
LINEは、日本国内で広く利用されているメッセージングアプリですが、海外でも利用できるのか気になる人も多いと思います。海外旅行や留学、出張などの時にLINE通話やメッセージ機能を利用できれば、家族や友達とのコミュニケーションがスムーズになります。
ただし、海外ではLINEの利用環境が日本とは異なり、インターネット接続の方法や利用可能な国が異なるため、事前に適切な対策を知っておくことが重要です。
また、LINEを利用するつもりが、間違えてスマホの国際電話を使ってしまうと高額な料金を請求されることもあるため、正しい設定と使用方法を理解しておくことが不可欠です。
今回は、日本と海外とのLINEやり取り、または海外に滞在している人同士でLINEを利用する際の方法や料金、通話時の注意点について詳しく解説します。また、セキュリティ面やLINE以外の連絡手段についても紹介し、安全かつ効率的にコミュニケーションを取るためのポイントをお伝えします。
- 海外の友達とLINEは利用できるのか
- 海外でLINEを利用する際のデータ通信方法と料金
- 海外の友達とLINE通話をする際の注意点4つ
- 海外でのLINE利用におけるセキュリティとプライバシー
- 海外の友達と連絡できるLINE以外のアプリと料金比較
- まとめ
海外の友達とLINEは利用できるのか
LINEは、日本国内だけでなく、海外でもインターネットに接続できる環境さえあれば利用可能です。Wi-Fi環境やモバイルデータ通信が確保できる限り、友達とのメッセージの送信・受信はもちろん、音声・ビデオ通話も快適に利用できます。
しかし、Wi-Fiなしの環境で海外ローミングを利用する場合は、通信料金が予想以上に高額になる可能性があります。特に、友達との長時間の通話やデータ通信を行う場合は、莫大な通信費が発生するリスクがあるため、注意が必要です。
これを回避するために、現地のWi-FiレンタルやフリーWi-Fiを活用したり、SIMカードを事前に準備したりすることで、通信コストを大幅に削減できます。
ただし、国や地域によっては、LINEの利用自体が制限されている場合があります。具体的には、以下のようなケースが報告されています。
・アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアでは、政府の規制により、LINE通話を含むVoIP通話機能が制限されており、利用できないまたは不安定になる場合があります。現地で合法的に通話するには、BOTIMやGoChatなど政府が許可したアプリの利用が必要です。VPNでの回避は可能な場合もありますが、現地の法律に触れるリスクがあるため注意が必要です。
・ヨーロッパ、北米、東南アジアの多くの国では、特に制限なくLINEを利用できるため、日本と同じような感覚でメッセージやLINE電話が可能です。
このように、国や地域によってLINEの利用可否や機能の制限が異なるため、渡航前に必ず最新の情報をチェックし、必要に応じてVPNや代替手段を準備しておくことが重要です。
海外でLINEを利用する際のデータ通信方法と料金
海外でLINEを利用するためのデータ通信手段として、以下の3つの方法があります。
2.現地SIMカードを利用する
3.海外ローミングを利用する
それぞれの利用方法について、見ていきましょう。
Wi-Fiを利用する場合
【フリーWi-Fi】
カフェ、空港、ホテルなどの公共Wi-Fiを利用すれば無料で通信が可能です。ただし、第三者に通信が盗聴される危険性が高いというセキュリティの問題があります。
【Wi-Fiレンタル】
ポケットWi-Fiをレンタルし、定額のデータ通信を確保できます。料金の目安は1日500〜1,500円程度です。
現地SIMカードを利用する場合
現地のプリペイドSIMカードやeSIMを購入してスマホに設定すれば、データ通信が利用できます。料金の目安は1GBあたり500〜1,500円程度ですが、時期や購入窓口によって変動するため、出発前に最新情報を確認しましょう。
例えば、アメリカのT-Mobileでは、プリペイドeSIMサービスで月額$50前後のデータ無制限プランが提供されています。ヨーロッパのOrange Holiday Europeでは、30GB/30日のプリペイドSIM・eSIMが販売されており、価格は€29.99〜€39.99前後と幅があります。
データ通信専用タイプのほか、固定電話や携帯電話への通話やSMSも可能な「データ通信+音声通話」タイプもあります。SIMカードやeSIMは現地到着後にも購入できますが、日本で事前に準備しておくと安心です。
海外ローミングを利用する場合
国内キャリアの国際ローミングを利用することで、SIMの入れ替え不要でそのまま通信が可能です。ただし、通話料金やデータ利用量が高額になることがあるため、事前に料金プランをしっかり確認しましょう。
