地中海に囲まれた島国マルタ。
温暖な気候と美しく透き通った海が魅力的で、ヨーロッパ中から休暇を過ごしに来る人も多くいます。
またマルタで話される言語は英語のため、留学先としても注目を集めています。
しかし、治安は気になるところです。
マルタは比較的治安の良い場所とされていますが、人気の観光地でもあるため、スリなどの小規模犯罪には気を付けなければなりません。
中には危険なエリアも存在します。
今回はマルタの治安情報や被害対策を紹介するのでぜひ参考にしてください。
マルタとは?
マルタ共和国とは、小さな島国でヨーロッパの地中海に囲まれています。透き通る海の美しさは、一度見たら忘れられない景色になるでしょう。
温暖な気候で過ごしやすく、休暇を過ごすリゾート地としても人気の観光地。建物も中世から残る石造りが特徴的で、街並みだけでもヨーロッパの風情が満載です。
また首都バレッタには巨石神殿群などの歴史的建造物も多く存在し、街全体が世界遺産に登録されています。
マルタの通貨はユーロですが、公用語は英語なので言葉も通じやすいです。
加えてヨーロッパの中では物価も安い方で、留学費用を抑えられるとマルタ留学の注目度も上がっています。
マルタの治安概要
NUMBEOの2025年最新統計データによると、マルタは世界の安全な国ランキング62位となっており、治安は良い方と言えるでしょう。
ただし日本のランキングは9位なので、よりトラブルに巻き込まれる可能性もあると考えた方が安全です。
日本での警戒意識と同じ考えで渡航はせずに、防犯対策をしっかりと行うことをおすすめします。
しかし凶悪犯罪の発生率はあまり高くなく、窃盗犯罪の方が多い状況のようです。
※NUMBEOとは世界の国・都市ごとの生活情報など様々な統計を集めているデータベースです。
マルタの夜の治安
マルタのナイトライフはクラブやパブなどが集まる地域もあり、夜の楽しみもある場所です。
比較的治安が良いマルタでは、夜に外出をしても大丈夫ですが、1人歩きは避けた方が良いでしょう。
日本と比べて窃盗事件が多いため、夜遅く人気のない場所を歩けばスリ被害に遭う可能性があります。
万が一遅い時間に1人で歩くことになった場合はタクシーを使うのが安全です。
ただし白タクシーには乗らないようにしてください。ぼったくられることが多いようです。
おすすめのアプリはBolt・Uber・eCabsの3つ。渡航する前にあらかじめダウンロードし、利用方法を確認しておくことをおすすめします。
また違法薬物の売買が行われているエリアや、薬物使用者による暴行事件が起きるエリアもあるので注意が必要です。
マルタで注意すべきエリア
マルタ滞在中に特に注意すべきエリアをご紹介します。危険な街や地域を把握しておくことで被害に遭う確率を下げることができるでしょう。
Paceville(パーチャビル)
Paceville(パーチャビル)は、ナイトクラブやバーが多数集まる繁華街で、夜は多くの若者やお酒好きの大人たちが繰り出す地域でもあります。
特にお酒が好きな人は夜の時間も楽しめるスポットですが、違法薬物関連の傷害事件や観光客を狙ったスリが報告されているため十分に注意してください。
仮にお酒を飲みすぎて酔ってしまえば、狙われる危険度はさらに上がります。
また留学でマルタに滞在している人は、語学学校などでできた友達とパーチャビルに飲みに行くこともあるかもしれません。
ただし、友達だからといって危険な誘いを感じたときや不安が勝って乗り気にならないときは、はっきり断る勇気を持ちましょう。
まだ関係の浅い友達の誘いに乗って危険な目に遭ってしまっては、せっかくの楽しい留学生活が台無しになります。
加えて自分の身を守るためにも、1人や少人数では夜に出歩かないことや、お酒を飲みすぎないなどの自己管理も必要です。
外務省によるマルタの安全対策基礎データでも、犯罪率が高いとして注意喚起されている地区です。
Albert Town(アルバートタウン)
工業地域であるAlbert Town(アルバートタウン)。観光地区ではないので行く機会はほぼないかもしれませんが、念のため名前を覚えておきましょう。
当該エリアではスリやひったくりにも注意が必要ですが、夜になると売春やドラッグの売買取引が行われるようで、大変治安の悪いエリアとされています。
アルバートタウンには昼夜問わず、なるべく行かないようにするのが良いでしょう。
Marsaxlokk(マルサシュロック)
Marsaxlokk(マルサシュロック)は、日曜の朝市(サンデーマーケット)が有名で、魚介類・野菜・衣料品・お土産など様々なお店が出店します。
1つの観光ポイントとしても楽しめるスポットですが、知名度があるイベントで混雑するのでスリ被害に遭いやすいとのこと。
移動中にバッグを開けられて貴重品を抜き取られても、気づかないことがあるので、必ずバッグは前で背負うなど細心の注意を払ってください。
また夜になると一気に人気がなくなるため、安全ではありません。
マルタで注意すべき犯罪・トラブル
マルタ滞在中に特に注意しておくべき犯罪やトラブルをまとめます。
スリ・ひったくり・置き引き
マルタは観光客も多く集まる国という特徴から、窃盗犯罪の発生率が最も高いです。
現状、日本では飲食店などで席取りのために荷物を放置したり、隣の空いている椅子に荷物を置いて目を離しても盗まれるリスクは低いという認識の方が多いかもしれません。
しかしマルタでうっかり日本にいるときと同じ荷物管理の意識でいると大変危険です。
