが大切です。
この記事では、その判断基準として費用面、学習環境、生活面の特徴について、マルタ留学とフィリピン留学の違いを解説します。
- 留学費用の比較:マルタとフィリピン、どちらが経済的か?
- 授業スタイルの違い:マンツーマン vs グループレッスン
- 留学生の国籍比率:多国籍環境とアジア圏中心の違い
- 現地での生活環境とアクティビティ:リゾートライフの楽しみ方
- 英語学習以外の魅力:歴史と文化の違いを楽しむ
- 2カ国留学という選択肢:マルタとフィリピンを組み合わせるメリット
- まとめ
留学費用の比較:マルタとフィリピン、どちらが経済的か?
結論としては「フィリピン留学の方がお得」に留学することができます。
留学費用の違いについて、まずは留学期間を1か月間として、それぞれの国に留学した場合の費用の内訳と違いを見ていきましょう。
表:マルタ留学とフィリピン留学の費用内訳
マルタ留学 | フィリピン留学 | 備考 | |
渡航費 | 15~25万円 | 3~6万円 | |
学費 | 15万円 | 20万円 | フィリピン留学は、食費・宿泊費込 |
家賃 | 10~15万円 | ー | マルタ留学のみ |
食費 | 2~7万円 | ー | マルタ留学のみ。外食の量によって変動。 |
娯楽費 | 5~6万円 | 3~5万円 | 観光代、交通費を含む (フィリピン留学は週末の外食費を含む) |
合計 | 47~68万円 | 26~31万円 | ※海外保険・ビザ費用は計上せず |
特に大きく差が出るポイントは「渡航費」です。
マルタ島はヨーロッパにあり、日本からの直行便がないため飛行時間は約21時間とフィリピンまでの4時間と比較しても長く、その距離だけ渡航費用は高くなっています。
また、フィリピン留学では、語学学校へ支払う学費に食費や宿泊費が含まれていることが一般的ですが、マルタ留学では学費とは別に食費と宿泊費が含まれていることも、金額に差が出るポイントです。
一方、マルタ留学でも、自炊中心の食事にすることで食費はかなり抑えることが可能です。
また、娯楽費についても多少の差はあるものの、ご自身の過ごし方次第ではどちらも同じくらいの費用に抑えることも可能です。
費用の差は工夫次第で多少小さくすることができるので、この後の授業スタイルや生活環境の違いも含めて、ご自身の理想の留学が実現できる留学先を検討してみてください。
詳しい費用については、ネイティブキャンプブログのこちらの記事でも詳しく紹介しています。
授業スタイルの違い:マンツーマン vs グループレッスン
語学留学で最も大切なのは「英語力を向上させること」です。
その目標達成のためには、自分に合った授業スタイルを提供してくれるかどうかが肝となります。
このセクションでは、それぞれの国の授業スタイルの違いを説明します。
グループレッスンが中心のマルタ留学
マルタでは、多くの語学学校がグループレッスンを採用しています。
グループレッスンとは自分と同じ英語レベルの学生と同じクラスになり、集団で授業を受ける形式のことです。
グループレッスンでは、クラスメイトとのディスカッションやペアワークも多くあるため、様々なバックグラウンドを持つ学生と交流できる機会も増えます。
英語力上達には「英語を使って会話する友達をつくること」も一つの近道ですので、多くの学生と触れ合う機会を求める人にはおすすめです。
一方で、マンツーマンレッスンと比較すると講師との会話の機会は少なくなります。
また、クラスメイトとの簡単な会話に苦労してしまうこともあるため、ある程度の基礎的な英語力がある人が向いているかもしれません。
マンツーマンレッスンが中心のフィリピン留学
マルタ留学とは異なり、フィリピンの語学学校ではほとんどの学校がマンツーマンレッスンを採用しています。
マンツーマンレッスンとは、講師と1対1で会話をしながら英語を学ぶ授業形式のことです。
マンツーマンレッスンは、どんなに些細な質問でもすぐに講師に聞きやすく、また自分のレベルやペースにあわせて授業が進んでいくため、ご自身の習熟度や理解度に合わせた授業を求める方にはおすすめです。
