日本語のことわざを英語で表現したらどうなる!?有名なことわざを一覧形式でご紹介します!

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「石の上にも三年」「急がば回れ」など、日本語にはたくさんのことわざがありますよね。

英語にも色々なことわざがありますが、日本語と同じような意味を持つものもあれば、そうでないものもあります。

「日本のことわざを英語で言えたらかっこいい!」「日本の美しいことわざを英語で紹介したい」と思ったときに、すらすらと英語で表現できたらうれしいですよね。

今回は、日本の有名なことわざを英語で表現する方法について一覧形式でご紹介していきます。

ことわざとは

日本にはたくさんのことわざ(諺)があります。

 ・鬼に金棒

 ・七転び八起き

 ・備えあれば憂いなし

 ・棚からぼた餅

 ・二兎を追う者は一兎をも得ず

 ・猿も木から落ちる

 ・石の上にも三年

 ・転ばぬ先の杖

 ・縁の下の力持ち

 ・花より男子

 ・身から出た錆

国語辞典では、ことわざを以下のように定義しています。

 古くから言い伝えられてきた、教訓または風刺の意味を含んだ短い言葉。

 生活体験からきた社会常識を示すものが多い。

ことわざの大きな特徴として、文字が表している直接的な意味以上にいろいろな意味が含まれていることが挙げられます。

例えば「猿も木から落ちる」ということわざがありますが、このことわざは

 サルが木から落ちました。

という事実を表しているわけではなく、

 サルのように木登りが得意なものでも、木から落ちるといった失敗をすることがある

 =どんな名人でも、失敗することがある

という、もっと一般的な意味を表していますよね。

このように、ことわざは短い言葉や印象に残りやすい言葉の中に、教訓や風刺などの意味を込めて作られているのです。

ちなみに、ことわざに似ている日本語として「慣用句」や「故事成語」があります。

「慣用句」とは、2つ以上の言葉を組み合わせたときに特別な意味を持つ言い回しのことを指します。昔から世間で習慣的に使われてきた(慣用されてきた)、特定の言い回しなので、「慣用句」と呼ばれます。

たとえば「腕がなる」という慣用句がありますが、これは実際に「腕」がポキポキと音を出して「なる(鳴る)」わけではなく、「自分の能力を発揮したくてうずうずしている」という意味を表していますよね。このように、言葉の組み合わせで特定の意味を表すのが慣用句です。

慣用句とことわざは区別しにくいものも多く、どちらの特徴も兼ね備えている場合すらあります。言葉の組み合わせによって特定の意味を表す比喩的な表現である、という点では慣用句もことわざも共通しています。

また「故事成語」は、中国で生まれたことわざや慣用句が日本に伝わったものです。「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」や「漁夫の利」などが有名ですね。

日本の有名なことわざを英語で表現してみた

ここからは、数ある日本のことわざのうち有名なもの8つについて、英語での表現の仕方についてご紹介していきます。

七転び八起き

「七転び八起き」は、「何回失敗しても、めげずに奮起して立ち直ること」を表すことわざです。

このことわざについては「転ぶたびに立ち上がるのだったら、七転び七起きじゃないの?」という疑問がよく取りざたされています。同じ事を考えたことがある方もいるのではないでしょうか?

「七転び八起き」ということわざにおいて、転んだ数と立ち上がる数が合わない理由については「人間は生まれたときにはまだ立つことができない。周囲の助けがあって初めて成長し、立ち上がることができる。常に感謝を忘れてはいけない」という仏教的な考え方から来ているといわれています。

そんな由来のある「七転び八起き」を英語で表現するには、いくつかの方法があります。

まずひとつめとして「七回転んで、八回起き上がる」という内容をそのまま英訳する方法があります。

We fall seven times and stand up eight times in our life.

私たちは人生で7回転んで、8回立ち上がる。

=人生は七転び八起きだ。

これは少し直訳しすぎて「何回失敗しようともめげずに立ち上がる」といったニュアンスが薄くなる可能性はありますが、日本語のことわざに最も近い言い方であると言えます。

また、「何回失敗しようともめげずに立ち上がる」という意味を大切にした英訳として、次のような表現を用いることもできます。

Always stand up after a fall.

