マレーシアの治安について、現地から2024年の最新情報をお届けします。
マレーシアは東南アジアの中でも治安の良い国として知られ、日本人観光客や在住者も多く暮らしています。
ただし、スリや置き引きなどの軽犯罪は発生しているため、注意が必要です。
この記事では、マレーシアの安全な地域、要注意エリア、さらに現地で気をつけたい防犯対策について、最新情報を紹介しています。
治安面で不安をお持ちの方や、マレーシアへの旅行・移住を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
マレーシアの治安ってどうなの2024年最新情報
マレーシア連邦警察の発表によると、2023年の犯罪件数は52,444件で、そのうち41,991件(約80%)がスリなどの窃盗犯罪でした。これは人口約3,300万人の国としては比較的低い水準といえます。
この背景には、マレーシア警察による24時間体制の巡回パトロールや、観光地・繁華街への警備員配置があります。また、薬物や銃器の所持に対して厳格な法規制と取り締まりを行うことで、凶悪犯罪の発生率も抑制されています。
特にクアラルンプールやペナン島といった都市部は、基本的に安全な環境が整っています。そのため、日中の一人歩きも問題ありませんが、人が多く集まる場所ではスリなどの軽犯罪に注意が必要です。地域によって治安レベルに差はありますが、基本的な防犯意識があれば安心して過ごすことができます。
具体的な注意点としては、以下が挙げられます。
- 深夜の一人歩きを避ける
- 貴重品は目立たないように管理する
- 人通りの多い道を選んで歩く
これらの対策は、マレーシアに限らず海外旅行全般で気をつけるべき基本的なポイントです。
マレーシアでは日本人向けのサポート体制も充実しており、クアラルンプールには日本大使館、ペナン島には日本領事館があります。また、両都市には日本人会もあるため、緊急時には日本語での支援も受けられるでしょう。
さらに、マレーシアの人々は親切で協力的な方が多く、困ったときは遠慮なく助けを求めることをおすすめします。
【緊急連絡先】
- 在マレーシア日本国大使館
住所: 11, Persiaran Stonor, Kuala Lumpur, 50450 Kuala Lumpur, Wilayah Persekutuan Kuala Lumpur
電話: +60-3-2177-2600 -
在ペナン日本国総領事館
住所: Level 28, Menara BHL, No. 51 Jalan Sultan Ahmad Shah, 10050 Penang, Malaysia
電話: +60-4-226-3030 -
マレーシア警察(Royal Malaysia Police)
緊急通報: 999(携帯電話からは112)
マレーシアの中でも治安の良い地域
マレーシアには多くの観光地がありますが、その中でも特に治安の良い地域として以下の都市が知られています。
- クアラルンプール(首都)
- ペナン島(世界遺産の街)
- イポー(伝統的な街並みが残る都市)
- ランカウイ(リゾートアイランド)
- コタキナバル(ボルネオ島の玄関口)
これらの都市は、観光インフラが整備され、警備体制も充実しているため、旅行者にとって安心して訪れやすい場所となっています。特に、首都クアラルンプールと歴史的な街並みで有名なペナン島は、日本語対応可能な施設も多く高い安全性を誇ります。
次に、クアラルンプールとペナン島における安全性の高いエリアについて、詳細にご説明します。
クアラルンプールの安全エリア
