「今のは危機一髪だったね」なんて、ちょっと日本語の会話ではなかなか出てこないかもしれませんね。そのため、この言葉を英語で言う機会もそんなにない……と思っている人もいるでしょう。
しかし意外と、英語では「危機一髪」やそれに近い表現がよく使われます。日本語で「危機一髪」というと、ちょっとおおげさな感じがするかもしれませんが、英語ではもう少しライトな感じで「危機一髪」とニュアンスが近い表現が使われているのです。
この記事では、そんな「危機一髪」という表現について、英語ではどう言えば良いのかを解説していきます。「危機一髪」にあたる英語表現はいくつかありますが、日常会話の範囲でよく使われる表現に厳選してご紹介していくので、ぜひ参考にして、英語を話す際に使ってみてくださいね。
「危機一髪」の日本語の意味
前述のとおり、「危機一髪」と日本語で言うと、少し仰々しいというか、本当に大変なことがあったような雰囲気がありますよね。
この言葉を日本語で噛み砕いて説明しようとすると「一つ間違えば、危険な目にあうところだったけど、すんでのところで危険を回避できた」といったところでしょうか。
たとえば、映画やドラマ、アニメなどの世界でのシチュエーションだと、敵の攻撃を受けて命の危険が迫っているときに、他の仲間が助けてくれて「危機一髪で逃げられた」ということがあるでしょう。
現実での場面だと、たとえばサッカーやバスケットボールなどの競技で、相手にボールが渡り、ゴールが入りそうになったものの、時間切れで逆転負けを逃れられた…なんてときには「危機一髪」と言えるかもしれません。
そういったシチュエーションは、日本語の「危機一髪」のニュアンスですが、英語だとこうした深刻な危機一髪的な状況から、「今のは危ないところだったね」くらいのライトな状況まで、同じ表現が使えることが多いです。
これを知っておけば、英語で話しているときに適切なタイミングで「危機一髪」にあたる表現を使えるようになるはずですよ。
ちなみに日本語には「危機一髪」と似た表現で「間一髪」というものもあります。この2つの意味はほとんど同じですが、「危機一髪」は危険性が高い・とてもシリアスな状況といった雰囲気があるのに対し、「間一髪」は危機一髪よりはもう少し危険度が低いときに使われるイメージです。
英語では、危機一髪も間一髪も同じ表現が使えますので、この2つの言葉を英訳する際には、この記事でご紹介する英語表現のどれを使っても大丈夫です。
「危機一髪」でよく使われる英語表現は「That was close!」
「危機一髪」に近い表現で、よく使われる英語表現は「That was close!」でしょう。「Close」というとてもシンプルな英単語で言い表せるのは、ちょっと意外な気もしますね。
しかし、この「That was close」という表現は、「危機一髪」以外の意味もあるので、このフレーズが出てきたときには、文脈をしっかり理解することも大切です。大きく分けると、「That was close」には、以下の2通りの意味があります。
2) 惜しかった、もう少しだった
1)は、この記事でご紹介している方の意味ですね。危ないところだったけど、助かったというときに使います。
しかし、2)の方は、「もう少しで成功するところだったけど、失敗した」というような意味です。
こうしてみると、全く逆の意味のようにも思えますね。しかしこれは「That was close」というフレーズの意味を考えれば納得がいくはずです。
That was close.の意味
That was closeというフレーズは、そもそも「ギリギリだった」「あと少しのところだった」という意味のフレーズです。
そのため、「ギリギリのところで助かった」「あと少しのところで危ない目に遭うところだった」=「危機一髪」としても使える一方で、「ギリギリのところで負けた」「あと少しで成功するところだったのに」という状況でも使えるのです。
どちらの意味になるのかは、前述のとおり文脈やそのときの状況から判断することになります。
ですから「That was close.=危機一髪」とは覚えずに「あと少しのところだった」と覚えた方が、上手に使いこなせるかもしれません。どちらの意味も、かなり頻繁に使われますから、どちらの意味でも使えるようになれると良いですね。
なんてこった!危機一髪だったよ!危うくあの車にぶつけられるところだった!