転んだあとには必ず立ち上がる

=七転び八起き

Life is full of ups and downs.

人生は山あり谷あり

=人生、悪いことのあとにはいいことが必ず起こる

=人生は七転び八起きだ

Never give up.

決して諦めない

=失敗しても諦めずに努力しつづける

=七転び八起き

相手の日本文化への理解度やその場のシチュエーションに合わせて、適切だと思う表現を選んでみてください。

備えあれば憂いなし

「備えあれば憂いなし」「準備をしっかりしておけば、いざというときに困ることはない」という意味で、準備の大切さを教えてくれることわざです。

「備えあれば憂いなし」をそのまま英訳すると次のようになります。

There's no need to worry if you're prepared.

もしあなたが準備をしているなら、何も心配する必要はない。

他にも、「準備が大切」というニュアンスを強調した表現として、次のような表現を使うこともできます。

You can never be too prepared.

準備をし過ぎるということはまずない。

Preparation is the first step to success.

準備は成功の第一歩である。

Perfect preparation prevents poor performance.

完璧な準備は低いパフォーマンスを防ぐ

=備えあれば憂いなし

棚から牡丹餅

「棚から牡丹餅(ぼたもち)」は、「棚の下で口を開けていたら、棚の上に置いてあった牡丹餅が落ちてきて、苦労することなくおいしいお菓子を食べることができて幸運だった」という意味のことわざで、「予期しなかった嬉しい状況が舞い込むこと」や「思いがけない幸運」を表しています。

牡丹餅はもち米を使った和菓子で、英語圏には馴染みのない食べ物であるため英語に直訳することは難しいですね。「棚から牡丹餅」を英語で表現するならば、「思いがけない幸運」という意味に着目していくことになります。

「思いがけない幸運」を表現する英語としては、”pennies from heaven” があります。

”Penny” は1セント硬貨のことで、”pennies” は複数の1セント硬貨、つまり小銭といった意味です。

”Pennies from heaven” は「天国から降ってきた小銭」、つまり「天から降ってきたちょっとした幸せ」や「思いがけない幸せ」といった意味になります。

特に自分で努力をしていないのに空から小銭が降ってくるという状況は、「棚から牡丹餅」の「棚の上から牡丹餅が落ちてくる」という状況となんだか似ていますよね。

また、”receiving a windfall” という言い方もあります。

”Windfall” という英単語は「思いがけず手に入れた収入や利益」「風に吹かれて落ちてきた果実」といった意味を持っています。”Receiving a windfall” はそういった利益を受け取るという意味になります。

まさに、「自分で努力したわけでもないのに、思いがけない利益を受け取る」=「棚から牡丹餅」という表現ですね。

二兎を追う者は一兎をも得ず

「二兎を追うものは一兎をも得ず」は、「欲張って二つのものを同時に得ようとすると、どちらも手に入れることができない」という意味のことわざです。

このことわざを英語で表現する場合、一つ目のやり方として直接的に同じような意味の英文を作るという方法があります。

If you run after two hares, you will catch neither.

二匹の野うさぎを追いかけると、どちらも捕まえることはできない。

=二兎を追うものは一兎をも得ず

もう少し間接的に同じような意味を表す二つ目の英語表現として、次のような言い方もあります。

fall between two stools

直訳:2つの椅子(スツール)の間に落ちる

”Stool”(スツール)は背もたれのない椅子を意味する単語で、この慣用表現は「2つの椅子から1つを選べずに事態が進んだ結果、どちらにも座ることが出来ず2つの椅子の間のスペースで尻もちをついてしまう」といった状況を表しています。

意味としては「2つのものから1つを選ばなかった結果、どちらも取れず失敗に終わる」という意味になります。「2つから1つを選べない」というニュアンスと「2つのうち両方を欲張って取ろうとする」というニュアンスに若干の違いはあるものの、意味するところは「二兎を追うものは一兎をも得ず」とほとんど同じですね。

Be careful not to fall between two stools.

