日本文化は梅と深い関わりをもち、日本人なら誰もが知っている梅。これを英語では何と表現するのでしょうか?海外で梅は一般的なのでしょうか?
この疑問を解決すべく、今回は、梅に関する英語表現をご紹介します。その他に、梅干しや梅酒などの英語表現も紹介します。あなたも是非海外のお友達に梅を使った英語表現を試してみてくださいね。
梅の英語表現
日本では、春になると梅の花が咲き、季節に彩りを与えてくれます。「梅」は梅干しや梅酒など、日本の食文化と切ってもきることができません。そのため、皆さんの中には、「梅」の原産地は日本だと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
諸説ありますが、実は、「梅」の原産地は中国で、和名の「梅(うめ)」の語源は中国語の「梅(メイ)」が転訛したと言われています。さらに、梅の実は中国から日本へ薬用の「烏梅(ウメイ)」として伝来し、その言葉がなまって「梅」になったとされる説があります。
こうした背景を聞くと、梅を英語で表現する場合、“Chinese apricot”と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、これは間違いで、日本の梅を説明しようと思って“Chinese apricot”と言ってしまうと、「中国のアンズ」「オレンジ色の大粒のアンズ」と勘違いされてしまいます。
この他に、梅を“Plum”と表現すると思われた方も多いのではないでしょうか。外国人にとって“Plum”は「西洋スモモ」を意味します。スモモでは、日本人が思う梅と少しイメージが異なりますね。
Plumを使って“Japanese Plum”と表現しても、日本の梅を意味しません。外国の方に日本の梅を紹介する時に“Japanese Plum”と使うと、「梅」という意味では受け取られず、日本特有のスモモという意味で伝わってしまいます。
ちなみに、“Plum”はプラムと発音しますが、この時L(エル)の発音には注意が必要です。特に日本人はL(エル)とR(アール)の発音が苦手とされています。“Plum”と同じような発音をする単語に“Prom”(プラム)があります。この単語は、アメリカの高校最終学年で開かれるダンスパーティーを意味します。R(アール)とL(エル)の発音の違いを出せるように、何度も声を出して練習してみましょう。
日本の「梅」は英語で表現すると、“Japanese apricot”や“Prunus mume”となります。以下では、“Japanese apricot”と“Prunus mume”について詳しく紹介していきます。皆さんも、「梅」の英語表現を一緒に覚えていきましょう。
Japanese apricot
日本の梅の正式な英語表現は“Japanese apricot”(発音:ジャパニーズアプリコット)です。Apricot(アプリコット)単独だと、「あんず」という意味で、オレンジ色の果物を表すので、apricotの前に“Japanese”を付けましょう。
しかし、“Japanese apricot”を使って日本の梅を説明しようとすると、日本の食文化に詳しい方だとすんなりと伝わりますが、一般的には伝わりにくいかもしれません。梅をJapanese apricotと表現する場合には、説明も付け加えてあげると親切でしょう。説明なしにこの単語を使うと、日本文化になじみのない方は、「日本特有のあんずがあるんだな」という理解にとどまってしまいます。
概要だけでも説明したい場合には、“Japanese apricot”を使うこともお勧めします。この単語は、梅の木と実の両方を表すことができます。特に梅の木を説明したい場合には、“a Japanese apricot tree”とtreeを加えて伝えます。また、梅の実を強調したい場合には、“a Japanese apricot fruit”とfruitを加えます。ちなみに、“Japanese apricot”を使って、「梅の花」を表したい時には、“Japanese apricot blossom”ということができます。
Prunus mume
Prunus mumeは「プルヌス ムメ」と発音します。これは、梅を学名で表す場合の単語で、日常的には使いません。百科事典や植物辞典などで記載される表現です。そのため、外国の方に梅を説明する時に“Prunus mume”を使っても、逆にそれは何のこと?と聞かれる可能性の方が高いでしょう。
梅の関連表現
日本には「梅干し」や「梅酒」など梅を使った食べ物が豊富にあります。メディアを通して、日本食文化が海外で紹介されていることから、海外でも梅を使った食品が販売されています。日本文化に興味がある海外の方が増える中で、あなたも海外の方に「梅」について海外の方に紹介してみましょう。
ここでは、「梅干し」や「梅酒」など梅の関連表現についてみていきます。1つの単語を学習する時に関連表現も同時に勉強すると、効率的に英単語を学ぶことができます。
梅干し
梅干しは英語で“salted plum”や“pickled plums”といいます。一般的に梅干しは“pickled plums”と表現しますが、pickleは漬物のことを意味するため、“pickled plums”と伝えると、「梅の漬物」を意味します。欧米でpickleと言えば、酢漬けを意味するため、「梅干し=塩漬けの梅」を伝えたい場合には、“salted plum” や“Japanese salt plums”と表現することをおすすめします。
最近では、海外YouTuberの「日本の梅干しを食べてみた!」という動画もたくさんアップされており、梅干しも海外で知名度をあげています。子どものころ、最初に梅干しを口にした時は日本人の私でも顔を歪めた記憶があります。そのため、海外の人が梅干しを最初に口にした時はその強い酸味に驚く方が多いでしょう。是非、あなたの海外のお友達にも「梅干し」を英語で紹介し、食べることを勧めてみてください。きっと、あなたのお友達も、梅干しの最初のインパクトには驚かれるでしょう。
梅酒
梅酒は英語で“ume liquor”や“plum liquor”、“plum wine”と表現されます。このほかにも、“ume wine”と言っても伝わるようです。梅酒はその甘さ、飲みやすさで海外でも特に女性に人気があります。梅酒を英語で紹介する時には、合わせて梅酒の味についても一緒に伝えると相手はより梅酒をイメージしやすいでしょう。梅酒を英語で紹介する時に、easy to drink(飲みやすい)、sweet(甘い)という表現は非常に便利です。
梅酒は程よく甘く、飲みやすいよ。だから、梅酒は特に女性におすすめだね!
