海外へ渡航する際は、準備することがたくさんありますよね。
その中でも忘れてはいけないのは、渡航先の電圧の確認です。日本とは事情が異なる場合が多いため、対応できるようにしておきたいです。
この記事では、アメリカの電圧とコンセントやプラグ形状に焦点を当てて解説します。電化製品選びに迷うという方に向けて選び方のポイントも伝授しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
アメリカの電圧事情
アメリカで生活していく上でも電化製品の使用は避けて通れません。日本で暮らしている分には電圧のことを考える機会は少ないとは思いますが、きちんと準備しておきましょう。
まず、アメリカの電圧は日本とは異なります。電圧は110Vから120Vで、周波数は60Hzとなっています。日本の100Vよりも高いです。これらの電圧が国際基準で見て高いのか低いのかを判断する参考として、アメリカと日本以外の各国の電圧もご紹介します。
アジア
国·地域 | 電圧(ボルト) | 周波数(Hz) |
日本 | 100 | 50(東日本)/60(西日本) |
韓国 | 110/220 | 60 |
中国 | 220 | 50 |
台湾 | 110 | 50 |
香港 | 220 | 50 |
タイ | 220 | 50 |
フィリピン | 230/240 | 60 |
オセアニア
国·地域 | 電圧(ボルト) | 周波数(Hz) |
オーストラリア | 240/250 | 50 |
ニュージーランド | 230/240 | 50 |
北米
国·地域 | 電圧(ボルト) | 周波数(Hz) |
アメリカ | 110/120 | 60 |
カナダ | 120/240 | 60 |
ヨーロッパ
国·地域 | 電圧(ボルト) | 周波数(Hz) |
イギリス | 230/240 | 50 |
フランス | 127/230 | 50 |
ドイツ | 127/230 | 50 |
上記表より、国や地域によって電圧に違いがあることが分かります。日本の100Vは国際的に見ても低いですね。
電圧が判明したところで、次はコンセントタイプを見ていきましょう。アメリカは日本と同じ「A型」または「B型」のコンセント形状になっています。B型は2本の縦穴の下にもう1つ穴(アース)が空いていますが、無視して大丈夫です。日本製品のプラグはそのまま差し込めますので、変換プラグは必要ありません。まれにコンセントが上下逆だと差し込めない場合もあるため、その際は逆さまにして再度差し込んでみてください。
日本では「コンセント」という言葉を使いますが、実はこれは和製英語なのでアメリカでは通じません。アメリカでは、「アウトレット」と言います。「コンセント」をそのまま使いますと、「同意する」という意味になってしまうため注意しましょう。また、コンセントに挿す「プラグ」は英語として通じます。
アメリカでは必要のない変換プラグですが、他の国へ行くときは必要になることもあるでしょう。覚えておいていただきたいのは、特定のコンセントにのみ対応した簡易型と、数種類のコンセントにも対応したマルチ型の変換プラグがあるということです。簡易型の方が安価ですが、マルチ型の方が汎用性が高くおすすめです。アメリカ旅行だけでなく、その他の国へ海外旅行へ行く際の参考にしてくださいね。
アメリカ滞在中には起きない事態かと思いますが、万が一コンセントの形状が合わない場合、USBケーブルを使用するのもひとつの手段です。一部のスマートフォンなどはUSBケーブルで充電できるため、変換プラグを使用せずに済むこともあります。モバイルバッテリーも、いざという時のスマートフォン充電に便利です。充電しながら移動でき、変換プラグも不要です。
アメリカでの電力使用の注意点
日本から電子機器·電化製品を持ち込む際は注意が必要です。
充電プラグなどのアダプターに、「入力(Input):100−240V」または「100~240V用」といった、100V以上にも対応するという記載があればアメリカでも使用が可能です。対応電圧が100~240Vのものは、全世界対応になります。
スマートフォン、ノートパソコン、モバイルバッテリー、デジタルカメラといった最近の家電であれば、全世界に対応した変圧である可能性が高いです。
モバイルバッテリーのほとんどはリチウムイオン電池を使用しているため、飛行機に搭乗する際には、機内持ち込みの手荷物に入れるのを忘れないようにしましょう。
一方で、「100V用」となっているものをそのままアメリカで使用してしまいますと、通常以上の電圧がかかります。10~20Vだけの差だからと、そのまま使用するのは危険です。製品の故障につながりうるため、変圧器を使用しましょう。
特に、ヘアドライヤー、ハンディースチーム、ハンディーアイロン、電気ケトルといった、発熱する電化製品は火災を起こしてしまう可能性があります。安心と安全のためにも、変圧器は用意しましょう。また、ヘアドライヤーは一般的なホテルには常備されていることが多いです。グレードが特に低いホテルでなければ、ヘアドライヤーは持参しなくてもよいでしょう。
日本に変圧器を忘れてしまっても、慌てる必要はありません。アメリカ国内の家電量販店や空港で購入できます。ホテルによっては変圧器を貸し出してくれる場合もありますので、受付に尋ねてみましょう。