二兎を追って一兎をも得ず、という結果にならないように気を付けてね。

猿も木から落ちる

「猿も木から落ちる」は、「どんな名人でも失敗することはある」という意味を表すことわざです。

英語では “Nobody’s perfect.” という表現がこのことわざと同じような意味を表します。

Nobody’s perfect.

完璧な人などいない。

=猿も木から落ちる

”Nobody” は「誰も~ない」、” ’s” は ”is” の省略形で、”perfect” は「完璧」という意味です。合わせると、「誰も完璧ではない」=「完璧な人はいない」=「誰でも失敗はする」という意味になります。シンプルで覚えやすいですね。

石の上にも三年

「石の上にも三年」は、継続することの大切さを説くことわざです。石のように冷たいものでも、長い年月座っていれば温まる、ということを表しています。

ちなみに「三年」というのは「ある程度の長い年月」を指していて、具体的な日数を指しているわけではありません。ある程度の期間、継続した努力をすることにより必ず変化は起こる、という意味を伝えているのがこのことわざです。

「石の上にも三年」は、英語にも同じようなことわざが存在します。

Even a stone will get warm if a person sits on it for three years.

たとえ石でも、人がその上に3年座れば温かくなる。

日本語の「石の上にも三年」と、全くと言っていいほど同じ言い回しですよね。意味としても、「座っていたら温かくなる」という所まで共通しています。

縁の下の力持ち

「縁の下の力持ち」は、「他人から見えないところで苦労や努力をし、貢献してくれる人やもの」を指すことわざです。

「縁の下」という表現は日本建築から来ているため、英語には対訳となる英単語がありません。そのため、「縁の下の力持ち」は、意味的な面から同じような意味をもつ英語表現を探すことになります。

①unsung hero

”Unsung” は「正当に評価されない、賞賛されない、褒め称えられることのない」という意味で、”unsung hero” は「賞賛されないヒーロー」という意味になります。

偉業を達成しているにも関わらず、人々にその名を称えられることのない人を示しているので、「縁の下の力持ち」である人を表すのにぴったりですね。

②power behind the scenes

”Behind the scenes” は「舞台裏」という意味。”Power behind the scenes” は直訳すると「舞台裏の力」となります。ライトを浴びる表舞台と違い、観客から目につかない場所で舞台を支える裏舞台の仕事というニュアンスなので、「縁の下の力持ち」が意味している内容とかなり近いといえますね。

転ばぬ先の杖

「転ばぬ先の杖」は、「転ばないうちから前もって準備してある杖」から転じて「転んでケガをしてから杖を用意しても遅い」=「万が一の失敗に備えて十分な準備をしておくべし」という意味を持つことわざです。

英語には「転ばぬ先の杖」と同じような意味をもつ表現として ”prevention is better than cure”(予防は治療に勝る)があります。

I'll take the medicine. Prevention is better than cure, right?

この薬を飲むことにするよ。転ばぬ先の杖だもんね。

花より団子

「花より団子」は「花を鑑賞するよりも団子を食べる方がよい」ということわざで、「外見よりも実利を重視すること」を表します。風流な趣きを理解しない人、という皮肉めいた意味が込められていることもあります。

団子は日本文化に属する食べ物なので、「花より団子」を英語で表現する際には直訳ではなく、意訳を目指すことになります。

英語には ”bread is better than the songs of birds.”(パンは鳥のさえずりよりもよい)という慣用句があり、これがまさに英語版の「花より団子」。

鳥の歌声は耳に美しく響きますが、お腹がいっぱいになるわけではありませんよね。どちらか選ぶのなら、お腹が満たされるパンの方がよい、という考えは「外見や見た目よりも、実利を選ぶ」という「花より団子」と同じです。

まとめ

日本の有名なことわざを英語で表現する方法についてご紹介してきました。

日本語と同じような英語表現ができるものもあれば、日本独自の言葉を使っているために、英語で表現するときには同じような意味の別の表現を使うものもありました。

ことわざの英訳をひとつのきっかけにして、英語表現のレパートリーを増やしていってくださいね!

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