「日本人の英語力は世界ランキングで何位?」
「なぜ日本人の英語力はなかなか上がらない?」
本記事では調査データをもとに理由を探ります。また、スキルを向上させる具体的な方法も紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。
日本人の英語力世界ランキング
全体92位・平均スコア (454)
スウェーデン発祥の語学学校「EFエデュケーションファースト」の調査データによると、2024年版のEPI英語能力指数において、日本は国・地域別ランキングで過去最低の92位となり、「英語力が低い国・地域」最下位に位置しました。
EFエデュケーション調査の統計データ
EFエデュケーション「世界最大の英語能力指数ランキング(https://www.efjapan.co.jp/epi/)
◆EF EPI英語能力指数 ランキング ( )内は平均スコア
1位:オランダ (636)
2位:ノルウェー (610)
3位:シンガポール (609)
4位:スウェーデン (608)
5位:クロアチア (607)
6位:ポルトガル (605)
7位:デンマーク (603)
8位:ギリシャ (602)
9位:オーストリア (600)
10位:ドイツ (598)
◆EF EPI英語能力指数 ランキング【アジア】
1位:シンガポール (609)
2位:フィリピン (570)
3位:マレーシア(566)
4位:香港特別行政区 (549)
5位:韓国 (523)
6位:ネパール (512)
7位:バングラディッシュ (500)
8位:ベトナム (498)
9位:パキスタン (493)
10位:インド (490)
平均スコアが低下した国・地域の割合
調査によると、世界的に英語力の低下が見られ、前年より平均スコアが低下した国・地域は全体の60%にのぼったということです。
観光客が訪れる中で、英語力の向上が求められていますが、実際のところ、日本は英語力ランキングで92位と低迷しています。特にビジネスや観光の場面で英語を使用する機会が増えているため、英語力の向上はますます重要視されています。
英語能力指数(EPI)によると、日本は「低い英語力」のカテゴリーに属し、他のアジア諸国と比較してもその順位は厳しいものがあります。これは、日本の教育システムにおける英語教育の方法や、文化的な要因が影響していると考えられます。例えば、日本では受験を意識した文法中心の教育が行われており、実際のコミュニケーション能力の向上にはつながりにくいと指摘されています。
しかし、日本の若者の中には、オンライン英会話や留学を通じて積極的に英語力を高めようとする動きも見られます。こうした個々の努力が、将来的に日本全体の英語力向上に寄与することが期待されています。今後、日本がグローバルな舞台でより活躍するためには、制度的な改革と個人の意識改革が求められるでしょう。
なぜ日本人の英語力はなかなか上がらないのか
英語と日本語の言語距離
英語と日本語の間には、言語学的に「言語距離」と呼ばれる大きな隔たりがあることが統計で示されています。言語距離とは、異なる言語間での構造的な違いを指し、これが日本人が英語習得に苦労する原因の一つとなっています。
まず、英語はインド・ヨーロッパ語族に属し、日本語は孤立した言語であるとされるため、文法、発音、語彙など多くの面で異なることが報道されています。例えば、英語は主語-動詞-目的語(SVO)の語順を持ちますが、日本語は主語-目的語-動詞(SOV)の順序であると論文に記されています。この違いは、日本語を母語とする人々が英語の文構造を理解するのを難しくする原因となります。
さらに、発音の面でも、英語には日本語に存在しない音が多く含まれていることが調査で明らかになっています。特に、英語の子音クラスタ(例えば、「str」や「spl」など)は日本語にはない音の組み合わせであり、これがリスニングや発音の際の障壁となる原因です。
また、英語は音節にストレスを置くリズムを持つのに対し、日本語は音節が均等に発音されるモーラリズムを持つため、英語のリズムを自然に感じることが難しい理由となっています。
語彙の面でも、英語と日本語の間には借用語や共通の語源を持つ単語が少ないことが、語彙習得のハードルを高くする原因となっています。
言語距離は学習のモチベーションや方法に影響を与えるため、これを理解することは英語学習の戦略を考える上で重要です。これらの違いを超えて、効果的な学習方法を見つけることが、日本人が英語力を向上させる鍵となるでしょう。
効果的ではない教育を受けてきたから
日本の英語教育が効果的でないとされる背景には、いくつかの原因があります。まず、学校での英語教育は文法や読解に重点が置かれ、コミュニケーション能力の育成が後退しがちです。このため、学生は試験対策としての英語学習に偏り、実際の会話での活用能力が低いことが多いのです。
また、授業においては受動的な学習法が主流であり、生徒が自発的に英語を使う機会が限られています。さらに、教師自身の英語運用能力が十分でないことも、質の高い指導を阻む原因となっています。教科書やカリキュラムも実際の生活やビジネスシーンで使われる英語とは乖離しており、実用性に欠ける内容が多く含まれています。