クアラルンプールは、マレーシアの首都で、約207.6万人の人が暮らしています。中心地のKLCCは、マレーシアの象徴であるペトロナスツインタワーが有名です。高級ホテルやショッピングモールが立ち並び、警備員が常駐しているため、観光客も安心して過ごせます。
また、生活するなら高級住宅地のモントキアラやバンサーが、安全な地域として知られています。モントキアラは、日本人がもっとも多く住むエリアで、ほとんどのコンドミニアムに、24時間体制のセキュリティがついています。日本語が通じるお店も多く、安心して暮らせるでしょう。
バンサーは、丘の上にある閑静な高級住宅街で、大使館なども多く、こちらもセキュリティが充実しています。自然に囲まれた環境で、落ち着いた雰囲気が魅力です。
ペナン島の安全エリア
ペナン島でも、安全とされる地域が複数あります。ペナン島の北に位置するタンジョントコンは、世界中の人々が暮らす高級住宅街です。インターナショナルスクールや生活に必要な施設が充実し、24時間警備のコンドミニアムも多くあります。
ガーニードライブは、海沿いのメインストリートで、昼夜を問わず人通りが多く、一人歩きも比較的安全です。高級ホテルや大型ショッピングモールがあり、観光客や地元の人々で賑わっています。
また、世界遺産に登録されているジョージタウンは、観光名所として有名です。歴史的な街並みを保護するため、警備体制が整っています。
これらの地域に共通する特徴は、以下の3点です。
- コンドミニアムには、24時間体制の警備がある
- 通りの照明が明るい
- 人通りが多い
観光や土地勘がない方は、まずこうした安全性の高いエリアへ出かけると良いでしょう。
マレーシアで治安が悪いとされる地域
マレーシアで治安が悪い地域としてまずあげられるのは、サバ州東海岸の一部です。そのほか観光客が訪れる、クアラルンプールやペナンでも、路地を入ると危険な地域もあります。
ここでは、特に注意が必要な地域やエリアについて詳しくご紹介します。
サバ州東海岸の一部地域
サバ州東海岸の一部地域には注意が必要です。特に大陸から離れた島の周辺海域には、海賊による外国人誘拐事件が発生して、外務省から渡航中止勧告が出ているエリアもあります。地元政府や観光機関も注意を呼びかけており、観光や滞在は避けた方がいいでしょう。
クアラルンプールの要注意エリア
クアラルンプールの中心地は比較的安全ですが、観光客が多く集まる大型ショッピングモールのパビリオン周辺の交差点などはスリに注意が必要です。
また、ジャランアローのナイトマーケットやチャイナタウンでは、常に人が多く集まるため、スリや置き引きが発生しています。
KLCCから徒歩15分のチョーキット地区は、かつてクアラルンプールでもっとも要注意エリアといわれていました。現在は、そこまで危なくありませんが、夜間は治安が悪化するため避けましょう。
安全なエリアでも、混雑している間にいつの間にか、財布やスマートフォンを盗まれていることがあります。貴重品の持ち歩きは最小限に抑え、人通りの多い通りを歩くなど、基本的な防犯対策を心がけることが大切です。
ペナン島の要注意エリア
ペナン島は全体的に治安の良い観光地として知られていますが、いくつかの地域や状況では特別な注意が必要です。
特に注意が必要なのが、バックパッカーの集まる「チュリアストリート(Chulia Street)」周辺です。この地域には多くの飲食店やバーが立ち並び、夜間は観光客で賑わいます。深夜になると酔客によるトラブルが発生することもあり、犯罪に巻き込まれるリスクが高まります。
夜遅くに飲酒して帰宅する際は、特に警戒したほうがいいでしょう。
どんなことに気をつければいいの?
