- 日本とオーストラリアの時差は?
- オーストラリア国内の地域ごとの時差
- サマータイムとは?
- サマータイム終了時の注意点について
- オーストラリア旅行を楽しむための事前準備
- フライト時間と時差の影響について
- 時差が少ないオーストラリアのメリット
- まとめ
日本とオーストラリアの時差は?
海外旅行に出かけたり海外留学をする際に気をつけなければならないことはいろいろありますが、その中の1つが「時差」です。
地球は丸いので、その国の場所(経度)によって時刻が違います。日本が昼間であっても、その時間は夜という国もたくさんあります。
海外旅行に出かけた際に、目的地に到着する前、飛行機の中で「現地の時刻は○時です。お持ちの時計の時刻を変えてください」といったアナウンスを聞いた経験がある方もいるかと思います。時計の時刻を変えるのを忘れてしまうと、現地の時刻と合わなくて困ったことになったりする場合もあります。
スマートフォンなどでは、日本の時刻と海外の現地の時刻の両方を表示する機能や、現地時刻を自動的に表示する機能もありますよね。
国と国との経度の差が大きくなるほど時差も大きくなります。地球1周が360度で24時間ですから、経度15度で1時間という計算です。
とはいえ、北海道と沖縄のように経度がだいぶ違っていても、北海道が午前10時ならば、沖縄も午前10時です。これは、日本が国の「標準時」を設定しているためで、日本の場合、兵庫県明石市などを通る東経135度の経線を元にこの標準時を決めています。
さて今回は、人気の海外旅行先・留学先の1つであるオーストラリアと日本との時差について解説・説明したいと思います。日本とオーストラリアの時差の求め方がすぐにわかるようになりますよ。
最初に結論から言いますと、次の3点がとっても重要です。
- オーストラリアと日本では時差が比較的小さい。そのため、時差ボケを心配する必要がほぼありません。
- オーストラリアは、地域により、また、季節によりさまざまな時刻がある。そのため、日本とオーストラリアの時差はかなり複雑で、計算には注意が必要。
- 南半球のオーストラリアは北半球の日本と季節が逆。そのため、オーストラリアでは、日本の冬の季節に「サマータイム(夏時間)」がある。
では、順に解説していきたいと思いますが、その前に、「時差」は英語で何と言うのでしょうか?
「time difference」です。
日本とオーストラリアの時差を教えていただけますか?
オーストラリア国内の地域ごとの時差
日本との時差が少ないオーストラリア
世界地図を見ていただくとわかるように、日本からどんどん南に行くとオーストラリアに到着します。つまり、日本とオーストラリアは、経度的には地球の同じような場所に位置しているということ。これはすなわち、オーストラリアと日本の時間差は大きくない、ということを想像させます。
では実際のところ、オーストラリアと日本の時差はどのくらいなのでしょうか。
8つの地域と3つの時刻
オーストラリアは広大な国です。そして、6つの「州」と2つの「準州」で構成されています。以下に、各地域の地域名と中心となっている都市名を挙げましょう。
州名・準州名 | 中心都市 |
ニューサウスウェールズ州 | シドニー |
クイーンズランド州 | ブリスベン |
ビクトリア州 | メルボルン |
南オーストラリア州 | アデレード |
西オーストラリア州 | パース |
タスマニア州 | ホバート |
ノーザンテリトリー(準州) | ダーウィン |
首都特別地域(準州) | キャンベラ |
日本の時刻は1つしかありません。北海道でも東京でも沖縄でも日本中同じ時刻です。でも、東西に大きく広がっているオーストラリアでは、国全体を1つの時刻で統一するのは難しくなります。地域に合った時刻が必要になるのです。
現在、オーストラリアの時刻は、東部・中央部・西部の3つがあります。以下、主要都市ごとにまとめた、オーストラリアの3種類の時刻と日本との時差の一覧です。
ただし、「サマータイム」に関しては後ほど解説しますので、最後まで読んでくださいね。
日本よりも時刻が1時間早い地域(時差が「+1時間」の地域)
(日本が午前10時ならば、オーストラリア現地は午前11時の地域)
- ニューサウスウェールズ州 シドニー
- クイーンズランド州 ブリスベン
- ビクトリア州 メルボルン
- タスマニア州 ホバート
- 首都特別地域 キャンベラ
これ以外で旅行先やオーストラリア留学先として人気の都市・地域には、ケアンズ(クイーンズランド州)、ゴールドコースト(クイーンズランド州)などがあります。
日本よりも時刻が30分早い地域(時差が「+30分」の地域)
(日本が午前10時ならば、オーストラリア現地は午前10時30分の地域)
- 南オーストラリア州 アデレード
- ノーザンテリトリー ダーウィン
日本よりも時刻が1時間遅い地域(時差が「−1時間」の地域)
(日本が午前10時ならば、オーストラリア現地は午前9時の地域)
- 西オーストラリア州 パース
このように、日本よりも時刻が早い地域と日本よりも時刻が遅い地域とがあります。
さて、これだけではありません。日本とオーストラリアとの時差はもっと複雑です。なぜか? その要因は「サマータイム」の存在です。
サマータイムとは?
