日本とアメリカの文化には多くの違いがあります。もちろん両国間には共通点もありますが、日常生活から社会のルール、行動様式など、さまざまな場面で違いを感じることがあります。
この記事では、日本とアメリカの違いについてご紹介します。実際にアメリカ生活を経験した筆者の体験談もまじえて、リアルな声をお届けしたいと考えています。ぜひ最後までお読みください。
日本とアメリカの違いとは?
日本とアメリカの違いは多岐にわたります。大きく違う点は、地図で見てもわかるように、国土の広さです。アメリカの国土面積は日本の約26倍です。その広さにより、同じ国内でも地域ごとに時間や気候の違いがあります。国内移動でも飛行機が数時間、なんてことも普通です。
たくさんの移民を受け入れているアメリカは、「人種のサラダボウル」と呼ばれており、さまざまな人種の人々が暮らしています。言語は英語だけでなく、他の言語を話せる人が多く存在します。
一方で、日本は比較的小さな島国であり、人口密度が高く、限られた土地を効率的に利用して暮らしています。 近年、外国人労働者を積極的に受け入れている日本ですが、外国人が長期的に日本に定住することはアメリカに比べると少ないです。
言語は日本語のみで成り立っているため、日本ではほとんどの人が日本語を使用して生活しており、外国語を話せる日本人はアメリカと比較するとまだまだ少ないのではないでしょうか。
ここで挙げる以外にも、さまざまな違いがありますので、次の章では文化、日常生活、学校、ビジネスシーンに分けて解説していきます。
アメリカ文化の特徴
アメリカは多様性と移民の文化が根付いた国です。アメリカの人口の大部分は、世界中から集まった移民で形成されており、ひとことに文化の特徴といっても非常に多種多様です。
それぞれが異なるバックグラウンドを持つ移民の国であるため、各国の食事がアメリカンスタイルにアレンジされたフュージョン料理が発展しています。有名なものは、Tex Mex(テクスメクス)と呼ばれるアメリカンメキシカン料理です。
その一方で、移民が運営している本場の味をそのまま楽しめるレストランも多く、各国の食文化を感じられる環境が整っています。
日本とアメリカの違い:日常生活
スモールトークは当たり前
スモールトークとは、日常生活の中で行われる軽い会話のことです。アメリカで生活していると、スーパーの従業員から、近所を散歩をしている人まで、誰もが小さな会話を楽しもうと他人に話しかけているのです。
日本ではスーパーのレジ担当の方が「元気?調子どう?」などと話しかけてくるなんてまずありませんよね。 スモールトークは彼らにとってコミュニケーションの一部であり、親しい関係でなくても場を和ませようというアメリカ人の国民性が表れています。
アメリカに行く予定の方も、この文化には驚かず、リラックスして会話を楽しんでみてはいかがでしょうか?
子どもひとりの留守番はNG
アメリカでは、おおよそ12歳まで(州による)の子どもをひとりで家や車に残すことは禁止されており、保護者が逮捕されることになります。そのため、アメリカでは子どもをひとりにさせないために、ベビーシッターや家政婦さんの利用が一般的です。
「下の子が寝ているから、上の子の送迎に…」なんてことも絶対に許されません。
これは誘拐や事故を防ぐために州法で定められているため、違反した場合は保護者に罰則が科せられます。
洗濯物は外に干さない
アメリカで生活していた筆者が驚いたことは、「洗濯物を干す場所がなかった」ことです。
アメリカの住居には、賃貸の場合、家電が備え付けられていることが多く、洗濯機と乾燥機がセットで設置されています。
洗濯物を外に干すという習慣がないアメリカでは、洗濯機で衣服を洗ったあと、乾燥機に入れて乾燥させることが一般的です。自宅に洗濯機がない人はコインランドリーに持っていきます。アパートメントなどのコミュニティ内のルールで、洗濯物の外干しが禁じられていることもあります。
洗濯物をハンガーにかけるなどの手間が省ける点はとても良かったですが、アメリカの洗濯機や乾燥機はとてもパワフルなので、服が傷むスピードが早くなる点は考慮しておかなければいけませんね。
チップ文化のアメリカ
アメリカではチップを払う習慣があります。これはチップ文化のない日本人がとても戸惑うアメリカ文化です。
レストランでの飲食、ホテルの従業員、タクシーやUberの運転手など、多くのサービス業に対してチップを支払うことが一般的です。チップの相場は各業種によって変わりますので、アメリカに旅行する際はガイドブックなどで確認しておきましょう。
日本とアメリカの違い:学校
教師主導の日本、生徒主導のアメリカ
日本の学校では、教師が一方的に知識を伝え、黒板に書かれた文字を黙々とノートに書き写すという、教師主導で授業が進行するスタイルが一般的です。
一方アメリカでは、学生の参加が重視されており、ディベートを取り入れるなど、自分の意見を発表し、他の生徒とディスカッションする場が設けられています。
アメリカでは個性を発揮する人が多いですが、日本の教育スタイルでは協調性を学ぶことができます。
このことから、それぞれの教育スタイルにはそれぞれの良さがあることがわかりますね!
