日本の慣用句を英語で表現してみた!英語で説明する際の例文もご紹介します!

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会話の流れの中で、「それは知らぬが仏ってやつだね」とか「能ある鷹は爪を隠すって言うしね」というように、慣用句を使うことで、自分の考えを上手く表現できることがあります。

多くの人が共感できる状況を分かりやすく例えた慣用句は、意思の疎通にとても役に立ちますし、サラッと使えるとちょっと知的に見えたりしますよね。それを英語でもできるようになったら、カッコよくないですか?

今回の記事では、日本語ではおなじみの慣用句を、英語で表現・説明する方法を解説していきます。英語での会話でもそのまま使えますし、外国人の友達に「その慣用句ってどういう意味?」と聞かれたときに説明する方法もお教えします。たくさんの慣用句を身に付けて、ちょっとスマートに見える会話をできる様になりましょう!

慣用句とは

慣用句の英訳を見ていく前に、「慣用句」とはそもそも何なのかを少し学んでおきましょう。

慣用句の定義は、複数の辞書のデータをまとめたウェブサイト「Weblio」によると、慣用句の定義は「複数の単語を組み合わせて一個の定型的な表現として用いられる言い回しのこと。」とあります。

出典:「Weblio」https://www.weblio.jp/content/%E6%85%A3%E7%94%A8%E5%8F%A5

「定型的」とあるので、基本的にはいつも同じ形で使われます。これは英語の慣用表現も同じで、どの地域で、誰が使っても同じ単語を同じ順番で使ったフレーズになります。

1つの慣用句を覚えてしまえば、だいたい誰にでも通じるので、覚えがいがありますね。

代表的な慣用句の英語表現

それでは、ここから日本語でおなじみの慣用句の英語バージョン、および英語で説明する方法を解説していきます。

知らぬが仏

知らぬが仏は「本当のことを知らなければ、心を乱されずに仏のように落ち着いていられる」という意味の慣用句です。何も知らない人をあざける意味でも使われますね。

英語で同等のイディオムは”Ignorance is bliss”です。

ignoranceは「無知」、blissは「至福」。直訳すると「無知は至福」ですね。

では、「知らぬが仏」を英語で説明してみましょう。「知らぬが仏ってどういう意味?」と外国人の人に訊かれた時の対応です。

“Shiranu ga hotoke” translates to “Not knowing is Buddha”. If you don’t know something, you don’t even worry about it, and you can stay calm and happy like hotoke, which means Buddha. This idiom is usually used when you try to mock someone who has no idea what is happening.

井の中の蛙大海を知らず

「井の中の蛙大海を知らず」は、狭い見識や考え方、人間関係にとどまる人は、それが全てだと思い込んでしまい、外に広がる広い世界を理解できない、という意味の慣用句です。

ピッタリと同じ意味になる、英語のイディオムはありません。

一番近いものは” He that stays in the valley shall never get over the hill”です。直訳は「谷の中にとどまる者は決して山を越えることはない」になります。

ニュアンスは微妙に異なるかもしれませんが、大まかな意味はほとんど同じですね。

“I no naka no kawazu taikai wo shirazu” translates to “The frog in the well doesn’t know about the vast ocean”. When someone stays in the same circumstance, point of view, or relationship, he doesn’t get to see the world out of it and thinks he knows the entire world. In this idiom, that situation is compared to a frog in the well.

明日は明日の風が吹く

「明日は明日の風が吹く」は、未来のことを気にしても仕方がないので、明日のことは明日考えて、今日のことを全力で行いましょう、という意味の慣用句です。歌舞伎狂言作者の古河黙阿弥という人の名言だそうです。

「大切なのは今」という考え方は世界共通なようで、ちゃんと英語バージョンもあります。

Let tomorrow worry about itself (明日に明日の心配をさせよ)

もしくは

Tomorrow is another day (明日はまた別の日)

が最適な英訳でしょう。

“Ashita wa ashita no kaze ga fuku” translates to “The winds of tomorrow will blow tomorrow”. Saying this means that you don’t need to worry about tomorrow when today is not over yet. Otherwise, you would lose focus on the present time, which is the most important time in your life.

雨降って地固まる

「雨降って地固まる」とは、一見悪い影響を及ぼすと思われる事態が起こっても、それが終わると結果的にいい結果になった、という状況を、雨が降った後に水分を含んだ地面が固まり、より強固になる状態に例えた慣用句です。

困難が人を強くする、とか、大変なシチュエーションを経て誰かとの絆が強くなるという時に使われますね。

英語バージョンでは、”What doesn’t kill you makes you stronger” が適しているでしょう。

「あなたを殺さないものは、あなたを強くする」という直訳です。「死にさえしなければ、何でも肥やしになる」というニュアンスですね。

“Ame futte ji katamaru” translates to “After the rain, the earth becomes firm”. Like the earth after the rain, humans become stronger when they face challenges. Or when you experience difficulties with someone, you and that person get a stronger connection.

朝飯前

「朝飯前」は、朝ごはんを食べる前の元気がない状態でも問題なくこなせるくらい簡単であることを表す形容詞です。

これは聞いたことがある方も多いかもしれません。英語バージョンはpiece of cakeです。

なぜ「一切れのケーキ」が「簡単なタスク」を意味するようになったのかは諸説ありますが、有力なものは、南北戦争前後の黒人奴隷が行った「cake dance」です。

当時のパーティーで、一切れのケーキをかけて黒人奴隷たちがダンスを披露していました。それが「ダンスくらいで高級なケーキをもらえるなんて、なんて簡単なんだ」というところから出来たイディオムだと言われています。

“Asameshimae” translates to “Before breakfast”. This idiom is used when someone describes something fairly easy to accomplish, as you can do it even before you eat breakfast to get energy.

