みなさんは、英語の比喩表現を知っていますか?日本語にも比喩表現がたくさんあるように、英語にもさまざまなものを使った比喩表現があります。会話のなかで比喩表現を自然と使えるようになれば、表現の幅もぐっと一気に広がりますよね。
そこで今回の記事では、英語の比喩表現について、よく使うもの、色・動物・食べもの・スポーツを使ったものをご紹介します。ぜひ、日本語との類似や違いを楽しんでみてください。また、それぞれ例文とともに解説しますので、ぜひ例文を何度も口に出して練習してみてくださいね。
比喩とは
そもそも、「比喩(ひゆ)」とはどのようなものを指すのでしょうか?比喩は「何かをわかりやすく説明するために、別のものに言い換えて/たとえて表現する技法」です。
比喩には大きくわけて3つの種類があります。1つめは「直喩(ちょくゆ)」で、「リンゴのような頬」というように「~のように・ような」「まるで」といった言葉が使われるものを指します。比喩であることが明確にわかる表現です。
2つめは「隠喩(いんゆ)」です。「~のように・ような」「まるで」などの言葉を使わずに表現します。たとえば「人生はびっくり箱だ」という表現は「ような」「まるで」などの言葉がないため、比喩とはっきりわからない隠喩です。
3つめは「擬人法」です。人間でないものを人間にたとえる技法です。たとえば「太陽がほほえむ」という表現は、実際に太陽がほほえむことはありえませんが、人間がほほえむことにたとえた言い方です。
英語の比喩表現
日本語と同じように、英語にも比喩があります。「直喩」は英語では「simile(シミリー)」といいます。一方「隠喩」は英語では「metaphor(メタファー)」といいます。
英語の「直喩(simile)」は「like」や「as」を使ってたとえられます。日本語でも「ような」「まるで」などの言葉を使うため、イメージしやすいのではないでしょうか。たとえば「Life is like a journey.(人生は旅のようだ。)」などです。
英語の「隠喩(metaphor)」には、決まった形がありません。先ほどの例文から「like」を取り「Life is a journey.(人生は旅だ。)」と言っても隠喩になります。
また、英語でも擬人法は使われます。
なお、隠喩は決まった形がないため、自分でオリジナルの比喩表現を作ることもできます。ただし、相手に上手く伝わらない可能性もあるため、状況に応じて適切に補足説明をするなどの工夫が必要です。また、比喩表現ばかりを使うと文章がくどくなったり、わかりにくくなったりしますので注意が必要です。
よく使う比喩表現
それではさっそく、日常会話でよく使われる英語の比喩表現からご紹介していきます。
まずは「under the weather」というもの。これは「具合が悪い」「体調がすぐれない」という意味です。病気というほどの深刻さはないものの、少し体調が悪いときなどに使われます。
「night owl/early bird」は「(その人が)夜型(夜更かしをする人)/朝型だ(早起きをする人)」ということを表します。また「as cool as a cucumber」は「とても冷静な・落ち着き払った」という意味があります。
例文
She is a bit under the weather.
(彼女はちょっと体調が悪いです。)
My sister is a night owl. She always stays up late and plays video games.
(私の姉は夜型人間です。彼女はいつも遅くまで起きていて、ゲームをしています。)
I am an early bird. I like running around 6am.
(私は朝型人間です。6時ごろにランニングをするのが好きです。)
He is as cool as a cucumber.
(彼はとても冷静です。)
色を使った比喩表現
続いて、色を使った比喩をご紹介します。
まずは「青」。「feel blue」は「気分が落ち込む・へこむ」という意味です。日本語でも「ブルーな気持ちになる」ということがありますよね。また、それに関連して「blue Monday(憂鬱な月曜日)」という表現もあります。ほかにも「blue blood(貴族・王族の血統、上流階級、名門出身の)」という表現もあります。
次に「白」。「white lie」は「優しい嘘・誰も傷つけない嘘」という意味です。「go as white as a sheet」といえば「恐怖で(シーツのように)真っ青(白)になる」という意味になります。
また「赤」にも面白い表現があります。たとえば「see red」は「かっとなる・激怒する」という意味ですし、「red eye」は「夜行便(夜行便に乗ると寝不足で赤い目になることから)」という意味があります。
例文
I feel blue.
(気分が落ち込んでいます。)
I know that she’s got blue blood.
(彼女が上流階級だということは知っています。)
I had to tell a white lie to my boyfriend.
(私は彼に優しい嘘をつかなければなりませんでした。)
It is a red eye flight.
(夜行便です。)
Oh no, I made her see red.
(まずい、彼女を激怒させてしまいました。)
動物を使った比喩表現
動物を使った英語の比喩表現には、面白いものがいくつもあります。
たとえば、直接動物を使うものではありませんが「~is (like) a zoo」は「(動物園のように)人がごった返しているところ・雑然としたところ・めちゃくちゃなところ」という意味があります。
ほかにも、「I could eat a horse」は「(馬一頭を食べられるほど)腹ペコだ・すごくお腹が空いた」という意味です。
また「butterflies in my stomach」は「とても緊張している・ドキドキしている」という意味で、テストやプレゼンの前、恋をしているときなどにも使われます。
さらに「mama bear」という表現もあります。こちらは、熊が子どものために残忍になることから「過保護な女性・母親」という意味になります。
例文
This classroom is like a zoo.
