シカゴ・オヘア国際空港(Chicago O'Hare International Airport : ORD)は、観光やビジネスでシカゴを訪れる際に欠かせない玄関口であり、世界中の航空ネットワークにとっても非常に重要な拠点となっています。世界で最も混雑する空港の1つであり、ターミナルも多数あります。さらに、レストランやラウンジなども数多く、設備も充実しているのが特徴です。
その規模と複雑さから「乗り継ぎはスムーズにできる?」「おすすめのラウンジは?」「市内へのアクセス方法は?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。この記事では、シカゴ・オヘア国際空港の基本情報から、気になる国際線・国内線の乗り継ぎ方法、利用価値の高い航空会社ラウンジ、人気のお土産、そしてダウンタウンへのアクセス方法まで、旅行前に知っておきたい情報を徹底解説します。
- シカゴ・オヘア国際空港(ORD)とは?知っておきたい基本情報
- 【ターミナル別】シカゴ・オヘア国際空港に就航している航空会社
- シカゴ・オヘア空港での乗り継ぎ完全ガイド:国際線から国内線、国内線同士も解説
- シカゴ空港限定も!人気おすすめお土産
シカゴ・オヘア国際空港(ORD)とは?知っておきたい基本情報
アメリカ合衆国イリノイ州シカゴに位置する主要な国際空港です。空港は市の中心部から約25km北西にあり、ダウンタウンからのアクセスも良好です。
現在4つの旅客ターミナル(ターミナル1、ターミナル2、ターミナル3、ターミナル5)を有しており、各ターミナルは無人鉄道(Airport Transit System : ATS)で結ばれています。
空港の敷地面積は、3087ヘクタールで、標高は204メートルです。運営はシカゴ市航空局が行っており、所有はシカゴ市となります。
空港名「O'Hare」は、第二次世界大戦時、アメリカ海軍のパイロットとして優れた功績を残した英雄エドワード・O・ヘア中尉にちなんで命名されました。
空港全体で自動化技術が導入されており、セルフチェックイン機や自動化された手荷物ドロップオフ機を利用することができます。高速な無料Wi-Fiやオヘア空港専用のアプリなども利用することができるため、イノベーションの進んだ、利便性の高い空港となっています。
【ターミナル別】シカゴ・オヘア国際空港に就航している航空会社
シカゴ・オヘア国際空港に就航している主な航空会社をターミナル別にご紹介します。利用する航空会社がどのターミナルか事前に確認しておきましょう。
ターミナル1
全日本空輸(All Nippon Airways: ANA)
ルフトハンザ航空(Lufthansa Airlines: DLH)
ユナイテッド航空(United Airlines: UAL)
ターミナル2
エア カナダ(Air Canada: ACA)
アラスカ航空(Alaska Airlines: ASA)
ジェットブルー(JetBlue Airways: JBU)
サザン エアウェイズ エクスプレス(Southern Airways Express: FDY)
ターミナル3
エアリンガス(Aer Lingus: EIN)
アメリカン航空(American Airlines: AAL)
ブリティッシュ エアウェイズ(British Airways: BAW)
ケープ エア(Cape Air: KAP)
コンツアー航空(Contour Airlines: VTE)
デンバー エア コネクション/キー ライム エア(Denver Air Connection/Key Lime Air: LYM)
イベリア航空(Iberia: IBE)
日本航空(Japan Airlines: JAL)
スピリット航空(Spirit Airlines: NKS)
ターミナル5
フィンエアー(Finnair: FIN)
キャセイパシフィック航空(Cathay Pacific Airways: CPA)
カタール航空(Qatar Airways: QTR)
ロイヤル・ヨルダン航空(Royal Jordanian: RJA)
その他多数の国際線航空会社
