今回の記事のテーマは、hit the books についてです。バシッという、本を打つ音が聞こえてきそうですか?
実は、これらの単語の組み合わせのフレーズはイディオムと呼ばれるもので、通常使われている英語の意味とは違う特別な意味を持っています。例えばこのhit the booksにはhitという動詞が使われていますが、よく使われている『打つ』などの意味としては使われていません。
イディオムは本来の単語の意味とは遠くかけ離れ、思いがけない意味として使われている事が多いです。しかしこのイディオムに関しては、『the books』というところにちょっとしたヒントが隠されているようにも見えます。
さて、皆さんは hit the books にどのようなイメージを持たれましたか。まずはどのような意味で hit the books を使うのかを、少し想像してみて欲しいと思います。
Hit the Books の意味
Hit the books = to study つまり『勉強する』という意味の英語です。これはアメリカとオーストラリアのネイティブスピーカーを中心に、特に学生などがクラスメイトや友人との間のコミュニケーションなどでカジュアルに使う英語表現です。
例えば試験前に『あ〜、勉強しなくちゃ!』と使ったり、あるいは親が子どもに『勉強しなさ〜い!』という時などにも使えます。勉強しないといけないニュアンスを上手く伝えられる、便利なフレーズです。
この『the books』という何か特定の本を指しているところや、hitという単語がセットになっているところからも、一生懸命勉強しなくてはいけないようなシーンが浮かび上がってきそうですね。
この慣用句の起源
残念ながら、この慣用句の起源については誰も知らないと言われています。ただ、根拠のないただの噂ですが、カウボーイが旅に出る時に使った"hit the trail"のような初期の慣用句と関係があるのでは、と考える人がいたそうです。
それではこのとても便利なイディオム "hit the books" について、例文を交えながら使い方を解説していきたいと思います。それでは一緒に知識を深めていきましょう。 It is time to hit the books!
Hit the Booksの使い方
Studyを使いたいところに、代わりにhit the booksを入れるだけです。
B: Um, I can't. I have a test on Monday. I have to hit the books.
A:ねぇ、明日買い物に行かない?
B:うう〜ん、無理だな 月曜はテストだから、勉強しなくちゃいけないんだ
明日テストがあるんだ〜、徹夜で勉強しなくては、、、
B: Sorry, I will hit the books.
A:今、話せる?
B:ごめんね、勉強するんだ
さあ、勉強しよう
勉強しないと試験に落ちちゃうよ
昨日、図書館に勉強に行きました
このようにこのイディオムhit the booksの使い方は、studyを使うところをこの慣用句に置き換えるだけの簡単なものです。友人との話の中でとても便利に使える英単語であり、なおかつ英語力のレベルに関わらず、いろんなパターンの使い方ができます。皆さんもぜひ自分で気軽に文章を作ってみて下さい。
Hitを用いたフレーズ
Hit the road=旅に出る
この英語は、旅に出る、旅を始めるという意味で使います。
もしあなたが映画好きなら、このhit the roadというフレーズに聞き覚えがあるかもしれません。実は、まさにこのイディオムを題名に使ったHit the Roadという英語題名の映画が、2021年にカンヌ国際映画祭で上映されました。このHit the Roadという映画は、現代社会が抱える問題の一つを取り上げた映画ですが、まさに『旅に出る』内容の映画となっています。
さぁ、旅に出よう
Hit the sack=眠るためにベッドに行く
Go to bedと使いたいところを、hit the sackと置き換えるだけで使えます。友人とのコミュニケーションでカジュアルに使う英語表現です。
寝不足すぎる〜、今日は絶対早くベッドに行かなきゃ
Hit the panic button=恐怖と混乱に陥る
何かの状況に、恐怖と混乱で反応する時に使います。このフレーズを聞いてしまうと、恐怖で混乱に陥ったシーンが明白に感じ取れそうです。
怖い、混乱した、のような一つの単語で表現するよりも何倍もの混乱のニュアンスが伝えられるこのhit the panic button、ぜひ友人とのカジュアルなコミュニケーションに使ってみて下さい。あなたがhit the panic buttonになった時の経験談を話してみるのも良いかも知れません。
想定できる状況としては、例えばスポーツなどの試合で相手側チームに逆転をされたとき、決勝でキャプテンが負傷したときなど、チームが hit the panic buttonとなることがありそうです。他にも、虫が苦手な人が突然自宅などで虫を発見してしまったとき、I hit the panic button! となるかも知れませんね。
昨日、バルコニーに出たらオレンジの蛇がいたんだよ、信じられる? 私、恐怖でパニックになったよ!
「焦る」って英語で何という?場面別に使えるフレーズを紹介します!
https://nativecamp.net/blog/20230525-panic
Hit the nail on the head=核心を突く、的を得ている
状況や問題の原因を正確に説明する、何かについて正確に正しいことという意味で『まさに核心をついている』というニュアンスで使われます。
Mayumiが会社のコストを下げるべき、と言ったのは的を得ていると思うよ
Hit the roof=怒り心頭
Hit the ceilingとも言います。すごく怒る、怒り心頭という意味を表す英語表現です。
彼が花瓶を落とした時、Mayumiは怒り心頭だった
英語で喜怒哀楽の表し方を覚えて感情表現を豊かにしよう!