日本の大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)では、海外ローミングで1日あたり1,000円程度の定額プランを提供しています。事前に契約手続きをしておく場合は、滞在期間に合わせて利用日数や時間を指定して申し込みます。海外滞在中でも日本からのSMSを受信したい場合は、海外ローミングの利用がおすすめです。
各方法にはメリット・デメリットがあるため、自分の利用スタイルに合ったものを選びましょう。
海外の友達とLINE通話をする際の注意点4つ
海外でも便利に利用できるLINEアプリですが、LINE通話を海外で利用する際の注意点が4つあります。
インターネット接続環境を確認する
通信速度が遅いと、音声が途切れたり、ラグが発生したりすることがあります。Wi-Fi環境やモバイルデータの通信状況を事前にチェックし、安定した接続を確保しましょう。VPNサービスを利用することで、セキュリティを確保しつつ通信の安定性を向上させることができます。
国際電話と間違えないようにする
LINE通話はインターネット回線を利用します。海外の友達とLINE電話する際は、通常の国際電話と混同しないよう注意しましょう。間違えて携帯の電話番号で発信すると、国際電話の高額請求が発生する可能性があります。
海外から発信する際は、スマートフォンの電話アプリからではなく、必ずLINEアプリの通話ボタンを使って発信しましょう。誤って電話アプリ経由で国際電話を発信すると高額請求の原因になります。端末設定で国際発信を制限する方法も有効です。
データ通信量に注意する
ビデオ通話は特にデータ消費が激しいため、データ通信の使用量を定期的に確認すると安心です。必要に応じてVPNアプリを活用し、セキュリティを強化しましょう。Wi-Fiありの環境でのみビデオ通話を行うことで、モバイルデータの使用を最小限に抑えることができます。
バックアッププランを準備する
万が一、LINE通話が利用できない場合に備えて、やり取りしたい相手と共通の他のメッセージングアプリ(WhatsApp、Messengerなど)を事前にインストールしておくと安心です。
各アプリの利用方法は少しずつ違いがあるため、初めて利用するアプリは時間のあるときに友達追加をしておき、送受信・返信などの操作を試しておくことをおすすめします。
海外でのLINE利用におけるセキュリティとプライバシー
海外でLINEを利用する際は、日本国内と比べてセキュリティリスクが高まるため、慎重な対策が必要です。特に注意したいのが、以下のような問題です。
・詐欺・フィッシング被害
・アカウントの乗っ取りリスク
ここでは、それぞれのリスクと、リスク回避のための具体的な対策を詳しくご説明します。
公衆Wi-Fiの危険性
海外では、カフェやホテル、空港などで無料のフリーWi-Fiを利用できることが多いですが、これらのWi-Fiは暗号化されていないケースが多く、通信内容が盗み見されるリスクがあります。
また、ハッカーが偽のWi-Fiアクセスポイントを設置し、ユーザーの個人情報を盗む「Wi-Fiスニッフィング攻撃」も発生することがあります。
1.重要な情報(クレジットカード情報、パスワードなど)をフリーWi-Fi環境では入力しない。
2.VPNサービスを利用すれば、通信を暗号化する。
3.信頼できるWi-Fiスポットのみを利用し、提供元が不明なWi-Fiには接続しない。
4.モバイルデータ通信やポケットWi-Fiを利用することで、安全なインターネット環境を確保する。
詐欺・フィッシング被害
海外では、LINEを通じた詐欺メッセージやフィッシング詐欺が増加しています。例えば、「LINEのセキュリティ強化のため、こちらのリンクからログインしてください」と記載されているようなメッセージが送られてきて、不正なサイトに誘導されるケースが報告されています。リンクをクリックし、IDやパスワードを入力してしまうと、アカウントが乗っ取られ、金銭的被害につながることもあります。
1.公式LINEアカウント以外からのメッセージには注意し、URLをクリックしない。
2.LINEの公式サイト以外でログイン情報を入力しない。
3.LINEアプリの「Letter Sealing」機能を確認し、暗号化通信を利用する。
4.友達から不審なメッセージが届いた場合、本人に直接確認してから対応する。
アカウントの乗っ取りリスク
海外では、LINEアカウントの乗っ取り被害も増加しています。乗っ取られたアカウントは、友達に不審なメッセージを送ったり、不正な決済に利用されたりすることがあります。
1.2段階認証を有効にする。
2.LINEアプリの設定画面にある「アカウント」をタップ →「ログイン許可」をオフにする。
・「2段階認証」を有効にし、本人確認が必要な状態にする。