※上記は主な航空会社です。最新の情報や詳細なリストは空港の公式サイトでご確認ください。
シカゴ・オヘア空港での乗り継ぎ完全ガイド:国際線から国内線、国内線同士も解説
世界屈指のハブ空港であるシカゴ・オヘア国際空港(ORD)での乗り継ぎは、特に初めての方には不安がつきものです。ここでは、国際線から国内線、あるいは国内線同士の一般的な乗り継ぎ手順を詳しく解説します。
入国審査(国際線で到着の場合)
国際線でシカゴ・オヘア空港に到着した場合、最初のステップは入国審査です。日本のパスポートをお持ちの方は、ESTA(電子渡航認証システム)の事前取得が必須です。
審査官にパスポートと必要書類を提示し、質問に答えます。入国審査が無事完了したら、手荷物受取所(バゲージクレーム)へ進みます。
税関手続き(国際線で到着の場合)
手荷物を受け取った後、税関を通過します。申告が必要な物品がある場合は、税関申告書に正確に記入し、係官に提出してください。特に持ち込みが制限・禁止されているものには注意が必要です。
税関を通過した後、乗り継ぎ便に向かうための手続きに進みます。
手荷物の再預け(必要な場合)
国際線から国内線へ乗り継ぐ場合、または異なる航空会社へ乗り継ぐ際、一度ピックアップした手荷物を再度預ける必要があります。 (※一部、最終目的地までスルーバゲージとなる場合もありますが、原則として国際線到着時は再預けが必要です。)
税関出口付近に主要航空会社(ユナイテッド航空、アメリカン航空など)の乗り継ぎ手荷物カウンターが設置されています。ここで次のフライトの搭乗券を提示し、手荷物を預け直しましょう。
ターミナル間の移動
シカゴ・オヘア国際空港は複数のターミナルがあります。国際線は通常ターミナル5に到着し、国内線に乗り継ぐ場合は、空港内のシャトルバスやモノレールを利用し、ターミナル1またはターミナル3に移動する必要があります。
ターミナル間の移動には、ATS (Airport Transit System) という無料の無人鉄道を利用するのが一般的です。ATSは24時間運行しており、各ターミナル間を効率的に結んでいます。
ATSが工事などで運休している場合は、代替のシャトルバスが運行されます。 シャトルバスはターミナル5からターミナル1、2、3の順に運行され、所要時間は交通状況により10分から20分程度です。出発ターミナルを確認し、時間に余裕を持って移動しましょう。
セキュリティチェック
ターミナルに到着したら、再度セキュリティチェックを受ける必要があります。手荷物をスキャンし、必要に応じてボディチェックを受けます。セキュリティチェックを通過した後、搭乗ゲートに向かいます。
搭乗
搭乗ゲートに到着したら、搭乗開始を待ちます。搭乗券に記載されたゲート番号を確認し、時間通りに搭乗手続きを行ってください。
乗り継ぎの注意点
シカゴ・オヘア国際空港での乗り継ぎには4時間程の余裕を持つことが推奨されます。特に混雑時や、ターミナル間の移動が必要な場合は、さらに余裕を持つことが望ましいです。
ターミナル間の移動について、オヘア国際空港では、空港モノレール(ATS)を利用することが一般的ですが、工事などの理由で運休している場合は、シャトルバスが運行されています。シャトルバスは、ターミナル5から1、2、3の順に運行され、所要時間は約10分から20分です。
乗り継ぎの際には、手荷物のタグが最終目的地になっていても、必ず一度手荷物を受け取る必要があるので注意しましょう。
シカゴ空港限定も!人気おすすめお土産
オヘア国際空港では、人気のお土産がいくつかあります。以下におすすめのお土産を紹介していきます。
ギャレット・ポップコーン(Garrett Popcorn)
「ギャレット・ポップコーン」は、シカゴを代表するポップコーンブランドで、空港内で購入することができます。「キャラメルクリスプ」と「チーズコーン」を組み合わせた「シカゴ ミックス」が世界中で人気No.1のフレーバーとなっています。手軽に持ち帰れるためお土産に最適です。
ナッツ・オン・クラーク(Nuts on Clark)
