お酒好きな人がたくさんいるイメージがあるオーストラリア。1人当たりの年間ビール消費量はおよそ76Lとされています。一方、日本人は約40Lですので、オーストラリアではたくさんビールを飲む国民性だということがうかがえます。
この記事ではオーストラリアのビール事情や特徴、飲酒ルールについて詳しく解説しています。また、オーストラリアのおすすめビールの紹介もしていますので、ぜひ最後までお読みください。
オーストラリアのビール事情
オーストラリア国内のビール市場において、ビール会社のランキングは以下の通りです。
第1位 カールトン・アンド・ユナイテッド・ブルワリーズ(Carlton & United Breweries)
第2位 ライオン(Lion)
第3位 クーパーズブルワリー(Coopers Brewery)
この3社のうち上位2社には親会社が存在し、それは実は日本の飲料メーカーなのです。そのため、純粋なオーストラリアのビール会社はクーパーズブルワリー一社という状況です。これまで一度も人の手に渡ったことのないクーパーズブルワリーは、家族経営の伝統を守りながら、現在も続いています、
2000年代からクラフトビールの人気が世界的に高まり、オーストラリアにもその波は訪れました。大手のビール会社は小さなブルワリーの買収を行うなど、生き残りをかけた戦略を展開しています。
参考:オーストラリアビールガイド(オーストラリアビールの基本情報)
オーストラリアビールの特徴
オーストラリアは国土が広く、気候はエリアによって大きく違いがあります。気温が高い地域のビールは、辛口でキリッとした味わいが特徴です。その暖かい気候で育まれたホップから作られたビールはフルーティーで爽やかな風味が感じられます。
一方でメルボルンなど、比較的涼しい気候の地域では、まろやかなコクのあるエールビールが好まれます。
ビールが大好きなオージーたちは、ビールの温度にもこだわります。「ビールはキンキンに冷やして飲みたい!」と言った日本のビール文化とは異なり、ビールの種類によって温度を変えて飲む人がいると言うから驚きですね。
ラガービールはしっかり冷やしてバーベキューやスポーツ観戦のときに楽しみたいという人が多いようです。一方で、IPAなどは8〜12度ぐらいにして飲むとその風味が引き立つと言われています。
とはいえ、人により好みは違いますので、「この州ではこのビールが一番!」などと明確な決まりがあるわけではありません。オーストラリアのビールは、定番のものからクラフトビールまで、豊富な種類が揃っているため、好みのものに出会うまでビール探しの旅をしてみてはいかがでしょうか。
オーストラリアで飲めるビールの主な種類
日本で人気のビールは軽くて飲みやすいラガービールです。すっきりとした味わいで、日本の家庭料理との相性が良いとされています。味にクセはほとんどなく、アルコール度数は4%前後なので、万人受けしやすい点が特徴です。
一方オーストラリアで好まれるビールは地域によってさまざまです。定番のラガービールにくわえて、エールビールやドラフトビール、クラフトビールなども人気です。
ここでは、オーストラリアで飲める主なビールの種類をご紹介します。
ラガービール(LAGER)
日本でもおなじみのラガービール。冷やしてゴクゴクと飲むと美味しいので、赤道に近いエリアや、ブリスベンで人気があります。
ダークビール(DARK BEER)
あまり日本で耳にしないダークビールですが、イギリスの有名なビールの「ギネスビール」を思い浮かべていただくとわかりやすいのではないでしょうか。
黒っぽい色をしたビールに、ビール初心者は逃げ腰になりそうですが、飲めばクセになってしまう人も続出。
エールビール(ALE)
・ペールエール(PALE ALE)
・IPA(INDIA PALE ALE)
・ゴールデンエール(GOLDEN ALE)
・サマーエール(SUMMER ALE)
・アンバーエール(AMBER ALE)
エールビールにはさまざまな種類があります。ラガーとは異なった発酵方法で作られるため、味わいが複雑である点が特徴です。フルーティーな風味で、アルコール度数はラガーよりも高めで4.5〜7%程度のものが多いです。
オーストラリアに行ったら試してみたいビールばかりですね!