https://nativecamp.net/blog/20190626_emotions
Hit the headlines=テレビや新聞などで報道され、注目を浴びること
新聞やニュースで取り上げられて大きく話題となるという意味で使われます。私たちが新聞やニュースを見ているとき、たびたび世間を騒がせるニュース、人などが注目を集める事がありますが、まさにこれらがhit the headlinesです。
最新の映画が、大きな話題となった
Hit the skids/buffers=失敗する
失敗するという意味のイディオムです。計画やプロジェクトなどが『失敗する』、というような場面で使います。キャリアなどが『低迷する』という意味でも使う事ができます。Hit the buffersも同じ意味で使います。
彼の新しいプロジェクトは失敗に終わった
Hit the ground running=すぐに新しい活動に励み、成功させる、滞りなく何かを始める
ニュアンスとしては、全力で働くという意味で使われる慣用句です。
彼女は新しい土地で突然新しい仕事に就き、全力を尽くした
『勉強する』の英語表現
日本語で『勉強する』の類義語を考えると、学ぶ、習得する、知識を得る、技術を磨く、などなど、様々な表現があります。そして『勉強する』という意味を考えるとそれは主に、知識や経験などを身につけること、という意味で使われています。
しかしなかには研鑽を積む、詰め込む、吸収する、などの言い方をすることもあります。英語も同じで、学ぶ内容、態度や状態によっていろんな英語表現ができます。いくつかの『学習』に関連する英語表現を、レベル別にピックアップしてみました。
レベル⭐︎
レベル⭐︎は使い方が簡単なものです。気軽に使う事が出来る英単語を集めています。
learn=何かのテーマや活動で新しい知識や 技能を身につけること
hit the books=真面目に決意をもって勉強を始めること
pick something up= 新しい技術や言語を、教わるのではなく、練習することによって習得すること
レベル⭐︎⭐︎
レベル⭐︎⭐︎は、使いこなすためにはこれらの英単語に関する知識が少し必要になっています。ぜひオンライン英語辞書などで意味や機能を調べて、単語の使い方を確認して下さい。これらの単語を使いこなせるようになると、とても便利なだけではなく、英語表現の幅が広がります。
grasp=完全に理解する
この単語 grasp は、掴む、という意味でもよく使われます。
absorb=大量の新しい情報を読んだり聞いたりして理解すること
この単語 absorbは、吸収力という意味でも使えます。
master=熟練
この単語 master は、動詞としても名詞としても使えます。
competent=腕が立つ
この単語 competent は形容詞です。Competentを単語に使い、有能な〜、腕利の〜、という表現ができます。A competent accountant=有能な税理士、などに使います。
proficient =堪能
この単語 proficient は、堪能という意味の形容詞です。
彼女は数カ国語に堪能だ
cram=多くの情報を素早く学ぶことで、試験に備える
この単語は、試験前に一夜漬けをするような時によく使われる英単語です。動詞です。一度に多くの情報を頭に押し込む、という意味で使われます。
彼らは試験に備えてたくさんの情報を徹夜で頭に詰め込んだ
レベル⭐︎⭐︎⭐︎
レベル⭐︎⭐︎⭐︎に関しては、英単語の使い方だけではなく、どのような動詞がどのような英単語とペアで使われているかというような知識も必要となってきます。これらの英語表現を使いこなせると、英会話の表現がぐっと広がるだけではなく、伝えられる内容も深いものとなるでしょう。
特に仕事で英語が必要な方は、このような英単語がセットになったものを積極的に勉強に取り入れると、表現の幅が広がること間違いなしです。
gain an understanding/insight/impression etc=理解を深める
この表現は、gain=得る、という動詞を使っています。この『得る』の意味ですが、自分の努力や仕事、努力で得るというニュアンスです。
acquire a knowledge of=知識を得る
この表現は、acquire=取得、という動詞を使っています。知識を得る、技術を学ぶ、という英語表現で使用します。
familiarize oneself with=慣れる
この表現は、familiarize=慣れ親しむ、という動詞を使っています。Familiarという単語のword familyです。
まとめ
今回は、hit the booksの意味、例文、使い方を解説を交えてご紹介しました。そしてhitを使った便利なイディオム、学ぶという意味のいろんな英語表現も解説しました。それらの中に、あなたのお気に入りのイディオムは見つかりましたか?
慣れるとイディオムは使い方が簡単で、状況によってぴったりのニュアンスを伝えられるとても便利なフレーズです。ぜひ英会話の中で積極的に使ってみて下さい。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容(仕事、留学、旅行など)
イギリス ロンドン
カナダ トロント
これまでに滞在した国や島:イギリス、ドイツ、スペイン、オーストリア、スイス、フランス、イタリア、インドネシア、バリ、タイ、ランカウイ、プーケット、ハワイ、グアム、サイパン、アメリカ、オーストラリア、カナダ、パンコールラウ、香港、マレーシア、シンガポール、メキシコなどです。
◇自己紹介
これまでいろんな国を旅して来て、たくさんの人々と知り合い数多くの得難い思い出があります。世界各地に友人が出来、やはり共通の言語は英語なので、今では日常的に英語を使っています。また、イギリスやカナダに滞在し、家を借りたり銀行口座を開設したり、現地の学校の申し込みをしたりした経験から、正確な英語を使う必要性を感じました。英語のスキルでは、リスニングが得意です。また、COLLOCATIONと呼ばれる、英語の言葉が何とペアになっているかに関しての専門的なコースを取ったこともあり、皆様に少しでも有益な情報をお届けしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.