夏の昼間を有効利用するサマータイム
夏は冬に比べて太陽が昇る時刻が早くなり、また、1日のうちで太陽が顔を出している時間も長くなります。夏の方が冬よりもアクティブに活動できる時間が多いと言えるかもしれません。
こうした夏の特徴を有効利用しようと考え出されたのが「サマータイム」です。日本にはありませんが、世界を見渡すと、このサマータイム制を導入している国がけっこうあります。明るい時間を有効に使えば省エネにつながり、環境の改善にもつながるという考えもあります。
サマータイムは、夏の時期、例えば1時間ほど時刻をずらします。冬の時期に午前7時だった時刻はサマータイムが始まると午前8時になります。つまり午前7時というタイミングが1時間早くなるのです。より早い時間にズラして1日を開始する、ということです。1年のうちいつからいつまでサマータイムを実施するかは国や地域ごとに異なります。
サマータイムが実施されている期間はその地域の標準時刻が変わるということですから、当然ながら日本との時差も変わってきます。
そして、オーストラリアも、そんな、サマータイムを導入している国の一つです。
オーストラリアのサマータイムの注意点
オーストラリアのサマータイムには2つほど大きな注意点があります。1つは、州・準州によってサマータイムを「実施しているところ」と「実施していないところ」があること。つまり、冬の間は同じ時刻を使っているのに、夏になると時刻がずれてしまう地域もあるということです。
もう1つは、南半球にあるオーストラリアは例えば日本のように北半球にある国とは季節が逆であるということ。日本が夏ならオーストラリアは冬、日本が冬ならオーストラリアは夏です。ですので、オーストラリアのサマータイムは日本では冬の季節に実施される、ということになります。
こうしたさまざまな要因が存在することで、日本とオーストラリアの時差がさらに複雑になっています。
なお、オーストラリアでは、サマータイムのことを「daylight saving time」と呼んだりもします。
サマータイム時には時刻が5種類に
オーストラリアの州・準州のうち、サマータイムを実施しているのは、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、タスマニア州、首都特別地域、南オーストラリア州の5地域。サマータイム期間は他期間に比べて1時間、時刻が早くなります。クイーンズランド州、西オーストラリア州、ノーザンテリトリーの3地域ではサマータイムは実施していません。
整理すると、サマータイム期間中は、オーストラリアにはなんと5種類もの時刻が存在することになります。
州・準州によりサマータイムを実施しているかどうかが異なるので、オーストラリア滞在中は特に夏の期間は注意が必要だったりします。
筆者はシドニー(ニューサウスウェールズ州)に住んでいたのですが、ブリスベン(クイーンズランド州)の人と仕事をする際は、冬の間は同じ時刻なので大丈夫なのですが、夏の間は常に「こっちの時間で○時、そっちの時間で○時」というように、互いにしっかり確認する必要がありました。
さてでは、サマータイムも含めた、日本とオーストラリアの時差早見表をまとめました。
州・準州名 | 中心都市 | 時差 | サマータイム中の時差 |
ニューサウスウェールズ州 | シドニー | +1時間 | +2時間 |
クイーンズランド州 | ブリスベン | +1時間 | +1時間 |
ビクトリア州 | メルボルン | +1時間 | +2時間 |
タスマニア州 | ホバート | +1時間 | +2時間 |
首都特別地域 | キャンベラ | +1時間 | +2時間 |
南オーストラリア州 | アデレード | +30分 | +1時間30分 |
ノーザンテリトリー | ダーウィン | +30分 | +30分 |
西オーストラリア州 | パース | −1時間 | −1時間 |
例えばサマータイム中のシドニーとの時差は2時間。大晦日にインターネットでオーストラリアのニュース番組を見ていると、日本時間の午後10時に、シドニーでは新しい年が明け、盛大に花火が打ち上げられている様子が映し出されます。
サマータイム終了時の注意点について
サマータイムの開始日、終了日
オーストラリアにおけるサマータイムは通例10月初頭(第1日曜日)〜4月初頭(第1日曜日)の約6カ月間実施されます。日程は変わる可能性もあるので、事前にしっかり確認しておきましょう。前述したように、南半球は季節が逆ですので、オーストラリアは夏を迎える時期ですが、逆に日本ではこれから寒くなる季節ですね。
時刻の切り替えは真夜中に行われることが多いです。例えば、サマータイムが始まる時には、真夜中の1時から1時間経って普通は2時になるはずが、2時ではなくて一気に3時になるという具合です。
切り替えの日に注意すること
サマータイムが始まる前の日に、目覚まし時計のアラームをそのままにしておくと、学校や職場に遅刻してしまうということになりかねません。7時にセットしていても、世の中はもう8時ということになったりします。寝る前に時計を1時間進めておく必要があるわけです。この日は皆さん、睡眠時間が1時間減るということになります!