おすすめのオーストラリアビール
ここではおすすめのオーストラリアビールを紹介します。
Victoria Bitter(ビクトリア・ビター) ビクトリア州
通称「VB」と呼ばれるグリーンのラベルが貼られた瓶ビールは、オーストラリアを代表する有名なビール。1854年に始まったブルワリーで誕生した歴史のあるビールです。アルコール度数が4.9%と比較的高めで、苦みの強い味が特徴です。
XXXX Gold(フォーエックス・ゴールド)クイーンズランド州
爽やかな風味が特徴のXXXX Goldはクイーンズランド州で生まれたビールです。アルコール度数が3.5%でさらっと飲めるので、ビール初心者の人にも飲みやすいと言われています。
もう少し苦みのあるビールがお好きな方にはXXXX Bitter(フォーエックス・ビター)がおすすめ。こちらもXXXX Goldと同じくラガービールになりますが、アルコール度数が4.4%なのでビール好きな方も満足できる味です。
このXXXX Bitterはオーストラリアでは誰もが知っているビールで、オーストラリア国内で一番売れたビールとされています。
Foster’s Lager(フォスターズラガー)
フォスターズラガーは軽い口当たりのラガービールで、世界的に有名です。スポーツ大会のスポンサーを努めることもあり、ロゴマークを目にしたことがある人は多くいるかもしれません。アルコール度数は5%、爽快で飲みやすく、特に暑い夏の日にぴったりのビールです。
カールトンクラウンラガー(Carlton Crown Lager)
カールトン・アンド・ユナイテッド・ブルワリーズ(CUB)が製造するプレミアムビール。通常のラガービールにはないリッチな味わいが特徴です。「プレミアムビール」と謳っているだけあって、瓶のラベルにも高級感が漂います。アルコール度数は4.9%。日本でも購入できる場所があるので、見かけたら試してみてはいかがでしょう?
オーストラリアのビールは一部日本のスーパーや輸入食品を取り扱うショップで購入することができるものもあります。「オーストラリア行く予定はないけれど飲んでみたい!」と言う方は、ビールコーナーをチェックしてみてくださいね!
サイズ別グラスの名前
オーストラリアにはイギリスから影響を受けたパブ(Pub)の文化が根付いており、日本人が居酒屋や立ち飲み屋で気軽にお酒を楽しむように、オーストラリア人はパブにふらっと立ち寄ってビールなどのお酒を楽しみます。
そんなパブやバーでビールを注文する際、サイズがわからなくて戸惑ってしまう人が多いかもしれません。ここでは、オーストラリアのサイズ別グラスの名前について解説します。ぜひ参考にしてください。
ミディ(Middy)
軽く飲みたいときや、少量だけ楽しみたい人に選ばれるミディサイズは、容量が285mLとかなり少なめです。しかし、「せっかくオーストラリアに来たのだから色々な種類を飲んでみたい」、という方にはピッタリのグラスです。
ちなみに、ミディという呼び方は主にニューサウスウェールズや西オーストラリア地方で使われています。ビクトリア州では、ポット(Pot)、クイーンズランド州、タスマニア州ではやテン(Ten)と呼ぶ人がいたり、ハンドル(Handle)と呼ぶエリアもあります。
恐らくパブのスタッフたちはさまざまな呼び方があることを理解しているとは思いますが、現地での呼び方を事前に調べておくとスムーズにビールを注文できるでしょう。
スクーナー(Schooner)
ミディアムサイズのグラスがスクーナーです。容量は425mLとビール好きの人には最も楽しみやすいサイズです。
ただし、このサイズのグラスは西オーストラリアとビクトリア州では取り扱いがないことが多いので、メニューを見るか、店員さんに確認してみましょう。
パイント(Pint)
日本の生中と生大の中間サイズのグラスがパイント(Pint)です。容量は568mLで、オージーに一番人気のグラスサイズです。また、容量が半分の284mLのハーフパイント(Half pint)というグラスも存在しており、これはビールを少しだけ楽しみたい方におすすめのサイズです。
ジャグ(Jug)
約1100mLの容量を持つジャグは日本で言うピッチャーのようなサイズです。小さいグラスも一緒に提供されるため、友人や家族とシェアしたい場合にも便利です。
ここでは一般的な呼び方を紹介しましたが、グラスのサイズや呼び方は州によって異なることもあるため、チェックしておきましょう。
オーストラリアの飲酒に関するルール
日本とオーストラリアでは飲酒に関するルールが異なります。どのような違いがあるのかをまとめましたので、オーストラリアでお酒を楽しむ際は参考にしてみてください。
飲酒可能年齢
日本においての飲酒可能年齢は20歳以上です。これは成人年齢が引き下げられた後も変わりません。ではオーストラリアではどうでしょうか?