学生生活における服装の自由度の違い
日本では幼稚園から(または小·中学校)高校になるまで制服で学生生活を送ることが多いのではないでしょうか。アメリカにも制服のある学校は存在しますが、私立や特定の学校以外はほとんどありません。
身だしなみや服装に厳しい日本の学校に比べて、アメリカは自由度の高いスタイルで登校しています。生徒は基本的に私服で登校しますが、一定のガイドラインが設けられており、不適切な服装(過度な露出、不適切な言葉が書かれているTシャツはNGなど)での登校は禁じられています。
とはいえ、登校する服は自分の個性を発揮できるので、自己表現の手段となっていることもあります。ピアスやメイク、髪染めを施しても校則違反ということはありません。
日本において、学生が着用する制服は、初期投資さえすればずっと同じ服で登校できます。制服は丈夫な作りになっており、毎日私服で登校するよりも経済的にもコスパが良く、服装を考える手間も省けるため、非常に合理的であるというメリットがあります。
通学は車かスクールバス
海外から日本に来た外国人が驚くことは、「子どもがひとりで通学している」「学校帰りに公園で子どもだけで遊んでいる」ことです。
アメリカでは子どもが通学するには、親が車で送迎するかスクールバスの利用が一般的です。
子どもが歩いて学校まで行くことは大変危険であるため、このような登下校のスタイルがとられています。そもそも、アメリカは非常に広く、学校までの距離が物理的にも遠くて徒歩で通える距離にないことも少なくありません。学校が近い場合でも、必ず親が付き添って送迎する必要があります。高校生、大学生になると車の免許を取り、自分で運転して登下校をします。
羨ましいと思う反面、その年齢になるまで基本的には親と一緒に行動をする必要があるのです。
子ども同士で外で遊ぶこともできないため、子どもたちは「プレイデート」という形で親同士が協力して一緒に遊ぶことが一般的です。
日本では小学生になると、友達同士や集団登下校で登下校します。学校終わりには子どもだけで公園で遊んでいる姿も見かけます。
これは治安の良さや地域社会の支援が影響しているからだと考えられます。ずっと治安の良い日本のままでいてほしいと願うばかりですね。
日本とアメリカの違い:ビジネスシーン
ビジネスシーンにおいての違いをいくつか挙げてみました。将来アメリカで働きたい!と考えている方はぜひ参考にしてみてください。日米のビジネスシーンの違いを理解しておくと、実際に働くイメージが沸くかもしれません。
役職、肩書は関係なく、リーダーシップが求められる
アメリカではリーダーシップは必ずしも管理職だけに求められるわけではなく、会社のメンバー全員に期待されることが顕著です。彼らは、積極的に自分の意志やアイデアを伝え、問題解決に取り組む姿勢を見せます。
日本では報告·連絡·相談をした上で権限を持つ上長に最終的な意思決定を仰ぐという文化が根付いているため、何事にも時間がかかるといった面があります。アメリカでは意思決定のスピーディーさが求められるため、上長の判断で、権限を部下に与えることもよくあります。
この違いを理解しておくことで、異文化のビジネス環境にスムーズに馴染むことができるでしょう。
解雇される可能性があるアメリカ、終身雇用の日本
日本では新卒で採用されたあと、そのまま定年退職するまで会社で働き続ける文化が長らく続いていました。働き方が変わったとは言え、今もその文化は根付いています。日本の企業で働いている限り、簡単に解雇されることはまずないでしょう。
反対にアメリカでは、仕事のパフォーマンスが重視されます。仕事の結果が雇用主の期待に届かなかった場合、解雇されるという状況は珍しくありません。