こうした教育システムの問題点が積み重なり、日本人が英語を効果的に習得する機会を低下させています。これを改善するには、教育のアプローチを見直し、実践的な英語力を上げるプログラムを導入することが求められます。特に、異文化コミュニケーションを重視した授業や、実際に英語を使う場面を多く経験できる環境を整えることが必要です。
日本人の英語力を上げるには?その方法
スピーキングの練習をする
日本人の英語力向上のために、スピーキングの練習を強化することが不可欠です。スピーキング能力は、実際のコミュニケーションにおいて最も重要なスキルの一つであり、これが不足していると、他の英語スキルがあっても十分に力を発揮できません。
スピーキングを向上させるためには、まず日常生活の中で英語を話す機会を増やすことが求められます。例えば、英会話教室やオンライン英会話プラットフォームを利用して、ネイティブスピーカーや他の学習者と積極的に会話を行うことが効果的です。
また、自己学習として、シャドーイングや音読を取り入れることも有効です。これによって、発音やイントネーションを自然に身に付けることができます。さらに、実際に英語で考える習慣をつけることも重要です。例えば、日常の出来事を英語で日記に書くなど、常に英語に触れる環境を作ることがスピーキング力向上につながります。
完璧を求めない
英語を学ぶ上で、完璧を求めすぎることが日本人の英語力向上を阻む一因となることがあります。多くの学習者が英語を話す際に文法や発音のミスを恐れ、恥ずかしさから発言を控えてしまう傾向があります。しかし、言語習得において最も重要なのは、間違いを恐れずに実際に使うことです。
実際、母語話者でさえ、日常会話の中で文法的なミスをすることは珍しくありません。学習者は、自己評価を厳しくしすぎず、まずはコミュニケーションを取ることを優先する姿勢を持つことが重要です。
また、完璧主義は学習のモチベーションを低下させる要因ともなります。途中で挫折しないためには、小さな成功経験を積み重ね、自己肯定感を高めることが重要です。例えば、短い会話や簡単なメールのやり取りなど、日常的に英語を使う機会を設けることが効果的です。失敗を恐れず、楽しみながら学ぶことが、長期的な英語力向上につながります。
周りの目を気にしない
英語を学ぶ上で、多くの日本人が直面する課題の一つが「周りの目」です。特にスピーキングの練習をする際、多くの人が他人にどう思われるかを気にしすぎるあまり、積極的に話すことを避けてしまいます。しかし、この心理的な障壁を取り除くことは、英語力向上において非常に重要です。
まず、他人の視線を気にせずに英語を話すためには、自分自身の学びの目的を再確認することが大切です。英語を使って何を達成したいのかを明確にし、その目標に向かって一歩一歩進むことで、外部の評価に対する不安を軽減できます。他人も同じように学んでいる仲間であり、あなたの成長を応援してくれる存在であることを理解することも重要です。
また、英語学習を楽しむことも、他人の目を気にしないための良い方法です。英語で映画を見たり、音楽を聴いたりすることで、言語に対する親しみが増し、自然と話すことに対する抵抗感が薄れていくでしょう。楽しむことを通じて、他の人の評価ではなく、自分自身の成長にフォーカスすることができるようになります。
自己表現力を磨く
英語力向上のためには、単に語彙や文法を習得するだけでなく、自己表現力を磨くことが不可欠です。自己表現力があると、言葉を通じて自分の考えや感情を効果的に伝えることができ、コミュニケーションが円滑になります。
まず、自分の意見を持つことが重要です。日常生活での出来事やニュースに対して自分の考えを述べる練習を続けることで、英語での表現力が向上します。
また、異なる文化や背景を持つ人々と頻繁にコミュニケーションを取ることで、多様な視点を理解し、より深い対話ができるようになります。
さらに、表現力を高めるためには、英語での読み書きも欠かせません。読書を通じて新たな表現方法を学び、自分の言葉の引き出しを増やすことができ、ライティングスキルを磨くことで、論理的に自分の考えを組み立てる力が養われます。これにより、話す際にも自信を持って意見を述べられるようになるでしょう。
まとめ
日本人が英語力を上げるうえで大切なことは、英語を単なる科目として捉えるのではなく、日常生活や仕事で役立つスキルとして習得することです。今回ご紹介した方法を実践することで、日本人の英語力は確実に向上し、国際社会での競争力も高まるでしょう。

◇経歴
ニュージーランド留学で使用(学校・ゴルフ)
◇資格
なし
◇留学経験
ニュージーランドのクライストチャーチ、2年、Seafield School
◇海外渡航経験
旅行で、インドネシア、タイ、カナダ(オーロラ鑑賞)、イタリア・フランス(新婚旅行)
◇自己紹介
自身の経験を活かすことができるWebライターをしています。正確かつ為になる情報を発信していきます。
Pentabi『https://pentabi.jp/』