一方で、フィリピンの一部の語学学校ではスパルタ形式での授業を行う学校もあります。
クラスメイトがいない中で講師と長時間英語の勉強をするスタイルよりも、のんびりとしたペースで英語の勉強をしたいという方にはグループレッスンを行う学校の方が向いているかもしれません。
このセクションでは、マルタ、フィリピンそれぞれの語学学校の代表的な授業スタイルをお伝えしました。
マルタの語学学校でもマンツーマンレッスンを行う学校、フィリピンの語学学校でもグループレッスンを行う学校もあるなど、それぞれの学校により授業の特色やスタイルも異なるので、ほかの項目もふまえながら、検討してみてください。
留学生の国籍比率:多国籍環境とアジア圏中心の違い
地理的な位置関係から、マルタ留学ではヨーロッパ圏の学生が多くいるのに対し、フィリピン留学ではアジア圏の学生が多く見られます。
日本人留学生フィリピンへ留学する学生数の方がマルタ留学の人数よりも多くなっています(※1)。
この国籍比率も留学先を選ぶうえでの一つの指標になります。
例えば、日本と文化の近いアジア圏の学生が多いフィリピン留学では大きなカルチャーショックを感じずに過ごしやすいと考える人もいます。
特に、海外留学や旅行が初めてという方には、日本語で話ができる人が近くに多くいることは、慣れない海外生活で安心につながります。
一方で、日本語を話す環境から離れてストイックに英語力を向上させたい方は、日本人や同じアジア圏の学生が少ない環境にチャレンジしてみてもよいでしょう。
※1:独立行政法人日本学生支援機構による『2022(令和4)年度 日本人学生留学状況調査結果』によると、国(地域)別日本人留学生数(語学留学のみでなく単位取得型留学・交流プログラムも含む)で、フィリピンは10位、マルタ共和国はランクインせず
現地での生活環境とアクティビティ:リゾートライフの楽しみ方
温暖な気候と美しい海に囲まれたリゾート地でもあるマルタ島、フィリピンのセブ島への留学は、放課後のアクティビティや週末に楽しむリゾートライフも魅力のひとつです。
このセクションでは、それぞれの国でどのようなことが楽しめるのかを紹介します。
マルタ留学ではビーチでまったり景色を楽しもう
アディーレベイやゴールデンベイなど地元の方にも人気の砂のビーチのほか、セイントピーターズプールやブルーラグーンなど岩のビーチも有名なマルタ島。
日本では岩場のビーチに出かけるのは一般的ではありませんが、実は、海の透明度がより高いのは、岩場のビーチです。
マルタ島での週末は、岩場のビーチに出かけて景色を楽しむのもおすすめの過ごし方です。
また、マルタでは午後の比較的早い時間に授業が終わるため、ビーチサイドのカフェで友達と過ごしたり、ビーチから夕日が沈むのを眺めたりと、リラックスした時間を楽しむこともできます。
フィリピン留学ではマリンアクティビティを楽しもう
語学学校の多いセブ島には砂浜ビーチはありませんが、船に乗って近くの島に向かえばすぐ、美しい白い砂浜と透き通った海を堪能できます。
例えば、ホワイトビーチやアロナビーチでは、ビーチ沿いにカフェやレストランも多くあるため、1日中まったりとしたリゾート気分を味わうことができます。
また、多くの島で構成されるフィリピンではアイランドホッピングツアーも魅力のひとつです。
シュノーケリングやジンベイザメの観察がセットになったツアーなど様々なオプションもあるので、予算や目的に合わせた過ごし方ができます。
マルタ留学とは異なり、フィリピン留学では多くの学校で1日中授業があるため、放課後は友達や講師と夕食に出かける人が多いようです。
また、フィリピンには日本人が多く暮らしていることもあり、フィリピン料理だけでなく、ラーメンや寿司、お好み焼きなどが楽しめる日本食レストランも充実しています。
特に、留学生活が長くなるほど日本食が恋しくなることもあるため、日本食を気軽に食べられる環境が整っているのは、大きな魅力のひとつです。
英語学習以外の魅力:歴史と文化の違いを楽しむ