ただし、日本に比べると転職しやすい環境であるため、少しでも条件の良い仕事が見つかれば、すぐに退職届を出す人も多く見られます。
残業をしないアメリカ人、長時間労働の日本人
アメリカ人は自分のタスクが終わると「今日の仕事はこれで終わり」と家に帰宅する人が多いところが特徴です。アメリカでは労働時間の概念が日本人のそれとは異なり、定められた時間内に仕事を終わらせ、成果を出すということが重視されます。
一方で日本人は残業をしている人のほうが、「あの人は頑張っている」と評価される傾向にあります。自分のタスクが完了していたとしても、周囲の人に「何か手伝えることはないか」と声をかけ、仕事を続ける姿勢を見せることが重要視されています。
これには、他人をサポートするなど、チームワークを大事にすることが美徳とされている文化であることが関係しています。
また、アメリカでは仕事終わりの飲み会の文化もほとんどなく、家族との時間を優先しているアメリカ人が多い印象です。
日本では「上司に誘われると断りづらい…」と仕方なくお酒に付き合っている人も多いですが、コロナ禍以降、飲み会文化にも変化が生じましたね。
近年では、働き方改革の影響もあり、日本でも徐々にワークライフバランスを重視する働き方を取り入れる企業が増えてきました。日本の働き方の良いところを大切にしつつ、グローバル化した柔軟な働き方を取り入れていけると良いですね。
まとめ
日本とアメリカの違いについて、項目ごとに解説しました。
日米間の違いを挙げるときりがありませんが、これらの違いを知ることで異文化理解を深めグローバルな視野を広げることができます。
この記事でご紹介した内容以外にもさまざまな違いがありますので、興味がある方はぜひ調べたり、実際にアメリカに住んでいる方に聞いてみたりしてくださいね!
「アメリカ人と話したいけどチャンスがない!」という方には、ネイティブキャンプの「ネイティブ受け放題コース」がおすすめです。無料体験レッスンも用意されていますので、ぜひこの機会に参加してみてください。
◇経歴(英語を使用した経歴)
・オーストラリアのカフェで半年間勤務
・国内/国際線客室乗務員として5年間勤務
◇英語に関する資格(資格、点数など)
TOEIC、英検受験経験有り
アメリカのコミュニティカレッジにてEarly Childhood Educatorコース修了
◇留学経験
・オーストラリア シドニーへ1か月間の短期留学。
→週5日で語学学校へ通う。
・ワーホリでオーストラリア・ゴールドコーストに1年間滞在。
→Gold Coast Institute of TAFEの語学コースで学ぶ。
・2020年から4年間、家族の仕事でアメリカに滞在。
→州立のコミュニティカレッジでEarly Childhood Educationコース及びアカデミック英語コースを学ぶ。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容(仕事、留学、旅行など)
仕事→韓国、中国、台湾、香港などアジアを中心とした国
旅行→アメリカ(ハワイ、グアム、サイパン含む)、カナダ、
シンガポール、マレーシア、オーストラリア、ドイツ、イタリア、
ギリシャ、クロアチア、ベトナム、タイ、バハマ、オランダ領セント・マーティン島など
◇自己紹介
旅行、海外生活関連のwebライター。
最初の短期留学の経験のおかげで、人生が変わったと言っても過言ではないと感じています。海外に滞在することがきっかけで、人生の選択肢が大きく広がり、成長を続けていきたいと思うようになりました。海外での長期滞在・留学経験者の視点から、皆さまにわかりやすい記事を書いていきたいと思っています。