サマータイムの終了時にも同様の注意が必要。とはいえ、1時間遅くなるので、開始日のように1時間遅刻してしまった、などということはあまりないかもしれません。
日本と連絡をとったりする際も、通常の時差に加えて、このサマータイムにも注意をしておきましょう。
オーストラリア旅行を楽しむための事前準備
オーストラリアに旅行に出かける際、最も注意すべきなのは、やはり、日本とは季節が逆だということでしょう。日本が夏ならば冬物の服を、日本が冬ならば夏物の服を用意しておく必要があります。
加えて、オーストラリアは広大。地域によってかなり気候が違います。日本に似ている気候の地域もあれば、砂漠気候の地域もあります。訪れる場所の気候情報を詳しく調べることが大事です。最高気温・最低気温・湿度なども、地域により随分異なります。
それから、オーストラリアでは太陽は「北側」にあります。普段生活している分にはこれといった支障はありませんが、自分の影を頼りに方角の見当をつけるような場合は要注意です。日本とは影が逆方向にできます!
オーストラリアに限りませんが、国による法律や生活文化の違いにも注意した方がいいかもしれません。お酒を飲める年齢も国によって違いますし、公園や路上など公共の場所でお酒を飲んでいると犯罪になることもあります。十分に気をつけましょう。
オーストラリアはイギリスによって開拓された場所だということもあり、どちらかというとイギリス英語の文法・語彙の使用が多いです。エレベーターは「lift」といいますし、日本やアメリカでいう建物の1階は「ground floor」であり、オーストラリアの「1階(first floor)」は日本やアメリカでは2階に当たります。こうしたことは注意点というより、実体験しながら学べる、楽しいことでもありますね。
フライト時間と時差の影響について
日本(羽田空港)から例えばオーストラリアのシドニーへのフライト時間は、直行便で9時間半〜10時間程度です。シドニーならば時差は1時間(サマータイムは2時間)ですので、途中で時計を1時間(もしくは2時間)進める必要があります。
直行便の場合、時差がフライト時間に与える影響はほとんど無いと考えていいでしょう。ただ、航空会社などのツアーの旅程表では、到着時刻は基本的に現地時刻で書いてありますので、「到着時刻−出発時刻」というように単純に引き算をすると実際のフライト時間とズレがあるように感じるかもしれません。時差分を加味しなければなりません。
注意しなければならないのは、複数の飛行機を使って、乗り継いで行く場合です。この場合、オーストラリアとの時差だけでなく、乗り継ぎ地と日本との時差にも十分注意しなければなりません。乗り継ぎ地で時計を修正するのを忘れていて、出発時間を過ぎてしまい、飛行機に搭乗できなかった、というようなケースもあります。乗り継ぎ地において、そこが今何時なのかをしっかりと把握し、旅程表と照らし合わせるようにしましょう。
時差が少ないオーストラリアのメリット
日本とオーストラリアでは時差が少ないため、いわゆる「時差ボケ」の心配がほとんどありません。もちろん、緊張のため飛行機の中でよく眠れなかった、というようなことはあるかもしれませんが、体内のリズムは日本にいる時とほどんど変わらないため、時差ボケの苦しさを味わうようなことはないでしょう。
現地から日本に連絡を取る際にも、時差が少ないため便利です。例えばアメリカなどの場合、電話で連絡すると相手は真夜中で寝ていた、などということもあったりしますが、オーストラリアだとその心配はほとんどありません。
まとめ
今回は日本とオーストラリアとの時差について、解説しました。
「ほとんど時差がない」というのが大きなメリットである一方、「細かい時差がいろいろと存在する」ということに気をつけなければならないことがおわかりいただけたかと思います。
時差が少ないということに油断せず、現地時刻に時計をきちんと合わせるように注意してください。
それではまた。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。