美しいビーチリゾートに注目が集まりがちな両国ですが、どちらの国でも歴史や文化を感じる建物が残っています。
マルタでは、例えば首都ヴァレッタは世界遺産に登録されていることもあり、古き街並みが残っており、フィリピンでも世界から注目される歴史的遺構が残っています。
英語学習だけではなく、その国の今につながる積み重ねを感じられる建築物や街並みを堪能することもおすすめの楽しみ方です。
フィリピン
カトリック信仰の起源やスペイン統治時代の都市の名残を楽しむ
フィリピンでのカトリック信仰のはじまりとなったマゼランクロス、サントニーニョ教会など、現在のフィリピンの文化につながる場所が残っています。
スペイン統治時代に建設されたサンペトロ要塞、スペイン領として初期に計画されたコロン通りなどがあります。
マルタ
中世にタイムスリップしたような街並みを楽しむ
マルタでは、中世の建築が良好な状態で数多く残されています。
例えば、首都ヴァレッタは世界遺産に登録されている要塞都市。
1571年に完成したとされる街中には中世の貴重な建築物が数多く残されています。また、古都イムディーナには、マルタの宗教や文化に関連する建物や街並みが残っています。
2カ国留学という選択肢:マルタとフィリピンを組み合わせるメリット
ひょっとしたら「どちらも魅力があってどちらかに絞ることができない!」となる人もいるかもしれません。 そんなあなたにおすすめなのがどちらにも行く「2か国留学」です。
「授業スタイルの違い」のセクションで説明した通り、マルタ留学ではより高いレベルの英語力が必要となるケースが多いです。
そのため、基礎的な英語力をマンツーマンレッスンが中心のフィリピン留学で身に着け、その後、マルタ留学のグループレッスンを通して、より高度な英語力を学ぶ、という2か国留学も選択肢の一つになります。
基礎的な英語力をしっかりと身に着けることで自信にもつながりますし、グループレッスンを通して友人の輪が広がることでよりナチュラルな英語表現を身に着けることもできます。
2か国に渡航するとなると、費用や期間も倍かかってしまいますが、その分得られる英語力や異なる文化圏での生活や経験は人間的にもご自身を成長させてくれるものとなるはずです。
まとめ
この記事では、語学留学先として人気のマルタ留学とフィリピン留学の違いや、それぞれの魅力について紹介しました。
費用面では、フィリピン留学の方が比較的リーズナブルで、スパルタ式のマンツーマンレッスンを通じて、ストイックに英語力を伸ばすことができます。
さらに、放課後や週末には豊富なビーチアクティビティも楽しめます。
一方、マルタ留学は費用が高めですが、比較的レベルの高いグループレッスンが受けられ、日本人が少ない環境でクラスメイトとの交流の機会も多くあります。
また、歴史や文化、建築が好きな人にとっては、美しい街並みの中で生活できる点も大きな魅力です。
ご自身の英語学習スタイルや生活環境、予算に合わせて、最適な留学先を見つけてくださいね。
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①経歴
日本の公立中高を卒業後、理系の大学に進学。
現在は、タイの大学院に留学しています。
②資格
・TOEIC 805点
・IETLS Academic 6.0
③留学経験
・オーストラリア(2週間)→中学3年次にホームステイ
・タイ(1年)→修士課程に在学中
④海外渡航経験
長期でのんびりと滞在する旅行スタイルが好きで、シンガポール(1か月)、タイ(1年)、アメリカ(1か月)に滞在。
ほかにも、マレーシア、カナダ、オーストラリア、韓国、台湾、香港などを旅行しました。
⑤自己紹介
これまで長期の語学留学経験はなく、日本の公立中高に通いながら、ほぼ独学で英語を学んできました。英語を使うことで、世界中の最新の研究やデザインに触れる機会が増え、自分の視野が大きく広がったと感じています。特に東南アジアの都市が好きで、現在はタイの大学院で学んでいます。この経験を活かしながら、多くの方に英語を学ぶ楽しさや魅力を伝えていけたらと思っています。