(この教室はめちゃくちゃだ。)
I haven’t eaten anything since yesterday. I could eat a horse.
(昨日から何も食べていません。すごくお腹が空いています。)
Every time I saw him, I feel butterflies in my stomach.
(彼を見るといつもドキドキします。)
She’s definitely a mama bear.
(彼女は絶対に過保護な親です。)
食べ物を使った比喩表現
続いて、食べ物を使った比喩表現をご紹介します。
「as fluffy as cotton candy」は「綿あめ・綿菓子のようにふわふわ」という意味です。綿あめのイメージそのままなので、覚えやすいですよね。
また、「the apple of somebody's eye」は「(人)にとって非常に大切な人・もの」「かけがえのない人」「目に入れても痛くないほど愛しい人・もの」という意味です。ちょっと気に入っているものには使われず、溺愛している人や物に対して使われます。
さらに「as useful as a chocolate teapot」という皮肉がきいた表現も。「チョコレートでできたティーポットくらい役立つ=まったく役に立たない(チョコレートのティーポットにお湯を入れたらすぐに溶けてしまうことから)」という意味です。
例文
The clouds are as fluffy as cotton candy.
(雲は綿菓子のようにふわふわしています。)
My dog is the apple of my eye.
(私の犬は目に入れても痛くない存在です。)
This is as useful as a chocolate teapot!
(これはまったく役に立ちません!)
スポーツを使った比喩表現
最後に、スポーツを使った比喩表現をご紹介します。
「The ball’s in your court」はテニスが由来の表現。「あなた次第・あなたの責任」「あなたが決める番」という意味があります。
また、「par for the course」というゴルフ由来の表現も。これは「普通・あたりまえのこと」という意味があります。
例文
I did everything I could do for you. Now the ball’s in your court.
(私はできることをすべてしました。次はあなたが決める番ですよ。)
This ramen restaurant is very popular. Waiting in line is par for the course.
(このラーメン屋さんはとても任期があります。待つのはあたりまえのことです。)
まとめ
いかがでしたか?
今回は、英語の比喩表現について、色・動物・食べものなど、さまざまなものを使った表現を例文とともにご紹介しました。日本語でもたくさんの比喩表現があり、それを使いこなせると文章の魅力が増したり、表現の幅が広がったりしますよね。それは英語でも同じであり、今回ご紹介した比喩表現を自然に使えるようになれば、より英語でのコミュニケーションが楽しくなるはずです。ぜひ、この記事でご紹介した例文を何度も口に出して練習し、覚えて使ってみてくださいね。
今回ご紹介した比喩表現をそれぞれ適切なシーンで使い分けることができれば、より自分の英語での表現の幅が広がりますし、ネイティブスピーカーからも「お!この人はいろんな表現を知っているんだな」と思ってもらえるのではないでしょうか。
また、今回学んだ英語の比喩表現について、「もっと詳しく学習したい」「ネイティブスピーカーはどのようなときに使うのか聞いてみたい」という方は、ぜひネイティブキャンプのオンライン英会話レッスンを試してみてください!レッスンでは、ネイティブスピーカーの講師とマンツーマンで話すことができます。今回ご紹介した英語の比喩表現をさらに練習しても良いですし、英語と日本語の比喩表現の違いをディスカッションしてみるのも良いのではないでしょうか。ぜひ、みなさんの英語学習にレッスンをフル活用してくださいね。
◇経歴
新卒入社した会社ではオーストラリア人上司のもと働いた経験があります。
海外クライアントとのメールや電話でのやりとりは日常茶飯事でした。
現在はWebライターのほか、英日翻訳者としても仕事をしています。
◇資格
TOEIC、TOEFL、IELTSなどの受験経験あり
◇留学経験
学生時代、イギリスのハル大学に1か月半語学留学をしました。
◇海外渡航経験
学生時代にイギリス留学を経験したほか、アジアを中心にさまざまな国に旅行に行ったり、フィールドワークをしたりしました。
フィールドワークでは英語を使ってインタビューをした経験もあります。
2019年よりイギリス在住で、現在は毎日英語を使っています。
◇自己紹介
子どものころはアメリカ人の先生の英会話教室に通い、大学ではイギリス留学を経験、新卒入社した会社ではオーストラリア人上司を持つなど、英語とは色々な接点を持ってきました。
英語はもっぱらリーディングが得意で、毎日洋書を読んでいます。大学で経験したイギリス留学では、語学クラスでさまざまな国の留学生と交流しました。また、英語で大学の歴史の講義を受けたり、現地の小学校でのボランティア活動も行いました。
よろしくお願いします!
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.