マレーシアで安全に過ごすには、日常的な防犯対策と文化的配慮が欠かせません。服装は現地の文化に合わせます。
マレーシアはイスラム教徒が多い国です。露出の多い服装は控えめにし、半袖シャツやひざ下までのスカート・パンツを選びましょう。特にモスクを訪れる際は、肌の露出を避け、女性はスカーフで髪を隠してください。
貴重品は徹底的に管理
パスポートはホテルのセーフティボックスに保管し、外出時は顔写真ページのコピーだけを持ち歩きます。現金は必要最低限にし、買い物はVisaやMasterカードを利用するといいでしょう。
移動時の安全対策
外出時の持ち物にも気を配ります。バッグは車道と反対側に持ち、斜め掛けやウエストポーチを活用することをおすすめします。
また、マレーシアの交通文化は日本とは大きく異なる点に注意が必要です。車優先の交通慣習があり、横断歩道でも車やバイクが徐行や停止をしないケースが多々あります。道路を横断する際は、以下の点に特に気をつけてください。
- 車やバイクが見えていたら、遠くても横断するのは危険
- 道路横断の際は、必ず車の完全停止とバイクがいないかを確認
- 夜間の道路横断は特に危険なため、可能な限り信号のある横断歩道を使用
横断歩道を渡っていても、車やバイクにひかれるケースも多くあります。道を渡る際は、たとえ信号が青でも、左右を十分確認してください。
行動面での注意点
移動は安全な手段を選びます。流しのタクシーは避け、正規のタクシー乗り場やホテル手配のタクシー、配車アプリ「Grab」の利用が安全です。現地の文化を理解し、基本的な防犯対策を心がけることで、快適なマレーシア滞在を楽しめます。
マレーシアで多い犯罪とその対策方法
マレーシアで起きる主な犯罪には、以下のような特徴があります。
置き引きやスリは、空港やホテルのチェックイン時、飲食店での食事中に多発しています。犯人グループは巧妙な手口で注意をそらし、複数で連携して犯行に及びます。まず、声をかけたり、小銭を落としたりして気を引き、その隙に、荷物を持ち去るのです。
特にホテルの朝食ビュッフェでは、席を離れる際の置き引き被害には気を付けましょう。また、空港やホテルのロビーで手荷物を一時的に目を離した隙に、貴重品だけを抜き取られるケースも報告されています。自分の荷物からは、絶対に目を離さないよう気を付けてください。
同じく多いのが、オートバイによるひったくりです。
特に、女性や高齢者を狙うケースが多く、後ろから近づいてきたバイクが、突然手荷物を強奪します。抵抗すると転倒して大けがにつながる危険があるため、万が一の際は荷物を離すことを優先してください。
そして、バスや電車内でも、スリ被害が多発しています。
混雑した車内で周囲の乗客に押されている際に、バッグから財布を抜き取られるケースが目立ちます。公共交通機関を利用する際は、貴重品は前に抱えて持ち、リュックは背負わずに前に持つことが賢明です。
さらに、最近はカード被害も急増しています。決済時は暗証番号を手で覆い、他人の目や頭上の防犯カメラから盗まれないよう注意を払いましょう。
そして、深夜のバーやクラブでは、飲み物に薬物を混入される事例も発生しています。「初めて会った人と意気投合し一緒に飲食したところ、意識を失い、目が覚めたら所持品がなくなっていた」という被害が報告されていることが、法務省の「マレーシア安全対策基礎データ」で紹介されています。見知らぬ人からの飲み物は断り、席を離れる際は新しい飲み物を注文するなど、細心の注意が必要です。
まとめ
この記事では、マレーシアの治安について、現地から最新情報をお届けしました。
マレーシアは、比較的治安の良い国ですが、軽犯罪は年々増えています。過剰に恐れる必要はありませんが、この記事で紹介した基本的な防犯対策をぜひ心がけてください。
こちらの情報が、皆様の安全で思い出に残るマレーシア旅行の一助となれば幸いです。
◇経歴
日本の大手英会話スクール講師
オーストラリアで現地ツアーガイド
マレーシアの日本人学校で英会話講師
マレーシアの現地企業にて正社員勤務
◇留学経験
イギリス 1年 Wimbledon collegeなど
オーストラリア(ワーキングホリデー中) 1か月 Bond University
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容
留学→アメリカ、イギリス、オーストラリア
旅行→イギリス、ヨーロッパの各国、アメリカ、オーストラリア、東南アジア各国など
仕事→オーストラリア、マレーシア
◇自己紹介
Webライターの大井にいなと申します。
独身時代に留学を経験し、国際結婚を機に多民族国家のマレーシアに住んでいます。
私の子供は生まれたときから複数の言語で育ち、オーストラリアの大学に留学して就職しました。
大人になってから英語を学び始めた自分との違いを実感しています。
自身の経験から、早期の言語習得の重要性や大人になってからの英語学習で必要なことなどを、できるだけわかりやすくお伝えしたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。