さらに、梅酒の飲み方も同時にすると親切ですね。梅酒の飲み方を説明する際には、“as is”(そのまま)、“with ice”(氷を入れる)、“with soda”(ソーダ割り)、“with hot water”(お湯割り)という英語表現を使います。
もし、梅酒をそのまま飲むと、強いかもしれないよ
梅酒のソーダ割を試してみなよ!
梅酒のお湯割りを飲んだことある?とっても体を温めるよ!
梅の花
桜とともに梅の花は、日本の春を彩る花として海外で人気があります。海外で咲いている桜の中には、日本の代表的な桜「ソメイヨシノ」と品種が異なり、梅の花に似ているものもあります。これまでにも出てきたように、英語で梅の花を表す時に“Japanese apricot blossom”と言うことができます。この他に、“Plum blossom”や“Japanese plum blossom”と表現することができます。
完熟
梅を表す時に一緒に覚えておきたいのが、「完熟」という言葉です。日本ではしばしば、「完熟梅」と表現されますね。「完熟な」という形容詞は英語で“ripe”(ライプ)や“mature(マチュア)”と言います。“Ripe”にもR(アール)が入っているので、発音する時に注意が必要です。何度か声に出してR(アール)の音を練習してみましょう。
梅ジュース
梅ジュースを英語で表現する時には、“plum juice”や“ume juice”を使います。ちなみに、自分で作った梅ジュースを外国のお友達にプレゼントするときなどには「自家製」を意味するhomemade(ホームメイド)の単語を一緒に使ってみましょう。Homemade plum juice「自家製の梅ジュース」をプレゼントすると、外国のお友達は喜んでくれること間違いないでしょう。
日本語で「梅」が使われている単語
日本には、「梅」という漢字を使った単語がたくさんあります。その中でも、日常的に使う単語として、「梅雨」や「梅雨前線」、「塩梅」がありますね。これらの単語は英語でなんと表現するかご存じでしょうか?一緒にこれら単語の英語表現についてみていきましょう。「梅雨」は英語で“rainy season”や“wet season”と言います。しかし、実際には“rainy season”は雨季を表し、「梅雨」を正確に表す言葉ではないようです。“Wet season”はじめじめした季節を表します。そのため、梅雨特有のじめじめ感を伝える際には、適している表現と言えるでしょう。
このようにみると、「梅雨」を表す英語表現は存在していますが、「梅雨」を正確に伝える英語表現は見当たりません。「梅雨」の季節は世界でも、日本や台湾など東アジアのみで存在します。こうした理由から、「梅雨」を正確に表現する英語がないのかもしれませんね。英語で「梅雨」という時には、「梅雨」の説明も一緒に伝えてあげると親切でしょう。
梅雨時期に天気予報をみると出てくるのが「梅雨前線」。「梅雨前線」は英語で“seasonal rain front”と表現します。Front(発音:フロント)は「前」、「表」に加え、「前線」という意味があります。1つの英語表現を分解してみても、新たな英単語の意味を知るきっかけとなりますね。
最後に、「梅」が使われている単語として、「塩梅」の英語表現をご紹介します。「塩梅」(読み:あんばい)だけではあまり使われないかもしれませんが、「良い塩梅」というフレーズは時折耳にすることがあるのではないでしょうか。「良い塩梅」とは物事がちょうどいいことを表す際に使われます。「良い塩梅」を表す英語表現として、“A good balance”が一番マッチするでしょう。このほかに、“Leave it up to you”も「良い塩梅」を表す表現として使うことができます。皆さんも是非、“It’s a good balance”と言うように「良い塩梅」と言ってみてくださいね。
まとめ
今回は、梅の英語表現についてみてきました。さらに、梅に関連する英語表現についても紹介しました。私たちが日本で何気に接しているものでも、「英語で表現するとなんと表現するのだろう」といった少しの疑問を持つことで、あなたの英単語の幅がグッと広がるでしょう。
今回は「梅」をテーマに解説してきましたが、あなたが聞いたことがある「梅」の英語表現が紹介されていましたか?「どれも初めてみた英語表現だった!」という方は、英単語の力を上げるチャンスです!ぜひ、この記事で覚えた表現を使って、「梅」を紹介してみてくださいね。
◇経歴
元大学研究員
児童英語教師
マーケティングライター
英語学習ライター
◇資格
TOEIC 825点
IELTS 6.5
◇海外渡航経験
幼少時代より海外に興味を持っており、いつか留学がしたいと思い学生時代から英語学習に力を入れていました。初めての海外旅行はグアムへ行き、海外のスーパーに魅了されたことを覚えています。就職後も留学へのあこがれが消えず、オーストラリアの大学院へ留学を果たしました。
◇自己紹介
満を持して行ったオーストラリア留学では、最初の数か月間はネイティブオーストラリア英語に苦しめられ、もがき苦しむ日々でした。しかし、とにかく伝えることをモットーに積極的に現地の方とコミュニケーションをとっていきました。その後、現地にも慣れたころから、文法や単語の使い方にも注意しようと決め、コツコツと英語学習に取り組んできました。英語を習得すると、自身の視野や行動範囲をグッと広げることができます。英語を使って「これまで見たことがない」「知らなかったこと」に一緒に出会っていきましょう!
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.