いざという時のために、ホテル以外で充電できる場所を3つご紹介します。
カフェ·ファーストフード店
電源コンセントが設けられていることが多く、飲食しながらスマートフォンやノートパソコンの充電ができます。一部店舗を除き、マクドナルドやスターバックスといった有名なお店でも利用可能でしょう。Wi-Fiも利用できる店舗であれば、インターネット利用の際に便利です。
観光インフォメーションセンター
主要な観光スポットに限られますが、インフォメーションセンターで充電できる場合があります。観光情報を集めるついでにいかがでしょうか。
空港
国際空港であれば、充電スポットが多数あります。時間に余裕があれば充電していくのもいいかもしれません。
電流についても触れておきましょう。アメリカの電流は一般的に15~20アンペアです。使用する電化製品がアンペア数を超えていないか確認し、過負荷にならないようにしてください。特に延長コードに接続する際は、アンペア数を計算しておくと安全です。
渡航前の準備
アメリカのコンセント事情が分かったところで、渡航前にどのような準備をすべきか見ていきましょう。
・持参する予定の家電製品が本当に必要かどうかを見極める
・持参すると決めた場合、対応電圧を確認する
・アメリカの電圧に対応していない電化製品を持ち込む場合は、変圧器も持参する
これら3つの項目に沿って準備するとよいでしょう。変圧器は、家電量販店やECサイトで購入できます。電化製品の対応電圧で注意が必要になることが多いのは、ヘアアイロン、ヘアドライヤー、髭剃りなどです。特に、ヘアドライヤーは600~1,200Wと大きな電力を消費するため気を付けなければなりません。
アメリカの電化製品購入時のポイント
アメリカで必要になった電化製品を購入する際のポイントも、項目毎にお伝えします。
【電圧】
上述した通り、アメリカの標準電圧は110~120Vです。購入した製品を日本でも使う予定があるのであれば、製品が日本の100Vにも対応しているか確認しましょう。対応していない場合は、変圧器が必要になります。
【コンセント形状】
アメリカで購入した電化製品でB型のものは、日本で使用する際プラグ変換アダプターが必要です。
【周波数】
アメリカでは周波数が60Hzです。周波数が異なる地域(例えば東日本の50Hzなど)でアメリカの電化製品を用いる際は、注意が必要です。特にモーターが付いた製品を使用する際は気を付けましょう。
【保証】
アメリカで購入した製品には海外保証が付いていないこともあります。その場合、日本国内での修理やサポートが受けられません。保証内容を確認しておきましょう。
【アフターサービスと返品ポリシー】
返品条件や期間をしっかり確認することも重要です。商品開封後は返品不可のもの、一部条件付きの返品のみ受け付けるなど、購入店舗や商品によって条件は異なります。
【消費税(Sales Tax)】
アメリカは州毎に異なる消費税が設けられていますが、表示価格に税金が含まれていないこともあります。購入時の総額を計算し、追加必要を見積もりましょう。
【ドライヤー】
ホテル以外の場所でアメリカに長く滞在するのであれば、ドライヤーは現地購入がおすすめです。アメリカの電圧に対応した日本製ドライヤーでも、ドライヤー本体が熱を持つこともあるからです。このように、日本にいる状況と同じように用いるのは難しい電化製品もあります。
【延長コード】
延長コードを現地購入するのもよいアイディアでしょう。日本から持参した延長コードですと、コンセント形状の都合上現地で購入した家電に対応できないためです。
【炊飯器】
アメリカでも美味しいご飯を食べたいですよね。高機能な炊飯器にこだわりがあるのであれば、日本から持参しましょう。飛行機の手荷物で持っていくのがおすすめです。その際は変圧器もセットで持っていきましょう。
特にこだわりがなければ、現地調達するのも良いでしょう。一般的な炊飯器はAmazon USAでも購入可能です。帰国時の処分に困りそうと心配される方もいるかもしれませんが、その点に関しては安心できます。日本人向けの現地ネット掲示板に書き込めば、すぐに貰い手が見つかる場合がほとんどです。
炊飯器以外にも、土鍋やホーロー鍋を買う選択肢もあります。どれだけの頻度でご飯を食べるのか、調理の手間をどれだけかけてもいいかなどを踏まえ、検討しましょう。
まとめ
アメリカでの電圧事情は、日本と異なり110Vから120Vで周波数は60Hzです。日本の100Vより高いため、電化製品を使用する際は注意が必要です。多くの現代的な電子機器(スマートフォン、ノートパソコンなど)は100~240V対応でそのまま使用可能ですが、古い製品や一部の機器は変圧器が必要です。
特に発熱する家電(ドライヤーや電気ケトルなど)は高出力を求め、変圧器がなければ故障や火災のリスクがあるため注意が必要です。アメリカでは「アウトレット」と呼ばれるコンセントは「A型」や「B型」が一般的です。日本のプラグはそのまま使えますが、まれにB型の接地ピンがあるタイプもあり、挿入がうまくいかない場合もあります。
電化製品の保証やアフターサービス、返品ポリシーは購入前に確認し、消費税(Sales Tax)は州によって異なるため総額をチェックしてください。また、電流は15~20アンペアですので、使用する製品がこの範囲内であることを確認し、延長コードを使用する際には過負荷にならないよう気を付けましょう。