人が混み合う観光スポットやバス、ナイトスポットでは気づかないうちに貴重品を盗まれたという例が多くあります。
さらには観光地で写真撮影中に窃盗に遭う事例もありました。
その他マルタの魅力の1つ、美しい海を楽しめるビーチでの置き引きにも注意が必要です。
ぼったくり
マルタで走っている無認可の白タクシーを利用すると、通常の値段より数倍も高い請求をされるケースが多くあるようです。
現地の事情をよく知らない外国人などに「他のタクシーより安くできるよ」などと巧みな言葉で騙したり、わざと遠回りをする運転手も存在します。
白タクシーには乗らないようにしましょう。
夜の街でのトラブル
どこの国でも夜の繫華街はトラブルが増えるものです。特にマルタのパーチャビルは酔っ払いや薬物使用者による暴行事件などが多い地域なので注意してください。
つい最近のニュースでもパーチャビルで、10代を含む若い5人の男女の集団が21歳の女性に暴行を加えた事件が発生しました。
ナイトクラブ周辺や酔っ払いが増える遅い時間は危険度が高まります。
マルタで身を守るための対策
マルタ旅行や留学中、犯罪に遭う確率を最小限に抑えるためには、自身でできる防犯対策を行うことが大切です。
いくつか身を守るための対策をご紹介します。
貴重品の安全対策
大きなバッグを持つのは避け、体の前で抱えることができる仕様のバッグを選びましょう。そうすることで、手を伸ばされたとしても気づくことができます。
また財布やスマートフォンをポケットに入れることは絶対にしないでください。
スマホはストラップで首から下げておくのが最も安全です。常にストラップで繋がっていれば、ふとした隙に盗まれることもありません。
観光地や公共交通機関、ナイトクラブなど人が密集する場所では気づかないうちにスリに遭う確率が上がります。
加えて多額のお金を財布に入れない、使わないクレジットカードや貴重品は服の下に隠し、鍵のかかったスーツケースなどに入れて持ち歩かないなどの対策も必要です。
万が一被害に遭っても、最小限に抑えることができます。
置き引き対策
マルタ滞在中にレンタカーを借りる場合もあるでしょう。車上荒らしの被害報告もあるため、車を離れる際は例え短時間であっても荷物を置いていかないようにしてください。
特に助手席や後部座席など見えるところに置いていくのは最も危険です。
またビーチで海水浴をする際は貴重品を持ち歩かないようにしましょう。飲食店などで荷物を椅子に置いて目を離すなども大変危険です。
窃盗犯は油断するタイミングをチェックして狙っています。
タクシーのぼったくり対策
よく知らない土地での滞在中は、観光の移動手段もしくは夜遅くの帰宅手段としてタクシーを使う機会もあるでしょう。
しかし、違法な過剰請求や遠回りで余計な料金を上乗せされる可能性があります。すでにお伝えした白タクシーは、ぼったくり事例が多いので使わないということを忘れないでください。
タクシーを使う際は、正規会社やアプリを使って予約しましょう。おすすめの配車アプリはBolt・Uber・eCabsの3つです。
また事前に目的地までのルートや料金の確認をしておくとさらに安心でしょう。
危険とされている場所や時間への警戒
例えばすでに注意すべきエリアでお伝えしたAlbert Town(アルバートタウン)は行かないことが最善策です。
またナイトライフが盛んなPaceville(パーチャビル)では、1人もしくは少人数で夜出歩かないようにしましょう。
加えて危険とされるエリア以外でも、人通りの少ない路地裏や死角の多い道を避けたり、夜間のひとり歩きをしないなどの意識が大切です。
海外旅行保険や留学保険に加入しておく
どんなに注意を払っていても、タイミングや運が悪ければトラブルに巻き込まれる可能性はゼロではありません。
万が一のためにも、必ず海外旅行保険や留学保険に入っておきましょう。
保険に加入していなければ、盗難・病気・ケガなどのカバーができず多額の損失や支払いを被る可能性もあるのです。
マルタは窃盗犯罪が最も多いので、仮にスリなどに遭ってしまっても被害額を補償してもらえます。
緊急連絡先の把握
予期せぬトラブルに遭ってしまったときのことを考えて、緊急連絡先を把握しておきましょう。
マルタでは警察・消防・救急の呼び出しは一括で「112」です。電話が繋がったらどの機関が必要かを伝え、状況説明や自分のいる場所などを伝えてください。
またその他パスポートの盗難・紛失など緊急事態が起きた場合は、在マルタ日本国大使館に相談することもできます。
以下、在マルタ日本国大使館の情報。
住所:35-37 Tigne Place,Tigne Street,Sliema SLM,The Republic of Malta
電話:(+356) 27-324-491
メール:embassy@ve.mofa.go.jp
交通事故への注意
マルタの土地は小さいので、道が狭く入り組んでいるところが多く、交通事故のニュースも頻繁なようです。
歩道が充分に整備されていない場所がある上、交通ルールを無視する運転手も多く見受けられます。
スマホを見ながらや音楽を聴きながら歩いていると交通事故に遭ってしまう確率が上がるので、常に細心の注意を心掛けましょう。
まとめ
マルタはデータベースからも比較的治安の良い国とされています。
凶悪犯罪は少ないようですが、窃盗犯罪は日本よりも多い傾向です。日本にいるときのような感覚では危険でしょう。
その他、危険とされているエリアや注意すべき時間帯などもあります。
自分でできる安全対策など渡航前に情報収集をして、マルタでの時間を楽しみましょう。