おっと!間一髪!危うく階段から落ちるところだったよ
B: Yeah, I was there as well. That was really close!
A:昨日の交通事故を見た?カレンが車に轢かれそうになってたよ!
B:うん、私もそこにいたよ。本当に危機一髪だったよね!
状況を理解するための映像がなければ、なかなかイメージしづらいかもしれませんが、「That was close」は、例文1や2のように、感嘆詞として使われることが多いです。それ以外の場合だと、例文3のように、まずはその時の状況についての会話が繰り広げられるでしょう。
その他の「危機一髪」にあたる英語表現
上記の「that was close」以外にも、「危機一髪」として使える英語表現はたくさんあります。ここからは、日常会話の範囲でよく使われる表現を、使い方の解説や例文とともにご紹介していきます。
基本は上記の「that was close」が使えれば乗り切れますが、表現に幅がほしいときには、ここでご紹介する表現も使ってみましょう。また、ネイティブスピーカーはこれらの表現を使うこともありますから、自分では使わなくても、覚えておくと役立つかもしれません。
Close call
Close callは名詞として使う「危機一髪」です。前述でご紹介している「that was close」と同様に「close」という単語が使われているため、覚えやすいのではないでしょうか。
では使い方を例文で見てみましょう。
危機一髪だったよ!危うくあの車にぶつけられるところだった!
この例文は「that was close」でも使ったものですが、「close」の部分を「a close call」と置き換えて使うことができます。ただし、close callは名詞として使うため、冠詞の「a」をつけるのを忘れないようにしましょう。
Close shave
上記の「close call」に続き、「close」を使った表現です。使い方は「close call」と同じですが、こちらも例文で見てみましょう。
おっと!間一髪助かった!危うく階段から落ちるところだったよ
こちらも「that was close」で使った例文を、そのまま「close shave」に置き換えたものです。「Close call」と同様に、名詞として使うため、こちらも冠詞が必要です。
Narrow escape
こちらはここまでご紹介した表現とは、少し毛色の違う表現です。直訳すると「狭い脱出」となりますが、「非常に狭い逃げ道しかなかったけれど、そこから逃げられた」というイメージで、つまり「かろうじて逃げられた」という意味になります。
B: Yeah, I was there as well. She had a narrow escape! If she hadn’t dropped her pen and stopped there, she would have been hit badly.
A:昨日の交通事故を見た?カレンが車に轢かれそうになってたよ!
B:うん、私もそこにいたよ。本当に危機一髪だったよね!もし彼女がペンを落としてそこで立ち止まっていなければ、彼女はひどく轢かれてただろうよ。
こちらは「that was close」で使った例文をアレンジしたものですが、かろうじて危機を免れた状況が感じ取れるのではないでしょうか。ちなみにnarrow escapeも名詞として使うため、冠詞が必要です。
まとめ
今回は「危機一髪」や「間一髪」にあたる英語表現をご紹介しましたが、使えそうなものはあったでしょうか。特に「That was close」はさまざまな場面で使える頻出表現ですから、覚えておくことをおすすめします。
使い方がわからないときや、実際に使って練習してみたいときには、ぜひネイティブキャンプの講師たちとのレッスンでリクエストしてみてくださいね。
◇経歴
英日翻訳・校正、英会話講師など
イギリスの現地企業にて就業経験あり
◇資格
TOEIC935点
英検準1級
ケンブリッジ英検FCE合格
◇海外渡航経験
イギリス5年弱、グアテマラ6ヶ月、合計49ヶ国に渡航歴あり
◇自己紹介
国内外で活動するWebライター兼翻訳者です。これまで手がけた記事は数千件以上。翻訳経験は通算5年位になります。コロナ禍前は世界中を旅をしながら仕事をするノマドワーカーをしておりました。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.