七転び八起き

「七転び八起き」は、七回倒されても、八回起き上がって挑戦を続けろ!という熱いメッセージのこもった慣用句ですね。

話が逸れますが、この「七転び八起き」という慣用句、「起き上がる数1回多くない?」という疑問を持ったことがあるかもしれません。7回倒れたのなら7回起き上がれば大丈夫ですからね。

実はこの言葉は仏教に由来しています。仏教では「人は生まれたときには倒れており、成長を重ねて立ち上がる」という考え方があります。そのため、1回倒れる前にすでに1回起き上がっているのです。そのため起き上がる回数が8回なんですね。

そんなことはさておき、英語では七転び八起きは”Don’t throw in the towel(タオルを投げ入れるな)”になります。

「タオルを投げ入れる」という行為は、ボクシングでは「ギブアップ」を意味します。「そんなことをするな!諦めるな!」という意味ですね。

“Nana korobi ya oki” translates to “Seven times fallen, eight times standing”, which simply means “Never give up”. It tells you that you have to get up and try again every time you get knocked down.

能ある鷹は爪を隠す

「能ある鷹は爪を隠す」は、高い能力を持った人ほど、それをひけらかさず隠す傾向にある、ということを意味した慣用句です。「たいした能力のない人に限って、他人より優れているように振る舞おうとする、という意味でも使われますね。

英語に直訳すると、”A hawk with skill hides its claws”となります。英語では同じ意味のイディオムとして” He who knows most says least”があります。

He who knows mostが主語です。「最もよく知るものが、最も無口である」という意味ですね。

“Nou aru taka wa tsume wo kakusu” translates to “A hawk with skill hides its claws”. Hawks tend to hide their claws when they hunt so that prey don’t raise their guards. The same applies to humans. If someone is more skillful than the other, that person doesn't try to act like he is superior. On the other hand, one with less skill always tries hard to look better than the other.

負けるが勝ち

「負けるが勝ち」は、無理に争い、多くを犠牲にして勝つよりも、争いを避けて相手に勝ちを譲ったほうが賢明である、という意味の慣用句です。勝負のしどころを間違えるなよ、という意味で使われますね。

英語では” He who fights and runs away lives to fight another day” という慣用句が対応しているでしょう。

「戦い逃げる者が、翌日に戦うために生き残る」という訳になります。無理に戦って命を落としてしまったら、もう戦うことはできないが、逃げても命さえあれば次の日にもう一度戦うことができる、ということです。

“Makeru ga kachi” translates to “Losing is winning”. It might not make sense, but it just means that you have to choose carefully when to use your energy to win the battle, and sometimes you need to decide to lose. Otherwise, you might waste your time and energy to win the more important battle.

馬鹿は死ななきゃ治らない

「馬鹿は死ななきゃ治らない」は、遠回しに「馬鹿は一生馬鹿で、治ることは無い」と言っている慣用表現です。

二代目広沢虎造という浪曲師が、「森の石松」という1937年の浪曲に登場して以来、日本語に定着しました。

英語だともっとストレートに、” Once a fool, always a fool(一度馬鹿だったら、ずっと馬鹿)”という言い方をしています。

“Baka wa shinanakya naoranai” translates to “Idiots will only be cured when they die”. It says that a fool is a fool forever, and there is no way to cure it in a roundabout way.

日本独特の慣用句

ここからは、英語表現が無い日本独特の慣用句を、英語で説明する方法を紹介していきます。

日本語を勉強している外国人の人が見たら、おそらく混乱するであろう表現ですね。

会わせる顔がない

1つ目は「会わせる顔が無い」です。意味を知らないと、「顔が無いってどういう状況?」と思われるでしょう。

“Awaseru kao ga nai” translates to “No face to expose”. You can use this phrase when you are uncomfortable seeing someone because you haven’t done something well enough, and you are ashamed of it. For example, if someone trusts you and lets you lead a project, and you fail and ruin everything, you might feel “awaseru kao ga nai” to that person.

頭に来る

「頭に来る」も、よく見てみると分かりづらい表現ですね。まず主語がないですし、「頭に来る?何が?どうして?」となるのは理解できます。

“Atama ni kuru” translates to “The head comes”. It might not make sense, but this idiom is commonly used when someone tries to express anger. It describes the situation where anger hits you and blood rushes to your head.

天下り

「天下り」は、一見すると宗教的で害のない表現に思えます。実際に、もともとの意味は「神様が天から地上に降りてくること」です。

この言葉を初めてみる外国人で、天下りを「官僚がコネを使い企業に再就職すること」という意味にとらえることができる人はいないでしょう。

“Amakudari” translates to “Descending from heaven”. It originally meant something spiritual. However, it’s more often used to describe the phenomenon in which government officials take a profitable job at a private company after their retirement.

相変わらず

「相変わらず」も、文字から意味を推測しづらい言葉でしょう。

「変わらない」というだけでなく、「これまでの状態と変わらず」という長期間の状態を説明する性質のある言葉です。

“Ai kawarazu” translates to “Together, unchanging”. It means “the same as ever” or “as usual”. It describes longer-term conditions, such as someone’s habits or routines. This phrase is also a common response to the question, “How are things going for you?”

まとめ

慣用表現は、状況や心情を手短に伝えるのに役に立ちます。1フレーズだけで伝わるので、自力で説明するよりも、自分にも相手にもストレスが少ないのです。

今回紹介したフレーズをたくさん覚えて、会話の中でサラッと使えば、コミュニケーションが1段階スムーズになるでしょう。ぜひこの記事を見返して、覚えてみてください。

また、このような表現をネイティブスピーカーから直接学びたいという方は、ネイティブキャンプがおススメです。

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