心に刺さる!「胸熱」は英語でなんて言う?知ってたらすごい英語フレーズ

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「胸熱(むねあつ)」という言葉、使ったことありますか?「いつも使ってるよ」という人も、けっこういらっしゃるかもしれません。

胸熱とは「胸が熱くなる」、すなわち、何かに感動したり心打たれたりする様子を表しています。映画を見たり、小説を読んだり、ニュースを見たり、人の話を聞いたりして強く心を動かされた時などに使われます。「胸アツ」というようにカタカナ交じりで書かれることもあります。

元々はインターネット上で誕生し支持されてきたネットスラングですが、今ではネット上に限らず、日常会話でもよく耳にするようになっています。一種の日本語のスラングとして定着している言葉と言えるかもしれません。

「あのシーン、胸熱だったよね」「怒涛の胸熱展開だ」「こんな胸熱、あるある」「胸熱映画」「胸熱アニメ」「胸アツ応援上映」などといったフレーズもよく聞きますよね。さて、ではこの「胸熱」、英語ではどのように表現すればいいのでしょうか。

和英辞典・和英辞書で「胸熱」を引いてみても、少なくとも私の持っている辞書の範囲では、残念ながら項目が見当たりません。スラング的表現ですので、まだまだ辞書に掲載されるには至っていないようです。こんな時は、意味から考えて対応する英語表現を探しましょう。

ただし、注意すべきなのは、一言で「胸熱」と言っても、けっこうそのニュアンスが違う場合もあるということ。

例えば「胸熱」の類義語としては、「胸が熱くなる」「感動する」「感銘を受ける」「心動かされる」「心打たれる」「感激する」「テンションが上がる」「ホロっとくる」「じーんとくる」「心が高鳴る」「感極まる」「心の琴線に触れる」などが考えられます。では、どんな「胸熱」をどんな英語で表現すればいいのでしょうか?

今回は、さまざまな「胸熱」の英語表現・英語フレーズを、たくさんの例文を交えてご紹介していきたいと思います。各英語表現の意味・ニュアンスの違いや使い方についても詳しく解説していきます。

知ってたらきっと「スゴイ!」と思われる表現がたくさん登場しますよ。では始めましょう。

deeply moved

動詞「move」の基本的な意味は「動く」「動かす」などです。

そして、人や物を物理的に動かしたり移動させたりする時だけでなく、「心が動く」、つまり感動するといった意味でもよく使われます。

この場合、「be動詞(またはget)+moved」という受動態の形で使われることが多いです。「心が動かされた」など、「〜される、〜された」という「受け身」の意味ですね。

I was moved.
私は感動しました。

上の例文には、特に「心が」というような言葉は入っていませんが、これで「心が動かされた」=「感動した」といった意味になります。

これだけでも「胸熱な体験をした」という意味で使えますが、「胸熱」をもっと強調したければ、「深く」という意味の副詞「deeply」を組み合わせて「deeply moved」とするのがいいでしょう。

また、「胸熱」になった原因を示して「〜で胸熱」と表現したい場合は、「moved by〜」というように前置詞「by」を使うことが多いです。

I was deeply moved by many scenes in the movie.
その映画には胸熱シーンがたくさんあった。

受動態の場合が多いと書きましたが、上の例文は、次のように能動態で表現されることもあります。この場合の「move」は「感動させる」「胸熱にする」という意味になります。

Many scenes in the movie deeply moved me.
その映画の多くのシーンが私を胸熱にした。
She said she was deeply moved by the novel.
その小説、とっても胸熱だったと彼女が言ってたよ。
I was deeply moved to tears by the last episode of the TV drama.
あのテレビドラマの最終回は胸熱で涙してしまいました。

上の例文中の「moved to tears」は、「感動して涙を流す」といった意味です。

I’m looking forward to being deeply moved by the plot development of the next episode.
次回の胸熱な展開を楽しみにしています。

touched

「Moved」とともに、「感動した」という意味でよく使われるのが「touched」です。

動詞「touch」は「触る」「触れる」「タッチする」というのが基本的な意味ですが、人や物体に物理的に接触するだけでなく、「move」と同じように、「心に触る」=「感動を与える」といった意味でも使われます。日本語でも「心の琴線に触れる」といったフレーズがありますよね。