ナッツ・オン・クラークは、ギャレット・ポップコーンと並ぶ人気のショップです。ナッツ・オン・クラークのキャラメルポップコーンは甘みが強調されている一方で、ガレットのものはビターな味わいが特徴となっています。他にも様々なフレーバーのナッツやスナックが揃っています。さらに日本未進出のお店です。
ロッキー・マウンテン・チョコレート・ファクトリー(Rocky Mountain Chocolate Factory)
ロッキー・マウンテン・チョコレート・ファクトリーは、アメリカ国内外に多くの店舗を展開しているチョコレートメーカーです。シカゴ・オヘア空港内でも人気があります。高品質なチョコレートが揃っており、ギフトにぴったりです。
ヴォージュ・オー・ショコラ(Vosges Haut-Chocolat)
ヴォージュ・オー・ショコラは、1998年にシカゴで創業された高級チョコレートブランドで、世界中のスパイスや食材を取り入れたユニークなフレーバーのチョコレートを提供することで知られています。個性的なフレーバーのチョコレートは、お土産として非常に人気があります。
シカゴ・オヘア空港の主要航空会社ラウンジ情報まとめ
長時間のフライトや乗り継ぎの待ち時間に、快適に過ごせる航空会社ラウンジ。シカゴ・オヘア国際空港にある主要なラウンジをご紹介します。
利用条件は航空会社や搭乗クラス、マイレージステータスによって異なりますので、事前に公式サイトで確認しましょう。
ユナイテッド・ポラリスラウンジ(United Polaris Lounge)
場所
ターミナル1、コンコースC、ゲートC18付近
利用条件
ユナイテッド航空のポラリス・ビジネスクラス搭乗者やスターアライアンス加盟航空会社の長距離国際線ファーストクラス搭乗者(同伴者1名可)、スターアライアンス加盟航空会社の長距離国際線ビジネスクラス搭乗者(同伴者不可)が利用できます。
サービス
ラウンジ内には、シェフが用意した料理を楽しめるダイニングエリアがあり、ビュッフェスタイルの食事やアラカルトメニューが提供されます。
長時間のフライトの前後にリフレッシュできるシャワー施設やビジネスミーティングに適したスペースなどが完備されています。
ユナイテッド・クラブ(United Club)
場所
ターミナル2 、コンコースF、ゲートF9付近)
利用条件
有効なユナイテッド・クラブ会員証またはワンタイムパスを持っていること。また、同日の搭乗券が必要となります。スターアライアンス・ゴールドステータスを持つ場合は、同伴者1名を無料で連れて入室することができます
サービス
軽食としてサラダやスナックが提供されており、食事は個包装されているため、衛生面でも安心です。飲み物は、コーヒーやソフトドリンクの他、アルコールも提供されていますが、プレミアムアルコールは有料となります。
アメリカン航空・アドミラルズクラブ(American Airlines Admirals Club)
場所
ターミナル3 (コンコースG ゲートG8付近、コンコースH/K ゲートH6/K6間、コンコースL ゲートL2A付近) など複数あり。
利用条件
アドミラルズクラブの会員、またはCiti / AAdvantage Executiveクレジットカードの本会員が利用可能です。アメリカン航空またはoneworld加盟航空会社のビジネスクラスまたはファーストクラスの搭乗券を持っている場合もラウンジを利用することが可能です。
サービス
無料の軽食や飲み物が提供されており、アルコール飲料も利用可能です。地元の料理を取り入れたメニューや、オーダーメニューもあり、食事の質が高いと評判です。会議室やビジネスセンターもあるため、ビジネス利用にも適しています。
アメリカン航空・フラッグシップラウンジ(American Airlines Flagship Lounge)
場所
ターミナル3、コンコースH/K、ゲートH6/K6間(アドミラルズクラブ内)
利用条件
アメリカン航空のファーストクラスまたはビジネスクラスの搭乗者が利用できます。また、AAdvantageのエリート会員や、oneworldのエリート会員も入室可能です。会員以外でも、1名あたり150ドルまたは15,000 AAdvantageマイルでシングルビジットを購入することができます。ただし、購入は21歳以上の方のみが可能となっています。