オーストラリアでは18歳以上であれば飲酒が可能です。日本人でも渡航すれば現地の法律やルールに従うことになるため、オーストラリア国内では飲酒が可能になります。
お酒を購入、またはお酒を提供しているお店に入店する時には、身分証明書の提示を求められます。特に日本人は実年齢よりも若く見られることが多いため、お酒を飲む予定の場面では身分証明書を持っておくことをおすすめします。
身分証明には、パスポートが有効です。日本の運転免許証は日本語で記載されているため、身分証明にはなりませんので注意してください。
飲酒可能な場所
日本では、公園やコンビニの前で飲酒をする人を見かけたことがあるのではないでしょうか。近年ではこのような「路上飲酒」が問題になっており、取り締まる自治体も出てきました。
一方、オーストラリアでは公共の場所での飲酒が禁止です。公園や路上の他に、ビーチやイベント開催場所での飲酒も不可とされています。例外として、一部のバーベキューエリアや、イベント開催時には飲酒可能になることもあります。
バーベキューなどをしていると外でお酒が飲みたくなる衝動にかられますが、その場所が飲酒を許可されているのかを事前に確認しておく必要があるでしょう。
飲酒が禁止されている場所には「alcohol-free zone」や「AFZs」、「alcohol prohibited areas」などの表記があります。ここで出てくる「free」は「自由」という意味ではなく、「禁止」を意味します。日本人は勘違いしやすいため、注意が必要です。
このように飲酒のルールに関してわかりにくい部分もあるため、オーストラリアでは屋外での飲酒は避けておいたほうが無難だと言えますね。
※2024年12月現在の情報です。法律やルールに関しては常に最新の情報をチェックしてください。
まとめ
国が違えばビール事情も異なります。オーストラリアは広い国土を持つため、ビールの種類も非常に多様です。
伝統的なブルワリーのビールから、革新的なクラフトビールまで楽しめるオーストラリアですが、お酒を飲むときにはさまざまなことに注意する必要があります。
特に海外での飲酒は、日本とルールが異なるため、知らない間に法律違反をしてしまうこともあるかもしれません。ルールを守って楽しく飲むことは重要です。
また、ビールの種類やグラスの名前、英語での注文方法を知っておくことで、店員さんやパブで出会った人たちとスムーズにコミュニケーションが取れるでしょう。
ぜひ、オーストラリアのルールや文化に配慮し、安全にビール体験を楽しんでください。

◇経歴(英語を使用した経歴)
・オーストラリアのカフェで半年間勤務
・国内/国際線客室乗務員として5年間勤務
◇英語に関する資格(資格、点数など)
TOEIC、英検受験経験有り
アメリカのコミュニティカレッジにてEarly Childhood Educatorコース修了
◇留学経験
・オーストラリア シドニーへ1か月間の短期留学。
→週5日で語学学校へ通う。
・ワーホリでオーストラリア・ゴールドコーストに1年間滞在。
→Gold Coast Institute of TAFEの語学コースで学ぶ。
・2020年から4年間、家族の仕事でアメリカに滞在。
→州立のコミュニティカレッジでEarly Childhood Educationコース及びアカデミック英語コースを学ぶ。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容(仕事、留学、旅行など)
仕事→韓国、中国、台湾、香港などアジアを中心とした国
旅行→アメリカ(ハワイ、グアム、サイパン含む)、カナダ、
シンガポール、マレーシア、オーストラリア、ドイツ、イタリア、
ギリシャ、クロアチア、ベトナム、タイ、バハマ、オランダ領セント・マーティン島など
◇自己紹介
旅行、海外生活関連のwebライター。
最初の短期留学の経験のおかげで、人生が変わったと言っても過言ではないと感じています。海外に滞在することがきっかけで、人生の選択肢が大きく広がり、成長を続けていきたいと思うようになりました。海外での長期滞在・留学経験者の視点から、皆さまにわかりやすい記事を書いていきたいと思っています。