やはり「move」と同じように受動態「be動詞+touched」の形にして、

I was touched.
私は感動した。

といった形で使われることが多いです。

そしてこれを、状況に応じて「胸熱な体験をした」「胸熱だった」と訳すこともできるわけです。

また、「moved」と同じように、「deeply」(深く)を付け、「deeply touched」と強調して表現することもあります。

「〜に胸熱」というように胸熱の原因を示したい場合は、「moved」と同様、「by〜」で表現します。

「Moved」と「touched」はいずれも「胸熱」を表現できますが、この2つを比較した場合、同じ「胸熱」でも語感的には「touched」の方がやや繊細なニュアンスがあります。日本語でも「心を動かされた」と「心に触れられた」とで少し雰囲気が違いますよね。

I was touched by his kindness.
彼の親切さに胸熱。
She was touched by his genuine confession of love for her.
彼女は彼の誠実な愛の告白に胸熱だった。
Didn’t you get touched by the heroine’s words in that scene?
あのシーンのヒロインの言葉、胸熱だったよね?

surge of

「Surge」は名詞として使われる場合、「感情の高揚」「高ぶり」「急に高まること」といった意味を表します。

この「surge」と、「感じる」という意味の「feel」、そしてさまざまな感情を表す名詞を組み合わせると、以下のような表現ができます。

feel a surge of emotions 感情の高まりを感じる
feel a surge of happiness 幸せの高まりを感じる
feel a surge of excitement 興奮の高まりを感じる
feel a surge of pleasure 喜びの高まりを感じる
feel a surge of joy 喜びの高まりを感じる

これらはいずれも「胸熱」を表現したい時に使えます。どんな胸熱状態なのか、その具体的内容に応じて使い分けましょう。

I felt a surge of emotions when I first saw the face of my sister’s baby.
姉の赤ちゃんの顔を初めて見て、胸熱。
Our team won! I felt an overwhelming surge of happiness!
私たちのチームが勝った! 幸せいっぱいの胸熱状態!

上の例文に出てきた「overwhelm」は「圧倒する」「大いに驚かす」といった意味の動詞で、次のように、これだけでも「胸熱」を表現することもできます。

I was overwhelmed by the magnificence of the Taj Mahal.
タージ・マハールの荘厳さに私は胸熱でした。

teary-eyed

前出の例文の中に、「moved to tears」(感動して涙を流す)という表現がありましたが、この「teary-eyed」も感動などで「涙を流した状態の」という意味です。「胸熱」な状態を表現できる形容詞です。

実際に涙目になっている時はもちろん、文字通り涙を流していなくても、何かに心を打たれているという意味を表せます。

Everyone was teary-eyed listening to her story.
彼女の話を聞いて、みんな胸熱でした。
His sincerity made me teary-eyed.
彼の誠実さは、涙目になるくらい胸熱。

stir

動詞の「stir」は「かき混ぜる」「かき回す」といった意味でよく使われます。料理のレシピによく登場する「stir-fry」はフライパンなどで具材を「炒める」という意味ですね。

そこから派生して、「stir」は人の心を刺激したりする場合にも使われます。「move」や「touch」の同義語として「感動させる」「興奮させる」という意味を持っています。「胸熱」の表現として使えるわけです。

なお「stir」の過去形・過去分詞は「stirred」、現在分詞・動名詞は「stirring」です。「r」が重なるつづりに注意しましょう。

I was stirred by the teacher’s speech at the graduation ceremony.
卒業式での先生のスピーチが胸熱でした。
Weren’t you stirred by the unbelievable plot of the play?
劇の信じられない展開、胸熱だったよね?

pull at the heartstrings

日本語にも「心の琴線」という言葉がありますが、英語にも「heatstrings」という単語があります。「親愛・哀れみなどの深い感情」を意味します。

「Pull at the heartstrings」や「tug at the heartstrings」、あるいは「tear at the heartstrings」で「人の心を揺さぶる」といった意味になり、「胸熱」の英語表現として使えます。

なお、「the」のところには、「my」「your」「his」「her」といった所有格が入る場合もあります。

また、この表現の場合は、以下の例文のように、「胸熱の原因となるもの」が主語になることが多いです。

The movie pulls at the heartstrings.
その映画は胸熱です。
The song will always pull at everyone’s heartstrings.
その曲はいつもみんなを胸熱にする。

まとめ

いかがでしたか?今回は「胸熱」の、さまざまな英語表現を見てきました。

そもそも「胸熱」にはいろいろな状況が考えられるため、今回ご紹介した以外の英語表現もまだまだたくさん考えられます。例えば簡単な「I was excited.」(私は興奮した)という文でも、状況によっては「胸熱だった」と訳すこともできるでしょう。

日本語を英語にする際は、このように、さまざまな可能性があります。皆さんも、「この胸熱、どう表現できるかな」と、考えてみてください。そして、そのようにいろいろと考えてみることが、英語力全体の向上にもきっとつながっていくと思います。

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