・定期的にパスワードを変更する。
3.LINEに登録しているメールアドレスと電話番号を最新のものにしておく。
4.他の端末でログインされた形跡がないか、LINEの「ログイン履歴」を定期的に確認する。
海外の友達と連絡できるLINE以外のアプリと料金比較
LINE以外にも、海外で利用できるメッセージングアプリや通話サービスがあります。それぞれのアプリには特色があり、使用する場面や用途に応じて適したサービスを選ぶことが重要です。
代表的なメッセージ・通話アプリの比較
| サービス | 特徴 | 料金 | 主要な利用シーン |
| 世界的に普及、電話番号ベース | 無料(データ通信必要) | 海外の友人友達やビジネス相手との連絡に最適 | |
| Facebook Messenger | Facebookアカウント連携、テキスト・通話・ビデオ機能 | 無料(データ通信必要) | Facebookを利用している人向け |
| Viber | 国際電話・ビデオ通話、暗号化通信 | 一部有料 | プライバシー保護を重視する人向け |
| 中国での利用に最適、決済機能付き | 無料(データ通信必要) | 中国国内の友達との連絡に便利 |
各アプリの特徴
1.WhatsApp
世界中で利用者が多く、テキスト・音声・ビデオ通話がスムーズにできます。しかし、LINEの利用が多い日本ではそれほど普及していないため、日本国内の友達との連絡には不向きです。海外の友達やビジネスパートナーとの日常的な連絡におすすめです。
2.Facebook Messenger
Facebook Messengerは、Facebookアカウントがあれば追加の登録不要で利用できます。Facebookユーザー同士であれば、カジュアルに連絡を取ることができます。
3.Viber
通信が暗号化されており、プライバシーが強化されているので、プライバシーを重視する人や、セキュリティの高い通話を必要とする場合におすすめです。しかし、利用者が限定的で、日本ではあまり普及していません。
4.WeChat
中国で圧倒的なシェアを誇り、テキスト・通話・決済機能まで利用可能なアプリです。中国国内での利用が中心のため、中国国内の友人やビジネス関係者との連絡に向いています。
そのほかにも、韓国ではカカオトーク(KakaoTalk)、ベトナムではザロ(Zalo)が日本のLINEと同じようにメッセージアプリとして広く普及しています。国によって多く利用されているアプリに違いがあるので、連絡したい相手と利用しやすいアプリをチェックしてみてください。
アプリを選ぶ際のポイント
無料で利用できるアプリが多いですが、使う機能によっては有料となる場合もあります。そのため、無料通話ができるアプリをメインとして利用しながら、有料サービスの部分をよく理解したうえで必要に応じて使い分けるのが賢い選択です。通信環境やセキュリティ面も考慮して、自分に合ったアプリを選びましょう。
まとめ
自分が日本にいて海外の人とLINEをしたい場合や、海外滞在中に外国人の方や日本の友達と連絡したい場合など、LINEは問題なく利用可能ですが、通信方法や料金に注意する必要があります。
WiFiレンタルのご利用や、渡航先の現地SIMカードやeSIMなどを活用することで、コストを抑えながら快適にメッセージのやり取りやライン電話ができます。
また、海外の人とラインでやり取りするつもりで、高額の料金がかかるスマホの電話回線からの国際電話をかけてしまうことがないよう気をつけるとともに、海外ではVPNサービスを活用することでセキュリティを確保しましょう。
さらに、LINE以外のアプリも選択肢に入れ、状況に応じて使い分けることが重要です。安全で快適な海外でのLINE利用を心掛け、スムーズなコミュニケーションを楽しんでください。
◇経歴
2019年03月
名古屋大学法学部法律政治学科卒業
2017年01月~ 2017年04月
スコットランド エジンバラ大学に留学
2021年04月〜現在
株式会社ニトリ、Web ライターを経て、2021年4月よりサイエンスコミュニケーターとして活動。
◇資格
TOEIC820点
◇留学経験
2017年01月~ 2017年04月
スコットランド エジンバラ大学に留学
◇海外渡航経験
年3~4回 海外出張(ヨーロッパ各国、韓国、オーストラリアなど)
現地での広報活動(学会・セミナー等)
プライベートでは友人と東南アジアにいくのがマイブーム。
◇自己紹介
昔から色々な文化や芸術に触れることが好きで、暮らしながら旅する生活に憧れていました。
仕事で英語を使うようになってから、コミュニケーションツールとして英語学習を楽しんでいます。
観光で海外に行く際は、ヨガやシュノーケリングなど、自然を感じられるアクティビティが好きです。これまでで好きな旅先は、アムステルダムとトレドです。