サービス
ビュッフェスタイルの食事や、高品質なアルコール飲料が豊富に揃っており、特に寿司や日本酒などの日本食も楽しむことができるのが特徴です。静かな休憩スペースや、充電用のコンセントが多数設置されているため、長時間の待機にも適しています。
【ANA・JAL利用時のラウンジアクセス】
ANAのビジネスクラスまたはファーストクラスの搭乗者やステータス保有者は、「ユナイテッド・ポラリスラウンジ(United Polaris Lounge)」または「ユナイテッド・クラブ(United Club)」を利用することができます。
JALのビジネスクラスまたはファーストクラスの搭乗者やステータス保有者は、「アメリカン航空・フラッグシップラウンジ(American Airlines Flagship Lounge)」または「アメリカン航空・アドミラルズクラブ(American Airlines Admirals Club)」を利用することができます。
利用条件は搭乗クラスや会員ステータスによって異なるため、具体的な条件を公式サイトで確認しておくとよいでしょう。
オヘア空港からシカゴ市内へのアクセス方法比較:電車・タクシー・バス
シカゴ・オヘア国際空港からシカゴ市内(ダウンタウンなど)へのアクセス方法は、予算や時間、荷物の量に応じて選べます。主な交通手段をそれぞれ解説していきます。
CTAブルーライン
最も一般的な方法は、シカゴ交通局(Chicago Transit Authority : CTA)のブルーラインを利用することです。ターミナル2から地下にあるブルーラインの駅にアクセスできます。ここから約45分で、ダウンタウンの「Clark/Lake駅」まで行くことができます。運賃は約5ドル(740円)となっています。
タクシー
タクシー乗り場は各ターミナルの外にあり、所要時間は交通状況にもよりますが、市内へは約30分から1時間程度です。料金は約30ドルから50ドル(約4,400円から7,400円)程度になります。
シャトルバス
「ゴー・エアポート・エクスプレス(GO Airport Express)」などのシャトルバスサービスも利用可能です。これらのバスは、主要なホテルや観光地へのアクセスを提供しており、料金は約25ドル(約3,700円)で、所要時間は約1時間となっています。
レンタカー
空港内には複数のレンタカー会社があり、自分のペースで市内を探索したい方には便利です。レンタカーを利用する場合、空港から市内へのアクセスは簡単ですが、駐車場の確保や交通渋滞に注意が必要です。
路線バス (Pace Bus)
市バスも利用可能ですが、CTAのブルーラインに比べると時間がかかるため、観光客にはあまり推奨されていません。運賃は安価ですが、所要時間が長くなる可能性があります。
シカゴ・オヘア国際空港(ORD)を賢く利用しよう!
シカゴ・オヘア国際空港(ORD)は、その規模の大きさから最初は戸惑うかもしれませんが、事前に情報を収集し、計画を立てておくことでスムーズに利用できます。国際線・国内線の乗り継ぎ、便利なラウンジの活用、市内へのアクセス方法など、この記事でご
紹介した情報が、あなたのシカゴ旅行や出張のお役に立てば幸いです。
オヘア空港は、世界中とシカゴを結ぶ重要なハブ空港であり、レストランやショップも充実しています。また、持続可能な空港運営にも力を入れており、環境に配慮した取り組みも進んでいます。
最新の情報は常に空港や航空会社の公式サイトで確認し、快適な空の旅をお楽しみください。

◇経歴
海外向けデバイスのソフト設計開発、関連資料翻訳
◇資格
TOEIC 900点
◇留学経験
ワーキングホリデーにてカナダ、オーストラリアに滞在経験あり
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーでは、ホテルやレストランで仕事をしていました。
◇自己紹介
普段は翻訳などの仕事をしていますが、Webライターとしても活動しています。
興味の幅が広く、様々なテーマで記事を書いています。
皆様にとってわかりやすく面白い記事を書けるよう頑張ります。
よろしくお願いいたします。